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歯が黒いのはむし歯?むし歯以外で黒くなる原因や、むし歯かどうかのチェック方法などを解説

歯が黒いのはむし歯?むし歯以外で黒くなる原因や、むし歯かどうかのチェック方法などを解説

ふと鏡を見たときに、歯に黒い箇所があると、むし歯では?と心配になりますよね。歯がなぜ黒くなるのか、むし歯以外の可能性はあるのかなど、歯が黒くなることについて解説していきます。

むし歯について

むし歯について

むし歯とはどのような病気ですか?
むし歯とは、食事などでとった糖分から、口腔内にいる細菌が酸を作り出し、その酸によって歯が溶けていく状態のことです。
歯が溶けた状態がひどい程むし歯が重度になっていき、歯の内部の神経近くまで溶けてしまうと痛みを感じることがあります。
なぜむし歯は黒い状態になるのでしょうか?
むし歯で侵食された歯は、象牙質という歯の層が露出します。
象牙質は有機質を含んでいて、むし歯が進行するとこの有機質が腐敗し、色素が褐色や黒色になります。
また、むし歯で溶けてへこんだ箇所には食べ物のかすなどがつまりやすくなりますが、細菌が食べかすから黄色や茶色などの褐色やさらに色の濃い黒い色素を作りだすことも、黒っぽく変化する要因です。
痛みが少ないむし歯治療はありますか?
むし歯治療での痛みを少なくすることはできます。
そもそもむし歯の治療時には局所麻酔薬を注射するのが一般的で、局所麻酔薬をしておけば痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、そもそも局所麻酔薬を注射するときの針を刺す痛みは生じてしまいますので、この痛みが抑えられれば、歯科治療における痛みを少なくできるといえます。
麻酔時の痛みを抑える方法として、先の細い針で注射したり、針を刺す前に表面麻酔をしておき針が刺さるときの痛みを感じにくくするといった方法があります。
また、麻酔薬を注入するときにもしみるような痛みが生じやすいため、注入する薬剤を人肌にあたためておいたり、コンピューター制御で一定の速さで薬剤を注入するなどして痛みを抑える工夫をしている歯科医院もあります。
むし歯かどうかをセルフチェックする方法はありますか?
むし歯があるかどうかをセルフチェックするためには、下記のような確認をしてみましょう。 まずは、変色や斑点、小さな穴、ひびや割れがないか鏡を使って確認します。
奥歯や歯の裏などもなるべく入念に確認しましょう。
目視だけではなく歯ブラシをゆっくりと歯に当てて、凸凹や欠けている部分がないかを確認したり、痛みがあるところがないかを確認すると、むし歯を見つけやすくなります。 また、むし歯になると歯が刺激を感じやすくなるので、冷たいものに敏感に反応する箇所がないかは重要なポイントです。
それまでは問題なかったのに、冷たい水をお口に含んだときに痛みを感じるようになったという場合は、痛みを感じる箇所をよく確認するとよいでしょう。
冷たい水以外にも、チョコレートなど甘いものを噛んだ時にも痛みが発生することがあるので、この場合にも確認をしてみるようにしましょう。 歯茎の赤みや、腫れ、出血などもチェックポイントの1つです。
むし歯が隠れていると、歯の根元で炎症が起きていたり、プラークが溜まると歯茎が腫れたりすることがあります。プラークそのもの自体はむし歯ではないですが、プラークにむし歯が隠れていることがあるので、歯茎の異常にも気を配りましょう。 その他、口臭の有無も確認しておきたいポイントです。
むし歯や歯周病が進行すると細菌が作り出す毒素などによって口臭が強くなる可能性があります。 以上がセルフチェックのポイントですが、むし歯かどうかを自分で正しく判断することは難しいため、気になることがあれば早めに歯医者での検査を受けるようにしましょう。
自然にむし歯がよくなることはありますか?
むし歯は、COと呼ばれる初期段階であれば、歯の表面に菌が付着しているだけの状態なので、丁寧に歯磨きなどを行えば自然と回復する可能性もあります。
しかし、C1からC4とよばれる、歯のエナメル質よりも内側の層まで進行してしまったむし歯は自然には治りません。
C1以降でも早めに歯医者に行くことであまり削らずに治せることもあるので、まずは歯医者に相談しましょう。

