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セラミッククラウンのメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを解説!

セラミッククラウンのメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを解説!

セラミッククラウンは、むし歯や外傷などで大きく欠損した歯を補う治療法の一つで、特に見た目や耐久性を重視する方に選ばれる被せ物です。透明感があり天然の歯に近い美しさを再現できることから、前歯の治療など審美性が求められる場面で用いられています。本記事では、セラミッククラウンの特徴や治療方法、メリットとデメリットなどを解説します。

セラミッククラウンとは

セラミッククラウンとは

クラウンとは何ですか?
クラウンは、むし歯や外傷などで歯が大きく欠損したときに、その歯の全周を覆って形や機能を回復する人工の歯です。大きなむし歯で詰め物では補えない場合や、根管治療を終えて歯がもろくなった場合に行われ、歯の破折を防ぎながら噛む機能を回復させる役割を果たします。さらに、見た目の改善効果も大きく、特に前歯では自然な色や形を再現できるため、審美面の治療にも用いられています。
セラミックの特徴を教えてください
歯科でいうセラミックとは、陶器のような白い素材で作られた歯の被せ物のことです。金属を使わないため、オールセラミッククラウンとも呼ばれます。大きな特徴は審美性がとても高いことで、天然歯に近い透明感と自然な色合いを再現できます。また、金属を含まないので金属アレルギーの心配がなく、長期間使用しても変色しにくい安定した材料です。表面が滑らかで汚れが付きにくい点も特徴です。
セラミッククラウンによる治療方法について教えてください
セラミッククラウン治療は、むし歯や古い詰め物や被せ物を取り除き、クラウンをかぶせるために歯の形を整えるところから始まります。
その後、削った歯の形に合わせて精密な型取りを行い、歯科技工所でセラミッククラウンを製作します。治療中は削った歯を保護するために仮歯を装着し、見た目や噛む機能を一時的に補います。
数日から数週間後、完成したセラミッククラウンが届いたら、調整を行ったうえで専用の接着材を用いて歯に装着します。こうした一連の工程は通常2~3回の通院で完了するのが一般的です。

セラミッククラウンのメリット・デメリット

セラミッククラウンのメリット・デメリット

セラミッククラウンのメリットを教えてください
セラミッククラウンにはさまざまなメリットがあります。まず、見た目が自然である点です。セラミックは透明感があり周囲の歯とよく調和するため、一見して被せ物だと気付かれにくく、天然の歯のような仕上がりになります。
さらに、変色しにくく清潔さを保ちやすいという特徴もあります。保険適用のプラスチック冠のように時間の経過とともに黄ばむ心配がほとんどなく、表面が滑らかで汚れが付きにくいため、美しい状態を長く維持することができます。
また、金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクを避けられます。加えて、適切なケアを行えば耐久性にも優れており、セラミッククラウンは長期間使用できるケースもあります。
セラミッククラウンにはデメリットはありますか?
セラミッククラウンにはさまざまなデメリットもあります。まず挙げられるのが費用の高さです。セラミッククラウンは健康保険の適用外となる自費診療のため、治療費は1本あたり数万円以上かかることもあり、金属冠などに比べて高額です。
次に、割れるリスクがある点です。セラミックは硬くて摩耗しにくい反面、強い衝撃には弱い素材です。そのため、噛み合わせによって強い力がかかる奥歯や、歯ぎしりの癖がある方の場合には、欠けたり割れたりする可能性が高まります。
また、歯を多く削る必要があることもデメリットの一つです。セラミック冠は十分な強度と審美性を確保するために一定の厚みが必要となるため、金属冠や一部のプラスチック冠に比べて削る量が多くなることがあります。
これらのデメリットを踏まえ、見た目や耐久性といったメリットとのバランスを考えたうえで、自分に合った素材を選択することが大切です。
セラミッククラウンとほかの素材の違いを教えてください
セラミッククラウンはほかの素材との違いがいくつかあります。
保険診療の場合、奥歯には銀色の金属クラウン、前歯には内側に金属を入れたレジン冠が使われます。金属冠は耐久性に優れ噛む力に強い一方、見た目が目立ちやすく金属アレルギーのリスクがあります。レジン冠は保険で白い歯にできますが、材質上変色しやすく長持ちしにくい欠点があります。
一方、セラミッククラウンは、自然な白さで審美性がとても高く変色もしにくいのが特徴ですが、保険のものに比べ費用が高く、衝撃に対して割れやすい面があります。なお、セラミックの一種であるジルコニアは大変強度が高いため奥歯にも使える白いクラウンで、セラミックより割れにくい反面、透明感はやや劣ります。

セラミッククラウンとそれ以外の素材で悩んだときは

セラミッククラウンとそれ以外の素材で悩んだときは

クラウンの材質を選ぶポイントを教えてください
クラウンの材質を決める際は、歯の場所や重視する点、費用、体質などを考慮します。前歯など見た目を重視する箇所には、透明感のあるセラミック系素材が適しています。逆に、奥歯など強度を重視する箇所では、耐久性の高いジルコニアや金属の方がよいでしょう。仕上がりの審美性を優先するか、噛む機能や耐久性を優先するかによって選ぶ素材は変わります。
金属アレルギーがある方は金属を避けてセラミック系を選ぶ方がよいでしょう。また、費用面も重要です。保険内で収めるか、自費負担してでも見た目や耐久性を取るか、ご予算とのバランスを検討しましょう。
さらに、歯ぎしりなどご自身の癖も考慮が必要です。強い歯ぎしりがある場合は割れにくい材質を選ぶか、必要に応じてマウスピースで歯を保護する対策も有効です。最終的には歯科医師と相談し、総合的に判断することをおすすめします。
セラミッククラウンを選んだ方がよいのはどのようなときですか?
セラミッククラウンが特に有用なのは、見た目の自然さを重視したい場合です。前歯の治療ではセラミックによって透明感のある自然な仕上がりが得られるため、治療跡が目立ちにくくなります。
また、金属アレルギーの心配がある場合にも、金属を含まないセラミックは適した選択肢です。そして、プラスチックよりセラミックの方が変色せず長持ちするため、白さを保ちたい方に向いています。総じて、審美性や生体親和性を優先する方にはセラミッククラウンがおすすめです。
セラミッククラウンを避けた方がよいケースを教えてください
反対に、以下の場合はセラミッククラウンを避けた方がよいかもしれません。まず、歯ぎしりや強い食いしばりの癖がある方です。セラミックは衝撃で割れるおそれがあるため、こうした方にはより割れにくいジルコニアクラウンや金属クラウンの方が適しています。
次に、費用を抑えたい場合です。セラミッククラウンは自費診療で高価なので、経済的負担が大きいときや奥歯で見た目をあまり気にしない場合は、保険適用のクラウンで十分なこともあります。
そして、奥歯で耐久性を優先したい場合も、あえてセラミックにせず金属の方が長持ちするケースがあります。以上のように、美しさより費用や機能面を重視する状況では無理にセラミックを選ぶ必要はないでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

セラミッククラウンは見た目の美しさやアレルギーの心配がない点で優れていますが、割れるリスクや費用の高さといった欠点もあります。クラウン素材の選択に迷ったら、歯の位置や噛む力、予算、ご自身の希望を踏まえて総合的に判断することが大切です。それぞれの素材のメリットとデメリットを理解し、歯科医師と相談しながら後悔のない治療法を選んでください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

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