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差し歯のぐらつきの原因は?やってはいけないことや応急処置などを解説!

差し歯のぐらつきの原因は?やってはいけないことや応急処置などを解説!

差し歯のぐらつきは、むし歯や歯周病、歯の根の問題などさまざまな原因が考えられます。差し歯がグラグラしていたり、取れてしまったりした場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
本記事では、差し歯のぐらつきの原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • 差し歯にぐらつきがある際に考えられる原因
  • 差し歯が取れたときにやってはいけないこと
  • 差し歯がぐらついているときの応急処置の方法

差し歯のぐらつきの原因について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

差し歯にぐらつきがある際に考えられる原因

差し歯にぐらつきがある際に考えられる原因

差し歯にぐらつきがある際は、どのような原因が考えられるのでしょうか、以下に解説します。

歯根が割れている

差し歯のぐらつきや違和感は、歯の根が割れていることが原因である場合があります。歯根が割れると、差し歯を支える土台が不安定になり、噛むときに痛みや不快感を伴うことがあります。

歯の根が割れる原因として、過剰な力が加わることや、長年の使用による劣化が挙げられます。特に神経を取った歯はもろくなりやすく、硬い食べ物を噛んだり、噛み合わせが強い場合に歯根破折が起こるリスクが高まります。

歯根が割れている場合、初期段階では症状がほとんど現れないことが多いとされています。しかし、進行すると歯茎に炎症が起こり、歯周ポケットが深くなるほか、レントゲンで異常が確認されることもあります。歯根破折が見つかった場合、状態によっては抜歯が必要になることも少なくありません。

差し歯に違和感がある場合は、早めに歯科医師に相談し、原因を特定して適切な処置を受けることが大切です。早期治療が歯の保存や症状の悪化防止につながります。

根尖性歯周炎が起こっている

差し歯にぐらつきや違和感がある場合、根尖性歯周炎が原因である可能性があります。

根尖性歯周炎とは、歯の根の先に炎症が生じ、歯槽骨内に膿が溜まる病気です。この炎症により、噛むときに強い痛みを感じたり、顎の腫れを引き起こすことがあります。

主な原因として、根管治療後に神経が一部残っている、細菌がすべて除去されていない、あるいは根管が適切に密閉されていない場合が挙げられます。

この状態が進行すると、炎症が歯の根の周囲の骨を溶かしてしまい、レントゲンで透過像として確認できるようになります。また、膿が歯茎に達し、歯茎から膿が排出されることもあります。

根尖性歯周炎は、早期の段階であれば根管治療による改善が可能とされていますが、歯の内部構造が複雑な場合、治療に時間がかかることも少なくありません。そのため、差し歯に違和感やぐらつきを感じたら、早期に歯科医師の診断を受けることが重要です。

迅速な対応により、炎症の進行を防ぎ、歯の保存が可能になる場合があります。

むし歯になっている

差し歯自体は人工物であるためむし歯にはなりませんが、差し歯の土台となる歯や周辺の歯はむし歯になる可能性があります。

差し歯と歯茎の境目は汚れが溜まりやすい部位であり、ここからむし歯が進行することが多いとされています。むし歯が進むと土台の歯が崩れ、差し歯が安定を失うことで、ぐらつきや違和感、痛みを引き起こす原因となります。

神経を取った歯は痛みを感じにくくなるため、差し歯の下でむし歯が進行していても気が付きにくいことがあります。そのため、内部でむし歯が広がると、噛んだときに差し歯が動くような違和感を覚える場合があります。この段階まで進行すると治療が複雑になる可能性が高いため、早期発見が重要です。

日頃から差し歯と歯茎の境目を丁寧に清掃し、定期的に歯科検診を受けることで、むし歯の発生や進行を予防できます。違和感を覚えた場合は放置せず、早めに歯科医師に相談しましょう。

歯周病になっている

歯周病は、差し歯にぐらつきや違和感を引き起こす大きな要因のひとつです。

歯周病が進行すると、歯茎が腫れたり出血したりするほか、歯を支える歯茎や骨が徐々に弱まり、差し歯が不安定になります。その結果、噛むたびにぐらつきや違和感を覚えることがあります。

差し歯の場合、歯の根と被せ物の境目に汚れが溜まりやすく、特に歯と歯茎の間にある歯周ポケットが細菌の温床となります。磨き残しがあると歯周ポケット内に細菌が溜まり、周囲の骨が溶けてしまい、差し歯の支えが失われる原因となります。

