注目のトピック

歯医者

歯医者で買える歯ブラシと市販の歯ブラシの違いは?正しい歯ブラシの選び方も解説

歯医者で買える歯ブラシと市販の歯ブラシの違いは?正しい歯ブラシの選び方も解説

日々の口腔ケアに欠かせない歯ブラシですが、歯医者で購入するものと市販のものにはどのような違いがあるのでしょうか? 適切な歯ブラシを選ぶことで、歯や歯茎の健康を保ち、トラブルを防ぐことができます。本記事では、歯医者で買える歯ブラシと市販の歯ブラシの違いや、正しい歯ブラシの選び方などを詳しく解説します。自分に合った歯ブラシを見つけて、毎日の歯磨きを効果的に行いましょう。

歯ブラシの基本知識

歯ブラシの基本知識
歯ブラシは、歯の表面に付着するプラーク(歯垢)を取り除くための清掃用具です。歯ブラシは主に、ヘッド(植毛部)、ネック、ハンドルの3つの部分から構成されています。歯ブラシは大きく分けると手用歯ブラシと電動歯ブラシの2種類があります。一般的に歯ブラシというと手用歯ブラシを指し、これは年齢や用途に応じてさまざまな種類が販売されています。

歯ブラシの種類

それでは、歯ブラシの種類について詳しく見ていきましょう。

◎手用歯ブラシの種類
・仕上げみがき用
乳歯が生え始めた時期に、保護者が子どもの歯を磨いてあげるための歯ブラシです。歯肉に優しいやわらかめの毛が使用されており、ヘッドは子どもの歯列の大きさに適したものになっていて、ネックは子どもの歯に保護者がアプローチしやすい長さで、ハンドルは保護者が持ちやすいように設計されています。

・乳歯列期用(乳幼児期用)
乳歯列に適したサイズのヘッドの歯ブラシです。ハンドルは子どもの手で握りやすい太さになっています。ネックは子どもが安全に使うことができる長さになっています。

・混合歯列期用(学童期用)
生え変わりの時期で、凸凹のある歯並びに適した小さめのヘッドの歯ブラシです。奥歯(第一大臼歯など)までしっかり届く長めのネックが特徴です。

・永久歯列期用(中学生~成人用)
中学生から大人まで使用できる歯ブラシです。お口の大きさや動かし方に合わせて、ヘッドのサイズが小さめから大きめまでさまざまなものが選べます。

歯肉の健康状態に応じて、毛の硬さや毛先の形状が選べるよう工夫されており、ハンドルも、ストレートタイプから持ちやすくデザインされたものまで多様に揃っています。

・矯正治療中用
矯正装置を装着している人向け。ワイヤーの下や矯正装置の周辺を清掃しやすいよう、山型やU字型にカットされた毛が特徴の歯ブラシです。

・部分清掃用(タフトブラシ)
歯と歯の間、歯と歯肉の境目、凸凹の歯並び、親知らずなど、通常の歯ブラシでは届きにくい部分を清掃するための、ヘッドがとても小さい歯ブラシです。

◎電動歯ブラシ
電動歯ブラシは機械的に動くため、自分で手を動かして歯を磨く必要がありません。短時間で手用歯ブラシと同等の効果が得られるため、高齢者や手の不自由な方に適しています。
しかし、ハンドル部分が重い場合があること、ヘッドが大きく操作性が悪いものもあること、歯ブラシの毛先がきちんと歯面に当たっていない状態でも振動によって磨けていると錯覚してしまうこともあるので注意が必要です。

歯ブラシの毛の種類

歯ブラシの毛の形状や、かたさもさまざまです。どのような種類があるのか知っておきましょう。

◎毛の形状
・ラウンドカット毛
毛先の一本一本が丸く加工されており、歯肉を傷つけにくい優しい毛先になっているのが特徴です。

・超極細毛
歯と歯の間や歯周ポケットに毛先が届きやすいよう、細く加工されています。歯周病予防に効果的です。

◎毛のかたさ
・ふつう
一般的なかたさの歯ブラシです。効率よくプラークを除去できるため、多くの人に適しています。

・やわらかめ
毛先がやわらかいため、歯肉に優しい歯ブラシです。歯肉が敏感だったり出血が見られる場合でも安心して使用できます。ただし、プラーク除去力はふつうより劣るため、入念に磨く必要があります。

・かため
プラーク除去率が高く、しっかりと磨けます。しかし強い力で磨いたり大きく動かしたりすると、歯肉を傷つける恐れがあるため磨き方に注意が必要です。

歯医者と市販で購入できる歯ブラシの違い

歯医者と市販で購入できる歯ブラシの違い
歯ブラシはドラッグストアやスーパーでなんとなく買っているという人も多いでしょう。一方、歯医者でも歯ブラシを購入できます。ここでは、双方の違いについて解説します。

