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歯固めはいつから使う?効果や卒業するタイミング、おすすめの素材と使い方を解説

歯固めはいつから使う?効果や卒業するタイミング、おすすめの素材と使い方を解説

赤ちゃんの成長の節目の一つが歯の生え始めです。可愛らしい乳歯が顔をのぞかせる一方で、歯茎のむず痒さや不快感によって歯ぐずりと呼ばれる行動がみられることもあります。そんなときに役立つのが歯固めです。

歯固めは単なるおもちゃではなく、赤ちゃんが噛むことで不快感を和らげ、噛む力や顎の発達をサポートする育児アイテムです。本記事では、歯固めの必要性や効果、使い始めるタイミングから選び方や注意点まで、保護者の方が知っておきたいポイントを解説します。

歯固めが必要な理由

歯固めが必要な理由

歯固めとは何ですか?
歯固めとは、赤ちゃんの乳歯が生え始める時期に生じる歯茎のむず痒さや不快感(歯ぐずり)を和らげるためのベビー用品です。赤ちゃんが安全に噛むことができるおもちゃの一種で、噛むことで歯茎に適度な刺激を与え、痛みやかゆみを軽減します。また単なるおもちゃ以上に、赤ちゃんのお口や顎の発達をサポートする役割も担っています。
歯固めの効果を教えてください
歯固めには主に次のような効果があります。
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効果 ポイント
歯ぐずりの解消 歯固めを噛むことで歯茎が適度に刺激され、痛みやかゆみが和らぎます。
噛む練習 離乳食への移行に必要な噛む力を養います。
生後6ヶ月頃から噛む感覚に慣れることで、咀嚼の練習になります。
顎や歯の発育促進 歯茎の刺激で乳歯の生え始めを助けます。
脳の発達への刺激 見る、握る、舐める、噛むといった行動が脳を刺激します。
お口周りの感覚遊びが食べる動作や五感の発達につながります。

以上のように、歯固めは赤ちゃんの不快感を和らげるだけでなく、成長発達にもよい影響を与える可能性があります。

歯固めを使わない場合に考えられるリスクはありますか?
歯固めは必ずしもすべての赤ちゃんに必要というわけではありませんが、使わないことで次のようなリスクが考えられます。まず、歯固めがない場合、歯が生え始めのムズムズを紛らわせようと赤ちゃんは手当たり次第に物を噛もうとします。結果として身の回りの危険なものまでお口に入れてしまい、誤飲やケガにつながるかもしれません。
また、適切な歯固めなどがないと、不快感により赤ちゃんが長時間ぐずり続けてしまい、睡眠不足や保護者のストレスにつながる可能性もあります。このようなリスクを減らすためにも、赤ちゃんがお口に入れても安心な歯固めを準備しておくとよいでしょう。

歯固めをスタートする目安と卒業するタイミング

歯固めをスタートする目安と卒業するタイミング

歯固めはいつからスタートするとよいですか?
歯固めを使い始める時期は、乳歯が生え始める頃が目安です。一般的には最初の歯が生える時期は生後6~8ヶ月とされています。ただし、個人差もあるため、月齢だけにとらわれず、赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。乳歯が生え始めたタイミングで、歯固めを与えてみるとよいでしょう。なお、歯固めには年齢制限やサイズ違いは基本的にありませんので、必要になったときすぐ使えるよう早めに用意しておくとよいでしょう。
参照:『歯とお口の発生と育ち方』(日本歯科医師会)
歯固めを卒業する時期の目安を教えてください
歯固めを卒業するタイミングには個人差がありますが、一つの目安は赤ちゃんの歯ぐずりが落ち着く生後1歳前後です。一般的に1歳頃になると乳歯も生え揃い始め、歯固めに自然と興味を示さなくなる子が出てきます。ただし、もっと早く卒業する子もいれば、奥歯が生え揃うまで長く使いたがる子もいます。
周りの子がやめたからといって、赤ちゃんから歯固めを無理に取りあげる必要はありません。赤ちゃん自身が必要としなくなるまで、ストレスなく使わせてあげて問題ないでしょう。
最終的な卒業のタイミングは赤ちゃん本人が歯固めを必要としなくなった時期とし、自然に歯固めを卒業させてあげましょう。

