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入れ歯は寝るとき入れたまま?それとも外した方がいいの?

入れ歯は寝るとき入れたまま?それとも外した方がいいの?

入れ歯を使用している方では寝る時もつけておいた方がいいのでしょうか?
本記事では寝る時の入れ歯について以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯は外して寝るべきかどうか
  • 入れ歯をつけたまま寝る場合の注意点
  • 就寝前の入れ歯のお手入れ方法

寝る時の入れ歯について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

入れ歯は外して寝る

入れ歯は外して寝る

入れ歯は、必要な方にとって日常生活のなかで欠かせない補助具ですが、寝るときに外すことが推奨されるのはご存知でしょうか。入れ歯は外して寝るのがよいとされていますが、その理由について具体的に解説していきます。

誤飲事故の防止

高齢者の誤飲事故は、特に夜間の就寝中に多く発生することが知られています。入れ歯をつけたまま寝ると、寝返りを打った際や突然の咳込みなどで、入れ歯がお口のなかでずれたり、喉の奥に入ってしまうことがあります。これが誤飲につながり、場合によっては窒息や肺炎などの重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。特に、一人で寝ている高齢者や、家族や介護者がすぐに対応できない状況では、誤飲事故が命に関わる問題となり得ます。そのため、就寝前に入れ歯をしっかりと外すことが重要です。

また、外した入れ歯は専用のケースに保管することが推奨されます。このケースには、入れ歯を衛生的に保つだけでなく、ほかの人が誤って触れたり、紛失したりするのを防ぐ役割もあります。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、入れ歯を安全に保管するための注意がさらに必要です。適切な管理が、誤飲事故を防ぐための鍵となります。

口内炎を防ぐ

入れ歯を装着していると、口腔内が乾燥しやすくなり、それが原因で細菌の増殖が促進されることがあります。特に、夜間に入れ歯をつけたまま寝ると、歯茎や口腔粘膜が長時間にわたって圧迫され、摩擦によって口内炎が発生しやすくなります。口内炎は、口腔内に小さな潰瘍や炎症を引き起こし、痛みや不快感を伴います。このような症状が続くと、食事や会話に支障をきたし、生活の質が低下する可能性があります。

これを防ぐためには、就寝前に入れ歯を外し、適切に清掃することが重要です。入れ歯を清潔に保つことで、口腔内を清潔に保ち、炎症を未然に防ぐことができます。また、定期的な歯科医師のチェックを受けることで、入れ歯のフィット感や口腔内の状態を確認し、問題があれば早期に対処することが可能とされています。これにより、口内炎の発生を防ぎ、健康的な口腔環境を維持することができます。

細菌の繁殖を防ぐ

入れ歯の使用による細菌の繁殖は、口腔内の健康に重大な影響を与える可能性があります。特に、食事後や就寝前に入れ歯を外して清掃し、専用の洗浄剤を使用することで、入れ歯や口腔内に残る細菌を効果的に除去できます。細菌が増殖すると、口臭や歯周病、さらには全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、入れ歯をつけたままにせず、定期的に清掃することが重要です。

また、入れ歯を定期的にチェックし、正しいフィット感を維持することも重要です。入れ歯が正しくフィットしていないと、口腔内でずれたり、圧力が一部に集中してしまうことがあり、それが原因で細菌が繁殖しやすくなります。定期的なチェックと調整によって、入れ歯のフィット感を維持し、細菌の繁殖を防ぎ、口腔内を健康に保つことができます。

例外的に入れ歯を付けて寝る場合がある?

例外的に入れ歯を付けて寝る場合がある?

