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セラミック治療で歯茎や根元が黒くなる原因とは?対処法や予防法も解説

セラミック治療で歯茎や根元が黒くなる原因とは?対処法や予防法も解説

セラミック治療でも歯茎や歯の根元が黒くなるのは本当なのだろうか」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。歯を白くしたいのに、逆に黒ずんでしまうのは残念なことです。

本記事では、セラミック治療で歯茎や歯の根元が黒くなる原因に加えて、実際に黒ずんでしまった場合の対処法や黒ずみの予防法も解説します。

セラミック治療による歯茎や歯の根元の黒ずみは、予防可能です。適切な治療とケアを行って、きれいな白い歯とお口の健康を保ちましょう。

セラミック治療で歯茎や根元が黒くなる原因

歯を見る人

セラミック治療で歯茎が黒くなる原因を教えてください。
セラミック治療で歯茎が黒くなる原因として、以下の3つが考えられます。
  • 被せ物や支台に使われた金属の溶け出し
  • 被せ物と歯の間の段差で黒く見える
  • タバコによる影響

セラミック自体が黒くなることはありません。しかし、セラミック治療の際に被せ物の裏側や支台に金属が使用されていると、溶け出した金属イオンによってセラミック周辺が黒く変色します。
また被せ物が適切な位置で装着されていないために、被せ物と歯の間に段差ができ、その段差や歯茎の部分が黒く見えることもあるようです。
使用されたセラミック以外に歯茎が黒ずむ原因として、喫煙習慣が挙げられます。喫煙はタバコ自体の色素が歯に付着するだけでなく、歯茎の血行不良も起こすため、黒ずみの原因になりがちです。

セラミック治療で歯の根元が黒くなる原因を教えてください。
セラミック治療で歯の根元が黒くなる原因としては、歯茎と同様に被せ物や支台に使用された金属の溶け出しも挙げられますが、ほかにも以下の理由が考えられます。
  • 被せ物に使われた金属の露出
  • 歯茎の後退による歯の根元の露出
  • むし歯の発生
  • 色素沈着(飲食物やタバコなど)

セラミック治療で用いられる被せ物の1つとして、メタルボンドがあります。メタルボンドは、金属の表面にセラミックを築成するタイプの被せ物です。メタルボンドが適切に装着できていない、あるいは加齢などにより歯茎が後退しうまく装着されなくなった場合、セラミックの内側にある金属部分が露出し黒く見えてしまいます。
また歯茎の後退は歯の根元を露出させるため、セラミックの内部に使用されていた金属の溶け出しなどによる歯への着色が見えやすくなりがちです。ほかにも、むし歯や生活習慣による歯への色素沈着が、歯の根元が黒ずむ原因として挙げられます。

セラミック治療で歯茎や根元が黒くなった場合の対処法

カウンセリング

黒くなってしまった歯茎や歯の根元はもとに戻りますか?
黒くなってしまった歯茎や歯の根元がもとに戻るかは、黒ずみの原因によります。被せ物の金属の露出や被せ物と歯の間に段差があることで黒く見えている場合は、原因を取り除くことで修正可能です。また金属が関係していない色素沈着の場合、歯面研磨やホワイトニングによって歯を白い状態に戻せます。
しかし、セラミック治療のときに使用された被せ物の金属によって黒ずんだ場合、ホワイトニングでもとに戻すことはできません。溶け出した金属イオンによる歯や歯茎の色素沈着(メタルタトゥー)は、もとの歯と同じ色の材料で置き換え、もしくはレーザー治療での対応になります。
歯茎や歯の根元の黒ずみをもとに戻す場合は、まず原因の特定が必要です。黒ずみの原因によってはもとに戻すのではなく、置き換えやレーザー治療による除去が必要になることをあらかじめ把握しておきましょう。
支台が原因で歯茎が黒くなった場合の対処法を教えてください。
支台が原因で歯茎が黒くなった場合は、支台の素材を金属からプラスチック(レジンコアなど)に入れ替えましょう。支台による歯茎の黒ずみが起こっている場合、支台に使用された金属が溶け出してメタルタトゥーになっていると考えられます。支台の素材を非金属に変えると、金属イオンの蓄積が止まるため、今以上に歯茎が変色することはありません。非金属の支台として、以下の2つがあります。
  • レジンコア
  • ファイバーコア(ファイバーポストを用いて補強したレジンコア)

レジンコアは保険適用の支台になるため、治療にかかる費用を抑えることが可能です。ファイバーコアは保険適用外になりますが、強度が高く、歯の根元と一体化し歯が折れるのを防ぎます。
セラミック治療にかける予算や歯の状態によって適切な支台は変わるため、歯科医師と相談したうえで支台の入れ替えを依頼しましょう。

