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セラミックの耐熱温度は?セラミック治療のメリットやデメリット・注意点を解説

セラミックの耐熱温度は?セラミック治療のメリットやデメリット・注意点を解説

歯科治療に用いられる素材のなかでも審美性に優れているセラミックですが、セラミック治療を受けた後に日常生活で気を付けるべきことはあるのでしょうか。

今回の記事では、セラミック治療の基本的な内容とメリット・デメリットのほか、セラミックの耐熱性や耐久性などについても解説していきます。

セラミック治療を受けた後のケアについて知りたい方も、ぜひ参考にしてください。

セラミックの耐熱温度や治療の注意点

説明する医療スタッフ

セラミックの耐熱温度はどのくらいですか?
セラミックは陶器の一種で、焼成して作る素材です。そのため熱に対する耐性は高く、歯科領域のほか日常生活では調理器具や食器としても利用されています。セラミックにもいろいろな種類がありますが、例として歯科でも使用することが多いアルミナというセラミックの耐熱温度は約2000度とされています。
セラミック治療後に熱いものや冷たいものを飲食しても大丈夫ですか?
次の質問で詳しく触れますが、セラミックは飲食物による温度差で破損・変形する可能性は低いと考えられます。そのため、セラミックへの影響を考慮して熱いものや冷たいものを避ける必要はないでしょう。しかし、治療により神経の近くまで歯を削ると治療後しばらく神経が過敏になっている場合があります。このような状態のときは、飲食物による温度変化が刺激になり痛みを感じる方もいるようです。もし、飲食をすると治療した部分が痛む場合は、落ち着くまで熱いものや冷たいものは避けることをおすすめします。
セラミックは温度変化に強いですか?
素材の熱への強さを示す尺度には、前述の耐熱温度のほかに、急激な温度差への耐性を示す耐熱衝撃性というものがあります。同じセラミックでも種類によって数値は大きく変わりますが、歯科でよく使用されるセラミックに関していえば耐熱衝撃性は200~400度程です。そのため、人が飲食できる範囲の温度では成分が溶け出したり、温度差で割れる心配はないでしょう。また、セラミックには熱を伝えにくいという特性もあります。この特性は、インレーやクラウンとして使用した場合に飲食物の熱が神経に伝わりにくいため、銀歯などに比べて飲食時に痛みを感じにくいというメリットにつながります。
セラミック治療の注意点を教えてください。
セラミックはレジンや金属と比べると硬度が高い素材です。しかし、硬さゆえにたわみにくい性質を持っています。その結果、一か所に強い力が加わると衝撃を逃がすことができず欠けたり、ヒビが入る可能性があるため注意が必要です。具体的には、噛みしめが強いことや、固いものを食べること、事故などで歯に強い衝撃が加わることなどがセラミック治療した歯の破損原因になりうるでしょう。もし、噛みしめが強くセラミックの破損が心配な方は、歯科医師に相談してマウスピースを使用するという選択肢もあります。
セラミック治療をした歯のケア方法を教えてください。
セラミックはレジンや銀歯と比較すると表面の凹凸が少ないため、汚れが付着しにくい素材といわれています。しかし、セラミック自体が汚れにくい素材でも、周りにある自分の歯はしっかりとケアする必要があります。特に補綴物と天然歯のあいだは多少の段差があり、汚れがたまりやすい場所です。自宅で歯磨きする際には、このような場所にも注意しながら丁寧に磨いていきましょう。また、丁寧に磨いているつもりでも落としきれない汚れがあったり、すでに歯石になった汚れは自宅で落とすことができなかったりします。歯をきれいに保ち、治療した歯を長持ちさせるためには、定期的に歯科医院に通院してメンテナンスを受けましょう。

セラミック治療とは?

