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30代で入れ歯を使用しても大丈夫?入れ歯になる原因・治療方法を解説

30代で入れ歯を使用しても大丈夫?入れ歯になる原因・治療方法を解説

入れ歯は高齢になってからするものというイメージが強い人もいるでしょう。実際には、30代から部分入れ歯を使用する人は増える傾向にあります。

30代で歯を失う主な原因として、むし歯・歯周病・事故などが挙げられます。歯がなくなることで、ほかの歯の移動が始まり、歯並びや噛み合わせが合いにくくなるでしょう。

それを防ぎ、飲食をしやすくするためにも、入れ歯は必要です。以下では、30代で入れ歯を使用しても大丈夫な理由・入れ歯になる原因・治療方法などを紹介しています。

歯がなくなった箇所を補う方法を考えている人は参考にしてください。

30代で入れ歯になる原因

歯が痛い 女性むし歯・歯周病は、口腔内の細菌によって起こります。事故では、外的な衝撃が歯の耐久性以上に加わることで生じるのが特徴です。これらの歯がなくなる原因を以下で詳しく紹介します。

むし歯

入れ歯になる原因の1つにむし歯が考えられます。

むし歯になると、一般的に奥歯から失われることが多く、未処置のむし歯・部分入れ歯の金具がかかる歯・被せ物がされている歯などを喪失するリスクが高いでしょう。

むし歯治療が遅れたり放置されたりすると、むし歯が進行し、切除範囲が広がります。

切除した箇所を詰め物や被せ物で覆っても、日常生活で過度な力がかかると、歯根が折れたり傷んだりして抜歯が必要になるでしょう。

抜歯後の歯肉は歯があった場合とは異なり、負荷がかからないため、歯肉や歯槽骨が吸収されやすくなります。

また、歯がなくなることで噛み合わせ・周囲の歯や顎にかかる負荷・噛む際の癖などにも影響がおよびやすくなります。

そのため、歯がなくなった際には入れ歯を着けて、歯や顎への影響を減らすように心がけてください。

事故

ドライブ交通事故・スポーツ・転倒・暴力などによっても歯が喪失する可能性があります。歯に適度な力が加わることで、歯が喪失したり破折したりすることがあります。

歯の破折は、幼少期や青少年期などの活発な時期に生じやすく、特に上顎の前歯に起こりやすいです。

事故では、歯以外にも顎や舌などにも影響が及ぶケースが多く、損傷状況に応じて手術や治療が行われます。

歯周病

歯周病も30代で抜歯にいたる原因の1つです。30代ではむし歯・埋伏歯(まいふくし)に次いで多く、30代以降では歯周病で抜歯するケースが増える傾向にあります。

埋伏歯は、歯肉や顎の骨に埋まってしまい、歯冠の一部またはすべてが出ていない歯のことです。歯周病は、歯周病原菌と呼ばれる歯垢に含まれる細菌が原因で生じます。

歯垢には1mgに1億個以上の細菌が存在しており、その細菌が出す毒素によって歯肉の腫れや出血が起こります。歯垢は食後数時間で作られ、うがいだけでは除去しきれないのが特徴です。

除去しきれなかった歯垢は、唾液中のリン酸やカルシウムなどと結びついて歯石になります。

歯の表面に歯石ができると、歯石をもとに細菌が繁殖し、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の溝が深くなっていきます。

進行すると、歯肉がより腫れていき、歯周ポケットも深くなるでしょう。さらに進行すると、歯の土台の歯槽骨が溶け、歯がぐらぐらしたり歯肉が下がったりします。

そして、最終的に歯が抜けることになるでしょう。歯垢は、うがいでは除去できないため、歯ブラシや歯間ブラシなどを使って除去するのがおすすめです。

歯周病は、歯みがきが不十分な人や仕方が悪い人に起こりやすいため、丁寧な歯磨きを心がけてください。

30代で歯を失った場合の治療の選択肢

入れ歯製作歯を失った場合の治療法には、ブリッジ・入れ歯・インプラントがあります。手術の有無・治療方法など、それぞれの異なる特徴を以下で紹介します。

ブリッジ

部分的に歯を失った場合に選択される方法の1つです。歯がなくなった箇所の左右の歯を土台にして、歯を連結させて失った歯を補います。

30代では、歯を失った際にブリッジで補う人が少なくありません。左右の歯を1〜1.5mm程削り、型をとってブリッジを作ります。

左右の削った歯を接着させるため、入れ歯のように取り外すことはできません。インプラントのように歯肉を切るような外科的手術がないのも特徴です。

両隣の歯にむし歯や歯周病があったり、グラグラしていたりするとブリッジの適用は難しいでしょう。

また、1本の欠損した歯を両隣の2本で支えるため、3本にかかる力を2本で受け止めることになります。場合によっては、4本にかかる力を2本で支えることになり、折れてしまう可能性もあります。