上記では、入れ歯は外して寝るべきと説明しましたが、例外的に入れ歯をつけたまま寝る場合もあります。これについても、理由とともに詳しく説明します。

残っている歯が少ない

残存歯が少ない場合、入れ歯を支える力が弱くなり、就寝中に入れ歯が動くことで口腔内に負担がかかることがあります。このような状況では、入れ歯を付けたまま寝ることで、残っている歯への圧力を分散させ、入れ歯の安定性を保つことができる場合があります。特に、夜間に入れ歯が外れてしまうと、翌朝の装着が困難になることがあります。そのため、入れ歯をつけたまま寝ることで、残存歯や歯茎にかかる負担を軽減し、翌朝の装着をスムーズにすることができます。

ただし、入れ歯をつけたまま寝る場合でも、定期的な口腔ケアと入れ歯の清掃が必要です。適切な衛生管理を怠ると、細菌の繁殖や口内炎のリスクが高まるため、就寝前の清掃と、翌朝の清掃を欠かさず行うことが重要です。

総入れ歯の方

総入れ歯を使用している場合、就寝中に入れ歯を外すことで歯茎を休ませることができますが、特定の状況では入れ歯をつけたまま寝る方がおすすめな場合もあります。例えば、歯茎が大きく変形している場合や、歯ぎしりや食いしばりが強い場合、入れ歯を装着することで口腔内の安定性を保ち、歯茎や顎にかかる負担を軽減することが可能とされています。

歯ぎしりや食いしばりが強い方は、就寝中に歯や顎に過剰な負担がかかり、歯や顎関節にダメージを与える可能性があります。この場合、入れ歯をつけて寝ることで、歯ぎしりや食いしばりによる力を分散し、残っている歯や顎への負担を軽減する役割を果たします。しかし、入れ歯を装着したまま寝る際は、フィット感が適切であることが重要です。入れ歯がしっかりとフィットしていないと、逆に口腔内の負担が増加し、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

歯ぎしりや食いしばりが強い

歯ぎしりや食いしばりが強い方は、就寝中に歯や顎に過剰な負担がかかり、歯や顎関節にダメージを与える可能性があります。この場合、入れ歯をつけて寝ることで、歯ぎしりや食いしばりによる力を分散し、残っている歯や顎への負担を軽減する役割を果たします。しかし、入れ歯を装着したまま寝る際は、フィット感が適切であることが重要です。入れ歯がしっかりとフィットしていないと、逆に口腔内の負担が増加し、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

入れ歯をつけたまま寝た場合の注意

入れ歯をつけたまま寝た場合の注意

入れ歯をつけたまま寝ることは、口腔内の健康にさまざまなリスクをもたらす可能性があります。この習慣が長期間続くと、口腔内の健康が著しく損なわれることがあります。具体的には、入れ歯をつけたまま寝ることによって口腔内が乾燥し、唾液の分泌が減少します。唾液には口腔内の自浄作用があり、細菌の繁殖を抑える役割を果たしていますが、その唾液が減少することで、細菌の繁殖が促進されやすくなります。この結果、歯茎や粘膜に炎症が生じ、特に口内炎が発生するリスクが高まります。

さらに、入れ歯をつけたまま寝ることで生じるリスクは、口内炎だけにとどまりません。入れ歯が口腔内でずれることにより、歯茎に過剰な圧力がかかり、それが原因で歯肉炎や歯周病のリスクも増大します。また、長時間にわたって入れ歯を装着し続けることで、口腔内の細菌が増加し、その結果、口臭が発生することもあります。

寝ている間に入れ歯が外れてしまうリスクも無視できません。入れ歯が不意に外れると、誤って飲み込んでしまう可能性があり、これが誤飲事故につながる恐れがあります。誤飲事故は、特に高齢者にとって深刻な問題であり、窒息や胃腸障害を引き起こす可能性があるため、大変危険です。このようなリスクを避けるためにも、就寝前には必ず入れ歯を外し、適切な方法で清掃し、専用のケースに保管することが推奨されます。

入れ歯の清掃は、口腔内の細菌の繁殖を防ぎ、口腔内を清潔に保つために大変重要です。入れ歯を外した後は、流水でしっかりと洗浄し、専用の洗浄剤を使用して細菌を除去することが求められます。特に、入れ歯が細菌の温床になるのを防ぐためには、入れ歯を清潔に保つだけでなく、定期的に歯科医師の診察を受け、入れ歯のフィット感や口腔内の健康状態をチェックしてもらうことが重要です。定期的なチェックを行うことで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。

