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歯医者で受けるフッ素塗布の効果は?流れや注意点も併せて解説!

歯医者で受けるフッ素塗布の効果は?流れや注意点も併せて解説!

フッ素塗布とは、むし歯の予防を目的とした歯科治療の一環です。歯医者でフッ素塗布を受けている方、または受けることを検討している方は、フッ素塗布の効果ついて、気になっているのではないでしょうか。
本記事では歯医者で受けるフッ素塗布について、以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそも歯医者で受けるフッ素塗布とは何か
  • 歯医者で受けるフッ素塗布の効果とは何か
  • 歯医者で受けるフッ素塗布を受けた後の注意点は何か

歯医者で受けるフッ素塗布の効果について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそもフッ素とは

そもそもフッ素とは

フッ素とは、自然界に多く存在する元素の一つであり、歯の健康を守るために重要な役割を果たしています。

フッ素は、歯のエナメル質に取り込まれると、エナメル質を強化し、むし歯の原因となる酸に対する耐性を高めるよう働きかけます。
また、フッ素には、初期段階のむし歯を再石灰化し、進行を抑制する役割もあります。

このように、むし歯予防に効果的な物質として歯科医療において活用されています。
日常生活では、フッ素を含む歯磨き粉やフッ素塗布などがむし歯予防策として推奨されていますが、適切な使用量を守ることが重要です。

歯医者で受けるフッ素塗布の効果

歯医者で受けるフッ素塗布の効果

歯医者で受けるフッ素塗布には、どのような効果が期待できるのでしょうか?
期待できる効果について、以下で説明します。

再石灰化を促す

歯の表面に存在するエナメル質は、酸によって脱灰されることがあります。脱灰が進行すると、むし歯の初期段階である白斑が現れます。

フッ素は、脱灰部分に取り込まれ、再石灰化を助けます。再石灰化とは、カルシウムやリン酸がエナメル質に再度取り込まれるプロセスであり、脱灰が修復されることで、むし歯の進行を食い止めます。

歯科でのフッ素塗布は、なかでもこの再石灰化を効率的に促すための有効な手段とされています。
定期的なフッ素塗布により、エナメル質の再生を助け、初期のむし歯を未然に防ぐことが可能とされています。

歯質を強化する

フッ素は、歯のエナメル質に取り込まれることでその結晶構造を強化し、酸に対する耐性を高めます。

口腔内で生成される酸は、エナメル質を溶かす作用を持っていますが、フッ素がエナメル質に作用することで、溶けにくいフルオロアパタイトという物質が形成され、これが歯を酸から守るバリアとして機能します。
歯科でのフッ素塗布は、このプロセスをサポートし、歯質を強化することで、むし歯になりにくい環境を作り出します。
なかでも、成長期の子どもにとっては、歯の発育段階でのフッ素摂取が、将来的なむし歯予防に大きな効果をもたらすとされています。

むし歯菌を抑制する

むし歯菌であるミュータンス菌は、糖を代謝して酸を生成し、その酸がエナメル質を溶かすことでむし歯が進行します。

フッ素は、このミュータンス菌の活動を抑制する働きを持っています。具体的には、フッ素が菌の代謝プロセスを妨げることで、酸の生成が減少し、歯が脱灰するリスクが低くなります。

さらに、フッ素は菌の増殖を抑制し、菌が歯に付着する力も弱められます。
歯科でのフッ素塗布は、これらのむし歯菌に対する直接的な防御策として有効とされ、定期的に行うことで、口腔内の健康を長期的に維持します。

歯医者で受けるフッ素塗布の流れ

歯医者で受けるフッ素塗布の流れ

歯医者で受けるフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

  1. 歯の表面を清潔にするために、歯科衛生士が歯を丁寧にクリーニング
  2. フッ素を含むジェルや泡状の薬剤をトレーに入れる
  3. トレーを患者さんの歯に密着させ、数分間保持
  4. フッ素がエナメル質に浸透するように待機
  5. 処置後は、30分程飲食を控える

歯医者で受けるフッ素塗布は、まず歯の表面を清潔にすることから始まります。
歯垢や汚れがあるとフッ素が十分に効果を発揮できないため、歯科衛生士が歯を丁寧にクリーニングします。
その後、フッ素を含むジェルや泡状の薬剤をトレーに入れ、患者さんの歯に密着させます。この状態で数分間保持し、フッ素がエナメル質にしっかりと浸透するようにします。
処置が終わった後は、30分程飲食を控えることで、フッ素が歯に定着しやすくなります。

歯科医でのフッ素塗布は、安全性が高く効果が期待できるむし歯予防策として推奨されています。

歯医者で受けるフッ素塗布の安全性

歯医者で受けるフッ素塗布の安全性

歯医者で行われるフッ素塗布は、むし歯予防にとても効果が期待できる方法として利用されていますが、その安全性も高いとされています。
専門的な管理のもとで適切なフッ素濃度が使用されるため、副作用のリスクは抑えられています。

