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セラミックと銀歯ではどちらにすべき?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説!

セラミックと銀歯ではどちらにすべき?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説!

むし歯を削った後の歯は、何らかの材料で修復する必要があります。その際、選択肢として挙げられるのがセラミックと銀歯です。それぞれには明確に異なる特徴があることから、どちらにしようか迷っている人も少なくないかと思います。 ここではそんなセラミックと銀歯の特徴やメリット・デメリットを解説します。セラミックと銀歯のどちらにすべきか迷っている人は参考にしてみてください。

セラミック治療のメリット・デメリット

はじめに、セラミックで治療した場合のメリットとデメリットを解説します。

セラミック治療のメリットを教えてください。
セラミックで歯を修復すると、次に挙げるメリットが得られます。

【メリット1】見た目が自然で美しい
セラミックは、天然歯の色調や光沢、透明感を忠実に再現できる材料です。むし歯などで失った歯質を自然な形で修復できます。

【メリット2】金属アレルギーのリスクがゼロ
非金属であるセラミックには、金属アレルギーのリスクがありません。セラミックによるアレルギー反応が起こる可能性も限りなくゼロに近いです。

【メリット3】二次むし歯の発症リスクが低い
セラミックは、銀歯よりも歯質との適合性が高く、装置とのすき間が生じにくくなっています。それによって細菌の侵入を防ぎ、二次むし歯の発症リスクを低下させることにつながります。

【メリット4】経年的な劣化が起こりにくい セラミックは、硬くて安定性の高い材料なので、長く使っていても摩耗や変色がほとんど起こりません。歯茎が黒ずむメタルタトゥーのリスクがないこともメリットでしょう。

セラミック治療のデメリットを教えてください。
セラミックで歯を修復すると、次に挙げるデメリットを伴います。

【デメリット1】保険が適用されない
セラミックインレーやセラミッククラウンによる治療には、保険が適用されません。修復治療にかかった費用は全額自己負担となるため、銀歯よりも支払う医療費が高くなります。

【デメリット2】強い衝撃で割れることがある
セラミックはとても硬い素材なのですが、極端に強い衝撃が加わると割れる場合があります。そのため噛む力が強い人や歯ぎしり・食いしばりの習慣がある人にはあまり向かない素材といえます。

【デメリット3】歯を削る量が少なくない
銀歯は割れることがないため、薄く作っても問題ありませんが、セラミックは割れるリスクがあることから、詰め物・被せ物をやや厚く作ります。その分、歯を大きく削らなければならないのです。

セラミック治療の費用を抑える方法はありますか?
セラミック治療は、原則として自費診療となることから、歯科医院によって金額差があります。そのためセラミック治療の費用を抑えたい場合は、料金設定が低い歯科医院を選ぶといいでしょう。また、セラミック治療は医療費控除の対象となります。1年間に支払った医療費の総額が100000円を超える場合は、確定申告の際に医療費控除も申請も忘れてはいけません。なお、セラミック治療の費用を一括で支払うことが困難な場合は、デンタルローンを活用することも可能です。

銀歯治療のメリット・デメリット

次に、銀歯治療のメリットとデメリットを解説します。

銀歯治療のメリットを教えてください。
銀歯で歯を修復すると、次に挙げるメリットが得られます。

【メリット1】保険が適用される
銀歯には原則として保険が適用されるため、治療費を安く抑えられます。これはセラミック治療と比較した場合のもっとも大きなメリットといえます。

【メリット2】強度が高く壊れにくい
銀歯に使用する金銀パラジウム合金は、極めて強度が高く、割れたり欠けたりすることはありません。噛む力が強い人にも問題なく使えます。

銀歯治療のデメリットを教えてください。
銀歯で歯を修復すると、次に挙げるデメリットを伴います。

【デメリット1】見た目がよくない
銀歯は文字どおり銀色をしており、見た目がよくありません。お口を開けたときに歯がギラギラと光りを反射するため、銀歯を入れていることはひと目でわかります。その見た目が嫌で白い歯であるセラミック歯に交換したいという人が増えているのも現状です。

