注目のトピック

歯医者

ラミネートベニアはすぐ取れる?原因や長持ちさせるためのポイントを解説

ラミネートベニアはすぐ取れる?原因や長持ちさせるためのポイントを解説

ラミネートベニアは歯の表面に薄いセラミック板を貼り付けて、歯の色や形を改善する治療法です。短期間で美しい歯を手に入れることができ、多くの方に選ばれている審美治療の一つです。

しかし、「ラミネートベニアはすぐに取れてしまうのではないか」「どのくらい長持ちするのか」などの疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、ラミネートベニアが取れる原因や対処法、長持ちさせるための方法などを詳しく解説します。治療を検討中の方は、この記事を参考にしてもらえれば幸いです。

ラミネートベニアの特徴と費用相場

はてなマーク

ラミネートベニアとはどのような治療ですか?
ラミネートベニアとは、歯の表面をエナメル質の範囲内で薄く削り、その上に薄いセラミック製の板を貼り付ける治療法です。付け爪のようなイメージで、歯の色や形、軽度の歯並びの改善ができます。削る量は0.3〜0.5mm程度で、神経に影響を与えることはほとんどありません。主に上の前歯に適用され、見た目の美しさを短期間で改善できるのが特徴です。セラミック素材は透明感があり、天然歯に近い自然な仕上がりが期待できます。治療回数は2〜3回で完了し、忙しい方にも適している治療法です。
ラミネートベニアのメリットを教えてください。
ラミネートベニアの主なメリットは以下のとおりです。

  • 歯を削る量が少ない
  • 短期間での治療完了(通常2〜3回の通院)
  • 歯の白さが長期間持続する
  • 歯の色や形、軽度の歯並びを同時に改善可能

まず、歯を削る量が少なく済むことが大きな利点です。従来のセラミッククラウンでは歯全体を削る必要がありましたが、ラミネートベニアは表面のみの切削で治療できます。ホワイトニングとは異なり、セラミック製のため変色しにくく美しい色を長期間維持できます。

ラミネートベニアのデメリットを教えてください。
ラミネートベニアにはいくつかのデメリットも存在します。

  • 健康な歯を削る必要がある
  • セラミック製のため強い力に弱い
  • 適応症が限られている
  • 接着部分から剥がれる可能性がある
  • 歯科医師の技術力に依存する

これらのリスクを抑えるため、治療前には十分なカウンセリングを受け、自分の口腔状態や生活習慣を正直に伝えましょう。破損した場合は再治療が必要となる可能性があるため、経験豊富な歯科医院を選ぶことをおすすめします。

ラミネートベニアの治療費用はどのくらいですか?
ラミネートベニアは自由診療のため、歯科医院によって費用は大きく異なります。歯科医院の公開価格を参考にした目安では、一般的な相場は1本あたり50,000〜150,000円(税込)です。この価格差は使用するセラミックの材質や厚み、歯科医院の技術レベルによるでしょう。安価なラミネートベニアは素材を薄くして材料費を抑えている可能性があり、ヒビ割れのリスクが高まります。そのため、費用だけでなく品質や多くの症例数などを考慮して歯科医院を選ぶことが重要です。多くの歯科医院では保証制度を設けており、一定期間内の破損に対して無償または割引価格での再治療を提供しています。

ラミネートベニアが取れる原因と対処法

歯を気にする女性

ラミネートベニアはすぐに取れることがありますか?
適切な治療と使用方法であれば、ラミネートベニアがすぐに取れることはほとんどありません。現在使用される接着剤は強度が大幅に改善されており、専用の光を当てて固化させることで、瞬間的にしっかりと固定されます。ただし治療直後は接着剤がまだ完全に安定していないため、感覚が戻るまで(麻酔が切れるまでの通常1.5〜2時間)は飲食を控え、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は24時間程度避けることが必要です。また、歯の表面積が狭い場合や、エナメル質が十分に保存されていない場合は接着力が低下し取れやすくなる可能性があります。治療の成功は歯科医師の技術力と、患者さんの歯の状態に治療法が適しているかの判断に大きく左右されます。
ラミネートベニアが取れる原因を教えてください。
ラミネートベニアが取れる主な原因は以下のとおりです。

  • 歯ぎしりや食いしばりによる過度な力
  • 前歯でフランスパンやスルメなどの硬い食べ物を噛み切る行為
  • 口腔環境による接着力の低下(唾液の酸性度など)
  • 長期使用による経年劣化
  • 不適切な接着技術による初期不良

