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セラミック治療で歯を削る理由とは?歯を削るデメリットについても併せて解説!

セラミック治療で歯を削る理由とは?歯を削るデメリットについても併せて解説!

むし歯などの歯科治療のなかに、セラミック治療という治療法があります。しかし、セラミック治療では、治療の際には歯を削る必要があります。
本記事ではセラミック治療で歯を削る理由について以下の点を中心にご紹介します。

  • セラミック治療の特徴
  • セラミック治療ではなぜ歯を削るの?
  • セラミック治療で歯を削る量を少なくしたい場合

セラミック治療で歯を削る理由について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

セラミック治療について

セラミック治療について

歯の構造について教えてください
歯は多層の組織から成り立っており、外側からエナメル質、象牙質(ぞうげしつ)、歯髄、そしてセメント質という構造になっています。エナメル質は大変硬い素材で、歯の最外層を形成しています。神経や血管が存在しないため、初期のむし歯では痛みがありません。

一方、その下に位置する象牙質はやわらかく、象牙細管が通っているため、損傷すると痛みを感じやすくなります。歯の中心部にある歯髄には神経と血管が集まっており、ダメージを受けると激しい痛みが発生することがあります。歯髄が損傷すると、感染のリスクも高まり、治療が必要になることがあります。

また、歯の根部を覆うセメント質は、歯槽骨(しそうこつ)と結びつき、歯をしっかりと支える役割を果たしています。歯根膜はこの二つの間に位置し、歯にかかる力を分散させるクッションのような役割を担います。歯周病などで歯槽骨が失われると、歯の安定性が損なわれ、抜歯が必要になることもあります。

このように、歯は複数の組織で構成されており、それぞれが重要な機能を持っています。

セラミック治療の特徴を教えてください
セラミック治療は、天然歯に近い質感を持つセラミック材料を使用して、損傷した歯を修復する治療法です。セラミックの主な魅力はその高い審美性にあり、自然な色合いと透明感を提供します。また、寿命が10~15年と長いことや、金属アレルギーの心配がなく歯肉への影響も少ない点がメリットとして挙げられます。さらに、セラミックの表面は滑らかで、歯垢が付着しにくいため、むし歯や歯周病の再発リスクを低減します。

ただし、セラミック治療には高額な費用がかかりますが、医療の目的であれば医療費控除の対象となります。 審美目的のみは対象外となるため、機能回復を伴う治療が重要です。
また、強い衝撃には弱いため、取り扱いには注意が必要です。

セラミック治療の種類について教えてください
セラミック治療で使用されている主な種類を、以下に解説します。【オールセラミック】
金属を使用せずセラミックのみで製作されるため、自然な見た目が得られ、金属アレルギーの心配がありません。特に前歯の審美的な治療におすすめの素材です。

【ジルコニア】
高い耐久性で、奥歯のような負荷がかかる部位にも使用されます。透明感がありながらも強靭で、長期間にわたる使用が可能といわれています。

【ハイブリッドセラミック】
セラミックとプラスチックのレジンを組み合わせたもので、費用を抑えつつも適度な審美性を持ちます。しかし、ほかのセラミックに比べると耐久性や審美性に劣る場合があります。

【e-max】
ガラスセラミックスを強化した素材で、高い審美性と天然歯と同水準の硬さを持つ耐久性を特徴としています。

【メタルボンド】
内部に金属フレームを持ち、外側をセラミックで覆う構造です。金属の強度とセラミックの審美性を併せ持つため、耐久性と見た目の両方を重視する場合に選択されます。

これらの素材は、患者さんのニーズや歯の状態に応じて選ばれます。

セラミック治療で歯を削る理由

セラミック治療で歯を削る理由

セラミック治療ではなぜ歯を削るのですか?
セラミック治療において歯を削る主な理由は、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)を適切に固定し、耐久性を確保するためです。セラミックは陶器と似た素材で作られており、一定の厚みがなければ割れやすくなるため、適切な強度を持たせるためには基盤となる歯を整形する必要があります。

具体的には、セラミックの被せ物を施すには、その下にしっかりとした土台を作る必要があります。これは、セラミックがしっかりと歯にフィットし、長期間にわたり機能性と審美性を維持するためです。むし歯によって部分的に損傷している場合、感染した部分を徹底的に除去するためにも削る作業が不可欠です。

セラミックの特性を活かしつつ、その弱点を補うためには、基底となる歯の形状を調整することが重要であり、それが治療過程で歯を削る理由となっています。

セラミック治療ではどれくらい歯を削るのですか?
セラミック治療における歯の削る量は、治療の目的や使用するセラミックの種類によって異なります。前歯の表面を薄く削り、その上にセラミックを貼り付けるラミネートベニアという治療方法では、0.3〜0.5mm程度です。

一方で、セラミッククラウンは、咬合力や磨耗を考慮して、前歯で0.8〜1.5mm、奥歯では1.0〜2.0mm程度の歯を削ることで、クラウンに十分な強度を持たせ、長期間の使用に耐えることが可能になります。

ジルコニアは強度が高いため、耐久性を持たせるために少し多めに削る必要がありますが、見た目や透明感を優先するe-maxでは、削る量を抑えつつも美しさを追求できます。

