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総入れ歯で後悔しないためには?部分入れ歯との違いや注意点について解説

総入れ歯で後悔しないためには?部分入れ歯との違いや注意点について解説

総入れ歯を検討しているのなら、後悔だけは避けたいものです。歯やお口の中のコンディションは人間に多大な影響を与え、生活の質にも大きく関わっているからです。

そのため、治療方法の選択から入れ歯治療を依頼する歯科医師選びまで、慎重に行う必要があるでしょう。

総入れ歯にした場合に起こりうる事象から治療を受ける際に気をつけるべきこと、費用の目安や治療方法の選択肢まで、以下で解説します。

総入れ歯で後悔しないために

歯が痛くて後悔する

総入れ歯で後悔するケースを教えてください
総入れ歯にした方のなかには、以下のようなことで悩んでいるケースが見られます。
  • 入れ歯が外れるときがあって、外れないかといつも心配になる
  • 入れ歯が痛い
  • うまく噛めない
  • 顔つきが変わってしまった
  • うまくしゃべれなくなった
  • 好きな食べ物が変わってしまった
  • 入れ歯がにおうことがある
  • よく聞き取れないと言われる

このような悩みがあるため、総入れ歯にしたことを後悔する方も少なくありません。

総入れ歯にする際の歯医者の選び方はありますか?
まず第一に、問診をしっかりしてくれて、充分な説明から始めてくれる歯科医師であることが大切です。そのうえで、入れ歯の選択肢を多く持っていることも重要でしょう。
入れ歯には保険適用のものと自費のものがあります。どちらにも対応し、複数の種類を扱える医院ならご自身に適した入れ歯を作れます。歯科医師を判断する基準として、学会やスタディーグループに属しているか否かもひとつの目安になるでしょう。
さらに重要なのは、歯科技工士と密な連携が取れていることです。実際に入れ歯を作成するのは歯科技工士なので、歯科医師と歯科技工士の連携の如何が、入れ歯の仕上がりを大きく左右します。
アフターケアがすぐれている医院であることも大切です。定期検診などをしっかりと案内し、入れ歯を作った後のケアもしてくれる歯科医師を選んでください。
総入れ歯に向いている人を教えてください
総入れ歯はすべての歯が抜けている方のための治療です。歯茎がしっかりしている方は総入れ歯が入れやすく、治療が成功しやすくなります。噛み合わせがよい、噛む力が強すぎない、唾液の量が少なすぎない方も総入れ歯が安定しやすいです。
また、総入れ歯はお口の中にある程度大きなものをはめこむので多少違和感が生じるため、細かいことは気にしない、あまり神経質でない方が向いています。

総入れ歯と部分入れ歯の違い

歯が痛い男性

総入れ歯と部分入れ歯との違いを教えてください
部分入れ歯はご自分の歯が残っている方のための治療で、残っている歯に針金をかけることで安定させます。1本のみ歯を失った方から、1本のみ自分の歯が残っている方までが対象です。
一方総入れ歯はすべての歯を失った方への治療となり、残った歯に針金を着けられないため、基本的には歯茎と入れ歯の吸着作用で維持させます。総入れ歯にするとそれまでのご自分の噛み合わせとはまったく違った噛み合わせとなり、慣れるまで時間がかかることがあります。上下の前歯同士を噛ませるのが難しくなるため、前歯でものを噛み切るのが困難になるでしょう。
また、総入れ歯では部分入れ歯より見た目が重要となるので、作成の際に形態、色、位置をよく検討しなくてはなりません。歯を置く位置が悪いと、くぼんだ顔になってしまうので注意が必要です。
総入れ歯と部分入れ歯の費用の違いについて教えてください
部分入れ歯は歯の本数や位置によって金額が変わります。また、部分入れ歯よりは総入れ歯のほうが費用はかかりますが、保険適用では金額相場はあまり変わらず、総入れ歯の方が極端に高くなることはありません。
しかし自費の入れ歯の場合は両者の費用差が大きくなります。
治療方法の選び方を教えてください
歯を失った場合には、入れ歯・ブリッジ・インプラントといった治療方法が考えられます。入れ歯とブリッジは保険が適用でき、その場合は費用が抑えられます。歯を削りたくない人には入れ歯が勧められるでしょう。
失った歯が少数で、残った歯を多少削ってもよい人は、なくなった歯の左右を削ってブリッジをはめる治療が可能です。入れ歯・ブリッジとも保険外の治療が選べ、違和感の少ない入れ歯にできる・白い歯を入れられるなどの利点がありますが、費用が何倍にもなる場合があります。
インプラントはすべて保険適用外になるので費用はおおむね高額で手術が必要となり治療期間も長くなります。しかし歯を削る必要がなく、また補綴装置をお口の中に固定するため自分の歯のような感覚で使用できます。ご希望の使用感、費用予算、残った歯の状態などを考慮して、ご自分に適した治療法を選んでください。

