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保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目の違いは?メリット・デメリットを併せて解説します

保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目の違いは?メリット・デメリットを併せて解説します

入れ歯には保険適用内と保険適用外のものがあり、どちらを選ぶかは見た目やコストに大きく影響します。 本記事では保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目について以下の点を中心にご紹介します。

  • 保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯それぞれのメリット・デメリット
  • 入れ歯の種類
  • 入れ歯の見た目を維持するための管理方法

保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目の違い

保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目の違い

保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯は、素材や製作方法によって見た目に違いがあります。以下にその主な特徴をまとめます。

保险適用内の入れ歯

  • 材料はプラスチック(レジン)が主で、色や形が自然な歯に比べてやや劣る
  • 部分入れ歯は金属のクラスプがあり、それが見えるために見た目が損なわれがち
  • 低価格で治療可能であり、壊れた場合の修理も容易だが、装着感や食事時の違和感を感じる場合がある

保険適用外の入れ歯

  • 高品質な材料を使用し、自然な見た目を追求でき、例えば、チタンやコバルトクロムを使用した金属床義歯や、目立ちにくいノンクラスプデンチャーなどがある
  • 磁性アタッチメントを使用した義歯は、密着性が高く取り外しが容易だが、価格が高くなる
  • シリコン義歯は柔軟性があり、装着感が良好であるが、修理や調整が難しい場合がある

どちらのタイプもメンテナンスが重要であり、毎日の洗浄と定期的なチェックが必要です。入れ歯はただ単に噛むためだけでなく、発音や審美性にも影響を与えるため、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。歯科医師と相談しながら適切な選択を行いましょう。

入れ歯の種類

入れ歯の種類

入れ歯の種類について、詳しく解説します。

レジン床義歯(保険適用)

レジン床義歯は保険適用の範囲内で使用される入れ歯で、主にアクリルレジンというプラスチック材料から作られています。この材料は経済的であり、多くの歯科医院で取り扱われています。レジン床義歯の利点はその低コストで、修理や調整も容易な点です。

しかし、デメリットも存在します。プラスチック製であるため耐久性に欠け、平均して5年以下の使用期間とされています。また、その厚みから来る違和感は装着時に不快感を与え、食事中の温度感や食感の伝達が悪くなることがあります。特に部分入れ歯の場合、金属のクラスプが目立つこともあり、見た目の面での問題も指摘されています。

金属床(クラスプデンチャー)

金属床(クラスプデンチャー)は、チタンやコバルトクロムなどの生体親和性が高い金属を使用して製作されます。これらの素材は薄く加工できるため、入れ歯の装着感が自然で、食事時に食べ物の温度を感じやすくなるという利点があります。また、金属床はその強度から壊れにくく、会話や食事がしやすい点もメリットといえます。

ただし、金属製のために修理が難しい場合もあり、なかでも金属アレルギーのある患者さんには適さない可能性があります。部分入れ歯の場合は固定具が目立つこともあるため、見た目の審美性を重視する場合には注意が必要です。

ノンクラスプデンチャー(審美性入れ歯)

ノンクラスプデンチャーは、金属製のバネ(クラスプ)を使用しない審美性の高い入れ歯です。ピンク色の樹脂と裏側の金属床を使用しており、自然な見た目が保てます。他人から入れ歯だと気付かれにくく、バネをかけている歯の負担を分散できます。また、装着時の違和感が少なく、外れにくいという特徴もあります。

主なメリットは、見た目の自然さと高いフィット感です。これにより、日常生活でのストレスが軽減され、快適に使用できるといえます。しかし、2〜5年ごとの定期的なメンテナンスが必要であり、破損した場合の修理は難しいことがあります。
このため、ノンクラスプデンチャーを選ぶ際には、定期的な歯科診療と長期的なケアプランが推奨されます。

シリコン義歯

シリコン義歯は柔軟性のあるシリコン素材を使用して製作された入れ歯で、歯茎に接する部分にシリコンが用いられています。 シリコン義歯の主なメリットは、自然な見た目と審美性、歯茎に優しいクッション性があり、装着時の痛みが少ないことです。さらに、シリコンのやわらかさとフィット感により外れにくく、使用者の快適性が向上します。特に下顎の義歯で安定感や痛みが問題となる場合には、シリコン義歯の利用を検討することが推奨されます。

ただし、デメリットも存在します。シリコン部分は修理や調整が難しく、残っている歯が少ない程コストが高くなる傾向があります。また、約3年を超える使用でシリコンが剥がれることがあり、その際は修理が必要になります。これに加え、日常の手入れを、ほかの入れ歯よりも丁寧に行う必要があります。

マグネット義歯(磁性アタッチメント)

