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入れ歯をしないとどうなる?健康への影響やリスクを解説!

入れ歯をしないとどうなる?健康への影響やリスクを解説!

歯が抜けたまま放置することは、見た目だけでなく健康面にも問題が生じる可能性があるため、早めの対策が必要です。では、具体的にはどのような問題が生じるのでしょうか?

本記事では入れ歯をしないとどうなるのかについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯をしないことによる口腔内への影響とは?
  • 入れ歯をしないことによる全身の健康への影響とは?
  • 入れ歯をしないと美容面にも影響が出るのか

入れ歯をしないとどうなるのか理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

入れ歯をしないことによる口腔内への影響

入れ歯をしないことによる口腔内への影響

入れ歯を使わないと歯並びや噛み合わせにどのような影響がありますか?
入れ歯は、歯列の安定と噛み合わせの機能を保持し、全体の口内健康を守る役割があります。そのため、入れ歯を使用しない場合、歯並びや噛み合わせにさまざまな影響が現れる可能性があります。
まず、歯が抜けた空間を放置すると、その周囲の歯が移動し始め、隣接する歯が傾いたり、抜けた歯の反対側に位置する歯が伸びたりすることがあります。これらの変化は、全体の噛み合わせのバランスを崩します。また、歯がない部分に舌や頬が入り込みやすくなり、誤って噛んでしまい口内炎を起こすリスクも高まります。これらの問題は食生活の質を下げるだけでなく、日常生活における不快感やストレスの増加にもつながるでしょう。このような状況を避けるためには、必要に応じて入れ歯の使用や歯科治療を検討することが大切です。
歯を失ったままにすると残っている歯にどんな負担がかかりますか?
歯が抜けたまま放置していると、残った歯に次のような負担がかかります。まず、先述のとおり、噛み合わせのバランスが崩れていきます。その結果、反対側や隣接する歯に無理な力が加わり、残りの歯の寿命を縮めてしまいます。
また、歯が移動することで歯と歯の間に隙間ができ、そこにプラークが蓄積しやすくなります。歯磨きでは取り除けない小さな隙間などは、特にむし歯や歯周病のリスクが高まります。歯を失った状態を放置することは、単に見た目の問題だけではなく、残った健康な歯にも関わります。そのため、歯を失った後は適切な治療を早めに受けることが重要です。
入れ歯をしないことで発音や会話に影響が出ることはありますか?
入れ歯をしないことで、歯の喪失部分による空間が発音に影響を及ぼすことは少なくありません。なかでも、前歯が欠けている場合、会話中に空気が漏れやすくなります。すると一部の音を発することが難しくなり、発音が不明瞭で曖昧になりやすくなります。例えば、「さ」と「ざ」の区別がつきにくくなったり、話す際に不自然な空気の抜けが生じたりします。また、入れ歯を使用しないことにより、声の質にも変化が現れることがあります。 歯がないことで口腔内の響き方が変わり、声のトーンが低くなり、こもったような印象を与えることがあります。対人関係や仕事でのコミュニケーションは、スムーズな発音とはっきりとした声によって左右される場面があります。発音や会話でお困りの場合も、歯科医院で入れ歯などの対応を相談してみましょう。

入れ歯をしないことによる全身の健康への影響

入れ歯をしないことによる全身の健康への影響

入れ歯を使わないことで食事や消化機能に影響はありますか?
入れ歯を使用しないと噛む力が低下し、消化機能にも悪影響を与えることがあります。まず、食物を十分に咀嚼することが難しくなり、食べ物が大きな塊のまま飲み込まれてしまい、胃腸に過剰な負担をかけることになります。消化がうまく進まないため、栄養の吸収も不十分になり、栄養状態の悪化につながります。さらに、しっかりと咀嚼が行えないことにより、唾液の分泌も減少します。唾液には消化酵素が含まれており、食物の消化を助ける重要な役割を果たしています。そのため、唾液の減少は消化不良を招き、胃痛や便秘、下痢などの消化器症状を引き起こす原因となることもあります。また、噛む力の低下は食事の選択にも影響を及ぼします。やわらかく消化しやすい食品を選ぶようになると、食物繊維やミネラル、ビタミンなどの必要な栄養素の摂取が不足する可能性があります。栄養バランスが崩れると、全身の健康にも影響が出てきます。
入れ歯をしないと認知機能や脳への刺激が減少するというのは本当ですか?
入れ歯を使用しないことによって咀嚼機能が低下し、それが脳の認知機能にも影響を与えると考えられています。
咀嚼は単に食物を細かくする行為だけではなく、脳への重要な刺激をもたらしています。噛む動作によって、脳の感覚野や運動野が刺激されるため、脳の活性化に寄与し、高齢者においては、この刺激が認知症の予防につながるとされています。具体的には、咀嚼によって前頭前野などの脳の部分が活性化され、意思決定やコミュニケーション能力、注意力の維持などに関わっています。そのため、十分な咀嚼が行えない状態が続くと、こうした脳機能が低下し、認知機能の衰えや認知症につながる可能性があります。このため、歯が失われた場合には、早めに適切な治療を受けることが、脳の健康を保つためにも重要です。
入れ歯をしないことで身体のバランスや姿勢に影響が出ることはありますか?
歯を喪失した後、入れ歯を使用しない場合、特に高齢者においては身体のバランスや姿勢に影響が現れやすいと考えられています。
噛む力が重要なのは、食事をする際だけではありません。咀嚼は、顎の位置を安定させ、全身のバランスを保つのに役立っているため、歯がないことでこれらの機能が低下します。また、噛むことによって刺激される顎の筋肉や関節は、頭部から脊椎にかけての姿勢を正しく保っています。したがって、これが機能しないと、姿勢の悪化やバランスの取りにくさが生じ、転倒のリスクが高まると指摘されています。入れ歯を使用しない場合の転倒リスクは、使っている場合と比較して約2.5倍にもなるとされています。バランスのよい姿勢の維持は、転倒事故を防ぐうえで重要なポイントとなるため、入れ歯の装着はおすすめです。

