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歯石取りにかかる値段はいくら?保険適用と自由診療の場合に分けて詳しく解説!

歯石取りにかかる値段はいくら?保険適用と自由診療の場合に分けて詳しく解説!

歯石取りの値段は、保険適用の有無によって大きく異なります。保険適用される場合と自由診療となる場合の料金体系を理解することは、計画的に口内ケアするうえでとても重要です。
本記事では、歯石取りにかかる値段はいくらなのかについて解説します。

  • 歯石を放置するとどうなる?
  • 歯石取りの治療回数
  • 歯石取りにかかる値段

歯石取りにかかる値段はいくらなのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

歯石について

歯石について

歯石は口腔内で細菌性の歯垢(プラーク)が長期間蓄積されて硬化したもので、以下のプロセスによって形成されます。

  1. 歯垢の形成:食べ物や飲み物の摂取により、口腔内には歯垢と呼ばれる粘膜状の物質が形成されます。歯垢は歯の表面に付着しやすく、なかでも歯と歯茎の境目や歯の隙間にたまりやすいとされています。
  2. 歯垢中の細菌:歯垢には数千種類の細菌が含まれているといわれています。この細菌は糖分をエネルギー源として利用し、酸を産生します。
  3. 酸による歯の溶解:歯垢中の細菌が産生する酸によって、エナメル質と呼ばれている歯の硬い表面が溶解されます。これを脱灰(だっかい)と呼びます。
  4. カルシウムの沈着:唾液にはカルシウムなどのミネラルが含まれています。脱灰によって溶解したエナメル質の表面にこれらのミネラルが沈着し、硬化していきます。
  5. 歯石の形成:歯垢が細菌によってエナメル質の溶解とミネラルの沈着が繰り返されると、硬化した歯石が形成されます。歯石は歯垢よりも硬く、歯に定着しやすい特性があります。

このようにして、不十分な歯磨きや口腔衛生管理が不十分な場合に、歯石が形成されます。歯周病や口臭の原因にもなるため、定期的な歯科検診や適切な歯磨きが重要です。

歯石を放置するとどうなる?

歯石を放置するとどうなる?

歯石を放置するとどのような症状が現れるのでしょうか?主な症状を以下で解説します。

歯茎に炎症が起こる

歯石を放置すると、歯肉の炎症が起こります。歯肉が炎症を起こすと、初期では歯肉の色がピンクから赤に変わり、やがて歯肉がやわらかくなります。歯磨きの際にたびたび出血するなどの症状が現れるでしょう。さらに炎症が進行すると、歯肉の出血や腫れだけでなく、歯肉が下がって象牙質が露出することで知覚過敏になることもあります。

放置すればするほど、症状は進行し、歯周病のリスクも高まるため、歯石が見つかったら早めに歯科医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

口臭が強くなる

歯石を放置すると、口腔内の細菌が繁殖し、食べかすなどを分解する際に特有のガスが発生し、口臭の原因となります。特に注意が必要なのが歯周病菌で、歯石や歯周ポケット内で繁殖した歯周病菌は、腐った玉ねぎのような強烈な臭いを生み出すことがあります。
このような口臭は、自覚症状がなくても周囲の人に不快感を与える可能性があるため、歯石は放置せずに定期的に歯科医院で取り除くことが重要です。
口臭が気になる場合は、歯石だけでなく、歯周病やほかの口腔疾患の可能性も考えられるため、歯科医に相談することが大切です。

歯周病やむし歯になりやすくなる

歯石を放置すると、歯周病やむし歯を発症するリスクが高まります。歯石が歯と歯茎の接合部や歯周ポケット内に蓄積すると、そこが歯周病菌の繁殖地となり、歯周病が進行し、歯茎の腫れや歯磨きした際の出血などの症状を生じさせます。
また、歯石はむし菌の温床となり、歯垢と組み合わさってむし歯の原因となり、放置することでむし歯が進行し、歯の組織が侵食される可能性があります。
歯石を無視すると、むし歯や歯周病のリスクが高まり、歯の健康に深刻な影響を与える可能性があるため、歯石の除去や歯科医の定期的な診察は、歯の健康を保つために重要です。

歯科医院で歯石取りを行う理由

歯科医院で歯石取りを行う理由

なぜ歯科医院で歯石取りを行った方がいいのでしょうか?その理由を以下で見ていきましょう。

歯石の除去が難しい

通常の歯磨きでは取り除けない歯石は、歯科医院での処置が必要です。歯垢は歯磨きで落とせますが、歯石になると歯科医院の専用の器具でないと除去できません。歯科医院では、超音波を使ったスケーリングを行っています。歯石が少ないうちに取り除けば、出血や歯の炎症が少なく、痛みも軽減されます。さらに、定期的な歯石除去で来院回数を抑え、歯と歯茎の健康を維持できます。
このように、普段の歯磨きで落とせない歯石を除去するためには、歯科医院で歯石取りをしてもらうことが推奨されています。