マグネット義歯(磁性アタッチメント義歯)は、残存歯と入れ歯を磁石で固定する方式です。歯根に磁性体金属を埋め込み、入れ歯に磁石を組み込むことで強力な吸着力を得て、普通の総入れ歯よりもしっかり噛むことができます。痛みが少なく、食事や会話がしやすいのが特徴です。

マグネット義歯のメリットは、審美性が高くクラスプが不要で、外れにくい点です。ただし、健康な歯が少ない場合には適用できず、MRI検査時には義歯を外す必要があります。このため、検査前には医療施設で指示を受けることが重要です。

保険適用内の入れ歯のメリット・デメリット

保険適用内の入れ歯のメリット・デメリット

保険適用内の入れ歯にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。 詳しく解説します。

メリット

保険適用内の入れ歯のメリットは、主に経済的な利点と治療期間の短さにあります。以下に詳しくまとめます。

  • 経済的な負担が少ない:保険適用のため自己負担が3割であれば総入れ歯で約10,000円、部分入れ歯で約5,000円程度
  • 治療期間の短縮:保険の入れ歯は、制定された手順と素材により、型取りから完成まで約2週間から3週間と短期間で提供される(ただし入れ歯にする範囲により異なる。大きな入れ歯の場合は1ヵ月かかることもある)
  • 修理の容易さ:プラスチック製の材料は摩耗や変形が起きた際にも修理が容易で、修理費用や必要な調整も安価

これらのメリットは、迅速に治療を受けたい患者さんにとって有益といえます。そして、保険適用の入れ歯はコストパフォーマンスが高く、多くのニーズに応えることができる選択肢であるといえるでしょう。

デメリット

一方、保険適用内の入れ歯にはいくつかのデメリットも存在します。

  • 素材の制限:使用できる素材がレジンや特定の金属に限られており、耐久性と見た目が制約される
  • 装着感:素材の厚みによる違和感や痛みが発生しやすい
  • 発音障害:厚みが発音を難しくさせることがある
  • 熱感覚の低下:プラスチックのため、温度感覚が鈍くなることがある
  • 審美性:部分入れ歯の金属クラスプが見えるため見た目が損なわれがち
  • 劣化しやすい:レジンは割れや色の変化に弱く、頻繁な修理や交換が必要

これらのデメリットは、主に長期間の使用を考える場合、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

保険適用外の入れ歯のメリット・デメリット

保険適用外の入れ歯のメリット・デメリット

保険適用外の入れ歯にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。 以下、詳しく解説します。

メリット

保険適用外の入れ歯には、以下のようなメリットがあります。

  • オーダーメイド可能:患者さんの口内状況に合わせて、より精密な型取りと多様な素材から選択できるため、フィット感が高まる
  • 審美性の向上:金属のクラスプが目立ちにくい設計や、自然な色合いの素材を使用できるため、高い審美性が期待できます。
  • 装着感の向上:素材の選択肢が広がるため、より薄くて丈夫な入れ歯を作製でき、日常生活での違和感が少なくなる
  • 耐久性と快適性:高品質な素材を使用することで、快適に長期に渡り使用できる
  • 個別のニーズに応じた設計:一人ひとりの要望に応じて、機能性や審美性を重視した設計が可能

これらのメリットは、患者さんにとってより快適で自然な使用感をもたらし、日常生活の質を向上させる助けとなるでしょう。

デメリット

保険適用外の入れ歯のデメリットには以下の点があります。

  • 高額な費用:保険が適用されない場合、経済的負担が大きくなる
  • 医院の限定:すべての歯科医院で保険適用外の入れ歯が作製できるわけではなく、適切な医院を見つけるのが困難な場合がある
  • 満足度の保証がない:高額な料金を支払っても、期待した満足度を得られるとは限らず、技術に依存するため、担当する歯科医師の技術力が重要
  • 事前の調査が必要:希望する入れ歯を取り扱っている医院を見つけるためには、事前に多くの調査や問い合わせが必要
  • 長期的なコスト:耐久性や美観を追求する材料を使用するため、長期的に見ても高額なメンテナンス費用が発生することがある

これらのデメリットを理解し、自己の経済状況や期待する入れ歯の機能を考慮したうえで、治療計画を立てることが重要です。

入れ歯の見た目を重視する方はどっちを選んだほうがいいの?

入れ歯の見た目を重視する方はどっちを選んだほうがいいの?

