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入れ歯の金具のバネが気になる?金具を使わない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)のメリットや注意点を解説します!

入れ歯の金具のバネが気になる?ノンクラスプデンチャーのメリットや注意点を解説します!

入れ歯を装着した際、入れ歯の金属のバネが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
食事や日常会話などでお口を開けたときの見え方や、口腔内での違和感などを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、入れ歯の金具が見えることについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯の金具が見える理由について
  • 入れ歯の金具が見えない種類のものとは
  • 入れ歯の金具が見えない種類を使用するためには

入れ歯の金具が見えることについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までご覧ください。

入れ歯の金具のバネが見えるのが辛い

入れ歯の金具のバネが見えるのが辛い

入れ歯の金具のバネが見えることには、理由があります。その理由について、以下で解説します。

どうして金具が見えてしまうの?

入れ歯の金属が目立ってしまう理由はいくつか考えられます。

まず、部分入れ歯の場合、金属製のバネやフレームが歯茎やほかの歯に固定されるため、その金属部分がどうしても露出してしまう可能性があります。 なかでも前歯付近に金属のバネがある場合、笑ったり話したりする際に見えやすくなります。

また、入れ歯の設計や素材選びが影響する場合もあり、強度や耐久性を重視するために金属が使われることが多いようです。 そのため、入れ歯の位置や形状、使用される金属の種類などが視認性に影響を与える可能性があります。

さらに、患者さん自身の口腔の形状や歯並び、歯茎の状態によっても、金属部分が見えるかどうかが変わってくる可能性があります。 例えば、歯茎が痩せている場合や歯の隙間が広い場合は、金属がより露出しやすくなります。

したがって、金属が見えてしまう問題を解決するためには、患者さんごとの口腔の状態に合わせたカスタマイズが必要です。

金具のバネがない入れ歯がある

金具のバネがない入れ歯がある

ここでは、金属を用いないノンクラスプデンチャーについてご紹介します。

ノンクラスプデンチャーとは

ノンクラスプデンチャーとは、金属を使用せずに作られる入れ歯の一種です。

従来の入れ歯には金属製のバネ(クラスプ)が使われることが多く、これが見えることが審美的な問題となることがありますが、ノンクラスプデンチャーは特殊な樹脂素材を使用し、バネがなく自然な見た目の実現が期待できます。

また、軽量で弾力性があるため、お口のなかでのフィット感が向上し、快適な装着感が期待できます。 金属アレルギーにも考慮されており、自然な笑顔を保ちたい方におすすめの選択肢です。

ノンクラスプデンチャーの種類

ノンクラスプデンチャーには、複数の種類があり、それぞれの特徴によって選択が異なります。

まず、素材に関しては大きく分けて金属フリータイプと部分的に金属を使用するタイプが存在します。 金属フリータイプは、全体が柔軟性のある樹脂で作られており、金属アレルギーのリスクを減少させられ、また自然な見た目の実現が期待できます。

一方で、部分的に金属を使用するタイプは、樹脂の部分に強度を補うために小さな金属の補強材を使用し、耐久性を向上させることが可能とされています。

次に、使用される樹脂の種類による分類があります。 ノンクラスプデンチャーでは、主にポリアミド樹脂やポリエステル樹脂が使用されます。

ポリアミド樹脂は、柔軟性と強度を併せ持つ素材で、薄く軽量に仕上げられるため、装着感がよいとされています。 ポリエステル樹脂は、透明度が高く、見た目の自然さを求める方におすすめです。

また、これらの樹脂は耐久性が高く、日常の使用もしやすいとされています。

さらに、ノンクラスプデンチャーの種類は、装着する場所や患者さんの口腔環境に応じてカスタマイズされるため、設計の自由度が高いのも特徴です。

例えば、部分入れ歯として一部の歯を補うために設計されたものや、フルデンチャーとしてすべての歯を置換するためのものがあります。

このように、ノンクラスプデンチャーは患者さんのニーズに応じてさまざまな種類が用意されており、審美性と機能性を両立するための選択肢が豊富です。

ノンクラスプデンチャーがおすすめな方

ノンクラスプデンチャーは、見た目の美しさを重視する方におすすめとされています。

まず、金属を使用しないため、バネが見える心配がなく、自然な仕上がりを望む方におすすめです。 また、金属アレルギーを持つ方にも考慮されているため、アレルギーのリスクを避けたい方にとって理想的です。