歯周病は早期治療を行うことで症状を改善し、差し歯の安定性を保つことができます。日頃から歯と歯茎の境目を丁寧に清掃し、歯周ポケットのケアを徹底することが重要です。

また、定期的に歯科検診を受け、歯茎の状態をチェックすることで、歯周病の予防と早期発見に努めましょう。歯周病の進行を防ぐことで、差し歯を長く安定して使用することができます。

差し歯にぐらつきがある場合の治療法

差し歯にぐらつきがある場合の治療法

差し歯にぐらつきを感じた場合、その原因に応じた適切な治療が必要です。

むし歯や歯周病、差し歯の劣化が原因であれば、まず原因を取り除いた後、新しい差し歯を被せる治療が行われます。

例えば、差し歯の土台となる歯にむし歯がある場合、むし歯部分を削り治療したうえで、新しい差し歯を装着します。また、差し歯の劣化や接着が弱まっている場合も、新たな差し歯に交換することで違和感を解消できます。

一方、歯の根が割れている場合や重度の感染が起きている場合には、抜歯が必要となることもあります。このようなケースでは、インプラントやブリッジ、新しい差し歯を使った補綴治療が行われます。特にインプラントは長期間にわたり機能性と審美性を保てる選択肢として魅力的な選択肢です。

ぐらつきの原因は個人ごとに異なるため、歯科医師による診断が不可欠です。違和感を覚えた場合は早めに相談し、適切な治療を受けることが歯の健康を守る鍵となります。

差し歯がぐらついているときの応急処置の方法

差し歯がぐらついているときの応急処置の方法

差し歯にぐらつきを感じた場合、すぐに歯科医院に行けない場合でも、適切な応急処置を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。

まず、ぐらつきがある部分を清潔に保つために、丁寧に歯磨きを行いましょう。この際、刺激を与えすぎないようにやわらかめの歯ブラシを使うとよいでしょう。また、せんべいなどの硬い食べ物やガムなどの粘着性のある食べ物は控えて、差し歯に負担をかけないよう注意してください。

痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を使用して一時的に痛みを和らげることができます。ただし、これらはあくまで応急処置であり、原因を解決する治療にはならないため、できるだけ早く歯科医院で診察を受けることが重要です。

さらに、差し歯が取れかけている場合は、薬局で購入できる入れ歯安定剤を使って一時的に固定する方法があります。ただし、瞬間接着剤などの使用は避けてください。接着剤は歯や歯茎に悪影響を及ぼし、後々の治療が困難になる場合があります。

正しい応急処置を行いながら、できる限り早く歯科医院を受診しましょう。

差し歯が取れたときにやってはいけないこと

差し歯が取れたときにやってはいけないこと

差し歯が取れてしまったときに、やってはいけないのはどのようなことでしょうか。以下に解説します。

自分で付けようとする

差し歯が取れてしまった際、慌てて接着剤を使って自身で付けようとする方がいますが、これは絶対に避けてください。強力な瞬間接着剤で差し歯を固定してしまうと、歯科医院で除去することが大変困難になります。 場合によっては、歯を削らなければならず、歯の健康に深刻な影響を及ぼすこともあります。

また、自身で差し歯を付けると、唾液や汚れが隙間に入り込み、不衛生な状態になる可能性があります。その隙間から細菌が侵入し、むし歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。

さらに、正確な位置に差し歯を戻すのは難しく、無理につけることで歯の根にいびつな力がかかり、根が割れてしまう危険性もあります。歯根が割れた場合、歯を抜かざるを得なくなる場合も少なくありません。

また、接着剤を使わずに無理に戻した場合、差し歯が再び外れて飲み込んでしまう可能性もあります。これらのリスクを避けるためにも、差し歯が取れた際には自己判断で対処せず、速やかに歯科医院を受診することが大切です。

これらの注意点を守り、正しい治療を受けることで、差し歯の機能と健康を取り戻しましょう。

取れた差し歯を捨てる

差し歯が取れた際、すぐに使えないからといって捨ててしまうのは避けましょう。取れた差し歯は再利用できる場合があり、歯科医師による診察を受けるまで大切に保管しておくことが重要です。

差し歯は見た目以上に繊細で、衝撃を受けると壊れる可能性があります。そのため、ポケットやバッグに直接入れたり、ティッシュに包んで無造作に保管するのは危険です。破損してしまうと新しく作り直す必要が生じ、再治療の時間や費用の負担が増えてしまいます。