入れ歯の見た目を重視する場合、保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯では違いがあります。保険適用内の入れ歯は費用が低く、プラスチック製で金属のクラスプが見えるため、見た目の自然さには限界があります。対して、保険適用外の入れ歯は自由診療で、高品質なセラミックや目立ちにくい金属を使用できるため、自然な見た目と快適な装着感を提供しますが、価格は高めというデメリットがあります。

見た目を優先する場合は、保険適用外の入れ歯が適しています。特に以下のような利点があります。

  • 材質とデザインの自由度:自然で耐久性の高い材料を選べる
  • 審美性:金属のバネが見えない設計や、自然な色調のカスタマイズができる

最終的な選択は、患者さんの予算、審美的要求、および残っている歯の状態を考慮して決定されるべきです。見た目を重視する方には、保险適用外の入れ歯をおすすめします。

入れ歯の見た目を維持するための管理方法

入れ歯の見た目を維持するための管理方法

入れ歯の見た目を維持するための管理方法や注意点について、詳しく解説します。

歯ブラシや入れ歯清掃用ブラシで磨く

入れ歯の見た目を長持ちさせるための適切なお手入れ方法として、重要なのは日常的な清掃です。入れ歯を清潔に保つことで、見た目の美しさを維持し、快適な使用感も得られます。

入れ歯のお手入れには、通常の歯ブラシや入れ歯専用の義歯ブラシの使用が推奨されます。どちらも効果的といえますが、義歯ブラシは入れ歯の形状に合わせて設計されており、入れ歯の隅々まで届きやすく、汚れを効率的に除去できます。使用する際は以下の手順を踏むことが大切です。

  1. 入れ歯を水で濡らして、表面の汚れをある程度洗い流します。
  2. やわらかい歯ブラシか義歯ブラシを用いて、歯磨き粉を使わずに優しく歯磨きします。力を入れすぎると入れ歯に傷がつくことがあるので注意が必要です。
  3. バネやフックがある部分入れ歯は、そこが汚れが溜まりやすいため、念入りに磨くことが推奨されます。
  4. 歯磨き後は、再び水でしっかりとすすぎ、清潔な布やガーゼで拭き取って乾燥させます。

また、自身の残っている歯や歯茎も同時にケアすることが大切です。入れ歯を装着することで隠れがちな部分もありますが、これらを定期的に清掃することで、口内環境を整え、入れ歯の長持ちにも寄与します。

このような日々のケアは、入れ歯の寿命を延ばすだけでなく、使用感の向上にもつながります。適切なメンテナンスを心がけることで、清潔で快適な入れ歯を維持することができるでしょう。

就寝前に水や薬液に入れておく

入れ歯の見た目を保つためには、就寝前のケアも重要です。毎晩、入れ歯を外して専用の水や薬液に浸し、乾燥による割れや変形を防ぐことで、入れ歯の材質を維持し長期的に使用できます。

また、入れ歯洗浄剤を使用することで、付着した汚れや菌を除去し、義歯臭も取り除くことができます。洗浄剤による適切なケアは、入れ歯を常に清潔で美しい状態に保つためにも大切な管理の一つです。
毎日のルーティンとして適切な管理とケアを組み込むことで、入れ歯はその機能と美観を維持し続けることができるでしょう。

定期的に歯科医院で調整してもらう

入れ歯の見た目を長く維持するためには、歯科医院での調整も欠かせません。入れ歯を使用していると、時間が経つにつれてフィット感が変わってくることがあります。これは、顎の骨の変形や残っている歯の動きによって起こります。そのため、痛みや不快感を感じる前に、定期的なチェックと調整を受けることが重要です。

具体的には、入れ歯が正しくフィットしていない場合、それが原因で食事中の不快感や発音の問題、さらには顔の表情に影響を与えることもあります。定期的な診察では、歯科医師がこれらの問題を早期に発見し、適切に対処することで、入れ歯の機能性と審美性を調整します。

入れ歯の調整は1ヵ月に1度程度が推奨されていますが、個々の状態によって頻度は異なります。また、残っている自分の歯の健康状態によって、入れ歯の調整の必要性が高まる場合もあります。なかでも、歯周病のリスクが高い患者さんは注意が必要です。

このように、定期的な歯科診察と調整が入れ歯を快適に、長く使用することにつながるといえます。また、、長期的に健康的な口内環境を維持するためにも重要です。

まとめ

まとめ

ここまで保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目についてお伝えしてきました。保険適用内の入れ歯と保険適用外の入れ歯の見た目の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 保険適用内の入れ歯は経済的で迅速に提供されるが、素材の制限や耐久性の問題があり、保険適用外の入れ歯は高品質で審美性が高いがコストが高くなる
  • 入れ歯にはレジン床義歯、金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、シリコン義歯、マグネット義歯などがあり、それぞれ材質や機能性に応じたメリットとデメリットが存在する
  • 入れ歯の見た目を維持するためには、日常的に専用ブラシで清掃し、就寝前に水や薬液で保湿することが推奨され、定期的な歯科調整も必要

皆さんがご自身のニーズに適した選択をするために、本記事の情報を役立てていただけますと幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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