歯科医院に行くのが怖い、できるなら避けたいと感じる方は少なくありません。実際に、歯科医院への恐怖心や苦手意識、トラウマが原因で治療を後回しにしてしまう方がいます。
しかし、歯の健康を守るためには定期的な口腔ケアが必要です。痛みや不安、過去のトラウマなど歯科医院が苦手な理由は人それぞれですが、口腔内の違和感をそのまま放置してしまうとかえって大きな治療につながることがあります。
本記事では、歯科医院への恐怖心の理由や恐怖心の克服方法を詳しく解説していきます。歯科医院への苦手意識が少しでも軽減し、歯科医院に通えるよう力添えになれば幸いです。
歯医者に行きたくない・恐怖心を抱くなど嫌いになる理由
- 歯医者に恐怖心を持つ・嫌いになる理由にはどのようなことが考えられますか？
- 歯科医院への恐怖心や苦手意識を持つ理由は人それぞれ違い、以下のようなことが考えられます。
- 幼少期の歯科治療でのトラウマ
- 歯科医院の匂いや機械の音が苦手
- 歯がボロボロで見られるのが恥ずかしい
- 嘔吐反射で口腔内に器具などを入れられない
- 先端恐怖症や閉所恐怖症
感受性豊かな幼少期に歯科治療で強い痛みを感じた、歯科医師が怖かったなどの経験をするとトラウマになり恐怖心へつながります。嗅覚や聴覚に敏感な方は、歯科医院の匂いや機械の音に苦手意識を持つことが少なくありません。
むし歯や歯周病を放置して症状が悪化した状態や栄養不足などにより歯がボロボロになってしまい、歯を見られたくないと感じる方もいます。
嘔吐反射は先天的なものもありますが、嘔吐反射によって辛い経験が歯科医院への恐怖心につながっているケースもあるでしょう。
先端恐怖症は、歯科医院だけでなく注射に対して恐怖心があるため、歯科治療で使用する痛み止めの麻酔注射でさらに恐怖心を抱きます。
- 歯がボロボロで恥ずかしいので歯医者に行きたくないのですが……。
- 歯がボロボロで見られるのが恥ずかしくて歯科医院に行きたくないと感じている方は少なくありません。自分の口腔内を見せるのが恥ずかしいと感じるのは自然なことです。
しかし、歯科医師は日々違う症例を扱っているので歯がボロボロな状態を特別なものととらえることはありません。
歯科医師は患者さんに寄り添い、健康な口腔環境を取り戻すためにサポートします。
仕事が忙しかった、都合が合わなかったなどで、歯科医院に行けずむし歯や歯周病を放置してしまい歯がボロボロになってしまう原因は人それぞれです。
治療を始める前に、相談やカウンセリングを受けて口腔内を見られるのが恥ずかしい気持ちや不安な気持ちを正直に伝えましょう。
- 費用が高額になるのが不安で歯医者に行きたくないのですが……。
- 歯科医院に行く際に費用が高額になってしまうのではないかと不安を感じる方は少なくありません。
しかし、費用の問題で治療をためらってしまうと、症状が進行しさらに高額になる場合があり、早めの対応で結果的に負担が少なくなることがあります。
小さなむし歯を、放置してしまい後々重症化し根幹治療やインプラントなどの治療をするとなると、さらに高額になる場合があるでしょう。
日本では、多くの歯科治療は保険適用となっているので保険適用の治療内容であれば費用は抑えられます。
治療前に保険適用でできる治療内容なのか、治療費はいくらかかるのかを歯科医師に確認しましょう。
歯医者に対する苦手意識や恐怖心の克服方法や対策
- 歯医者に対する苦手意識や恐怖心を克服する方法はありますか？
- 歯科医院に対する苦手意識や恐怖心を克服するためには、段階を踏んで少しずつ進めていくことをおすすめします。多くの方は、自分のできないことに目を向ける傾向があります。
大したことないことでも、できたことに意識的に目を向けることが大切です。
例えば、歯科医院の予約ができた、予約時間に間に合った、歯科医師に痛いところを伝えることができたなどです。
意識的にできたことに目を向けると自己肯定感が上がり自信につながります。
また、いきなり治療を始めるのではなくまずは歯のクリーニングや歯磨き方法を教えてもらうなど、歯科医院に徐々に慣れていくことが大切です。
- 独特なにおいが苦手なのですが、マスクで対策をしても大丈夫ですか？
- 歯科医院の独特な匂いが苦手と感じている方は少なくありません。治療中は、もちろんマスクを外さなくてはいけませんが、治療中以外は歯科医師や歯科衛生士に匂いが苦手なことを伝え、マスクを着けることは可能です。
匂いの原因は、主に消毒薬や治療に使う材料です。匂いの少ない材料を使用することも増えてきていますが、院内では使用する器具や設備を消毒することが多いので、独特な匂いがあります。
しかし、空気清浄機やアロマディフューザーなどで匂いに配慮した歯科医院もあるので、事前に調べてから受診しましょう。
- 歯医者の音が苦手なのですが、なにか対策はありますか？
- 治療前に歯科医や歯科衛生士に音が苦手なことを伝えることで、イヤホンやヘッドホンを着けて音楽を聴きながらの治療ができる場合もあります。
また、歯科医院によっては、患者さんがリラックスできるようBGMが流れている所もあります。
歯科医院での治療中の音は、苦手な方は多く恐怖心を抱く方は少なくありません。
歯科治療中に発生する音は、主に歯を削る際に発生する切削音と歯を磨く際に発生する研磨音です。
切削音と研磨音は、患者さんにとっては歯科治療を後回しにする要因となり、歯科医師にとっては難聴の原因となり問題視されています。
使用する器具によって音や振動の大きさは異なりますが快音化の研究が進んでいます。
歯科医院によっては従来のものよりも改善された器具を使用していることもあるので事前に問い合わせてみましょう。
歯医者に行きたくないもしくは恐怖心がある場合の治療や歯科医院の選び方
- 静脈内鎮静法について教えてください。
- 静脈内鎮静法とは、静脈内に鎮静剤を注入し歯科治療に対して恐怖心や強い不安がある方がリラックスした状態で治療を受けられるようにする方法です。
全身麻酔とは違い治療中は意識はあるものの、治療が終わった後は薬の効果によって治療中のことは覚えていません。
歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方に対して行われており、鎮静状態からの回復が早く、当日に帰宅可能です。
デメリットは、緑内障で眼圧が高い方には使用できません。また、人によっては治療当日の食事制限や車の運転制限など注意点があります。
歯科治療に恐怖心がある、嘔吐反射が強く不安があるなど、静脈鎮静法を検討している方は事前に歯科医師に相談してみましょう。
- 恐怖心に考慮した治療を行う歯科医院はありますか？
- 歯科医院に対して恐怖心を抱いている方や不安がある方は少なくありません。多くの歯科医院では、患者さんの恐怖心に配慮して治療を行っています。多くの方が感じる歯科医院に対しての恐怖心の原因のひとつとして、歯科医師への不信感が挙げられます。
歯科医療従事者によって非難される恐怖心や治療の説明不足による不信感を覚えると歯科治療から足が遠のいてしまうことは少なくありません。
歯科治療を始める前に、カウンセリングがあるので歯科医に恐怖心があることや不安に感じていることを伝えましょう。
事前に伝えることで、患者さんに合った治療法を提案してもらえます。
- 痛みの少ない治療を行う歯科医院はありますか？
- 痛みの少ない治療を行う歯科医院は、調べてみるとたくさんあります。
歯科治療は痛いから行きたくないと感じる方は少なくありません。実際に、多くの方が治療をする際に付着した歯垢を取り除くときや麻酔針が刺さるときに痛みを感じています。
歯科医院によっては、麻酔針が刺さるときの痛みをなくす表面麻酔を使用している場合があります。表面麻酔とは、麻酔針を刺す部位に塗ると感覚がなくなり麻酔針が刺さるときの痛みが軽減する塗り薬です。
人によっては、麻酔針が刺さったことに気付かなかったと言う方もいます。
また、痛みの少ない細い注射針や一定の速さで注射液を注入する電動の注射器を使用している歯科医院があります。治療を始める前に歯科医師に相談してみましょう。
- どのような歯科医院を選べばよいですか？
- 治療技術の高い歯科医院や精密な治療を行える歯科医院がおすすめですが、患者さんそれぞれの状況に対応してくれる歯科医院の選択が重要です。
新しい治療技術や設備を導入している歯科医院は、痛みの少ない治療や治療時間の短縮などのメリットがあり、不安のない治療が可能です。
カウンセリングで歯科医院に対する恐怖心や治療に対する不安感を伝え、自分に合った歯科医院を選びましょう。
編集部まとめ
歯科医院に行きたくない理由や恐怖心を抱く要因は、過去のトラウマや匂いと音が苦手などさまざまです。しかし、歯科医院に行かないことで口腔環境が悪化し、後々大きな治療につながることは少なくありません。
痛みの少ない治療をしている歯科医院や患者さんがリラックスできる環境作りをしている歯科医院は増えてきています。
いきなり治療をせず、少しずつ段階を踏んで歯科医院に慣れていくことが重要です。自分に合った歯科医院を選択し、口腔内の健康を守りましょう。
参考文献
電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。