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入れ歯による発音障害とは?発音障害の原因や特徴、発音トレーニングなどを解説

入れ歯による発音障害とは?発音障害の原因や特徴、発音トレーニングなどを解説

入れ歯は、食事のしやすさや見た目の改善に大きく貢献しますが、発音に影響を及ぼすこともあります。お口のなかはデリケートなため、入れ歯を使用してお口のなかの環境が変わると、舌がうまく動かせず、発音しにくくなってしまうのです。本記事では、入れ歯による発音障害の原因や特徴について詳しく解説し、発音トレーニングなどの改善方法についてもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

発音障害とは

発音障害とは、声を出す際に言葉を正しく発音できない状態のことです。ここでは、発音しにくくなる原因にはどういったものがあるのか、また発音しづらい言葉はあるのかについて解説します。

発音しにくくなる原因を教えてください
発音障害で発音しにくくなる原因としては、口蓋裂や舌の形成異常など、口腔内などに問題がある場合や、入れ歯によって舌の動きが制限されたりフィット感が悪かったりする場合、脳卒中やパーキンソン病など神経系の疾患が原因で筋肉の動きが制限される場合が挙げられます。また、聴覚に問題があり、自分の発音を正確に聞き取れず、発音が不明瞭になるケースや、ストレスや不安などの心理的要因が原因で発音しにくくなることもあります。これらの原因に対しては、適切な診断と治療が必要なため、医師による診察を受けることをおすすめします。
発音障害で発音しづらい言葉はありますか?
発音障害がある場合、特定の音や言葉が発音しづらくなることがあります。発音障害の程度によって異なりますが、一般的に発音が難しいとされるのは「p・b・t・d」など、お口のなかで空気を一度止めてから出す破裂音や、「s・z・sh・ch」などの摩擦音です。これらの音は、舌や歯の位置が重要であるため、入れ歯を装着していると正確な発音が難しくなることがあります。また、舌の動きが複雑な「r・l」などの流音や「ai・ei・ou」などの二重母音や複雑な母音の組み合わせも発音が難しいことがあります。

入れ歯と発音障害の関係

入れ歯と発音障害の関係 発音するときには、口内で舌が自由に動くためのスペースが必要です。しかし、入れ歯は口内のスペースを狭め、舌の動きを制限するため、発音がしにくくなることがあります。ここでは、発音障害になりにくい入れ歯の種類についても解説します。

入れ歯をすると喋りづらくなることはありますか?
入れ歯は、慣れるまでに1~2週間かかります。特に、入れ歯を装着して間もない頃は違和感が大きく、喋りづらいと感じることがあります。また、喋る際には舌をスムーズに動かす必要がありますが、入れ歯が分厚いとお口のなかのスペースが小さくなり、舌の動きが阻害されるため、喋りにくいと感じることもあるでしょう。さらに、入れ歯がしっかりフィットしていないと、上下の歯を噛み合わせたときに隙間が生じて空気が抜け、発音しにくい場合があります。
発音障害がつらいので入れ歯を入れずに過ごしてよいですか?
入れ歯を使用しないと、食事や会話がしにくくなったり、骨格に影響を与えたりする可能性があることに注意が必要です。例えば、長期間歯がない状態が続くと、顎の骨が徐々に減少し顔の形が変わったり、残っている歯に過度な負担がかかり、ほかの歯の健康にも影響を及ぼしたりするケースもあります。

発音の問題については、入れ歯に慣れるための発音トレーニングや入れ歯の調整が必要な場合があります。歯科医師と相談して適切な解決策を見つけることが重要です。

発音障害になりにくい入れ歯の種類はなんですか?
発音障害になりにくい入れ歯としては、金属床義歯があります。保険適用のプラスチック製の義歯では設計に制限がありますが、金属床義歯はさまざまな形に変えられるため、口内の状態に合わせて対応できます。ほかにも、金属床は耐久性があってたわみにくく、強度に優れているのが特徴です。天然歯と同じように食べ物を噛み切ることができるので、胃腸への負担を軽減します。食事や会話への支障が少ないこともメリットでしょう。