また、フッ素症のリスク管理や患者さんの年齢や口腔状態に応じた個別対応も行われており、誰でもリラックスしてフッ素塗布を受けられるよう配慮している歯科医院もあります。

専門的な管理による安全性の高いフッ素濃度の使用

歯科医院では、フッ素塗布に使用されるフッ素の濃度は厳密に管理されています。

家庭で使用される歯磨き粉に比べて濃度が高いものの、歯科医師などが適切な濃度と量を選定して塗布するため、安全性の確保が求めれています。
また、子どもや高齢者など、フッ素に対する感受性が異なる方にも対応できるよう、配慮されます。

歯科医師は患者さんの口腔内の状況を見極めたうえで、安全性の高いフッ素塗布の提供をを心がけています。リラックスして治療を受けましょう。

フッ素症のリスク管理と適切な量の塗布

フッ素症は、過剰なフッ素摂取により歯が変色する症状ですが、歯科医院でのフッ素塗布ではこのリスクがしっかりと管理されています。
歯科医師は、フッ素の適切な量を厳密に計算し、個々の患者さんに合わせた量を使用します。
また、塗布の頻度や方法も個別に調整されるため、フッ素症の心配なく、むし歯予防効果を引き出せます。
このように、歯科医院ではフッ素症のリスクを回避するための適切な対策が講じられているため、フッ素塗布を受けられます。

年齢や口腔状態に応じた個別対応

患者さんの年齢や口腔内の状態に応じて、フッ素塗布の方法や使用量が調整されます。
例えば、子どもには少量のフッ素を使用するなど、歯の発育段階に応じた対応が行われています。

一方で、むし歯リスクが高い高齢の患者さんには、より高濃度のフッ素が適用されることもあります。

さらに、個々の患者さんの健康状態や口腔内の状況に基づいて、おすすめの治療プランが提案されるため、フッ素塗布の安全性が高まります。

このように、歯科医院では年齢や状態に応じた柔軟な対応がなされています。

歯医者でフッ素を塗布する際の適用年齢

歯医者でフッ素を塗布する際の適用年齢

ここまでフッ素の効果などを解説しました。
むし歯予防に効果が期待できるフッ素ですが、年齢制限はあるのでしょうか。
また、フッ素入りの歯磨き粉に使用制限などはあるのでしょうか。以下で紹介します。

フッ素は何歳から塗布できるのか

フッ素の塗布を開始する年齢は、1歳半前後が推奨されています。
主な理由は、1歳半前後の子どもの口内では、上下の前歯が生え揃い、さらに奥歯が生え始める時期だからです。この時期の歯はまだ質が弱く、むし歯になりやすい状態ですが、一方でフッ素を効率よく取り込むことができ、むし歯予防に効果が期待できます。
特に、乳歯が生え始めたばかりの頃は、むし歯菌が繁殖しやすい環境が整う前にフッ素塗布を行うことで、歯の質を強化し、むし歯になりにくい口内環境を作れる可能性があります。
また、1歳半前後は離乳食から幼児食へ移行する時期であり、食生活の影響が歯に及ぶタイミングでもあります。
糖分の多い食事を摂取することが多い場合、むし歯のリスクが高まるため、早めのフッ素塗布が推奨されます。
乳幼児の口内は唾液の抗菌作用によって守られているため、生え始めの頃にフッ素を塗布しなくても問題はありませんが、1歳半前後から定期的なフッ素塗布を始めることで、むし歯予防の効果が高まるとされています。

継続的にフッ素塗布を続けることは、むし歯リスクの低減につながります。
フッ素は乳歯だけでなく、永久歯にも有効とされているため、永久歯が生え始める小学生から中学生までの時期に、継続的にフッ素塗布を行うことがおすすめです。

フッ素入り歯磨き粉の年齢別の使用目安

歯医者でも購入できるフッ素入り歯磨き粉は、年齢ごとに合った濃度と量を守って使用することが重要です。
各年齢でのフッ素の推奨使用量とフッ素濃度の目安は以下のとおりです。

【生後6ヵ月~2歳頃まで】
・フッ素濃度:約500~1,000ppm
・歯磨き粉の量:米粒程度(1〜2mm程度)
・使用方法:1日2回、なかでも寝る前の歯磨きがおすすめ
・ポイント:フッ素が過剰摂取にならないように、歯磨き粉は少量にし、歯磨き後はティッシュなどで余分な歯磨き粉を拭き取ってもよいです。また、歯磨き粉は子どもの手の届かない場所に保管するようにしましょう。