被せ物が原因で歯茎が黒くなった場合の対処法を教えてください。
被せ物が原因で歯茎が黒くなった場合、表面がセラミックであっても内側が金属で作られた被せ物の可能性があります。被せ物自体をオールセラミックに交換して、金属部分の露出や金属イオンの溶け出しを防ぎましょう。
オールセラミックの被せ物であれば金属を一切使用しないため、金属イオンが溶け出すことはなく、歯茎の変色を防止できます。また、金属アレルギーの不安がないのもオールセラミックの特徴です。
「オールセラミックの被せ物は強度が心配」という方もいるかもしれません。しかし、セラミックの1種であるジルコニアを用いれば強度の高い被せ物になるため、奥歯用でも金属を使わないオールセラミックの被せ物ができます。
歯茎の黒ずみが目立ってきた際には、被せ物をオールセラミックに変更できるか歯科医師と相談しましょう。
歯の根元が黒くなった場合の対処法を教えてください。
歯の根元が黒ずんでいる場合、まずは黒ずみの原因を特定しましょう。黒ずみの原因が被せ物や支台から溶け出した金属イオンや金属部分の露出であった場合、歯茎の黒ずみと同様に被せ物や支台を非金属に変更することで対処できます。
むし歯や生活習慣による歯への色素沈着が黒ずみの原因になっている場合は、症状に応じた歯科治療が必要です。歯の根元の黒ずみを放置すると、症状の悪化が懸念されるでしょう。
黒ずみを発見した段階で早めに歯科医院を受診し、黒ずみの原因を取り除きましょう。

セラミック治療による歯茎・根元の黒ずみの予防法

歯磨き

セラミック治療による歯茎の黒ずみを予防する方法はありますか?
セラミック治療による歯茎の黒ずみを予防するには、治療の段階で金属を使用しない支台や被せ物を作ってもらうのがよいでしょう。溶け出した金属イオンによって変色した歯茎はセルフケアでは戻らず、レーザー治療などの対応が必要になります。
セラミック治療を行う段階でオールセラミックなどの金属を使わない方法を選択することで、歯茎への金属の溶け出しを防ぐことが可能です。セラミック自体が黒くなることはないため、被せ物による黒ずみの心配はなくなるでしょう。また禁煙も歯茎の黒ずみ防止につながります。お口の健康を守るためにも、タバコを控えるようにしてください。
セラミック治療による歯の根元の黒ずみを予防する方法はありますか?
セラミック治療による歯の根元の黒ずみを予防する方法として、被せ物をオールセラミックなどの非金属製にすることや、適切な被せ物の装着が挙げられます。歯も歯茎同様に金属の溶け出しで変色することがあるため、被せ物に金属を使用しないことが予防策として重要です。また被せ物を適切に装着し、被せ物と歯の間の段差をなくすことも黒ずみ予防につながります。
歯磨き方法における工夫も黒ずみ予防の1つです。被せ物と歯の継ぎ目はむし歯になりやすく、歯ブラシでも届きにくい部分になります。フッ素の含まれた歯磨き粉や洗口液を毎日の歯磨き方法に取り入れて、むし歯による黒ずみも予防しましょう。
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも、黒ずみ防止と歯の健康維持に効果的です。
適切なセラミック治療を受けるための歯科医院の選び方を教えてください。
セラミック治療は歯科治療のなかでも審美治療に分類されます。適切なセラミック治療を受けられるかは、以下の観点から判断するのがよいでしょう。
  • 日本審美歯科協会 協会会員の歯科医師がいる
  • セラミック治療の経験が豊富である
  • セラミックの種類が豊富に用意されている
  • セラミック治療に使用する設備が整っている

日本審美歯科協会 会員の歯科医師および歯科医院は、日本審美歯科協会のホームページから確認できます。また、治療前の初診やカウンセリングでの対応も、判断基準になるかもしれません。
セラミック治療を受けたい場合は、審美治療に対応している歯科医院の情報を調べたうえで、実際にカウンセリングを受けて自分に合った治療を受けられる歯科医院か判断しましょう。

編集部まとめ

医療従事者

本記事では、セラミック治療で歯茎や歯の根元が黒くなる原因と黒ずみの対処法・予防法について解説しました。

セラミック治療の後に発生する黒ずみの多くは、被せ物の金属が原因となります。金属イオンによる歯や歯茎の変色は、もとに戻すのが大変です。

あらかじめ非金属の被せ物を選び、治療後もむし歯を発生させないようしっかりセルフケアをして、きれいな白い歯を保ちましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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