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セラミック治療のメリットとデメリット、セラミックの種類や特徴、注意点を解説!

セラミック治療のメリットとデメリット、セラミックの種類や特徴、注意点を解説!

近年は、口元の審美性への意識が高まっており、クリーニングやホワイトニングにとどまらず、セラミック治療で歯を根本からきれいにする人が増えています。セラミック治療なら、歯の色や形、大きさなどを理想に近付けられるため、口元をより美しく自然な見た目にしたい方に推奨される治療です。ここではそんなセラミック治療のメリットとデメリット、セラミックの種類や特徴について詳しく解説します。セラミック治療を検討中の方は参考にしてみてください。

セラミック治療のメリット

セラミック治療のメリット はじめに、セラミック治療のメリットについて解説します。セラミックを使った治療は、銀歯やレジン歯にはないメリットがたくさんあります。

白くて美しい見た目になる

セラミック治療を選択する人は、審美性の高さを期待しています。セラミックは天然歯の色調や光沢、透明感などを忠実に再現できることから、白くて美しい見た目に仕上げることが可能です。ただし、セラミックの種類によっては、透明感や色調に差が見られるだけでなく、患者さんのもともとの歯の色によっては、仕上がりに満足できないこともあります。

耐久性が高い

歯科治療で白い歯にする方法に、レジンという素材が選択肢にあります。歯科用プラスチックであるレジンは、天然歯の色に近いものの、耐久性が低く摩耗したり、変色したりしてしまいます。何かの拍子に欠けたり外れたりするトラブルも起こりやすい素材です。

セラミックはとても硬く、耐久性に優れた素材なので、経年的な劣化が起こりにくいです。治療から数年経過しても、表面が削れたり、黄ばんだりすることはほとんどありません。レジンのように簡単に壊れることもないでしょう。

二次むし歯になりにくい

むし歯治療の後に詰め物や被せ物を装着する際には、適合性も意識しましょう。保険診療で使える銀歯やレジン歯は、削った後の歯への適合性が低いことから、細菌の侵入が起こりやすくなっています。銀歯が外れたときに、真っ黒なむし歯になっていたというケースはも少なくありません。

セラミックは、削った歯にぴったりと適合させることができるため、二次むし歯のリスクを抑えられるというメリットがあるのです。むし歯が再発しにくいということは、詰め物や被せ物の寿命の延伸にもつなgります

歯茎の黒ずみが起こらない

金属素材を一切使用しないセラミック治療なら、歯茎が黒ずむメタルタトゥーが起こりません。歯茎の黒ずみは、口元の審美性を低下させる要因になることから、それを防げる点はセラミック治療の大きなメリットのひとつといえます。

金属アレルギーのリスクがない

非金属素材であるセラミックには、金属アレルギーのリスクがありません。セラミックは生体親和性が高く、口腔組織に悪影響を与えることはほとんどないといわれています。銀歯による金属アレルギーのリスクが心配であったり、銀歯で金属アレルギーを発症したりした方でもセラミックなら治療を受けられます。

セラミック治療のデメリット

セラミック治療のデメリット セラミック治療にはたくさんのメリットがありますが、デメリットを伴う点にも注意が必要です。セラミック治療を検討中の方は、少なくとも以下に挙げる3つのデメリットは、事前に理解しておきましょう。

割れてしまうことがある

セラミックはとても硬く耐久性の高い素材ですが、強い衝撃が加わると割れることがあります。セラミック製のお皿は普段使っているなかで壊れることはありませんが、高いところから床に落とすと割れるのをイメージするとわかりやすいでしょう。歯科治療で用いるセラミックも同じです。

具体的には、ナッツ類やおせんべいなど、硬い食べ物をセラミック歯で無理に噛もうとすると、一部が欠けたり割れたりすることがあります。破損したセラミックは、部分的に修復することが困難なので作り直しとなります。同じ白色素材のコンポジットレジンは、欠けた場合に素材を盛り足して光で固めることができるため、この点に限ってはセラミックが劣っています。

自由診療のため高額になる

セラミックで詰め物や被せ物を作る場合は自由診療となります。健康保険の範囲内でもセラミックが含まれた素材を使用することはできますが、あくまで歯科用プラスチックであり、経年的な摩耗や変色は避けられません。セラミック素材を使う場合は、治療にかかった費用は全額自己負担となります。詰め物であるセラミックインレーの場合は、3〜6万円程度、被せ物であるセラミッククラウンの場合は、6〜20万円程度の費用がかかります。歯の治療の経済面を重視するのであれば、保険診療のレジンを選択した方がよいでしょう。

歯を削る必要がある

セラミック治療は、場合によっては歯を削らなければならないかもしれません。銀歯をセラミック歯に変える際には、銀歯の厚みだけではセラミックの強度が不十分で、セラミックの厚みを出すため健康な歯を削ることが少なくありません。神経との距離が近かったり、処置をするなかで神経が露出する露髄(ろずい)が生じたりすると、抜髄や根管治療を行う必要性がでてしまいます。

むし歯になっておらず、詰め物や被せ物も装着していない歯の形や大きさ、色を改善する目的でセラミック治療を行う場合は、それなりの量の歯を削ることになります。エナメル質や象牙質は、一度削ってしまうともとに戻ることはない点に注意が必要です。