入れ歯をしないことによる美容面の問題

入れ歯をしないことによる美容面の問題

入れ歯をしないことで顔の形や輪郭にどのような変化が生じますか?
歯を失うと、顔の形や輪郭に変化が生じることがあります。
前歯が失われると、口元のくぼみが目立ち、奥歯がない場合には噛む力の低下とともに、頬や顎のラインが内側に引っ込むことで、顔の輪郭がシャープになりすぎることもあります。このような変化は、顔の左右の対称性を失わせることにもつながります。また、一部の歯に偏って噛むことで、顎の位置が変わることもあります。顎のズレは、顔全体のバランスを崩し、左右非対称の歪んだ印象を与える可能性があります。これらの変化は、顔の形や輪郭の変化だけでなく、見た目の印象から社会生活にも影響を及ぼすこともあるため、歯を失った後は迅速に治療を受けることが推奨されます。
歯を失ったままにしておくとしわやたるみが増えるというのは本当ですか?
歯を失うと、しわやたるみが増える原因となります。これは、歯が顔の骨格を支え、皮膚にハリを与える土台の役割を果たしているためです。歯がなくなると、その支えが失われ、皮膚が内側に凹むことでしわやたるみが目立つようになります。特に口元の周囲は、歯や顎の骨によって形成されています。歯を失った場合、この部分の皮膚が支えられなくなり、簡単に押し込むことができるようになります。
さらに、歯がないことで咀嚼力が低下し、顎の骨が徐々に縮小し始めます。顎の骨が縮小すると、皮膚のハリが失われ、しわやたるみが加速されるのです。また、適切な噛み合わせが失われることにより、不自然な力が顔の筋肉にかかると、筋肉のバランスが崩れ、それが顔全体のしわやたるみを引き起こす原因となります。
入れ歯を使わないことで見た目にどのようなデメリットがありますか?
入れ歯を使わないことによる見た目のデメリットには、次のようなものが存在します。まず、顔の印象が大きく変わってしまうことが挙げられます。歯がないと、口元の形状が崩れ、人とのコミュニケーションが取りにくくなり、表情にも自信が持てなくなってしまうことがあります。
さらに、頬がこけて見えたり、口元のしわやたるみが目立つようになることで、実年齢よりも老けて見えることがあります。歯を失った場合は、できるだけ早く適切な義歯の使用を検討することが推奨されます。 お口の状態に合った入れ歯を入れることで、顔の輪郭を支え、見た目の変化を防ぎましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで入れ歯をしないとどうなるのかについてお伝えしてきました。入れ歯をしないとどうなるのか、要点をまとめると以下のとおりです。

  • 入れ歯を使用しないことにより、歯並びや噛み合わせの変化、残りの歯の寿命を縮める、発音や会話に影響が出るなどの口腔内への変化が現れる
  • 入れ歯をしないことにより、噛む力が低下し消化機能に悪影響を与える、脳機能の低下や認知機能の衰え、姿勢の悪化や転倒リスクなどの全身の健康への影響が現れる
  • 入れ歯をしないことにより、顔の左右非対称の歪んだ印象を与える、しわやたるみが目立つ、老けて見えることがあるなどの美容面の影響が現れる

失われた歯をそのままにしておくと、健康な残っている歯に悪影響を及ぼすだけでなく、食事や栄養面の問題、見た目や社会生活における自信の喪失につながる可能性があることがわかりました。そのため、早めに歯医者さんを受診し、ご自身に合った入れ歯の使用をおすすめします。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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