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歯医者のメンテナンスの内容は?メンテナンスのメリット・デメリット、頻度や費用も解説

歯医者のメンテナンスの内容は?メンテナンスのメリット・デメリット、頻度や費用も解説

歯医者は、歯が痛い、以前に詰めた詰め物が外れたなどトラブルがあってから行くものだと思っている方も少なくないのではないでしょうか。

定期的に歯医者に通いメンテナンスを受けることにより、むし歯や歯周病を予防し、お口の健康を維持できます。

歯のメンテナンスとはどのような内容なのか、受けることのメリット・デメリットを解説します。

またメンテナンスの頻度、保険適用でメンテナンスを受けることができるのか、その費用についても説明しています。

歯医者に苦手意識のある方もいらっしゃるでしょう。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

歯医者のメンテナンスの内容

ブラッシング指導

メンテナンスで行われる内容を教えてください。
歯医者のメンテナンスでは、以下の内容が行われます。
  • 歯周精密検査(エックス線検査、歯周ポケットの測定、動揺度の検査)
  • 歯磨き方法の確認(歯磨き指導)
  • 噛み合わせのチェック
  • 義歯や修復物の状態
  • 生活習慣指導
  • 歯石や歯垢の除去、クリーニング
  • フッ素塗布など

歯みがきが不十分であれば歯磨き指導も行います。歯並びや歯茎の状態は患者さんひとりひとり違うため、患者さんに合わせた歯磨き方法の指導です。また、専用の器具を使って歯石や歯垢を除去し、さらに歯の表面を磨き歯垢がつきにくくします。

歯医者のメンテナンスのメリットを教えてください。
歯の治療終了後に定期的に歯医者で受診し、専門的なクリーニングを行うことが、歯医者のメンテナンスです。定期的なメンテナンスで、歯垢や歯石の除去をし歯周病の再発を予防し、お口の健康を維持できます。専門的なクリーニングだけでなく、セルフケアの方法や歯磨き指導も受けることができます。ほかには、おやつやジュースなどの取り方、飲食物の影響などの生活習慣指導などです。これにより自分自身の歯のメンテナンスに対する意識も高まるでしょう。
歯医者のメンテナンスにデメリットはありますか?
歯のクリーニングや歯周ポケットの測定時に歯茎から出血することがあります。歯石取りの際に歯がしみる知覚過敏が発症することもあります。ほとんどが数日で治りますが、症状が続く場合は歯医者で相談してください。また、歯医者のメンテナンスは定期的に行う必要があるため、数ヵ月に1回時間を確保する必要があり、費用もかかることがデメリットです。
毎日の歯磨きやセルフケアだけでは不十分でしょうか?
歯垢は、毎日の歯磨きやセルフケアで、ある程度除去できます。しかし、深い歯周ポケットや歯並びの悪いところはセルフケアだけでは除去できません。歯医者で専門家が行う歯の清掃をPMTCといいます。PMTCはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略です。歯科医師・歯科衛生士で特別な訓練を受けた専門家により、専用機器とフッ化物入りペースト状研磨剤を使用して、セルフケアで落とせない歯石や磨き残した歯垢を除去し歯面の清掃を行います。PMTCにより、むし歯や歯周病になりにくい環境を維持します。セルフケアと歯医者での専門的ケアの両立が大切です。セルフケアやメンテナンスを怠ると細菌の活動が活発になり歯垢や歯石がつきやすく歯周ポケットが深くなり、歯周病の再発が起こりやすくなります。また、セルフケアではプラークコントロールが難しい部分(歯と歯の間・奥歯の後ろ側・矯正装置装着部・歯周ポケット・歯並びの悪いところなど)は定期的に専門家にケアしてもらいましょう。

歯医者のメンテナンスの頻度や流れ

メンテナンスはどのくらいの頻度で受けるのがよいですか?
メンテナンスは、3〜6ヵ月ごとの頻度で受けるのがよいとされています。治療前の状態が悪い場合や歯磨きがうまくできない場合は、もっと短い間隔で受けるように勧められる場合もあります。歯周病などがなくセルフケアも上手にできる場合は、6ヵ月ごとの定期健診も可能です。状態により頻度が変わるので、歯科医師と相談して決めましょう。
メンテナンスの流れを教えてください。
メンテナンスは、まず歯の状態のチェックから始まります。
  • 歯磨きの状態、プラーク(歯垢)チェック
  • 歯茎の状態
  • 歯周ポケットの深さ
  • 出血
  • 歯の揺れ
  • 噛み合わせ
  • 義歯や修復物(詰め物)の状態

