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ジルコニアの差し歯はおすすめ?特徴やメリットを解説

ジルコニアの差し歯はおすすめ?特徴やメリットを解説

​​​​歯の大部分が欠けたり、むし歯で大きく削ったりした場合、差し歯での治療が一般的とされています。差し歯の素材は保険適用のものから自由診療のものまでさまざまです。ジルコニアの差し歯を選択した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか? この記事では、ジルコニアを差し歯に使用した際のメリットやデメリットなどについてQ&A形式で解説します。どのような材質の差し歯にしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

差し歯の役割

差し歯が必要な理由を教えてください
むし歯や外傷によって歯の大部分が失われた場合、そのままにしておくと雑菌が入って感染をしたり、咀嚼に悪影響がでてしまいます。そのため何らかの方法で失った歯を補う必要があります。歯の根元が残っている場合は、差し歯が適用となります。差し歯はクラウンや被せ物と呼ばれている補綴物(ほてつぶつ)の一種で、歯の根に土台をたて、差し込む形で人工歯をセットします。重度のむし歯の場合は、神経を抜いて歯根の治療をした後に土台をたて、差し歯を装着することもあります。
差し歯が適しているのはどのようなケースですか?
差し歯は歯根に土台を差し込む必要があります。そのため、歯根が残っている方は、差し歯がよい適応となります。十分な長さの歯が残っていなかったり、むし歯がひどかったりすると、差し歯での治療ができないケースもあります。

できるだけ早く治療を済ませたい方、ほかの持病があって外科的な手術が難しい方なども、差し歯治療のよい適応となるでしょう。

差し歯に関する疑問

差し歯に関する疑問

差し歯の種類について教えてください
差し歯には、保険適用のものと保険適用外の2種類があります。

保険適用の差し歯は、1〜3割の自己負担のみで済むため、治療費を安く抑えることができます。保険適用の差し歯には、補綴物維持管理料と呼ばれる保証がついていることがあり、治療後に何らかの不具合が生じてもメンテナンスをしてもらえます。ただし、保険適用の差し歯は種類が限られているため、審美性に問題があったり機能面で弱点もあります。

保険適用外の差し歯は全額自己負担のため、治療費は高額になりますが、審美性や機能面で優れた素材を用いられるのが魅力です。

保険適用の差し歯の種類を教えてください
保険適用の差し歯には以下の種類があります。

・銀歯(メタルクラウン)
強度が高くて、費用が安いという特徴があります。銀色で目立ちやすいため審美性に欠けること、金属アレルギーのある方には使用できないデメリットがあります。

・硬質レジンジャケット冠
白色をしているため、銀歯よりは目立ちにくいというメリットがあります。金属を含んでいないので、金属アレルギーがある方でも使用できますが、耐久性は高くありません。

・硬質レジン前装冠
表面はレジンを使用して、内側に金属を用いる差し歯のことです。金属アレルギーの方には使用できません。

・CAD/CAM冠
作製過程でコンピューター画像で設計する差し歯のことを指します。素材はレジンを用いているので、ある程度の耐久性もあります。

保険適用外の差し歯はどのようなものがありますか?
保険適用外の差し歯には、保険適用の差し歯にはないメリットがたくさんあります。保険適用外の差し歯には、以下のような種類があります。

・ジルコニアセラミッククラウン
ジルコニアとセラミックを使用した差し歯です。強度が高くセラミック特有の美しい色味を兼ね備えた素材です。自然な見た目で違和感がないのが特徴です。

・メタルボンド
土台には金属を使用して表面にセラミックを取り入れた差し歯です。金属部分が見えないため、審美性の高さから前歯に使用しやすい素材です。

・ゴールドクラウン
いわゆる金歯のことで、金属でありながら金属アレルギーは引き起こしにくい素材です。強度も高い特徴もありますが、見た目は金色のため目立ちやすくなります。

・フルジルコニアクラウン
ジルコニアだけで設計された差し歯です。ジルコニアの特徴である強度と耐久性の高さがメリットで奥歯に適した素材です。

・オールセラミック
セラミックだけを使用した差し歯です。自然な美しさが特徴で審美性に優れています。前歯に使用しやすい素材です。

・ハイブリッドセラミック
審美性の高いセラミックと強度のあるレジンを使用した差し歯です。保険適用外の差し歯のなかでは、ほかの素材に比べて価格を抑えられるというメリットもあります。

ジルコニアの差し歯に関わる疑問

ジルコニアクラウン(差し歯)のメリットを教えてください
ジルコニアクラウンはセラミックの一種で、高い強度と耐久性のある素材です。割れたり欠けたりするリスクが小さく、圧力のかかりやすい奥歯にも適しています。

生体との親和性が高い特徴もあり、人体に使用しても拒絶反応や炎症が起こりにくいといわれています。金属を含んでいないため金属アレルギーの心配もありません。金属イオンが溶け出すことで歯茎が黒くなるメタルタトゥーを引き起こさないのもメリットです。

ジルコニアは金属並みの強度を有しながらも、審美性が高いといった強みがあります。ジルコニアセラミックのような、セラミック素材も併用することで、透明度も高く天然歯と並んでも違和感のない仕上がりを実現することができます。

ジルコニアクラウン(差し歯)のデメリットはありますか?
デメリットのひとつになるのが、治療費用が高額になることです。ジルコニアクラウンは保険適用外のため全額自己負担となります。歯科医院によって費用は異なりますが、1本につき10~20万円程が相場です。

ジルコニアクラウンは、天然歯を多く削らなければなりません。削る量が少ないと噛み合わせで圧力がかかる部分にひびが入りやすくなるためです。天然歯をあまり削りたくない方にとっては、デメリットといえるかもしれません。

ジルコニアは硬い素材であるため、細かな調整が難しいといった弱点もあります。また高い強度がゆえに、差し歯の対合歯を傷つけてしまうことが少なくありません。

高額な費用の治療ですので、メリットとデメリットを理解したうえで、歯科医師と相談して決めることをおすすめします。

差し歯選びで後悔しないためのポイント

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ジルコニアクラウンが向いているのはどのような人ですか?
ジルコニアクラウンは強度が高く耐久性に優れ、金属アレルギーやメタルタトゥーの心配もなく、人体に対して優しい素材です。銀歯より目立ちにくく、セラミックと組み合わせることでより自然な見た目を実現することも可能です。

ジルコニアクラウンが向いているのは、下記のような方です。

  • 金属アレルギーの心配がある
  • 歯茎の黒ずみが気になる
  • 劣化しづらく、強度や耐久性のある素材を選びたい
  • 変色のリスクを少なくしたい
  • 目立ちにくい差し歯を選びたい
  • 安全性が高くて長期間使用できる素材を選びたい
ジルコニアクラウンが向いていない人を教えてください
ジルコニアクラウンの治療費は自由診療のため高額になりがちですし、歯を削る量が増えるデメリットがあります。

下記のような方はジルコニアクラウンはあまり向いていないでしょう。

  • 費用を抑えたい
  • なるべく歯を削りたくない
  • たびたび調整するのが面倒

編集部まとめ

ジルコニアの差し歯は、強度が高く耐久性にも優れており、金属アレルギーやメタルタトゥーの心配がないといったメリットがあります。ただし、自由診療のため費用は高額となりがちで、デメリットがないわけではありません。差し歯の素材を選ぶ際は、材質のメリットとデメリットをよく検討して総合的に判断をするようにしましょう。また、治療後に後悔しないためにも、わからないことがある場合は歯科医院に相談するようにしてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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