歯に自信を持つ

セラミック治療とはどのような治療ですか?
治療のために歯を削ったり外傷で歯を損傷したりといった場合は、失った部分を人工物で補う必要があります。人工歯の材料にはレジン(樹脂)や金属が使用されてきましたが、天然歯と比べると色味や透明感に差があるため、治療部分が目立つ点がデメリットです。そこで、より天然歯に見た目を近づけることなどを目的として、セラミック(陶材)を使用することがあります。このように、人工歯の材料にセラミックを使用した治療をセラミック治療といいます。
セラミック治療の種類を教えてください。
セラミック治療には、歯を削った部分にインレー(詰め物)としてセラミックを使用するほか、大きく歯を削った場合のクラウン(被せ物)をセラミックで作成する方法があります。セラミックを使用した主なクラウンは、セラミックのみで作成したオールセラミッククラウンや、金属のフレームにセラミックを焼き付けたメタルボンドです。また、自分の歯を根元から失った場合には、人工歯を埋め込むインプラント治療があります。インプラントにはさまざまな素材がありますが、セラミックが使用されることが少なくありません。また、主に審美的な目的から前歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付けるラミネートベニヤといった治療もあります。
費用はどのくらいかかりますか?
大まかな相場として、むし歯などを削った後の詰め物としてセラミックインレーを用いる場合の相場は約40,000~80,000円(税込)、歯全体にかぶせるセラミッククラウンは約80,000~180,000円(税込)といわれています。また、ラミネートベニヤの費用はセラミッククラウンと同程度の歯科医院が多いようです。ただし、セラミック治療は前述のとおり自費診療となるため、治療を受ける歯科医院により費用には差が出ます。また、むし歯治療のなかでも削る範囲により詰め物の大きさは異なるため、費用も変わってくるでしょう。なお、レジンとセラミックを混ぜて作られたハイブリッドレジンであれば、一定の条件を満たすことで医療保険の適用対象になる可能性があります。主な条件は、治療する歯の位置や補綴物の作成方法、金属アレルギーの有無などです。詳しい適用条件や実際に保険を適用できるかどうかは、治療を受けている歯科医院でご確認ください。

セラミック治療のメリット・デメリット

メリットとデメリット

セラミック治療のメリットを教えてください。
歯科治療にセラミックを使用するメリットとして、前述のとおり歯の色に近く、見た目が自然な点が挙げられます。また、セラミックはレジンに比べて色素が沈着しにくいため、きれいな状態を保ちやすい素材といえるでしょう。さらに、銀歯のようにイオンが溶け出して周囲の歯が黒ずむ心配も不要です。このような審美的な面は、多くの人にとってイメージしやすいメリットかもしれません。そのほかに、セラミックは硬く摩耗しにくいため、長期間使用しても補綴物の形が変化せず噛み合わせが変わりにくいといわれています。また、陶材なので金属アレルギーの方でも使用できる点も大きなメリットです。
セラミック治療のデメリットを教えてください。
セラミック素材を使用した治療の代表的なデメリットは、治療費が高額になりやすい点です。前述のとおりセラミック治療は医療保険が適用されない場合が多く、自費診療のため患者さんの経済的負担は大きくなるでしょう。また、セラミックは硬度の高い素材ですが陶材であり割れる可能性があります。破損自体はほかの素材でもありうることですが、割れた場合に修理が難しく、新たに作り直しになることがあるのもデメリットといえるでしょう。噛みしめ癖によりセラミックの補綴物が破損した場合には、マウスピースを使用するほか硬度の高いセラミックに変えるなどの対処法が考えられます。

編集部まとめ

笑顔の女性

セラミックは天然歯に近い色合いや透明感を再現できるため、審美的な面で優れた素材といえます。

また、それだけでなく硬度や耐熱性が高いためきれいな状態を保ちやすく温度の影響も受けにくいといった利点もある素材です。

ただし、医療保険が適用にならず治療費が高額になったり、セラミックを使ったインレーやクラウンの作成にはレジンよりも時間がかかったりといった点をネックに感じる方もいるでしょう。

治療に用いる材料を決める際には、メリットとデメリットについて十分説明を受けて理解してから決めていくことが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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