セラミックの種類と特徴

セラミックの種類と特徴 セラミックの種類とそれぞれの特徴について解説します。

オールセラミック

オールセラミックとは、一般的に用いられているセラミックの種類です。歯科素材のなかでも美しく、天然歯の色調や光沢、透明感を忠実に再現してくれます。

ただし、割れやすいという欠点があることから、強い力がかかりやすい奥歯の治療にはあまり向いていません。奥歯よりは負担がかからず、高い審美性が要求される前歯の治療には、オールセラミックが適しているといえます。

e-max(イーマックス)

e-max(イーマックス)はガラスセラミックを強化した素材で、オールセラミックに近い審美性を持ちつつ、3~4倍の強度を備えています。オールセラミックの割れやすいという欠点を補ったのがe-max(イーマックス)です。審美面においては、オールセラミックよりは劣るものの、壊れにくく費用が安いというメリットがあります。

ジルコニア

ジルコニアは酸化ジルコニウムからなるセラミックで、審美素材として活用されています。オールセラミックよりは透明感に劣ることから、前歯の治療に向いていません。

ジルコニアの特徴は、人工ダイヤモンドと呼ばれる程硬く、金属に匹敵する強度を備えているため、強い力がかかる奥歯に適したセラミックです。ジルコニアで作った被せ物が割れることはありませんが、強度の高さゆえに噛み合う天然歯を傷つけるリスクは伴います。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックとは、セラミックと歯科用プラスチックであるレジンを混合した素材です。セラミックとプラスチックの中間的な性質を持った素材で、費用もセラミックより安くレジンより高くなっています。

経済面において標準的なセラミックを選択できなくて、プラスチックよりもよい仕上がりを希望する方には、ハイブリッドセラミックが推奨されます。

メタルボンド

メタルボンドとは目にふれる部分だけをセラミック素材で覆い、それ以外の部分は金属で作られた被せ物です。強度と審美性を兼ね備えた人工歯を装着できるのですが、表面のセラミックが剥がれることがあったり、金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクがあるなどのデメリットも伴います。

歯を削らないセラミック治療とは?

歯を削らないセラミック治療とは? セラミック治療には、歯を削るというデメリットを伴いますが、削る量を減らせる、もしくは歯をまったく削らずに済む方法があります。ラミネートベニアと呼ばれるセラミック治療です。

歯を削らないラミネートベニアとは

ラミネートベニアとは、歯の表面にセラミック製のチップを貼り付ける治療法です。被せ物のような立体的な歯の形をしていないので、歯質をたくさん削る必要がありません。

従来のラミネートベニアは、歯の表面のエナメル質を一層(0.5mm程度)削る必要がありました。ラミネートベニアの厚みの分だけ歯質が邪魔になるからです。エナメル質を一層削るだけでは、むし歯や知覚過敏のリスクが高まることはほとんどないといわれていますが、それでも天然の歯質を失うことに抵抗を覚える方も少なくありません。

近年使用されているノンプレップベニアでは、エナメル質を削らなくても装着できるものです。従来のラミネートベニアよりは歯に厚みが出やすく違和感や異物感が大きかったりします。そのため、出っ歯の症例には向かなかったり、審美性や適応範囲がやや狭いさがデメリットになります。

ラミネートベニアのメリット

標準的なラミネートベニアには、以下に挙げる4つのメリットがあります。

・歯を削る量が少ない
・治療期間が短い
・治療に伴う痛みが少ない
・歯の色と形、大きさなどを修正できる

ラミネートベニアのデメリット

標準的なラミネートベニアには、以下に挙げるような4つのデメリットを伴います。

・歯に厚みが出ることがある
・セラミックチップは割れたり外れたりするリスクがある
・前歯以外の部位には適応が難しい
・保険が適用されない

セラミック治療の注意点

セラミック治療の注意点 セラミック治療を受けるうえで注意しなければならない点を解説します。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、セラミックの装置に過剰な圧力を加えて破折や脱落を引き起こす恐れがあることから、事前に改善しておくのが望ましいです。意識的に改善することが難しい場合は、専門家に相談しましょう。歯科医院ではナイトガードと呼ばれる治療用のマウスピースを用いたスプリント療法が受けられます。

就寝中にナイトガードを装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる歯へのダメージを軽減できます。ナイトガードは下顎の位置を正常化も期待できるため、スプリント療法を継続することで歯ぎしりや食いしばり自体を改善する可能性があります。

成人男性の歯ぎしりや食いしばりは、100kg程度の力が歯や顎にかかるといわれており、放置しておくとセラミック歯だけでなく天然歯や顎関節にも悪いといわれています。

定期的なメンテナンスが必要

セラミック製の詰め物や被せ物は、接着さえしてしまえば天然歯と同じようなケアで済みます。セラミック治療が終わった後は、歯科医院への通院をしなくなってしまう方も少なくありません。しかし、セラミック歯にも定期的なメンテナンスが重要であることを知っておきましょう。

セラミックは天然歯にそっくりな仕上がりが期待でき、むし歯の再発リスクも低くなっていますが、口腔衛生状態が悪くなったり噛み合わせに異常が生じたりすると、割れるリスクが高まります。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、セラミック治療を受けた後は3〜4ヵ月に1回くらいのメンテナンスを継続していきましょう。

セラミックの詰め物や被せ物は費用は高額ですが、保証が付いている場合が少なくありません。定期的なメンテナンスを受けてセルフケアを実施しているにも関わらず、セラミッククラウンが外れた場合は、再治療を無償で受けられることがあります。保証を受けるためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。

まとめ

今回は、セラミック治療のメリットとデメリット、素材の種類、治療後の注意点などを解説しました。セラミック治療には、審美性や耐久性、生体親和性が高いというメリットがある反面、強い衝撃で割れることがある、健康保険が適用されない、歯を削る必要があるなどのデメリットを伴います。セラミック治療のなかには、歯とほとんど削らず、治療期間も短いラミネートベニアという選択肢もありますが、万能な方法ではないため自分に合ったものを慎重に選ぶことが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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