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歯医者さんで行うレーザー治療にデメリットはある?メリットや身体への影響も解説

歯医者さんで行うレーザー治療にデメリットはある?メリットや身体への影響も解説

歯医者さんで受けられるレーザー治療は、従来の治療法に比べて痛みや出血が少なく、短時間で治療できるなど、さまざまなメリットがあるとされています。その一方で「レーザー治療って安全なの?」「どんなデメリットがあるの?」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では歯医者さんで行うレーザー治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯医者さんで受けられるレーザー治療とは
  • レーザー治療に期待できる効果
  • レーザー治療が与える身体への影響

歯医者さんで行うレーザー治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

歯医者さんで行うレーザー治療について

歯医者さんで行うレーザー治療について

歯医者さんで行うレーザー治療とはどのような治療法ですか?
歯科医院でのレーザー治療は、特定の波長を持つレーザー光線を照射して行う治療法です。レーザー治療では、切開や凝固、蒸散といった処置をより精密に行えるとされており、電気や化学物質を使用しないため、術後のリスクも抑えられる点が特徴です。

レーザーの光は患部に直接作用し、歯科治療において必要な範囲で組織を処理します。そのため、電気メスに比べて痛みや出血が少なく、治療後の回復も早いとされています。また、2008年にはむし歯治療、2010年には歯周病治療、2018年には軟組織の治療において保険適用となり、患者さんが手軽に選択できる治療法の一つになりました。

歯科医院で使用されるレーザー機器には種類があり、それぞれ異なる波長や性質を持つため、治療の内容や適応範囲も変わります。

レーザー治療はどのような疾患に効果が期待できますか?
歯科医院で受けられるレーザー治療は、以下のような幅広い疾患に対して効果が期待できます。
  • むし歯の予防
    レーザーの熱エネルギーにより、歯ブラシが届かない部分のむし歯菌を除去し、歯の強化を促します。また、フッ素の浸透性を高め、むし歯の発生リスクを抑えるのを助けます。
  • むし歯治療
    むし歯部分を蒸散させて取り除きます。歯を削る範囲がなるべく抑えられるため、痛みが少なく局所麻酔が不要な場合もあります。また、歯根の治療にも用いられ、効率的に殺菌・清掃できます。
  • 歯周病の治療
    歯周ポケット内の細菌を除去し、炎症を軽減します。レーザーによる治療は出血が少ない傾向があり、歯茎の健康回復を助けます。歯磨き指導や歯石除去と併用することでより効果が期待できます。
  • 口内炎の治療
    口内炎や口角炎の炎症を抑え、痛みを軽減します。レーザー治療により治癒も早まる効果が期待できます。
  • 知覚過敏症の治療
    象牙細管を塞ぐことで、神経への刺激を防ぐ効果を高め、冷水や歯ブラシによる痛みが和らぎます。
  • 歯茎の治療
    メラニン除去や歯茎の整形にも使用され、健康的な歯茎を取り戻すための治療を助けます。
レーザー治療にはどのような種類がありますか?
歯科治療で使用されるレーザーには、主に4つの種類があり、それぞれの特性に応じてさまざまな用途に対応しています。

炭酸ガスレーザーは遠赤外線の光を利用し、水分に反応して切開や止血、凝固、殺菌などを行います。なかでも歯茎や軟組織の治療に用いられます。

エルビウムヤグレーザーは水への吸収性が高いとされており、発熱が少ないため、生体組織への負担が少ないのが特徴です。むし歯治療や硬組織の切削が行えるレーザーとされています。

ネオジウムヤグレーザーは組織透過性が高い傾向があり、止血や凝固、炎症を抑える治療に使用されます。

半導体レーザーは可視光線や近赤外線を発し、切開、殺菌、蒸散、疼痛緩和など、さまざまな目的で利用されるレーザーです。

以上のように、各レーザーの特性を活かし、患者さんの症状や治療内容に応じたレーザー治療が行われます。

歯医者さんで行うレーザー治療のメリット・デメリット

歯医者さんで行うレーザー治療のメリット・デメリット

レーザー治療のメリットを教えてください
歯科医院におけるレーザー治療の主なメリットは、患者さんの負担が少ない点にあります。まず、治療中の出血をなるべく抑えることができるため、治療部位が明確に確認でき、より正確な処置が期待できるでしょう。