歯医者で購入できる歯ブラシの特徴

まず、歯医者で購入できる歯ブラシの特徴・メリットを見ていきましょう。

・質がよい
歯医者で販売されている歯ブラシは、毛先の処理が丁寧に行われているため、歯や歯茎を傷つけにくいのが特徴です。これにより、歯のエナメル質を削ったり、歯茎を炎症させるリスクが低くなります。

・自分に合うものを選んでもらえる
歯医者で購入する場合、歯科医師や歯科衛生士が、患者さんの歯茎の状態を確認し、適した歯ブラシを選んでくれます。

例えば市販の商品に歯周病が気になる方向けといった表示があっても、歯周病は初期・中等度・重症と進行度合いが異なるため、必ずしも自分の歯茎の状態に合うとは限りません。しかし歯科医院では、毛のかたさや形状など、状態に合わせた歯ブラシを提供してもらえます。

また、歯医者の専売品は、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの口腔内の状況に基づいて選び、理想的な使用法を指導することを前提とした商品です。そのため、個々に適した歯ブラシを正しく使用することで、より高い効果を発揮するよう設計されています。

市販で購入できる歯ブラシの特徴

市販の歯ブラシや歯磨き粉は、消費者が自分の好みや目的に合わせて選べるようになっています。そのため、歯医者での保健指導を前提としていません。

一般的な消費者の歯磨き方法に基づいて設計されており、標準的な磨き方をすることで、効果的に清掃できるよう作られています。

言い換えると、誰が使ってもそこそこな効果が得られるともいえるでしょう。より効果的にプラークを除去したい、歯周病予防をしたいといった希望がある場合は、期待どおりの効果をえるのは難しいかもしれません。

歯医者で歯ブラシを購入するポイント

歯医者で歯ブラシを購入する際は、自分の希望や悩みを具体的に伝えることが重要です。

例えば、歯茎の出血や歯周病が気になる場合、その症状をしっかりと伝えましょう。歯科医師や歯科衛生士に自分の口腔状態を診てもらい、適切な歯ブラシを提案してもらうことができます。

また、歯磨きに自信がない場合も正直に伝えましょう。歯医者では正しい歯磨き方法も教えてもらえるので、より効果的なケアが期待できます。

歯科医師会推薦製品とは

歯科医師会推薦製品とは

歯科医師会推薦製品とは、日本歯科医師会が公衆衛生の向上や歯科医療の発展に寄与する製品を厳選し推薦する製品のことです。この推薦を受けることで、製品の信頼性や安全性が高まり、消費者により安心して使用してもらえるようになります。

歯科医師会推薦製品の基準とは?

歯科医師会の推薦を受けるためには、まず国内で一般に販売されている歯科衛生製品であることが前提となります。

申請は無料で行うことができ、申請を希望する製品と必要書類を日本歯科医師会に提出し、審査を通過すれば日本歯科医師会推薦製品として認定されます。

選考の基準は以下のとおりです。

【日本歯科医師会 推薦基準】
・公衆衛生の向上に寄与するものであること
・歯科保健・歯科医療の発展および普及に貢献するものであること
・安心・安全に使用できるものであること
・原料の調達、製造設備、製造工程、製造技術等が信頼されるものであること
・包装が適正であること
・歯科医学に基づいた製品であること
・社会的評価基準(厚生労働省認可等)を満たしていること
・使用する際の利便性が高く、メンテナンス等に問題がないこと
・消毒滅菌が必要な場合、その対応に耐えうる耐久性があること
・価格が妥当であること
・相当の普及実績があるか、または普及が見込まれるものであること
・関係法規に違反する恐れのないもの
・その他、歯科保健に関わるものであること

実際の推薦製品の具体例

現在認定されている製品は、大きく分けて歯ブラシガムなどの食品入れ歯等の洗浄剤の3つに分類されます。古くから認定されている製品には、パナソニックの音波振動歯ブラシ、ドルツがあります。ドルツの一部の製品には、歯科衛生士が推奨するヨコ磨きができるものもあり、歯周病ケアにも対応しています。

歯ブラシ部門では、ライオンのクリニカシリーズやシステマシリーズ、サンスターのGUM歯ブラシが認定されています。特にクリニカ アドバンテージシリーズは、極薄ヘッドと極細ネックで奥歯の奥までしっかり届く設計が特徴で、歯科衛生士の80%以上が理想的な形と評価しています。