【3歳~5歳頃】
・フッ素濃度:約500〜1,000ppm
・歯磨き粉の量:グリーンピース大(5mm程度)
・ポイント:お子さんが自身で適切な量の歯磨き粉を出せない場合は、保護者の方が歯ブラシに歯磨き粉をつけるようにしましょう。歯磨き後は少量の水で1回のみうがいをさせ、フッ素をしっかり歯に残すことが大切です。

【6歳~14歳頃】
・フッ素濃度:約1,000〜1,500ppm
・歯磨き粉の量:1cm程度(約0.4g)
・ポイント:フッ素濃度が上がるため、歯磨き後は軽く吐き出し、少量の水で1回うがいをするだけで十分です。歯磨き後すぐに大量の水でうがいをしないようにしましょう。

【15歳~成人】
・フッ素濃度:約1,000〜1,500ppm
・歯磨き粉の量:1〜2cm(約1g)
・ポイント:歯磨き後は歯磨き粉を軽く吐き出し、少量の水で1回のみうがいを行うようにしてください。成人期には、より高濃度のフッ素を含む歯磨き粉を使用することで、むし歯予防効果が高まります。

いずれの年齢においても、1日2回、なかでも就寝前の歯磨きがおすすめです。
また、フッ素入り歯磨き粉は、年齢に応じた濃度と使用量を守ることが大切です。
過剰なフッ素摂取は、フッ素症(歯に白斑が現れる状態)を引き起こす可能性があるため、特に幼い子どもの場合は注意が必要です。

歯医者でフッ素塗布を受けた後の注意点

歯医者でフッ素塗布を受けた後の注意点

歯医者でのフッ素塗布は、むし歯予防に効果が期待できる処置ですが、その効果を高めるためには、処置後のケアが重要です。

フッ素が歯にしっかりと浸透し、むし歯を防ぐ効果を持続させるためには、飲食や歯磨きのタイミングなど、いくつかの注意点を守る必要があります。
ここでは、フッ素塗布後に気をつけるべきポイントを詳しく解説します。

飲食を控える時間を守る

フッ素塗布後、フッ素が歯にしっかりと浸透するまでの間は、飲食を控えることが推奨されます。
飲食を控える時間を守る時間は30分~1時間程度、飲食を避けることで、フッ素が歯の表面に定着しやすくなります。
この時間を守ることで、フッ素が十分にエナメル質に吸収され、むし歯予防効果を十分に引き出すことにつながります。なかでも、酸性の飲み物や食べ物はフッ素の効果を弱める可能性があるため、塗布後の一定時間は避けることが重要です。

歯磨きやうがいは避ける

フッ素塗布直後は、歯磨きやうがいを控えることが大切です。フッ素塗布直後に歯磨きやうがいをすると、フッ素を洗い流してしまい、十分な効果を発揮できなくなる恐れがあります。最低でも1時間は歯磨きやうがいを控え、フッ素が歯にしっかりと浸透する時間を確保しましょう。
特に、子どもはフッ素塗布後すぐにうがいをしたがる傾向にあるようですが、フッ素の効果を高めるためにも控えるように指導することが大切です。

日常のフッ素ケアを継続する

フッ素塗布の効果を長期的に維持するためには、日常的なフッ素ケアも欠かせません。
日々フッ素配合の歯磨き粉やフッ素入りの洗口液を使用することで、さらなるむし歯予防につながります。

また、歯科でのフッ素塗布と併せて、家庭でのフッ素ケアを習慣化することで、さらに効果的なむし歯予防が期待できます。
日常のケアを継続し、定期的な歯科検診とフッ素塗布を受けることで、健康な歯を保てるでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯医者で受けるフッ素塗布についてお伝えしてきました。
歯医者で受けるフッ素塗布の要点をまとめると以下のとおりです。

  • そもそもフッ素とは、自然界に多く存在する元素の一つであり、なかでも歯の健康を守るために重要な役割を果たす
  • 歯医者で受けるフッ素塗布の効果は、再石灰化を促す・歯質を強化する・むし歯菌を抑制する、の大きく3点がある
  • 歯医者でフッ素塗布を受けた後の注意点は、飲食を控える時間を守ること・歯磨きやうがいは避けること・日常のフッ素ケアを継続すること

歯医者さんで塗布されるフッ素は、歯の再石灰化を助け、酸による脱灰を修復するため、むし歯予防に効果が期待できます。
また、むし歯菌の活動を抑制し、歯質を強化することで、長期的な口腔健康をサポートします。
歯医者さんで塗布されるフッ素には、このような効果が期待できるため、すべての年齢層での口腔ケアが推奨されています。

歯医者でのフッ素塗布の効果について理解するためにも、これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

北海道大学歯学部 卒業 / 現在は北海道大学病院歯科診療センター勤務 / 専門は歯科矯正科

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