歯固めにおすすめの素材と使い方

歯固めにおすすめの素材と使い方

歯固めに向いている素材を教えてください
赤ちゃんがお口に入れても安全で、かつ壊れにくい素材の歯固めを選ぶことが大切です。具体的には、シリコン天然ゴムなどのやわらかく弾力がある素材、あるいは天然木やお米由来のプラスチックなど自然素材で作られた歯固めがよいでしょう。
シリコン製や天然ゴム製のものは耐久性が高く適度な硬さがあり、赤ちゃんが噛んでも欠けにくいです。木製の歯固めも自然のぬくもりがありますが、塗料や表面加工が安全なものを選ぶとよいでしょう。近年では食品用の米粉などを原料にした環境に優しい歯固めも登場しており、お口に入れても安全な設計となっています。
歯固めに向いていない素材はありますか?
はい、避けたほうがよい素材や製品も存在します。まず、壊れやすい素材や手作りの歯固めは避けた方がよいでしょう。赤ちゃんが強く噛んだ際に割れたり欠けたりすると、その破片を誤って飲み込んだり喉に詰まらせたりするおそれがあります。硬くて割れやすいプラスチック製のおもちゃなどは歯固め代わりに与えないようにしましょう。
また、塩化ビニル製の歯固めもおすすめできません。塩化ビニールには有害な物質が含まれることがあり、健康への影響が懸念されます。さらに、塗装が剥げやすいものや、小さな部品が付属していて取れやすいデザインのものも避けましょう。
歯固めに興味を持ってくれないときの対処法を教えてください
赤ちゃんは保護者が用意した歯固めに興味を示さないこともあります。そのような場合は、無理に使わせようとしないようにしましょう。嫌がるのに無理強いすると、歯固めが嫌なものという印象を赤ちゃんが持ってしまい、本当に必要になったときに使ってくれなくなる可能性があります。
歯固めは必ずしも使わなければならないものではないので、赤ちゃんが興味を持たないようであれば一度使用を見送りましょう。代わりに、歯ぐずり対策として清潔なガーゼや濡れタオルを冷やしたものを渡してみたり、保護者の指で歯茎を優しくマッサージしてあげたりする方法もあります。
一方で、興味がないうちは無理せずとも、赤ちゃんは歯が生えてムズムズしてくれば自然と何かを噛みたがるようになります。そのタイミングであらためて歯固めを差し出すと受け入れてくれることもあります。赤ちゃんのペースを尊重し、必要になったら使えるようにしておくという姿勢で見守ってあげましょう。
歯固めはどのように使えばよいですか?
歯固めを安全かつ効果的に使うために、以下のポイントに注意しましょう。
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ポイント 説明
必ず見守る 転倒でお口を傷つける危険があるため、赤ちゃんが歯固めを使うときは
必ず大人がそばにいるようにしましょう。
清潔を保つ 使用後は毎回水洗いを行い、煮沸消毒するとよいでしょう。
点検と交換 定期的に劣化や破損がないかを確認します。
ひび割れや欠け、弾力低下があれば使用中止し、新しいものへ交換しましょう。
使うタイミング 歯ぐずりで機嫌が悪いときや眠れないときに渡すとよいでしょう。
寝ている間や目を離すときは誤飲防止のため片付けます。

これらのポイントを守ることで、歯固めを安全に使うことができます。

編集部まとめ

編集部まとめ

歯固めは、赤ちゃんの歯の生え始めによる不快感を和らげるとともに、噛む力や顎の発達をうながす頼もしいアイテムです。適切な時期に優しい素材のものを与え、清潔と安全に配慮して使えば、歯ぐずりの軽減から将来の歯並びのケアまで多くのメリットが期待できます。大切なのは赤ちゃん一人ひとりのペースに合わせることです。歯固めを通じて赤ちゃんの健やかな口腔発達を温かく見守り、楽しい育児時間をお過ごしください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

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