さらに、軽量で装着感がよいので、長時間の使用でも快適さを保ちたい方にも向いています。 加えて、初めて入れ歯を作る方や、既存の入れ歯が合わず不快感を感じている方にも、ノンクラスプデンチャーはよい選択肢です。

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーには、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的なメリットを解説します。

金具がなく見た目が美しい

ノンクラスプデンチャーは、金具を使用しないことで見た目の美しさが大きなメリットとなります。

従来の入れ歯では金属のバネが見えることがあり、これが見た目に影響を与える場合があります。 しかし、ノンクラスプデンチャーは樹脂などの目立ちにくい素材で製作されるため、笑顔や会話時に自然な印象を保つことが期待できます。

なかでも前歯など目立つ部分の入れ歯の場合、審美性を重視する方にとってメリットとなります。 また、金属アレルギーの心配もなく、口元の美しさと健康を両立できます。

装着時の違和感が少なくなる

ノンクラスプデンチャーは、装着時の違和感が少ないことがメリットです。

金属製のバネを使用しないため、お口のなかでの異物感が軽減され、自然なフィット感が期待できます。 また、柔軟性のある樹脂素材を使用することで、口腔内の形状に合わせたより快適な装着感も期待できます。

このため、長時間の使用でも圧迫感や痛みが少なく、日常生活での不快感軽減も期待できます。 なかでも、お口のなかの敏感な方や、これまでの入れ歯で違和感を感じていた方にとっては、ノンクラスプデンチャーの選択が快適な日常をサポートします。

金属アレルギーの方も使用しやすい

ノンクラスプデンチャーは金属を使用しないため、金属アレルギーの方も使用しやすいメリットもあります。

従来の入れ歯には金属製のバネが使われることが多く、アレルギー反応を引き起こすリスクがあります。 しかし、ノンクラスプデンチャーは樹脂やその他の非金属素材で作られているため、アレルギーの心配がありません。

アレルギー反応による口内の炎症や不快感を防ぎ、健康で快適な装着感が期待できます。 なかでも金属アレルギーを持つ方にとって、使用しやすい選択肢であり、生活の質の向上に寄与します。

自費診療の入れ歯でも安価に使用できる

ノンクラスプデンチャーは、自費診療での入れ歯でありながら安価で提供されることもメリットです。

自費診療の入れ歯は素材や技術により高額になることが多いようですが、ノンクラスプデンチャーは特殊な金属を使用せず、樹脂素材で作られるため、製作コストが抑えられています。

このため、審美性や快適性を重視しながらも、経済的な負担を軽減したい方におすすめです。 また、手に取りやすい価格でありながら、自然な見た目と装着感を得られることから、手が届きやすい選択肢となっています。

ノンクラスプデンチャーの注意点

ノンクラスプデンチャーの注意点

ノンクラスプデンチャーを選択する際、以下のような点に注意が必要です。

寿命が短い

ノンクラスプデンチャーは見た目や装着感がよいとされていますが、寿命が短いという注意点があります。 これは主に、金属を使用しない樹脂製の素材が、従来の金属製の入れ歯に比べて強度が劣るためです。

なかでも、長期間使用することで、樹脂部分が変色したり、摩耗したりするリスクがあります。 また、柔軟性のある素材であるため、強い噛み合わせの力や日常的な使用による損傷が生じやすく、定期的な調整や交換が必要になる場合があります。

これらの理由から、ノンクラスプデンチャーの寿命が短くなることを理解し、メンテナンスを心がけることが重要です。

保険診療では作れない

ノンクラスプデンチャーは、保険診療の適用外であるため、保険で作れません。

その理由は、保険診療では使用する素材や技術が厳格に規定されており、金属のバネを使用しないノンクラスプデンチャーのような特殊な素材は認められていないからです。

また、審美性や快適性を追求したデザインや材料費は、保険診療でカバーされる基準を超えてしまうため、自費診療として提供されます。 さらに、保険の範囲内での製作にはコスト制約があり、ノンクラスプデンチャーに必要な精密な技術や素材を用いることが難しいのも理由の一つです。