健康な歯を削るデメリットを教えてください
健康な歯を削るということは、歯のエナメル質を減らすことを意味します。一度削った歯は元の状態に戻ることはなく、次のようなデメリットが発生する可能性があります。まず、歯を削ることで歯髄炎や反応性炎症を引き起こすリスクが高まります。冷たいものや温かいものがしみ、噛むときに痛みを感じることがあります。さらに、歯を深く削ることで、神経を取る必要が出てくるケースもあります。

神経を取った歯は、栄養供給が途絶えるために脆くなり、割れやすくなります。また、知覚過敏の問題も発生する可能性があります。削られた歯は象牙質が露出し、神経の刺激に直結しやすくなります。

これらのデメリットを理解し、治療を受ける際には、必要性とリスクを慎重に比較検討することが重要です。

歯を削らない治療法

歯を削らない治療法

セラミック治療で歯を削らない方法はありますか?
セラミック治療で歯を削らない方法はありません。特に、むし歯治療では、むし歯の部分を削って汚染を除去しなければ治療が行えないため、歯を削らずにセラミック治療をすることは難しいでしょう。
質問歯を削る量を少なくしたい場合はどのような治療を選べばよいのでしょうか?
セラミック治療で歯を削る量を抑えたい場合、ラミネートベニアとオーバーレイセラミックなどの治療法があります。これらは、従来のクラウン治療に比べて、歯を削る量を減少させられる選択肢です。ラミネートベニアは、前述したように主に前歯の審美向上を目的とした治療法で、歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼り付けます。ホワイトニングで改善が難しい着色や、歯の形状を整えつつ、削る量を歯頚部で0.3mm程度、それ以外の部分で0.5mm程度に抑えます。

一方、オーバーレイセラミックは、新しい治療法で、従来のセラミッククラウンや金属クラウンに比べて削る量を約5%〜27%にまで削減できます。この治療法は、噛み合わせの面積を広く保ちつつ、歯の形状を整えます。また、最近の接着技術の進歩により、より自然な見た目と機能性を兼ね備えています。

これらの治療法は、健康な歯の保存に重点を置いており、長期的に歯を保持することを目的としています。治療を選択する際は、これらの方法が適用可能かどうか、また患者さんの具体的な状況に応じて歯科医師とよく相談することが重要です。

歯を削らずに歯を白くしたい場合はどのような治療を選べばよいのでしょうか?
歯を削ることなく歯を白くしたい場合、ホワイトニング治療の選択肢があります。ホワイトニング治療では、歯の自然な色を改善するために特別に設計された過酸化水素ベースのホワイトニング剤を使用します。この薬剤を歯の表面に塗布し、光源またはレーザーを照射することで、歯の色素を分解し、歯を明るく白くします。

ホワイトニング治療の利点は、侵襲性が低く、手軽に行える点です。治療自体は、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングの二つの方法があります。オフィスホワイトニングは即効性があり、数回の治療で明らかな効果が得られることが多い傾向にあります。一方、ホームホワイトニングでは、専用のトレイとホワイトニング剤を使用して、数週間にわたり自宅でゆっくりと歯を白くしていきます。

ただし、ホワイトニングには個人差があるため、治療前に歯科医師と相談し、歯の状態や期待する効果を明確にしておくことが重要です。また、ホワイトニングの効果は永久的ではないため、定期的なメンテナンスや再施術が必要になることがあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでセラミック治療で歯を削る理由についてお伝えしてきました。セラミック治療で歯を削る理由の要点をまとめると以下の通りです。

  • セラミック治療の特徴は、高い審美性、寿命が長い、金属アレルギーの心配がなく歯肉への影響も少ない、むし歯や歯周病の再発リスクを低減する点がメリットで、デメリットは高額な治療費、強い衝撃には弱い点である
  • セラミック治療で歯を削る主な理由は、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)を適切に固定し、耐久性を確保するため
  • セラミック治療で歯を削る量を抑えたい場合、ラミネートベニアとオーバーレイセラミックなどの治療法がある

セラミック治療について理解し、自身のニーズに合わせた治療方法を選ぶことが重要です。どの地下治療の方法も一長一短があるので、事前に十分な説明を受け、納得のいく治療を選択することが望ましいです。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

宮島 悠旗医師(宮島悠旗ブライトオーソドンティクス)

愛知学院大学歯学部卒業 / 東京歯科大学千葉病院にて臨床研修医終了 / 東北大学大学院歯学研究科口腔発育学口座顎口腔矯正学分野 助教 / 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス起業 / 著書「国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の『デンタルケア』-」(幻冬舎)出版 / 合同会社T&Y Connection設立 / ASIA GOLDEN STARAWARD(企業家賞)受賞 / 著書「歯並び美人で充実人生-幸せを呼ぶゴールデンスマイル-」(合同フォレスト)出版 / 株式会社オーティカインターナショナル認定講師 / 現在は宮島悠旗ブライトオーソドンティクス代表としてフリーランス矯正歯科医を行っている / 専門は矯正歯科(Invisalign®︎、小児矯正、Myobrace®︎、マルチブラケット、アンカースクリュー、PBMオルソ(光加速矯正装置))

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