取れた差し歯はやわらかいガーゼで包み、小さな容器やタッパーに入れて保管するのがおすすめです。歯が抜けた際に使用する専用ケースがあれば、それを活用してもよいでしょう。

適切に保管することで、差し歯を再び使用できる可能性を高め、治療をスムーズに進めることができます。

差し歯が取れた部分を刺激する

差し歯が取れた場合、歯の根の部分に穴が残り、そこに食べ物が詰まりやすくなります。しかし、気になるからといって爪楊枝などで穴をほじる行為は絶対に避けましょう。歯が薄い場合、爪楊枝の刺激で歯が割れてしまうリスクがあります。

また、前述したように、自己判断で接着剤を使い差し歯を無理に戻すことも危険です。強力な接着剤は歯科医院での除去が困難になるだけでなく、唾液が入り込むことで衛生状態が悪化し、むし歯や歯周病の原因となります。

取れた部分は日常の歯みがきにとどめ、丁寧に清潔を保つことが重要です。早めに歯科医師の診察を受け、正しい処置を行うことで、さらなるトラブルを防ぐことができます。適切な対応が、歯の健康を守る鍵となります。

差し歯のぐらつきを予防する方法

差し歯のぐらつきを予防する方法

差し歯のぐらつきを防ぎ、寿命を長く保つためには、日々のケアや定期的なメンテナンスが欠かせません。以下の3つの方法をご紹介します。

1.丁寧なケアを行う
毎日の歯磨きや口内ケアは、差し歯の寿命を保つうえでとても重要です。特に、差し歯と歯茎の境目は汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、歯ブラシやデンタルフロスを使って丁寧に清掃し、トラブルを予防しましょう。

2.定期的なクリーニング
自宅でのケアでは取りきれない歯石や汚れは、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングで除去してもらう必要があります。定期的にクリーニングを行うことで、ほかのトラブルを早期に発見し、適切な処置を受けることができます。

3.噛み合わせの調整
噛む力が均等にかかるようにすることで、差し歯への負担を軽減し、長持ちさせることができます。特に噛み合わせの不調は、差し歯だけでなくほかの健康な歯にもダメージを与えるため、定期的な調整を心がけましょう。

これらの予防方法を実践することで、差し歯のぐらつきを防ぎ、長期間快適に使用することができるでしょう。

差し歯にぐらつきがある場合は早めの受診を

差し歯にぐらつきがある場合は早めの受診を

差し歯にぐらつきや違和感を感じた場合、できるだけ早く歯科医師に相談することが大切です。

差し歯は神経を取った歯に処置を施すため、天然歯よりも注意が必要な歯です。違和感があるまま放置すると、症状が悪化し、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。

ぐらつきの原因が軽度の場合、簡単な処置で改善が可能とされていますが、原因を特定し適切な治療を行わないと、むし歯や歯周病、さらには歯根の破折など深刻な状態に進行することがあります。症状が進む程治療は複雑になり、患者さんの負担も増えるため、早めの対応が重要です。

また、差し歯の違和感にはさまざまな原因が考えられるため、自己判断で処置を行うのは避けましょう。例えば、接着剤を使用して差し歯を無理に戻すと、歯や歯茎を傷つけ、治療がさらに難しくなる場合があります。

適切な診断と治療を受けることで、差し歯のぐらつきは解消できる可能性が高まります。違和感を感じたら早めに歯科医院を受診し、健康的で美しい笑顔を長く保つためのケアを受けましょう。

まとめ

まとめ

ここまで差し歯のぐらつきの原因についてお伝えしてきました。
差し歯のぐらつきの原因について、要点をまとめると以下のとおりです。

  • 差し歯にぐらつきがある原因には、歯根破折や根尖性歯周炎、むし歯、歯周病が挙げられる。これらは歯を支える土台を弱らせ、ぐらつきや痛みを引き起こすため、早めの診断と治療が重要である
  • 差し歯が取れた際に控えるべき行動は、自身で接着剤を使う、差し歯を捨てる、取れた部分を刺激することで、不適切な処置は破損や感染リスクを高めるため、早めに歯科医院で診察を受けることが重要
  • 差し歯がぐらついた場合は、歯を清潔に保つ、硬い食べ物を避ける、接着剤の使用は避ける、早めに歯科医院で診察を受けるなどが重要

差し歯のぐらつきは早めの対処が大切です。原因を特定し、適切な治療とケアを行うことで、差し歯を長持ちさせることができます。違和感を感じたら、迷わず歯科医院に相談しましょう。
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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