総じて、入れ歯をつけたまま寝ることは、さまざまな口腔内の問題を引き起こすリスクがあるため、避けるべき習慣です。毎晩のルーティンとして、必ず入れ歯を外し、清掃し、正しい方法で保管することを心がけましょう。この習慣が、口腔内の健康を守り、長く快適に入れ歯を使用するための基本となります。

就寝前の入れ歯のお手入れ

就寝前の入れ歯のお手入れ

入れ歯を長く清潔に使用するためには、毎晩の就寝前のお手入れが欠かせません。まず、入れ歯を外して流水で汚れを丁寧に洗い流し、食べかすや細菌を除去します。入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使用して、入れ歯の隅々までしっかりと清掃します。これは細菌の繁殖を防ぎ、口臭や口内炎のリスクを減少させるために必要なステップです。

清掃後は、入れ歯を清潔な水に浸して保管し、翌朝まで衛生的な状態を保つようにします。特に、水は毎日交換し、保管ケースも清潔に保つことが求められます。この日々のケアを継続することで、入れ歯の寿命を延ばし、口腔内の健康を長期間維持することが可能とされています。

さらに、入れ歯の清掃には適切な製品を使用することが推奨されます。市場には多くの洗浄剤や専用ブラシが販売されていますが、製品選びには注意が必要です。成分が強すぎると、入れ歯の素材にダメージを与える可能性があるため、歯科医師に相談のうえ、適切な製品を選ぶことが大切です。

入れ歯の保管方法

入れ歯の保管方法

ここでは入れ歯の保管方法について紹介します。入れ歯は菌が繁殖しやすく清潔に保つことが何より重要なので、このセクションで情報を確認してください。

清潔な水の中に保管する

入れ歯を適切に保管することは、長期間使用する上で大変重要です。特に、就寝中に入れ歯を外して保管する際には、清潔な水に浸しておくことが推奨されます。これにより、入れ歯の乾燥や変形を防ぎ、素材の劣化を防ぐことができます。 また、水に浸す際には、毎日新しい水を使用し、保管ケースも清潔に保つことが重要です。汚れた水に入れ歯を浸しておくと、細菌が繁殖し、翌日の装着時に口腔内に問題を引き起こす可能性があります。さらに、保管ケースを選ぶ際には、密閉性の高いものや、抗菌仕様のものを選ぶとよりよいです。

非常時に備えて

災害や緊急時に備えて、入れ歯の保管と管理にも注意が必要です。非常時には、清潔な水や入れ歯用の洗浄剤が手に入らないことがあります。そのため、簡単に持ち運びができる入れ歯保管ケースを準備しておくことが推奨されます。 また、避難所では衛生状態が悪化する可能性があるため、入れ歯の清潔を保つための工夫が必要です。例えば、抗菌作用のあるティッシュや、簡易的な洗浄剤を非常持ち出し袋に入れておくと便利です。事前に対策を講じることで、非常時にも口腔内の健康を維持できます。

定期的なチェックを受けよう

定期的なチェックを受けよう

入れ歯を快適に長期間使用するためには、定期的な歯科医によるチェックが不可欠です。時間が経つにつれて、入れ歯のフィット感や口腔内の状態が変わることが多く、これに対応するためには医師による調整が必要です。 特に、歯茎の状態やほかの天然歯が影響を受けることも考慮し、問題がなくても定期的な受診を心かけることが大切です。
早期に潜在的な問題を発見し、適切な処置を施すことで、入れ歯を快適に使用し続けることができます。また、定期的なクリーニングによって、入れ歯の衛生状態を保ち、口腔内の健康を維持することも可能とされています。このような習慣を続けることで、入れ歯の寿命を延ばし、健康的な生活をサポートすることができます。

まとめ

まとめ

ここまで就寝時の入れ歯についてお伝えしてきました。
記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 就寝時は入れ歯は外した方がいい
  • 入れ歯を付けて寝る場合は、菌の繁殖などの恐れがある
  • 入れ歯のお手入れには専用のブラシを用いる

この記事を参考に、就寝時の入れ歯について学びいつまでもお口の健康を保てるようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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