入れ歯

入れ歯も歯を喪失した際の選択肢の1つです。30代では、ブリッジに次いで部分入れ歯を適用している人が多く、50代から総入れ歯が増える傾向にあります。

入れ歯は、部分的に歯を失った場合から多数の歯を失った場合まで対応しています。取り外しが可能なため、お手入れも楽に行えるのが特徴です。

ブリッジとは異なり、歯を削ることが少ないのもうれしい点です。ただし、入れ歯を着けることで口腔内の違和感や異物感が出てくるため、慣れるまでに時間がかかります。

また、硬い物や分厚い物を食べた際に痛みを感じることがあるでしょう。入れ歯や噛み合わせが合わない場合にも、痛みが出る可能性があります。

歯や顎の状態は年々変わるため、痛みや違和感を覚える際には歯科医師に相談して調節してもらいましょう。

インプラント

インプラントインプラント治療は、失った歯の箇所に人工歯根を埋め込み、人工歯を取り付ける方法です。統計によると、30代でインプラント治療を受ける人は少なく、40代から増加する傾向にあります。

歯槽骨に人工歯根を埋め込むため、もともとあった自分の歯と近い使い方ができます。そのため、ブリッジや入れ歯のように周囲の歯にかかる負担も少なくてすむでしょう。

インプラントで使われる歯は自分の歯の色や形に似ているため、見た目にも目立ちにくいのが特徴です。ただし、歯肉に人工歯根を埋め込むため、手術が必要で治療にも時間がかかります。

患者さんの顎の骨の状態や持病の状態によっては、手術が行えない場合もあるため、注意が必要です。原則、自費診療のため治療費が高額になります。

30代で入れ歯を使用しても大丈夫?

医師 疑問30代での入れ歯の使用自体に問題はありません。抜歯した箇所にもよりますが、抜歯したまま放置していると、ほかの歯が動いて歯並びや噛み合わせに影響がでる場合があります。

歯が動くことで、噛み合わせが悪くなる・食べ物が詰まる・歯や顎が痛む・見た目が悪くなるなどの影響がでるでしょう。

噛み合わせが悪くなり、力の負担が1本の歯だけにかかるような場合には、その1本も不調をきたすようになるかもしれません。

歯が喪失した状態を放置しておくと、入れ歯を作る前に歯並びやむし歯・歯周病の治療が必要になる場合もでてきます。

歯がなくなることで食べにくさや話しにくさにつながる場合もあるため、歯がなくなった際には入れ歯の導入を検討してみてください。

また、歯がない状態を放置していると歯槽骨が吸収されて減っていくため、今後インプラントも考えている場合には早めに決断した方がよいでしょう。

歯がなくなった際に新たに自分の歯として活躍してくれる選択肢が入れ歯以外にもあります。歯がなくなった際には、自分の歯や口腔内の状態に適した方法を選べるように歯科医師と相談して決めるようにしてください。

30代の入れ歯の治療方法

義歯 製作過程入れ歯の治療の流れ・治療期間・メンテナンスを以下で詳しく紹介します。入れ歯が完成したら終わりではありません。歯や口腔内、顎の状態も年々変化するため、定期的なメンテナンスが必要になるでしょう。

治療の流れ

以下で紹介するのは、総入れ歯の治療の流れです。

  • 診察・検査
  • 型取り
  • 噛み合わせの記録
  • 仮合わせ
  • 完成
  • 調整

まずは、口腔内の診察やレントゲン写真から異常な箇所がないかの確認です。治療が必要であれば、治療をしてから入れ歯の型取りを行います。

型取りで得られた模型をもとにして専用の装置を作り、噛みやすい場所を決め、適切な噛み合わせを記録します。

仮合わせは、仮の入れ歯を作り、歯の高さ・歯並び・噛み合わせなどの確認を行う工程です。この工程を経て入れ歯が完成します。完成後も快適に使えるように何度か調整が必要になるでしょう。

診察から入れ歯の完成までに、5〜6回程歯科医院に通う必要があります。調整後、問題なく使えるようになった後も、定期的なメンテナンスは必要です。

部分入れ歯の場合には、噛み合わせの記録後に金属の骨組みを作る工程が入ります。

治療期間

入れ歯 製作過程治療期間は、保険適用の部分入れ歯では3〜6ヶ月程です。保険適用ではありませんが、口蓋の部分が金属の総入れ歯も3~6ヶ月程かかります。歯や顎堤の状態によって、治療期間は変わるでしょう。

メンテナンス

多くの場合、3〜6ヶ月程の定期検診でメンテナンスを行います。入れ歯を使っていると気付かない間に、入れ歯がすり減っていたり噛み合わせが合わなくなっていたりします。

また、保険適用の入れ歯で使われるレジンと呼ばれる素材は、咬耗が早いのが特徴です。入れ歯がひび割れしている場合もあるため、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。