チェック後、歯磨きがうまくできていない場合は歯磨き指導を行い、歯のクリーニングを以下の流れで行います。

  • セルフケアでは難しい歯と歯の間の清掃や歯垢・歯石の除去(スケーリング)
  • 歯の表面の研磨(ポリッシング)
  • フッ素塗布

以上の流れで終了となることが一般的です。歯垢が石灰化すると歯石になります。歯石は歯磨きでは取り除くことができないため、歯医者でスケーラーという器具を使って取り除きます。スケーリングにはいくつかの方法があり、手で行うものや機械で行うエアスケーラー・超音波スケーラーなどです。歯面清掃は、歯肉縁下3ミリ程度まで清掃が可能です。プラークを染色し付着部分を確認しフッ化物入りペーストと回転式器具を用いて歯の表面を研磨します。研磨粒子の大きいペーストでプラークや着色を除去し、最終的な仕上げで使用されるのは粒子の小さいペーストです。また、噛み合わせに問題がある場合や義歯や修復物に破損がある場合は、メンテナンスだけでなく治療も行います。

メンテナンスを受けるうえで注意点があれば教えてください。
メンテナンスを受ける前に、自分で歯磨きをしていくとよいでしょう。そうすることで歯磨きの状態をチェックしてもらうことができます。メンテナンス直後は、フッ素塗布をしていることから30分は飲食を控えます。また、クリーニング直後は着色が付きやすい状態です。できるだけ色素の濃い飲食物は避けましょう。カレーやコーヒー・ワイン・お茶などです。酸性の飲食物も歯のエナメル質を溶かす可能性があるため控えましょう。

歯医者のメンテナンスの費用

歯医者の領収書

メンテナンスには保険が適用されますか?
日本では、海外に比べ予防治療に対する認知が低い状態です。健康保険は、通常、病気やケガに対して適用されます。予防に対して保険は適用されず自由診療になるのが一般的です。しかし、2020年4月から定期的な歯のメンテナンスが保険適用になりました。一部の治療は自由診療となるものもありますが、予防治療も保険適用により身近に受けられるようになっています。
メンテナンスの費用相場を教えてください。
保険適用で定期的にメンテナンスを受ける費用相場は、3割負担の方で3,000円程度です。定期的にメンテナンスを受けることにより歯を健康な状態で保つことができれば、保険治療の費用のみで済みます。むし歯や歯周病の状態がひどくなる程、自由診療の治療など費用が高額になることがあります。定期的にメンテナンスを受けて歯の状態を健康に保つことが、結果的に費用も多くかからずに済むかもしれません。
メンテナンスを受ける歯医者の選び方を教えてください。
口腔管理体制強化加算の認定を受けている歯医者で、メンテナンスを保険適用で受けられます。むし歯や歯周病を予防を目的として厚生労働省が定めた制度です。この基準を満たすために、研修や経験などの要件が歯医者に求められます。口腔管理体制強化加算の認定を受けている歯医者で、定期的に歯のメンテナンスを受けることにより、自分の歯を健康な状態で維持できるでしょう。

編集部まとめ

歯ブラシを持つ女性医療従事者

歯医者でのメンテナンスは、お口の健康を維持するためにとても大切です。

メンテナンスの内容は、歯と歯茎の状態の検査と、セルフケアでは難しい歯と歯の間の清掃・歯垢・歯石の除去・歯の表面の研磨を行う専門的なクリーニングです。

セルフケアと専門的なクリーニングの両立で、健康な歯を維持できます。

メンテナンスは、一部の治療をのぞいて保険適用で受けることができます。メンテナンスを受ける歯医者選びも大切です。

定期的なメンテナンス・歯のクリーニングを受けると、セルフケアや生活習慣のポイントも指導してくれるので、自分の歯への意識も高まります。

正しい歯磨き方法、おやつやジュースなどの取り方も普段から意識して行いましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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