症例によっては使用できない場合もある

ノンクラスプデンチャーは審美性や装着感がよいとされている入れ歯ですが、すべての症例に適用できるわけではありません。

まず、歯茎や顎の骨の状態が不安定な場合、やわらかい樹脂素材のノンクラスプデンチャーでは十分な支持力が得られないことがあります。 また、歯の欠損が多い傾向にある場合や、噛む力がとても強い方には、強度の面で適さないことがあります。

さらに、口腔内の構造が特殊であったり、ほかの歯科治療と併用する場合には、ノンクラスプデンチャーが適応できないケースもあります。 そのため、事前の詳細な診断と相談が不可欠とされています。

入れ歯が不安定になることがある

ノンクラスプデンチャーは、金属バネを使用しないことで審美性に考慮されていますが、装着時に不安定になる場合があります。

その理由の一つは、従来の金属バネのような強固な固定力がないため、入れ歯の保持力が弱まる可能性があるからです。なかでも、残っている歯が少ない場合や、歯茎の状態が悪い場合には、樹脂素材だけでは十分な安定性を確保できないことがあります。

また、柔軟な素材を使用しているため、口腔内でのズレが起こりやすく、噛み合わせが合わない場合には不快感や食事の際の支障を感じることもあります。このため、適切なフィット感をえるための調整が重要です。

壊れた場合の修理が難しい

ノンクラスプデンチャーは、壊れた場合の修理が難しい点が注意点として挙げられます。その理由は、使用されている素材が柔軟な樹脂や特殊なプラスチックであり、金属製の入れ歯により修復が複雑であるからです。

なかでも、破損部分が細かい場合や広範囲に及ぶ場合には、修理が困難であることが多く、新たに作り直す必要が生じる場合もあります。

また、修理後に元の強度や審美性をすべて回復させることが難しいため、患者さんの要望に応えるためには、再製作が推奨されるケースも少なくありません。

このため、ノンクラスプデンチャーを選ぶ際には、修理の難しさを考慮することが重要です。

ノンクラスプデンチャーの費用や寿命の延ばし方

ノンクラスプデンチャーの費用や寿命の延ばし方

ノンクラスプデンチャーの費用や長く使うための寿命の延ばし方について、ご紹介します。

ノンクラスプデンチャーの費用

ノンクラスプデンチャーの費用は、保険診療の対象外であるため、全額自費負担となります。

使用する素材やデザイン、歯科医院の設備や技術料によって価格が変動しますが、相場としては部分入れ歯よりも高額です。 なかでも、審美性や快適性を追求した素材を用いるため、その分コストが上がることがあります。

また、製作に精密な技術と時間がかかるため、治療全体の費用にも影響を及ぼします。 しかし、その費用は見た目の美しさや装着感の向上、金属アレルギーのリスク回避など、メリットを享受できる価値としてとらえられます。

ノンクラスプデンチャーの寿命を延ばすために

ノンクラスプデンチャーの寿命を延ばすためには、適切なケアと定期的なメンテナンスが重要です。

まず、毎日の使用後は専用の洗浄剤で清潔に保ち、やわらかいブラシで優しく磨くことで、細菌や汚れの蓄積を防ぐことが期待できます。 また、熱に弱い素材のため、熱湯での消毒は避け、常温の水で洗浄することが推奨されます。

さらに、定期的に歯科医院でプロによるチェックや調整を受けることで、装着感の維持や破損を防ぐことにつながります。 入れ歯を外して休める時間を設けることも、素材の劣化を遅らせる一助となります。

これらのケアを心がけることで、ノンクラスプデンチャーの耐久性を高め、長く快適に使用できます。

まとめ

まとめ

ここまで、入れ歯の金具が見えることについてご紹介しました。
入れ歯の金具が見えることについてまとめると、以下のとおりです。

  • 入れ歯の金具が見える理由には、入れ歯の設計によっては、バネが歯茎や歯の表面に近づきすぎてしまうことや、バネの素材や色が目立つ場合、入れ歯のフィット感が悪く位置がずれてバネが見えてしまうことなどがあげられる
  • 入れ歯の金具が見えない種類のものには、金属を使用しない入れ歯のノンクラスプデンチャーがあげられる
  • 入れ歯の金具が見えない種類を使用するためには、適切なケアや長持ちをさせるための定期的なメンテナンスなどが大切になる

金具の見えない入れ歯をお探しの方は、ノンクラスプデンチャーも検討されてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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