メンテナンスでは、入れ歯の調整・噛み合わせの確認・残っている歯のクリーニングなどを行ってくれます。メンテナンスの頻度や間隔は歯科医師と相談して決めてください。

入れ歯を目立たせない方法

歯を確認部分入れ歯では、クラスプを目立ちにくくする方法があります。それが、以下で紹介するホワイトクラスプデンチャーやノンクラスプデンチャーです。クラスプは入れ歯を留めている部分のことです。

ホワイトクラスプデンチャーを使用する

ホワイトクラスプデンチャーはクラスプが白いため、目立ちにくい入れ歯です。クラスプは金属のものが多く、入れ歯の隣の歯に引っかけることで固定されます。

歯に金属を引っかけるため、開口した際に金属部分が目立ち、入れ歯をしていることがわかります。クラスプの部分はアセタールと呼ばれる熱可塑性樹脂でできており、耐久性・耐摩耗性などに優れているのが特徴です。

ノンクラスプデンチャーを使用する

ノンクラスプデンチャーは名前のとおり、クラスプを使わない部分入れ歯です。

弾性の高い熱可塑性樹脂を使用すると、歯肉で入れ歯が固定されます。弾性が高いため、力が加わった際に入れ歯に大きな変形が生じやすいです。

そのため、粘膜にかかる負担が増えることがあります。金属を使用していない物もあるため、金属アレルギーの人でも使えるでしょう。

保険診療の入れ歯と自由診療の入れ歯の違い

医師 説明保険診療と自由診療の入れ歯では、選べる素材・費用・耐久性などの違いがあります。保険診療では費用が抑えられますが、使用できる素材は限られています。

一方の自由診療は、費用はかかりますが、素材を選べるため自分の口腔内に適した入れ歯を作れるのが違いです。これらの違いを以下で紹介します。

保険診療の入れ歯の特徴

保険診療で作る入れ歯には以下のような特徴があります。

  • クラスプが金属
  • 歯肉に当たる部分がレジンで作られる
  • 厚みがある
  • 費用が抑えられる
  • 耐久性に劣る

保険診療の入れ歯では、ピンク色のレジンと呼ばれる歯科用のプラスチックで作られます。部分入れ歯は固定するクラスプが金属になります。

傷つきやすく、落とすと割れる可能性があるのも特徴です。そのため、強度をもたすために入れ歯自体が厚めに作られています。総入れ歯の場合には違和感が大きく、慣れるのに時間がかかる人もいるでしょう。

自由診療の入れ歯の特徴

以下が自由診療の入れ歯の特徴です。

  • 金属以外のクラスプから選べる
  • レジン以外の素材から選べる
  • 入れ歯自体が薄く作れる
  • 費用がかかる
  • 治療期間がかかる

自由診療の場合、保険診療とは異なり、選択できることが特徴です。クラスプや入れ歯自体の素材などが選べます。

保険診療で使われる歯科用プラスチックのほかにセラミック・チタン・シリコーンなどの素材が使用可能です。

上顎の入れ歯の場合、口腔内の天井部分の口蓋にあたる箇所が床と呼ばれます。この床の部分が金属であれば、熱が通りやすくなります。

熱が伝わりやすいため、飲食物の温度を感知でき、食事のおいしさも感じやすくなるでしょう。ただし、自由診療のため費用がかかる点は注意が必要です。

まとめ

食事30代で入れ歯を使用しても大丈夫な理由や入れ歯になる原因、治療方法などを紹介してきました。30代で歯がなくなる原因は、むし歯・事故・歯周病です。

むし歯や歯周病は、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診で、ある程度は防ぐことができます。

30代で入れ歯をするイメージがない人もいるかもしれませんが、入れ歯は歯がなくなった状況をカバーしてくれる大事なアイテムです。

歯がなくなった箇所を補う方法は、入れ歯以外にもブリッジやインプラントがあります。30代で入れ歯を選択される人は少ないですが、取り外しができるため、清掃も楽に行えます。

慣れるまでは異物感や違和感がありますが、慣れると使いやすいでしょう。歯や顎の骨の状態は年々変わるため、歯科医院で定期的にメンテナンスを受け、自分にあった入れ歯にしていきましょう。

歯を失うと歯を失った部分の骨、歯茎が痩せていきます。その後、隣の歯が傾斜したり、それまで噛み合っていた歯が支えを失い移動したりします。

それにより噛み合わせ全体のバランスが崩れ、口腔内全体に悪影響が及ぶことがあります。

隣の歯や骨の状態により治療方法が異なりますので、歯科医院で適した方法を相談しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

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