このなかでも歯ぎしりや食いしばりによる過度な力が多くの原因とされています。就寝中の無意識な歯ぎしりは特に強い力がかかるため、日中に歯ぎしりの自覚がなくても、朝起きたときの顎の疲れや歯の痛みがある場合は注意が必要です。

ラミネートベニアが取れてしまった場合の対処法を教えてください。
ラミネートベニアが取れた場合は、すぐに歯科医院に連絡して取れた部品を持参しましょう。取れた部品に破損がなければ、再接着が可能な場合があります。応急処置として、取れた部分を清潔な容器に保管し、触らずに保つことが大切です。また、患部を舌で触れることや、硬い食べ物を避けるようにしましょう。取れたラミネートベニアの接着面をよく見ると、以前の接着方法の適切性を判断できることもあります。破損がある場合は再製作が必要となるため、早急な受診が重要です。自己判断での対処は避け、歯科医師の診察を受けることをおすすめします。

ラミネートベニアを長持ちさせるためのポイント

歯の説明をする

ラミネートベニアの寿命はどのくらいですか?
ラミネートベニアの平均寿命は10〜15年程度とされており、長期間の使用が可能です。セラミック素材自体は天然歯と同程度の強度と耐久性を持っており、変色もほとんど起こりません。ただし、寿命を決定する主な要因は接着剤の劣化です。接着剤は治療後3〜7年頃から劣化が始まるとされていますが、材料や術式により大きく異なります。近年の接着技術の向上により、適切なメンテナンスを行えばより長期間の使用が可能です。個人差があり、口腔内環境や使用方法、定期的なメンテナンスの頻度によって寿命は大きく左右されます。なかには20年以上使用している例もあります。
ラミネートベニアを長持ちさせるためのポイントを教えてください。
ラミネートベニアを長持ちさせるために重要なポイントは以下のとおりです。

  • 夜間用マウスピース(ナイトガード)の使用
  • 硬い食べ物を前歯で噛み切る行為を避ける
  • 定期的な歯科検診(3年以上経過時は特に重要)
  • 口腔内の清潔を保つ
  • 喫煙や色の濃い飲食物摂取後にお口をゆすぐ

これらの対策の継続で、ラミネートベニアの寿命を大幅に延ばすことができます。特に歯ぎしりは無意識に行われるため、家族やパートナーに確認してもらい、該当する場合はマウスピースを使用しましょう。また、接着剤の劣化は避けられないため、定期的なメンテナンスが長期使用の鍵となります。

ラミネートベニアのケア方法を教えてください。
ラミネートベニアのケアは基本的に天然歯と同様に行えます。毎日の丁寧な歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯の間の清掃も欠かさず行いましょう。ラミネートベニア自体は汚れが付着しにくい性質がありますが、適切なケアを怠ると歯垢や歯石が蓄積してしまいます。定期的な歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)により、歯の着色汚れや歯垢を除去し、美しさが維持できます。着色を避けるためにコーヒーや紅茶、ワインなどの色の濃い飲食物の摂取後はお口をゆすぐか、時間を置いて歯磨きを行うことがおすすめです。また、喫煙も避けることが望ましいでしょう。破損した場合の費用負担は、歯科医院の保証制度の内容によって大きく異なります。多くの歯科医院では5〜10年程度の保証期間を設けており、定期的なメンテナンスを受けていることが保証の条件となっている場合もあります。

編集部まとめ

笑顔の女性

ラミネートベニアは適切な治療と使用方法により、すぐに取れることはほとんどありません。平均寿命は10〜20年程度で、適切なケアとメンテナンスにより長期間の使用が可能となります。

ただし、歯ぎしりや食いしばり、硬い食べ物の咀嚼などにより取れるリスクがあるため日常生活での注意が必要です。

長持ちさせるためには、ナイトガードの使用や定期的な歯科検診、適切な口腔ケアが重要です。治療を検討している方は、経験豊富な歯科医師に相談し、自分にあう治療法かどうかの適切な判断をおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

1981年日本歯科大学新潟歯学部卒業 / 1981年~1983年横浜 有楽歯科勤務 / 1983年広島市西区にて岸歯科医院開業 / 1998年中区へ移転、(医)ティース プラザ歯科開業,現在に至る / 所属協会・資格: / (公社)日本口腔インプラント学会 理事・指導医・認定医 / (公社)日本歯科先端技術研究所 指導医・認定医 / ピエールフォシャールアカデミー国際歯学会 会員 / 昭和歯科大学歯学部 外部講師 / その他:瀋陽医学院(中国) 客員教授 / ティースアート広島店

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP