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一般歯科でマウスピースが作れる?種類や素材、注意点を解説します

一般歯科でマウスピースが作れる?種類や素材、注意点を解説します

一般歯科では、歯ぎしりや食いしばりの予防、スポーツ中の衝撃保護などを目的にマウスピースを製作できます。用途に応じてさまざまな種類や素材があり、それぞれの特徴や注意点を理解することが大切です。

本記事では一般歯科でマウスピースが作れるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • マウスピースとは
  • 一般歯科で製作できるマウスピースの種類とは
  • 一般歯科でマウスピースを製作する際の費用

一般歯科でマウスピースが作れるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

マウスピースとは

マウスピースとは

マウスピースは、患者さんの歯列や顎の形状に合わせて個別に製作される装置です。口腔内の型を取ることで、患者さん一人ひとりに合った位置にしっかり保持されるように製作されます。

使用される素材は耐久性の高いとされる医療グレードのプラスチックやシリコンで、口腔内での安全性が確保されています。

また、柔軟性があるため、噛み合い力を分散させる効果も期待できます。さらに、歯ぎしりや睡眠時無呼吸症候群の治療を目的としたマウスピースには、顎の位置を調整する装置が付属する場合もあります。

一般歯科で製作できるマウスピースの種類

一般歯科で製作できるマウスピースの種類

一般歯科では、さまざまな用途に合わせたマウスピースを製作できますが、どのような種類があるのか気になりますよね。 以下でマウスピースの種類について詳しく解説します。

夜間用マウスピース

夜間用マウスピースは、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする方のために設計された装置で、歯や顎の保護を目的として使用します。このマウスピースは「ナイトガード」とも呼ばれ、夜間に装着して睡眠を取ります。

このマウスピースには、以下のような効果が期待できます。

  • 歯の摩耗を防止し、マウスピース自体がすり減ることで歯を守る
  • 歯や歯根にかかる負担を軽減し、歯の破損やセラミック・レジンなどの歯科治療材料の破損を防ぐ
  • 顎関節の負担を減らし、顎の痛みを軽減する
  • 歯の位置を安定させ、歯列を守る役割を果たす

夜間用マウスピースは、歯ぎしりや食いしばりを防ぐため、ある程度の厚みと硬さがあります。そのため、最初は違和感を感じることがありますが、慣れるとよい睡眠が取れるようになります。

スポーツ用マウスピース

スポーツ用マウスピースは、格闘技といった接触の多いとされるスポーツやトレーニング中に歯を保護するために使用されます。別名「マウスガード」とも呼ばれ、歯や顎を守る重要な役割を果たします。
スポーツ用マウスピースには、以下のような効果が期待できます。

  • 外的な衝撃から歯を守る
  • 食いしばりによる歯への負担を軽減する
  • 食いしばる力をしっかりとサポートし、スポーツのパフォーマンスを向上させる

マウスピースを装着すると、歯を保護するだけでなく、食いしばりが安定します。また、運動時のパフォーマンスや集中力が向上し、積極的な動きが生まれる効果も期待できます。
特にキックボクシングや柔道、ラグビーなどの接触の多いとされるスポーツでは、スポーツ用マウスピースが不可欠です。

マウスピースの素材

マウスピースの素材

上記では一般歯科で製作できるマウスピースの種類について解説しました。
ここでは、マウスピースで用いられている素材について解説します。

ソフトタイプ

ソフトタイプのマウスピースは、ゴム製のやわらかい素材で製作されており、装着時の違和感が少なく快適に使用できることが特徴です。特に歯ぎしりや軽度の噛み合わせの問題に対して効果が期待されます。

しかし、歯ぎしりの力が強い場合には、素材が削れて穴が空いてしまうことがあるため、耐久性には限界があります。ソフトタイプのマウスピースは、費用が抑えられ取り扱いやすいとされていますが、定期的な交換やメンテナンスが必要です。

ハードタイプ

ハードタイプのマウスピースは、レジンと呼ばれる硬い樹脂素材で製作されています。ハードタイプは一定の硬さを持ちながらも歯よりはやわらかいため、歯ぎしりや食いしばりによる負担をしっかりと軽減できます。耐久性も高いとされており、削れて穴が空くなどのトラブルが少ないのも特徴です。

