高齢化が進行中の日本では、入れ歯を普段から使用する高齢の方も増えているのではないでしょうか。
入れ歯を使用するなかで困難を感じる場面に、落として割ってしまうことがあります。いざ割ってしまったときの対処法をご存知でしょうか。
実際に割ってしまうと、どうしたらよいかわからず慌ててしまう方も少なくないでしょう。また、修理費用は入れ歯の種類や割れた箇所によって異なるため、適切な対応を行うためにも歯科医院での診察が重要です。
本記事では、入れ歯修理が必要な理由と、その費用について詳しく解説します。
入れ歯が割れたときの修理について
- 入れ歯が割れたときの修理は必要ですか?
- 入れ歯が割れたときに修理するかどうかは歯科医師が判断します。入れ歯が割れたらできるだけ早く歯科医師に連絡し、診察を受け、修理が必要かどうかを判断してもらうことが大切です。その際、割れた入れ歯は忘れないように持参しましょう。
入れ歯が割れてしまったら食事や会話に影響が出てしまうことがあります。小さな部分入れ歯でも、入れ歯を修理せずに使用しない期間が長くなると、さまざまな悪影響を引き起こす可能性があります。
以下は、歯がすべて揃っていないことによるトラブルです。- 歯が傾く
- 噛み合わせが悪くなる
- お口が開きにくくなる
- 外科手術が不要である
歯が一本でもなくなると、このように健康な歯や顎関節にまで悪影響を及ぼします。そのため、入れ歯が割れてしまった際はしっかり修理することが大切です。
- 入れ歯が割れたときは自分で修理しても大丈夫ですか?
- 自分で修理をしてはいけません。ご自身での修理は以下のようなリスクがあります。
- 位置がずれて、痛くなったり噛み合わせが悪くなったりする
- 接着剤で固定した場合、後で修理するのが大変になる
- 入れ歯をさらに損傷させてしまう
- 医療用ではない接着剤を用いることで、接着剤に含まれる成分が身体に有害な影響をもたらす
- 噛んだときに違和感を覚える
このように自分での修理はリスクが多く、デメリットが大きいとされます。手先がいくら器用な方が自分で修理しても、入れ歯は0.03cmのズレでも違和感を覚えるといわれています。入れ歯が割れた際は、自分では修理せず歯科医院を受診しましょう。
- 入れ歯が割れたまま使用しても大丈夫ですか?
- 入れ歯が割れた際は使用し続けてはいけません。お口の中を傷つけたり、噛み合わせが悪くなったりして、顎関節に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
入れ歯が割れてしまったら使用し続けず、割れた部分を持参して、すぐに歯科医院を受診することが大切です。
- 入れ歯の割れ方によって修理が難しいケースはありますか?
- 入れ歯の割れ方によって修理が難しいケースは、以下のようなものがあります。
- あまりにもバラバラに割れてしまったもの
- 金属のフレームが割れてしまったもの
- 何度も修理して汚れてしまっているもの
- 入れ歯自体がとても古く、何十年も使用しているもの
割れたのが入れ歯のプラスチック部分であれば容易に修理する ことが可能です。しかし、入れ歯のフレーム部分に相当する金属部分が割れた場合は、作り直しになる場合があるでしょう。
また、とても古く何十年も使用している入れ歯は、修理よりも新製が妥当なこともあります。お口の中の環境をよいものにするためにも、修理ができなければ作り直すことも考えましょう。
入れ歯が割れる原因・対処法
- 入れ歯が割れる原因はなんですか?
- 入れ歯が割れる原因はさまざまですが、主な要因として下記のものがあります。
- 元々入れ歯が薄い
- 以前に割れたことがあることによる強度の低下
- 長期間の使用によりお口に適合しなくなっている
- 噛み合わせの問題
入れ歯が割れた原因が長期での使用や噛み合わせの問題であった場合、修理しても再度割れてしまう可能性があります。定期的なメンテナンスや適切な取り扱いで、入り馬の寿命を伸ばすことができるため、割れた場合には速やかに歯科医師に相談することが大切です。
- 入れ歯が割れたときの対処方法を教えてください。
- 入れ歯が割れた際は入れ歯を使用し続けず、割れた部分を保存容器に入れましょう。また、入れ歯は水があることを前提に作られているため、割れたものをすべて水に浸けておくことが大切です。
普段から水中に保管しないように歯科医師から指示を受けている場合は、歯科医師の指示に従いましょう。
- 入れ歯が割れたとき欠片は残しておいた方がいいですか?
- 欠片はしっかりとっておくことが大切です。保険で入れ歯を作成すると6ヵ月以内は新しく入れ歯を作ることが不可能です。欠片をしっかりとっておくと、割れた部分を歯科医院で接着して修理ができるため、修理のときに役立ちます。
このとき、割れた欠片は大きいものだけでなく、小さいものもできるだけすべて取っておくようにしましょう。欠片はティッシュやタオルには包まず、前述したように安全に保管できるケースに収納することがおすすめです。
入れ歯が割れたときの修理費用
- 入れ歯が割れたときの修理費用について教えてください。
- 保険で作った入れ歯の修理費用は3割負担で2,000~3,000円(税込)程度です。
自費で作った入れ歯に関しては、その入れ歯によって修理費用が大きく異なるため、修理費用が高額になるケースが少なくありません。そのため、歯科医師に修理を依頼する際は、費用を高めに用意しておくことが大切です。
- 入れ歯の修理期間はどのくらいですか?
- 修理は簡単なもの数分、時間が必要なもので1~2週間かかります。割れた部分がプラスチック部分であれば簡単に修理ができるケースがあるため、保険で作った入れ歯の方が自費で作った入れ歯よりも早く修理が終わる可能性があります。
なお、入れ歯を一から作り直した場合1ヵ月〜3ヵ月かかります。修理に出している間の食事や会話の不便を考えると、入れ歯が割れてしまった場合は一から作り直すのではなく、可能な限り修理に出した方がよいでしょう。
- 入れ歯の修理に保険は適用されますか?
- 保険で作った入れ歯であれば、修理に保険は適用されますが、自費でつくった入れ歯はケースによって大きく異なります。保険適用であれば実費の3割負担で修理を受けることが可能です。
ただし、保険適用の範囲にはいくつかの制約もあります。例えば、特殊な素材を使用した入れ歯や長期間修理を行っていない場合には、新しい入れ歯を作製することが推奨される場合もあり注意が必要です。特に自費で作った入れ歯は、費用が高額になります。
まずは歯科医院で診察を受け、保険の適用範囲や必要な処置について確認することが大切です。
編集部まとめ
入れ歯が割れたときは、歯科医師に診てもらい、修理が必要かどうか判断してもらう必要があります。
割れた入れ歯はお口の中を傷つけたり、噛み合わせが悪くなったりしてしまう恐れがあるため、使い続けないようにしましょう。
入れ歯が割れたときの修理費用は、保険適用の入れ歯で2,000~3,000円(税込)です。
自費の入れ歯の場合、入れ歯によって費用が大きく異なるため、歯科医師に相談することが大切です。
入れ歯はお口のなかで残っている歯や、歯茎を守る重要な役割を担っています。
入れ歯が割れてしまうとかなり不便かもしれませんが、お口の中の環境を守るためにも適切な対処をしましょう。
参考文献