歯や歯茎を傷つけないため

歯科医院での歯石取りは、歯や歯茎を傷つけないためにも重要です。歯科医院での処置は、適切な器具と手順を用いて行いますが、自己処理では歯や歯茎にダメージを与える危険性が高まり、滅菌されていない器具を使用することで感染症のリスクもあります。
そのため、超音波スケーラーのような専門的な器具であっても、自宅での使用は避けることが大切です。

歯石取りの治療回数

歯石取りの治療回数

歯石取りには、どのくらいの治療回数が必要になるのでしょうか?進行度別の治療回数を詳しく解説します。

歯肉炎

歯肉炎は歯垢や歯石が歯茎に溜まり炎症を引き起こす状態であり、これが繰り返されると歯周病へと進行する可能性があるため、適切な歯石取りが必要です。歯肉炎の状態であれば、歯石取りの治療はほとんどの場合は1回で行われます。
歯肉炎の歯石取りの主な手順は、以下の通りです。

  1. 初診の診察と診断:歯科医が口腔内の状態を確認し、歯肉の炎症の程度を評価します。
  2. 超音波スケーラーによる歯石除去:超音波スケーラーを使用して、歯と歯茎の間に溜まった大きな歯石を効率的に除去します。
  3. 手用スケーラーでの細かな歯石の除去:超音波スケーラーでは取り除けなかった細かい歯石や歯垢を、手用スケーラーを使って丁寧に取り除きます。
  4. ポリッシング(研磨):歯の表面を専用の研磨剤で磨き、滑らかにして再付着を防ぎます。
  5. 口腔衛生指導:歯科医師または歯科衛生士が、日常の歯磨き方法やデンタルフロスの使用方法を指導します。
  6. 定期的なフォローアップと再評価:歯肉炎の改善状況を確認し、必要に応じて追加治療を行います。

この手順は、歯周病の進行を防ぐために重要です。

軽度歯周炎

軽度の歯周炎は歯垢が歯周ポケット内に溜まり、歯肉の腫れが進行し、歯周病菌が歯周組織に侵入する状態です。この状態では、歯石を取るための通院回数は1回から3回程度とされています。
軽度の歯周炎の歯石取りは、以下の手順で進められます。

  1. 診断と初期評価:歯科医師が口腔内を検査し、歯周ポケットの深さを測定して歯周病の程度を評価します。
  2. 超音波スケーリング:超音波スケーラーを使用して、歯肉の上部にある歯石を除去します。
  3. ルートプレーニングの実施:歯周ポケット内部の歯垢と縁下歯石を取り除くために、ルートプレーニング(根面平滑化)と呼ばれる処置を行います。この手技で歯根を滑らかにし、細菌の付着を防ぎます。
  4. 歯面のポリッシング:歯の表面を専用の研磨剤で磨き上げ、滑らかにすることで、将来的な歯垢の再付着を防ぎます。
  5. 口腔衛生指導:患者さんに対して、適切な歯磨き方法やデンタルフロスの使用方法など口腔ケアのアドバイスを行います。
  6. 定期的なフォローアップ:治療後の経過観察として、定期的に歯科診察を受けることを推奨します。

これらの手順を通じて、軽度の歯周炎は適切に治療され、炎症の抑制と歯肉の健康の回復が期待できます。

中等度歯周炎

中等度の歯周炎では、歯周ポケットが深くなり、歯のグラつきも出てくる状態です。この段階では、通院回数は1回から6回に及びますが、3回から6回の歯石取りが推奨されます。
中等度の歯周炎の歯石取りの手順は、以下のように行われます。

  1. 詳細な口腔検査と診断:歯科医師が歯周ポケットの深さを詳しく測定し、歯のグラつきの程度を評価します。
  2. ルートプレーニングの実施:根面平滑化を行い、歯周ポケット内の歯垢と縁下歯石を取り除くためのルートプレーニングを実施します。この処置により、歯根が滑らかになり、細菌の再付着を防ぎます。
  3. 超音波スケーリング:超音波スケーラーを使用して、アクセスしやすい歯石を効率的に除去します。
  4. 歯周外科的処置の検討:ルートプレーニングや超音波スケーリングだけでは取り除けない深部の歯石や進行した歯周病変に対して、歯周外科的処置が必要な場合があります。これにはフラップ手術が含まれることもあります。
  5. ポリッシング(研磨):歯の表面を研磨し、滑らかにすることで、歯垢の再付着を防ぎます。
  6. 口腔衛生教育:歯磨き方法やデンタルフロスの使用など、日常の口腔ケアについて指導します。
  7. 定期的なフォローアップ:治療後の経過を観察し、必要に応じて追加の治療を行います。