また、ナイトガードにできた傷を確認することで、歯ぎしりや食いしばりの有無を判断もできます。ただし、硬い素材ゆえに装着時の違和感が出やすく、噛み合わせの調整が難しい場合があるため、調整が重要です。

一般歯科でマウスピースを製作する際の費用

一般歯科でマウスピースを製作する際の費用

ここまで、マウスピースについて解説してきましたが、以下では一般歯科でマウスピースを製作する際の費用について見ていきましょう。

夜間用マウスピース

夜間用マウスピースを一般歯科で製作する際、顎関節症の症状が認められる場合には保険が適用され、患者さんの負担額は3割負担でおおよそ2,500〜5,000円程度となります。

しかし、症状がなく予防目的で製作する場合は保険適用外となり、費用は1万円前後になります。なお、初診料や再診料、検査料などが別途かかることもあります。したがって、保険適用の有無は診断結果によって異なるため、事前に確認することが重要です。

スポーツ用マウスピース

スポーツ用マウスピースは自由診療となり、保険適用外のため自己負担となります。費用は歯科医院や用途によって異なりますが、5,000円〜2万円程度で提供されています。しかし、競技の種類や希望する機能によって費用が変わることもあります。

マウスピースを使用するうえでの注意点

マウスピースを使用するうえでの注意点

マウスピースを使用することでさまざまな効果が期待できますが、使用する際には注意した方がよい点もあります。
以下で詳しく解説します。

正しいお手入れが必要になる

マウスピースを快適に使用するためには、日々の正しいお手入れが欠かせません。口腔内には何百種類もの常在菌が存在しており、これらが原因でマウスピースが黄ばみや臭いを引き起こすことがあります。

また、細菌の繁殖によって歯周病やむし歯のリスクが高まるため、こまめなケアが重要です。毎日の水洗いだけでなく、入れ歯洗浄剤や専用洗浄剤を活用することで、より衛生的な状態を保てます。

お手入れをする際は、マウスピースは傷がつきやすいため、硬い毛の歯ブラシを避け、やわらかい毛で洗浄を行いましょう。また、熱に弱い素材が多い傾向にあるため、煮沸消毒も避け使用後はしっかり洗浄し、乾燥させて保管することが大切です。正しいお手入れを続けることで、快適な使用を維持できます。

定期的にマウスピースのメンテナンスを行う必要がある

マウスピースを快適に使用し続けるためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。毎晩装着していると、歯ぎしりや食いしばりによる圧力で少しずつ形が歪み、歯にしっかりフィットしなくなることがあります。

フィット感が損なわれると、歯への負担軽減の効果が弱まる可能性があるため、製作した歯科医院で定期的なメンテナンスを受け、状態を確認することが重要です。歯科医院では、患者さんの噛み合わせに合った調整を行い、マウスピースの保護効果を維持できるようにサポートしてくれます。

破損した場合は新調する必要がある

マウスピースは毎日使用しているうちに消耗し、破損することがあります。特に歯ぎしりや食いしばりが強い場合、削れて穴が空いたり、ひび割れが生じたりすることがあり、そのまま使い続けると効果が期待できなくなります。

マウスピースの交換時期は使用状況によって異なりますが、2年ごとに新しいものに交換する必要があります。新調する際には、再度費用がかかることを考慮して、事前に予算を確認しておくことが重要です。

新調する際には費用がかかるため、あらかじめ予算を検討しておくことも大切です。定期的にマウスピースの状態を確認し、適切なタイミングで交換を検討しましょう。

マウスピースの正しいお手入れ方法

マウスピースの正しいお手入れ方法

最後にマウスピースの正しいお手入れ方法について解説します。

1.流水で洗浄する

マウスピースを外した後は、まず流水で丁寧に洗浄することが大切です。口腔内で付着した唾液や食べカスなどをしっかりと洗い流すことで、雑菌の繁殖を防ぎます。水道水で十分ですが、ぬるま湯を使うとより効果的に汚れを落とせます。

ただし、60度以上の熱湯を使用すると、マウスピースが変形したり劣化する恐れがあるため注意が必要です。また、シャワーヘッドなど水圧の強いもので洗うと破損することがあるため避けましょう。

2.歯ブラシで清掃する

マウスピースを清潔に保つためには、やわらかい毛の歯ブラシを使って優しく磨くことが大切です。表面だけでなく、内側や凹凸部分、溝など汚れが溜まりやすい箇所を丁寧に洗いましょう。特に歯と接触する面や、唾液が溜まりやすい奥の部分は念入りに清掃する必要があります。