歯ブラシの正しい選び方5選

歯ブラシの正しい選び方5選

では、自分に合った歯ブラシを選ぶにはどうしたらよいのでしょうか。選び方の大事なポイントを5つ紹介します。

なぜ自分に合った歯ブラシを選ぶべきなのか

その前に、なぜ自分に合った歯ブラシを選ぶのが重要なのかをおさえておきましょう。

これは、適切な歯ブラシを使わないと歯を十分に清潔に保てず口腔内のトラブルを引き起こす可能性があるからです。

毎日の歯磨きでしっかりと汚れを落とし、定期的に歯科検診やクリーニングを受けることで、歯磨きの癖を確認したり、むし歯予防対策ができます。

毛のかたさ

上述の通り、歯ブラシの毛の硬さにはかため、ふつう、やわらかめの3種類があります。口腔内に大きな問題がなければ一般的にはふつうの硬さがおすすめです。

汚れをしっかり落としたい場合はかためが適していますが、歯茎を傷つけたり歯の表面を削ったりするリスクがあります。

一方、やわらかめは歯茎が腫れている方や歯周病が進行している方に適しています。丁寧に時間をかけて磨くことで、やわらかめの毛でも効果的に汚れを落とせます。

毛先の形状

歯ブラシの毛先は、ラウンドカット、テーパードカット、シリンダーカットなどが一般的です。

ラウンドカットやシリンダーカットは歯の表面のプラーク除去に優れむし歯予防に役立ちます

テーパードカットは先が細く、歯と歯茎の境界に届きやすいため、歯周病の予防や進行を抑えるのに効果的です。歯茎の腫れや出血が気になる方にはテーパードカットがおすすめです。

ヘッドの大きさ

ヘッドの大きさは、小さめで縦3列に植毛されたものがおすすめです。大きすぎるヘッドは奥歯や細かい部分に届きにくく、磨き残しの原因になります。

特に女性は口腔内が狭いため、小さいヘッドが適しています。前歯2本分の大きさを目安にして選ぶとよいでしょう。

持ち手の形

歯ブラシの持ち手には、握りやすいカーブや手にフィットする突起が付いたもの、スタイリッシュなデザインなどさまざまなタイプがあります。

実際に手に取ってみて、余計な力が入らず奥歯まで磨きやすい形状を選ぶのがポイントです。直感的に使いやすいものを選びましょう。

ブラシの材質

歯ブラシの毛の材質にはさまざまな種類がありますが、なかでも透明なナイロン製のブラシがおすすめです。動物の毛を使用したブラシは細菌が付着しやすく、衛生面で劣る可能性があります。

色付きのブラシもありますが、無色透明のものがおすすめです。透明なブラシは使用し続けると白く濁ってくるため、交換時期がわかりやすいのがメリットです。

歯ブラシの年齢別の選び方

歯ブラシの年齢別の選び方

年齢によっても、どのような歯ブラシを選ぶべきかが違ってきます。ここでは、その選び方を解説します。

乳幼児

乳幼児には、やわらかめの毛で小さめのヘッド、握りやすい柄の歯ブラシが適しています。

乳歯が生えてきたら、まずはガーゼや指で触れ、歯が増えてきたら少しずつ歯ブラシに慣れさせましょう。

3歳〜5歳の子ども

3歳から5歳の子どもには、やわらかめで短めの毛、小さめのヘッド、握りやすい柄の歯ブラシがよいでしょう。
自分での歯みがきをする年齢ですので、歯ブラシのネック部分は転んで喉に刺さらないよう曲がるタイプがおすすめです。

乳歯がしっかりと磨けるかどうかがポイントです。小さなお口でも入れやすく、お口の中で取り回しのしやすいブラシを選びます。

歯ブラシを噛む癖がある場合は毛先が開きやすいため、頻繁に交換することをおすすめします。

6歳〜12歳の子ども

6歳から12歳の子どもには、やわらかめから普通の硬さの毛で短め、小さめのヘッド、まっすぐで握りやすい柄の歯ブラシが適しています。

乳歯から永久歯に生え変わる時期のため、むし歯のリスクが高まります。小さめのヘッドで柄がまっすぐなものだと奥歯の磨き残しが少なくなるためおすすめです。

大人

一般的な大人の場合、毛の硬さは普通で小さめのヘッドの歯ブラシが適しています。

特に口腔内に問題がない場合はふつうの硬さが推奨されますが、歯周病予防をメインにしたい場合はやわらかめや細めの毛がよいでしょう。

高齢者

高齢者には、やわらかめで細めの毛、握りやすい柄の歯ブラシが適しています。歯や歯茎が弱くなってくるため、傷つけにくいやわらかめの毛先を選ぶとよいでしょう。

小刻みに動かす動作や力加減が難しい場合、電動歯ブラシの活用もおすすめです。

編集部まとめ

毎日使う歯ブラシですが、なんとなく選んではいませんでしたか?

年齢や口腔の状態によって、合う歯ブラシはそれぞれ異なります。形状や毛の硬さなど、自分に合った歯ブラシを選ぶことで、口腔内の健康を保ち、トラブルを予防できます。

ぜひ歯医者でのアドバイスを受けながら、自分に適した歯ブラシを見つけ、毎日のケアに取り入れてみてくださいね。

参考文献

この記事の監修歯科医師
飯澤 二葉子医師(医療福祉センターさくら歯科診療室)

飯澤 二葉子医師(医療福祉センターさくら歯科診療室)

新潟大学歯学部 卒業 / 新潟大学大学院医歯学総合研究科 卒業 / 歯学博士 / 大学病院勤務を経て、現在の所属先病院歯科に勤務 / 専門は小児歯科および障害者歯科

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340