総入れ歯の注意点

歯科治療

長期的なメンテナンスが必要ですか?
一度総入れ歯を作った後でも、長期的にメンテナンスをすることが大切です。使い続けているうちに土手が減る・唾液量が変化する・歯茎が薄くなるなど口腔内の環境が変わり、入れ歯の使い心地が変わってくることがあるため、調整が必要となるからです。
また、入れ歯そのものがすり減ることも考えられます。ちょっとした割れなども早めに発見して処置できるように、定期的に歯科医師の検診を受けてください。もちろん毎日の入れ歯の手入れも欠かせません。
総入れ歯の費用はどのくらいかかりますか?
保険適用の場合は、1割負担で一床あたり3,000円程度、3割負担で15,000円から20,000円程度です。保険外で金属床の総入れ歯を作る場合の価格例は一床あたり、チタン合金で484,000円(税込)程度、コバルトクロム合金で387,200円(税込)程度、金合金と白金合金では568,700円(税込)程度となります。
金属床の入れ歯は、保険適用のプラスチック床のものより薄いため違和感が少なく、壊れにくく食べ物の熱を感じることができます。特にチタン合金は軽くて生体親和性が高く、体に影響を与えにくい金属です。
総入れ歯の装着に違和感を覚えることはありますか?
床と呼ばれるピンク色の樹脂製の部分が歯肉に接するので、違和感を覚える場合があります。また、お口の中にものを入れることになるため、慣れるまである程度の異物感が生じるでしょう。発音がしにくくなる場合もみられます。
保険適用外の金属素材を床に使うと床の部分を薄くでき、違和感や異物感の軽減が図れます。また金属の伝導性の高さから食べ物の温度を感じることも可能で、快適性は高まるでしょう。
総入れ歯による口腔内トラブルについて教えてください
総入れ歯とお口の中の粘膜がこすれると、炎症や潰瘍ができ、口内炎に発展するケースがあります。また入れ歯の、歯肉と接する部分にカンジタ菌が繁殖するのも口内炎の原因です。入れ歯により歯肉にキズがつくこともありますし、腫れや痛み、出血を伴う場合もみられます。
それらを防ぐにはまずご自分に合った入れ歯を作る、違和感があれば早めに歯科医師に調整してもらう、入れ歯と口腔内を常に清潔に保つなどのケアをしてください。義歯と歯肉を歯磨きできれいにし、カンジタ菌を除去するために二、三日に一度は入れ歯洗浄剤を使いましょう。
夜間などは入れ歯を外して歯肉を休ませると、歯肉炎の予防につながります。

編集部まとめ

歯ブラシと歯科衛生士

歯を失った場合の治療には入れ歯・ブリッジ・インプラントなどの選択肢があり、失った歯の本数や歯を削るか否かの選択、費用予算などに応じてご自分に適した治療を選ぶことになります。

入れ歯の場合は対応している医院が多く、インプラントのように手術の必要がなくさらにインプラントよりも費用を抑えられるため、選択する方も少なくありません。

入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があり、歯をすべて失った場合には総入れ歯を選びますが、部分入れ歯のように針金を使って自分の歯に固定させることができないため歯茎との吸着力に頼っており、外れやすくなる可能性があります。

入れ歯には保険が適用されますが、適用外の素材を使うことも可能です。ただし費用は保険適用に比べかなり高額になるでしょう。

総入れ歯にした後も こまめな歯科医師による調整が必要ですし、口腔内トラブルを避けるために、 入れ歯とお口の中を常に清潔にしておくケアが必要です。

総入れ歯を作る際には、事前によく話を聞いてくれて、歯科技工士とも密に連携しており、アフターケアも手厚い歯科医師を選ぶようにしてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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