また、術後の出血リスクも少ない傾向があり、回復がスムーズに進むのが特徴です。炎症を伴う治療では、腫れや痛みを和らげる効果も期待でき、患者さんの不快感の軽減にもつながります。
さらに、むし歯治療の場合、従来のドリルを使用しないため振動や音がなく、少量の麻酔または麻酔なしで対応できることから、痛みや歯科特有の音などに恐怖心を抱く方におすすめできます。
レーザーには殺菌作用もあるため、治療効果が期待でき、早期回復にもつながります。ほかにも、口内炎や知覚過敏の治療において、症状改善が期待できるでしょう。

レーザー治療のデメリットを教えてください
レーザー治療にはさまざまな利点がありますが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。まず、治療時間が従来の方法よりも長くなることがあります。なかでもむし歯治療においては、レーザーが適用できる範囲が限られており、重度のむし歯やインレー・クラウンを必要とする場合には、従来どおりの歯を削るなどの治療法が必要です。

また、レーザー治療は先進的な技術を用いているため、装置の導入や維持に高いコストがかかります。その結果、治療内容によっては保険適用外となる場合が多いといわれ、患者さんにとって金銭的な負担が大きくなる可能性があります。

ほかにも、光アレルギーや光過敏症の方など、一部の患者さんには適用できない場合がある点もデメリットの一つです。

レーザー治療を検討する際は、以上のような治療の適用範囲や費用の面での課題を踏まえて、検討しましょう。

歯医者さんで行うレーザー治療による身体への影響

歯医者さんで行うレーザー治療による身体への影響

レーザー治療で併発症はありますか?
歯科医院で使用されるレーザー治療では、併発症の心配は少ないとされています。レーザー光は特定の波長を持つ光エネルギーであり、身体に電気を通すことがないため、心臓に持病がある方やペースメーカーを使用している方、高血圧の方、さらには妊娠中の方でも治療を受けられる可能性がます。
また、治療の際には歯や歯肉などの患部にのみレーザーが照射されるため、健康な組織や周辺部位への影響がなるべく抑えられるのも特徴です。

ただし、繰り返しになりますが、光アレルギーや光過敏症をお持ちの方には適用できない場合があるため、事前の相談や診察が重要です。歯科医師と十分に話し合い、治療計画を立てることで、安心してレーザー治療を受けられるでしょう。

レーザー治療が人体に悪影響を及ぼすことはありますか?
歯科医院で行われるレーザー治療は、身体に悪影響を及ぼすことが少ない治療法とされています。レーザー光は放射線を含まないため、組織や細胞に有害な影響を与える可能性が低く、歯科用レーザーは特定の周波数を持ち、熱が周辺組織に及ぼす影響をなるべく抑える設計となっているからです。

ただし、レーザーの光が直接眼に入ると、網膜に影響を与える危険性があるため、治療中は専用の保護メガネを装着して安全性の確保に努めます。このような対策を講じることで、患部以外の部位に影響が及ぶことは少ないといえるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯医者さんで行うレーザー治療についてお伝えしてきました。歯医者さんで行うレーザー治療の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 歯医者さんで受けられるレーザー治療とは、特定の波長を持つレーザー光線を照射して行う治療法で、炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザー、ネオジウムヤグレーザー、半導体レーザーなどの種類がある
  • レーザー治療ではむし歯の予防・治療、歯周病の治療、口内炎の治療、知覚過敏症の治療、歯茎の治療などが期待でき、術後の出血リスクも少ない傾向があり、回復がスムーズに進むとされている
  • レーザー治療のレーザー光は放射線を含まないため、組織や細胞に有害な影響を与える可能性が低く、身体に電気を通すことがないため、心臓に持病がある方やペースメーカーを使用している方、高血圧の方、妊娠中の方でも治療が受けられる。一方で光アレルギーや光過敏症の方には適用できない場合があるため、事前の相談や診察が重要

痛みや出血が少ないとされているレーザー治療について、メリットやデメリットを理解したうえで、歯医者さんで治療を検討してみてはいかがでしょうか。
これらの情報がお役に立てれば幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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