しかし、金属床義歯に使用される金属によっては、金属アレルギーの心配があることや、保険適用ではないので費用が高くなってしまう点はデメリットです。口内の状態やニーズに合わせて適切なものを選ぶことが重要なので、歯科医師とよく相談してみてください。

入れ歯の発音障害の改善方法

入れ歯の発音障害の改善方法 入れ歯による発音障害を改善するためには、適切な入れ歯の調整や発音トレーニングが重要です。ここでは、自分でできる発音障害の改善方法や入れ歯を調整しても改善しない場合の対処法について解説します。

入れ歯を入れてから喋りにくい場合、自分でできる改善方法はありますか?
自分でできる改善方法として発音トレーニングがあります。発音トレーニングとは、正確で明瞭な発音をするための練習方法のことです。

鏡を見ながら特定の音を発する際の舌の位置や動きを確認し正しい発音を練習する方法や、苦手な音を声に出して練習し、お口の筋肉のトレーニングをする方法があります。このとき、お口を大きく開け閉めすることでお口の筋肉のストレッチになります。

また、録音した自分の声を自分で聞いたり、家族や親しい友人に聞いてもらったりして、どの音を出すのが苦手なのか客観的にチェックしてみてもよいでしょう。

発音障害が生じた場合、歯科医院に相談するべきですか?
発音障害が生じた場合は、歯科医院に相談することをおすすめします。発音障害を改善するためには、原因に合わせた適切な対処が必要です。入れ歯を削って薄くしたり、空気が抜けないように入れ歯の形を整えたりすることで、発音障害が改善する場合もあります。歯科医師は、入れ歯のフィット感や調整が必要かどうかを評価し、適切な対策をとることができます。相談することで、適切な治療方法や改善策を見つけることができるはずです。もしかかりつけ医に相談しても改善されない場合は、入れ歯の発音に詳しい入れ歯の専門家に直接相談するのがよいでしょう。
発音障害が生じた場合、入れ歯を作り直すこともあるのか教えてください。
発音障害が生じた場合は入れ歯を作り直すこともあります。入れ歯が適切にフィットしてない場合や形状が発音に影響を与えている場合は、新しい入れ歯を作成することを検討します。入れ歯は、歯科技工士が手作業で作るため、厚さやデザインにばらつきが出ますが、入れ歯の形状や素材を変更することで発音が改善されることがあります。歯科医師とよく相談してみてください。
入れ歯を調整しても改善しない場合の対処法を教えてください。
入れ歯を調整しても改善しない場合は、インプラント治療を検討してもいいかもしれません。インプラント治療とは、失った歯の位置にインプラント(人工歯根)を埋め込み、そのうえに義歯を取り付けて失った歯の機能を補う治療法です。自費での手術になりますが、見た目や噛み心地に違和感が少なく、天然歯と同じように使用することができるでしょう。

また、保険適用の入れ歯で喋りにくさを感じている場合は、自費で作成できる入れ歯を検討するのもおすすめです。自費の場合は、入れ歯の作成方法や使用する素材が限定されず、患者さんの口内の状態に合わせた入れ歯を作成することができるため、喋りにくさが改善される可能性は十分にあります。

編集部まとめ

本記事では、入れ歯による発音障害の原因や特徴について詳しく解説しました。発音障害を改善するためには、原因に応じて適切な対処をする必要があります。自分でできる改善方法としては発音トレーニングなどがありますが、場合によっては、入れ歯の作り直しや、入れ歯を削ったり形を整えたりする専門的な対処も必要になるので、歯科医師によく相談しましょう。入れ歯を調整しても症状が改善しない場合には、インプラント治療やセカンドオピニオンの検討もおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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