【デメリット2】金属アレルギーのリスクがある
銀歯は、唾液や食品による刺激で劣化しやすく、金属イオンが溶出していきます。その一部が歯茎の血管に入ると、抗原とみなされて金属アレルギーを発症することがあります。銀歯による金属アレルギーの症状は、口腔内にとどまらず、手足の皮膚にまで広がるため、全身の健康を害するといっても間違いではありません。また、溶出した金属イオンが歯茎に沈着すると、メタルタトゥーが生じます。

【デメリット3】二次むし歯の発症リスクが高い
銀歯はセラミックよりも歯質との適合性が低いため、装置とのすき間に細菌が侵入しやすいです。その結果、二次むし歯の発症リスクが高くなります。

保険適用で銀歯よりも審美性が高い素材を使用することはできますか?
保険診療でも白い歯を入れることは可能です。治療する部位によって使える 装置は異なりますが、コンポジットレジンやCAD/CAM冠(キャドキャムカン)、PEEK冠(ピークカン)などが選択肢として挙げられます。これらはレジンやハイブリッドレジンといった白い材料を使って人工歯を作る治療法です。セラミック程の高い審美性は期待できませんが、銀歯と比較した場合は間違いなく見た目が自然で美しいです。

◎レジン歯
歯科用プラスチックであるコンポジットレジンで欠損部を補います。費用が安く、適応範囲も広いですが、経年的な摩耗や変色が起こりやすい、破損しやすいといったデメリットを伴います。

◎CAD/CAM冠
レジンとセラミックの混合材料であるハイブリッドレジンで作られた人工歯です。標準的なレジンよりも強度や安定性に優れています。

◎PEEK冠
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)という材料で作られた人工歯です。CAD/CAM冠と同じ白色材料で、親知らずの治療にも使えるのが特徴です。

セラミックと銀歯による治療の違い

セラミックと銀歯による治療の違い ここでは、セラミック治療と銀歯治療の違いを解説します。

セラミックと銀歯による治療方法の違いについて教えてください。
セラミックと銀歯の治療方法は、基本的に同じです。歯の形を削って整えて、型取りを行った後に模型を製作し、詰め物・被せ物を作ります。ただし、セラミック治療で『セレック』のような先進の治療技術を採り入れている歯科医院の場合は、診療のプロセスが銀歯とは大きく変わります。なぜならセレックの場合は、口腔内3Dスキャナーを使って歯型の情報が得られるため、従来の不快な歯型取りが不要となるからです。人工歯の設計もコンピューター上で行い、ミリングマシンという装置で被せ物を削り出します。ただし、詰め物に関してはセレックで対応できないため、銀歯と同じ方法で治療することになります。
セラミック治療と銀歯治療では、どちらが時間がかかりますか?
どちらも型取りの後、詰め物の作成に1週間程かかるのが一般的です。ただし、セラミック治療システムのある歯科医院の場合、短くて当日中に詰め物が完成します。
過去に銀歯にした部分をセラミックにすることはできますか?
できます。ただし、そのままの状態で歯型取りを行い、詰め物・被せ物を製作することはできません。なぜなら銀歯とセラミックでは詰め物・被せ物の厚みが異なるからです。銀歯よりも強度が低いセラミックは、詰め物・被せ物を少し厚めに作ることから、歯を削る量も増加します。そのうえで歯型取りを行う点に注意しましょう。ですから、歯質が薄く、神経との距離が近い症例では、銀歯からセラミック歯に移行するために、抜髄および根管治療が必要となることもあります。これは患者さんにとって大きなデメリットにもなるため、銀歯からセラミックに移行する治療は慎重に検討する必要があります。

編集部まとめ

編集部まとめ 今回は、セラミックと銀歯で迷っている人に向けて、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説しました。セラミックは保険が適用されず、強い衝撃が加わると割れることがありますが、審美性が高い、むし歯の再発リスクが低い、金属アレルギーとメタルタトゥーのリスクがゼロ、経年的な劣化が起こりにくいといったメリットを伴います。

一方、銀歯は見た目が悪い、金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクがある、むし歯の再発リスクが高いなどのデメリットを伴う反面、費用が安い、強度が高いといったメリットを伴います。セラミックと銀歯で迷っている人は、これらを正しく理解したうえで、自分に適切といえる方法を選択することが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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