これらの手順を通じて、中等度の歯周炎は適切に管理され、歯の安定と健康な歯肉の維持に寄与します。

重度歯周炎

重度の歯周炎は、歯槽骨が半分以上破壊され、歯がグラグラするほど進行した状態です。この段階では、歯石と歯垢を徹底的に除去するために、通院回数(歯石取りにかかる回数)が多くなる場合もあるので、5回から7回の専門的なクリーニングが必要です。
重度の歯周炎の歯石取りは、以下の手順に従って行われます。

  1. 包括的な診断と評価:歯科医師が歯槽骨の破壊の程度を含む、詳細な口腔検査を行います。これにはX線撮影が含まれることもあります。
  2. 専門的なクリーニング:5回から7回の専門的なクリーニングを通じて、歯石と歯垢を徹底的に除去します。これにはルートプレーニングやスケーリングが含まれます。
  3. 歯周外科的治療の検討:進行した症例では歯周外科的処置が必要になることがあり、これにはフラップ手術や再生療法が含まれることがあります。
  4. 抜歯の検討:高度に破壊された歯槽骨とグラグラする歯に対して抜歯が選択されることもあります。
  5. 歯面のポリッシング:歯の表面を滑らかにし、歯垢の再付着を防ぐためのポリッシングを行います。
  6. 正しい歯磨きの指導:歯科衛生士が正しい歯磨き方法を指導し、患者さんの日常の口腔ケアをサポートします。
  7. 定期的なフォローアップと再評価:定期的な訪問を通じて治療の進行状況を評価し、必要に応じて追加治療を行います。

これらの手順を通じて、重度の歯周炎は適切に管理され、炎症の抑制と歯茎の健康の回復が期待できます。治療の回数と方法は個々の病状により異なるため、歯科医師の指示に従い適切なケアを受けることが重要です。

歯石取りにかかる値段

歯石取りにかかる値段

歯石取りにかかる値段は、保険適用する場合と自由診療の場合によって大きく異なります。それぞれの値段について、以下で解説します。

保険適用の場合

保険適用で歯石取りを行う場合、自己負担額は3割で、3,000円から4,000円が相場となります。歯石除去、清掃、検査(レントゲン撮影など)を含めた費用は、4,000円程度になります。
保険診療では、むし歯や歯周病の治療の一環として歯石取りが行われるため、この費用にはむし歯や歯周病の検査、必要に応じたレントゲン撮影の料金も含まれます。
お口の中の状態により、費用に若干の差が生じることもありますが、これらの検査と治療を総合的に含めた価格設定となっています。

自由診療の場合

自由診療での歯石除去は、保険診療と異なり料金が歯科医院ごとに設定されるため、1回あたり7,000円から20,000円程度とされています。各クリニックが独自の治療法や使用する材料、専門技術に基づいて料金を定めているため、価格の幅が生じるとされています。 また、自由診療では患者さんの口腔状態に合わせてカスタマイズされた治療が受けられるため、治療内容によって費用が左右されることもあります。 そのため、自由診療を希望する場合は、事前に各歯科医院のホームページで料金や提供されるサービスを確認することが重要です。

まとめ

まとめ

ここまで歯石取りにかかる値段はいくらなのかについてお伝えしてきました。歯石取りにかかる値段はいくらなのかの要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯石を放置すると、歯肉炎、口臭、歯周病、むし歯などのリスクが高まり、歯肉は赤く腫れ、口臭が強くなって、歯周病菌が繁殖しやすくなるため、定期的な歯科診療と歯石除去が重要
  • 歯石取りは歯周病の進行度に応じて異なり、歯肉炎ではほとんどの場合は1回、軽度歯周炎では1回から3回、中等度歯周炎では3回から6回、重度歯周炎では通院回数(歯石取りにかかる回数)が多くなる場合もあるので5回から7回の治療が必要
  • 歯石取りの費用は、保険適用されたときは4,000円程度で、自由診療では1回あたり約7,000円から20,000円程度と幅広く、クリニックの治療法や材料によって異なるが、適切な治療選択のため、事前に料金やサービスを確認することが重要

歯石取りの治療費は、保険適用の場合と自由診療の場合で大きく異なるため、患者さんのニーズや求める治療の質に合わせて選択しましょう。治療前には必ず歯科医院と費用について相談し、自分に合った適切な治療計画を立てることが重要です。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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