歯が黒くなるむし歯以外の原因

歯が黒くなるむし歯以外の原因

むし歯以外で歯が黒くなることはありますか?
むし歯以外でも歯が黒くなることはあります。
まず考えられるのは、食べかすや歯垢によるものです。食べかすや歯垢が酸化するなどして黒く変色すると、歯が黒くなったように見える場合があります。
これらは歯磨きをすれば取れますが、歯ブラシでも取れない場合はデンタルフロスや歯間ブラシを使う必要があります。
ただし、歯垢が時間経過とともに硬くなって歯石になってしまうと歯磨きで除去することが難しくなるので、歯科医院でのクリーニングなどを受ける必要があります。 次に考えられるのは、歯への色素沈着です。過去に治療した箇所の詰め物との境目やひび割れの箇所に色の濃い飲み物などの色素が入り込み、そのまま定着してしまうと色素沈着として残ります。ただし、色素沈着の場合は黒っぽくなることはあまりなく、黄色や褐色になることがほとんどです。 歯が全体的に青白かったり灰色っぽい色になっていくという場合は、根管治療の影響も考えられます。過去に根管治療をした歯は、神経を抜いてしまった影響で、歯が脆くなり、歯の密度や透明感が減っていき、次第に黒っぽい灰色の歯になっていきます。
歯石が黒い色になるのはなぜですか?
歯石が黒くなってしまうのは、歯石を放置しておくとだんだんと酸化して色が濃く褐色や黒っぽく変色していくためです。
また、歯石に色の濃い食べ物の色がうつって黒く変色することもあります。
歯が全体的に黒いのはなぜですか?
歯が全体的に黒いというお悩みには2つのパターンがあると思われます。
一つ目は、黒いむし歯になっている箇所が複数あるパターンです。むし歯がお口の中全体的に細かくあると、ほぼすべての歯が黒っぽく汚れているように見えます。
二つ目は、歯の一部分ではなく、一本の歯が全体的に黒っぽく見えるパターンです。歯の神経が損傷していたり、過去に根管治療を施した歯は、年月とともに黒っぽくなっていきます。しかしこの場合は完全に黒い色になるというよりも、青白かったり、灰色っぽかったりと全体的に暗い色になります。

むし歯の治療方法

むし歯の治療方法

どのような検査でむし歯かどうかわかりますか?
歯医者でのむし歯の検査は、医師が目視で確認するほかに、レントゲンやCTを使用します。
歯に穴が空いているものなど明らかにわかるむし歯は肉眼でも確認できますが、歯と歯が隣り合っている箇所や、詰め物などで隠れている箇所などは肉眼では確認できません。そのため、レントゲンやCTを活用してむし歯を発見します。 黒くなっている箇所はむし歯の可能性もありますが、単に色素が付着していたり食べ物が挟まっているだけの場合も考えられます。そのため、歯医者での検査時には、専門的な歯科クリーニングを行います。これによって歯石や歯垢で隠れて見えなくなっていたむし歯も発見しやすくなります。
歯の黒い部分をよく磨けばむし歯は治りますか?
歯の黒い部分が、初期むし歯なのか、重度のむし歯なのかによって、自然治癒できるかどうかは変わります。
歯の表面部分のみが少し変色している程度の初期のむし歯であれば、しっかりと歯を磨くことで自然に治っていく可能性があるといえます。
しかし、細菌に感染がエナメル質のなかにまで進行してしまっている場合は、よく磨いても自然に治ることはありません。
歯の黒い箇所がごくわずかな点に見えても、実は初期むし歯でないことがあるので、気になったらすぐに歯科医院での検査や治療を受けるようにしましょう。
むし歯を治す薬はありますか?
歯を機械で削らずに、薬だけで治療する方法はあります。
その1つがカリソルブ治療といって、むし歯の部分だけを薬で軟らかく溶かした後、手作業で取り除くという方法です。
カリソルブ治療は、予防治療の先進国といわれるスウェーデンで開発され、ヨーロッパで普及した治療法で、日本では2007年に厚生労働省が認可したのをきっかけに、保険診療ではなく自費診療にはなりますが徐々に普及してきています。
この治療の最大のメリットは、神経をとらずに治療できる点です。
デメリットとしては、軽度のむし歯には適用できますが、病巣の深い重度のむし歯には適用外なことが挙げられます。
適応可能かどうかは歯医者での診断が必要となりますので、気になる方は一度この治療に対応している歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
歯医者でむし歯はどうやって治しますか?
むし歯の治療は、基本的には細菌に感染している箇所をドリルなどで物理的に除去し、それ以上の進行を防ぐことで行います。
エナメル質や象牙質といった部分までの感染であれば歯を削るだけですみますが、歯髄という歯の神経にまで達している場合は、神経を除去するなどの対応が必要になることもあります。
細菌に感染している箇所を徹底的に除去したら、穴が空いてしまったところに詰め物をしたり、歯の形をした被せ物をして、歯の内部に細菌が進入しないように蓋をして治療が完了となります。 神経を除去する根管治療が行われる場合は、徹底的に殺菌をするため、歯のなかに殺菌力のある薬剤を詰めて一定期間おくといった治療が行われることもあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

むし歯は肉眼で確認できないものも多く、そのために気が付いたときにはかなり進行してしまっているというケースもあります。
肉眼で黒く見えるむし歯は確認がしやすい分、歯の治療を早めに行える可能性があるサインともいえます。
黒っぽく見えるところを発見したら、ご自分で悩むよりもまず歯医者に相談して、深刻な状態になる前に治療しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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