強い力でゴシゴシ擦るとマウスピースに傷がつき、そこに汚れが溜まりやすくなるため、優しく磨くのがポイントです。また、歯磨き粉は研磨剤入りのものを避け、マウスピース専用の洗浄剤を使うとより効果が期待できます。

3.専用洗浄剤を使用する

マウスピースを清潔に保つためには、専用の洗浄剤を使用することが推奨されています。洗浄剤を使うことで、手洗いだけでは落としきれない汚れや細菌を除去し、衛生的な状態を保てます。特にマウスピースは口腔内で使用するため、清潔な状態を維持することが重要です。

洗浄剤には主に錠剤タイプと泡タイプの2種類があり、それぞれ特徴があります。

錠剤タイプ:
錠剤タイプは、水またはぬるま湯に錠剤を溶かし、マウスピースを浸け置きして洗浄する方法です。溶液に浸けることで、細かい汚れや細菌をしっかりと除去できます。浸け置き時間や溶液の濃度は、製品の説明書にしたがって正しく管理することが重要です。洗浄後は流水でしっかりすすぎ、洗浄剤の成分が残らないよう注意しましょう。

泡タイプ:
泡タイプは、マウスピースに直接吹きかけて使用する方法です。やわらかい歯ブラシを使って優しく磨くことで、泡がマウスピース全体に行き渡り、汚れを効率的に取り除けます。磨いた後は流水でしっかりすすぎ、成分が残らないようにしてください。

専用洗浄剤を正しく使用することで、マウスピースを清潔で衛生的な状態に保ち、快適に使用できます。洗浄後は水分をしっかり拭き取り、乾燥させて保管することも忘れずに行いましょう。

4.専用ケースに保管する

マウスピースを清潔に保つためには、正しい方法で保管することが重要です。使用後に洗浄を行った際は、しっかりと水分を拭き取り、専用のケースに入れて保管しましょう。専用ケースを使用することで、マウスピースをホコリや汚れから保護できるだけでなく、形状が崩れるのを防ぐことにもつながります。特にハードタイプのマウスピースは衝撃に弱いため、ケースに入れて保管することで破損のリスクを軽減できます。

保管場所にも注意が必要です。直射日光の当たる場所や高温多湿の環境は避け、風通しのよい場所に保管することが理想的です。また、小さな子どもやペットが誤って触れることがないよう、手の届かない場所に保管することも大切です。誤って破損したり、紛失したりするリスクを防ぐためにも正しい保管方法を徹底しましょう。

さらに、マウスピースを保管する専用ケース自体も定期的に清掃することも欠かせません。ケース内に汚れや細菌が溜まると、せっかく洗浄したマウスピースに再び汚れが付着してしまうことになります。専用ケースを清潔な状態に保ち、マウスピースの快適な使用を維持しましょう。

まとめ

まとめ

ここまで一般歯科でマウスピースが作れるのかについてお伝えしてきました。一般歯科でマウスピースが作れるのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • マウスピースは、口腔内のさまざまな問題を予防・改善するために作られた装置のことで、患者さんの歯並びや顎の形状に合わせて個別に製作され、歯や口腔内の保護、機能改善に役立つとされている
  • 一般歯科で製作できるマウスピースの種類には、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをする方のために設計された装置「夜間用マウスピース」と格闘技といった接触の多いとされるスポーツやトレーニング中に歯を保護するために使用「スポーツ用マウスピース」などが挙げられる
  • 一般歯科でマウスピースを製作する際の費用は、顎関節症の症状がみられる場合には、保険が適用されるため5,000円程度かかるが、顎関節症の症状が認められない場合は、予防目的の夜間用マウスピースとなるため、自己負担額が1万円前後になることもある

一般歯科で製作できるマウスピースには、それぞれ用途や目的に応じた素材が使用され、歯や顎を保護する効果が期待できます。夜間用マウスピースは歯ぎしりや食いしばりの防止に、スポーツ用マウスピースは運動中の衝撃からの保護に役立ちます。

また、正しく使用するためには日々のケアや定期的なメンテナンスが必要です。費用については保険適用の有無によって異なり、用途や目的に応じた選択が重要です。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光歯科医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光歯科医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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