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入れ歯のコンフォートとは?特徴やメリット・デメリットを解説します

入れ歯のコンフォートとは?特徴やメリット・デメリットを解説します

入れ歯の使用において、快適さと機能性は大変重要です。特に長時間使用することを考えると、入れ歯のフィット感や咀嚼(そしゃく)機能は生活の質に大きな影響を与えるでしょう。そこで注目されているのがコンフォート入れ歯です。なお、コンフォートとは軟質材料によりリラインされた義歯のことです。ここではコンフォートに代表される軟質材料によりリラインされた義歯について解説します。

コンフォート入れ歯の特徴について

コンフォート入れ歯の特徴は、素材にやわらかいシリコンを使用しており、その弾力によって入れ歯がしっかりと固定され外れにくくなっていることです。ここでは従来の入れ歯との違いや、コンフォート入れ歯は保険が適用されるのかどうかについて解説します。

コンフォート入れ歯とは何ですか?
コンフォート入れ歯は、歯茎に接する入れ歯部分にやわらかいシリコンを使用した入れ歯のことです。シリコンがクッションの役割をするので痛みを軽減するという特徴があります。このシリコンは生体適合性が高く、アレルギー反応が少ない安全性に配慮した材料で、柔軟性と吸着力を兼ね備えています。歯茎との密着力が高まるので外れにくくなり、顎の動きに合わせて快適に適応するので、入れ歯のズレや違和感が少なくすみます。噛む力が強く、硬いものでもおいしく食べられるようになるでしょう。
従来の入れ歯との違いを教えてください
コンフォート入れ歯と従来の入れ歯との違いは、使用される材料にあります。従来の入れ歯はレジンと呼ばれる硬いプラスチックで作られているので、装着した際の痛みや外れやすさが問題となることがありました。一方、コンフォート入れ歯は、歯茎に接する部分にやわらかいシリコンを使用しているためクッション性が高く、痛みが出にくくなっています。
コンフォート入れ歯は保険適用されていますか?
コンフォート入れ歯は残念ながら保険適用外です。部分入れ歯は10万から50万円、総入れ歯では40万から50万円程かかり、保険適用外のため全額自己負担になります。口腔状態や歯科医院によって費用は変わってくるので、取り扱っている歯科医院でご相談ください。

コンフォート入れ歯の種類

コンフォート入れ歯は対象の歯の本数によって次の3種類に分けられます。コンフォートソケット、コンフォートコネクト、コンフォートコンプリート、それぞれの特徴などについて解説します。

コンフォートソケットとは何ですか?
コンフォートソケットとは、1~3本までの抜けてしまった歯を補い、噛めるようにする治療法です。前歯から一番奥の歯まで利用可能で、間を空けて2本抜けた場合や左右で合計3本抜けてしまった場合でも利用できます。

インプラントのように外科手術をしたり、ブリッジのように健康な歯を大きく削ったりせずにすみ、短くて2回の通院で利用が可能です。 歯茎と同色のためお口を開けたときも目立ちにくく審美性にも優れています。

コンフォートコネクトとは何ですか?
コンフォートコネクトは、歯が3本以上抜けてしまった場合の部分入れ歯です。飛び飛びで3本抜けた場合や左右で4本以上抜けた場合、13本までの歯を失った場合に対応できます。

固定用のバネが目立ちにくい作りになっており見た目も自然です。コンフォートソケットと同様に歯茎に接する部分はやわらかいシリコンが使用されているため痛みが出にくくなっています。また手術不要で健康な歯を削る必要はありません。

コンフォートコンプリートについて教えてください
コンフォートコンプリートは、歯が全部抜けてしまった、もしくは抜く予定の場合に利用可能な総入れ歯で、長年総入れ歯で噛めない、何度調整しても痛みがある、総入れ歯がゆるくてがたつく、といった方におすすめです。歯茎にぴったりと密着するため総入れ歯にありがちなゆるみを防ぎます。また、上顎の部分には薄い金属が使用されており、装着時の違和感を軽減するとともに、食べ物の温度を感じやすく食事を楽しむことができます。

コンフォート入れ歯のメリット・デメリット

コンフォート入れ歯のメリット・デメリット コンフォート入れ歯は従来の入れ歯よりもクッション性が高いため、外れにくく痛みも出にくくなっています。ここではコンフォート入れ歯のメリットとデメリットについてまとめます。

コンフォート入れ歯のメリットを教えてください
コンフォート入れ歯のメリットは、生体用シリコンを使用しているためやわらかく、クッション性があり肌に優しいことです。これにより長時間の使用でも痛みや不快感が少なくなります。また、シリコン素材がしっかりフィットするため入れ歯が外れにくく、食事や会話がより自然に行えます。シリコンは長時間使用しても劣化しにくい素材で耐久性が高く、細菌の繁殖を抑える抗菌効果があることもメリットの一つです。
コンフォート入れ歯のデメリットを教えてください
コンフォート入れ歯のデメリットとしては費用面が挙げられます。コンフォート入れ歯は専用の洗浄洗剤を使用する必要があり、これが一般的な入れ歯の洗浄剤よりも高価です。また、保険適用外であるため治療費は全額負担となります。次に、シリコン部分が剝がれやすく、2~5年ごとに張り替えや作り直しが必要になることがあります。シリコンのクッション材が追加されているため、特に初めて入れ歯を装着される方には大きな違和感があるようです。シリコン部分の修理が難しく時間がかかることもデメリットの一つでしょう。

コンフォート入れ歯が適している人・適していない人

コンフォート入れ歯が適している人・適していない人 コンフォート入れ歯には3種類あり、それぞれの特徴やメリットとデメリットについて解説しました。ここではコンフォート入れ歯が適している人、適していない人はどのような人なのかを解説します。

コンフォート入れ歯が適しているのはどのような人ですか?
コンフォート入れ歯は通常の入れ歯に比べてやわらかい素材で作られていて、歯茎に優しく痛みを軽減してくれるので、歯茎が強くない人や敏感な人に適しています。見た目が自然で金具が目立ちにくいので、審美性を重視する人や手術を避けたい人、短期間で治療を終えたい人もコンフォート入れ歯が適しているでしょう。
コンフォート入れ歯が適していない人を教えてください
コンフォート入れ歯は保険適用外で全額自己負担になるため、費用を抑えたい人には適していません。通常の入れ歯よりメンテナンスが必要で、シリコン部分の清掃や交換を怠ると衛生面で問題が生じることがあります。シリコン部分の厚さが増すため入れ歯が分厚く感じることもあり、異物感に敏感な人もコンフォート入れ歯には適していないでしょう。

編集部まとめ

コンフォート入れ歯は、歯茎に接する部分にやわらかい生体用のシリコンを使用した入れ歯で、快適な装着感と自然な見た目が特徴です。メリットとしては、痛みを軽減しグッと噛みしめることができるので、硬い食べ物でもおいしく食べることができ、外科手術が不要であることが挙げられます。一方、デメリットとしては、通常の入れ歯に比べて高価であること、シリコンの定期的なメンテナンスが必要であることなどが挙げられます。コンフォート入れ歯を検討している方はぜひ参考になさってください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正 / 一般歯科全般もOK

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