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歯の裏のザラザラ…もしかすると歯石かも!?気になる原因や対策について解説

歯の裏のザラザラ...もしかすると歯石かも!?気になる原因や対策について解説

歯の裏側のザラザラ感は、歯石の蓄積が原因かもしれません。歯石をそのまま放置していると、さまざまなリスクの要因となります。
本記事では、歯の裏のザラザラは歯石かも?について解説します。

  • 歯石について
  • 歯石取りについて
  • 歯石を溜めないためにできること

歯の裏のザラザラは歯石かも?について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

歯石について

歯石について

歯石はどのようにできるのでしょうか?
歯石は、口腔内における歯垢(プラーク)の石灰化によって形成されます。
まず、歯垢は食後4時間から8時間程度で歯の表面に形成されるネバネバした膜です。この膜は、お口の中に存在する細菌が糖分などを栄養源として増殖することにより作られ、1グラムあたり1,000億個以上の細菌が含まれています。歯垢自体は磨き残しや汚れだけではなく、その90%以上が細菌で構成されています。
そして、歯垢が唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結びつき、2日程度で石灰化がはじまると2週間程度で硬化し歯石となります。硬化した歯石は歯磨きでは除去できず、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
日々の口腔ケアが不十分であると、歯垢が歯石に変わり、それが再び細菌の温床となって、さらなる口腔内トラブルを引き起こします。適切な歯磨きと定期的な歯科検診によって、歯垢や歯石の形成を予防することが重要です。
なぜ歯の裏に歯石が付着しやすいのでしょうか?
歯石が付着しやすい場所は、下顎の前歯裏側と上顎の奥歯外側といわれています。歯石が歯の裏側に付着しやすい要因は、主に大唾液腺の開口部があることが原因です。前述したように、唾液は歯垢の石灰化を促進させる作用があり、下顎の前歯の裏側は、唾液がよく出る場所なため歯石が形成されやすいとされています。
また、上顎の奥歯の表側も唾液腺の影響によって歯石がつきやすい箇所です。
そして、歯並びが乱れている部分も歯磨きの際の磨き残しによって歯石が付着しやすくなります。さらに、血液には石灰化を促す作用があるため、歯肉からの出血が見られる箇所も歯石が溜まりやすく、注意が必要です。
歯石を放置するリスクを教えてください
歯石を放置すると、以下のリスクがあります。
  • むし歯や歯周病になりやすい:歯石は表面がザラザラしているため、細菌や汚れが付着しやすく、口腔内で細菌が増殖し、むし歯や歯周病のリスクが高まる恐れがあります。歯周病が進行すると、歯茎の腫れや出血、知覚過敏などの症状が現れ、最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。
  • 口臭が悪化する:歯石を放置すると口腔内の細菌が増殖し、口臭が悪化する可能性があります。
  • 審美性の低下:歯石が付着すると、歯の表面に乳白色の汚れが目立ち、審美性が低下します。また、歯茎の炎症によって歯肉から出血することで歯石が黒色化し、口を開けたときに不潔な印象を与えることもあります。

歯石を放置すると上記のようなリスクがあるため、歯石を放置しないことが大切です。

歯石取りの内容や回数

歯石取りの内容や回数

歯石取りの治療内容を教えてください
歯石取りの治療では、歯に形成された歯石を除去するスケーリングが行われます。スケーリングは、スケーラーと呼ばれる専用の器具が用いられ、目的や形状によっていくつかの種類が使い分けられます。

また、歯石を取り除く治療を行う前後で、歯の表面に付着した汚れや着色を取り除く場合には、エアフローを同時に使うことがあります。

さらに、歯周ポケットが深いケースではルートプレーニングという治療方法が選択される場合もあり、歯周病が中等度以上進行している患者さんに対して行われることが多いようです。歯石や細菌で汚染された歯根部分のセメント質を除去し、表面を滑らかに研磨することで、治療後に歯石がつきにくいようにします。

歯石取りはどのくらいの頻度で行えば良いのでしょうか?
歯石取りの理想的な頻度は、患者さんの口腔状態によって異なりますが、3ヵ月に1回が推奨されます。しかし、歯周病やむし歯のリスクが高い方は、1ヵ月に1回程度の頻度で歯石取りを行うことも考慮されます。
3ヵ月の間隔は、定期検診や口腔ケアを行う理想的なサイクルで問題がない場合でも、この頻度で検診を受けることで、歯石の蓄積を防ぎ、口腔内の健康を維持できます。

一方、過去に歯周病の治療を受けた方や、歯周病のリスクが高い方は、より頻繁なメンテナンスが必要です。歯周病のリスクを軽減するため、1〜2ヵ月に1回の頻度で歯石取りを受けることが推奨されます。
このように、患者さんの口腔状態やリスクに応じて適切な頻度で歯石取りを行うことが、健康な歯と歯茎を維持するために重要です。

歯石取りの治療回数はどのくらいですか?
歯石取りの治療回数は、歯の状態や進行度によって異なります。治療回数は以下の通りです。
  1. 歯肉炎
    歯肉炎は、歯茎に歯垢や歯石が溜まり、炎症を起こした状態です。歯石を取るための通院回数は1〜2回です。口腔内の状況に合わせたスケーラーを用いて、歯石を取り除きます。
  2. 軽度歯周炎
    軽度歯周炎は、歯肉炎が進行し歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が深くなった状態で、通院回数は1〜3回です。歯周ポケット内の歯垢や歯石を取り除く処置を行います。歯肉の腫れや出血といった歯周病の症状は、軽度の場合であれば、正しい歯磨きと歯石除去を行うことで改善します。
  3. 中等度歯周炎
    中等度歯周炎は、歯周ポケットがさらに深くなり歯のぐらつきが出てくる状態で、通院回数は3〜6回です。スケーリングで除去しきれなかった歯周ポケット内にある歯石を取り除くために、歯周外科手術が必要になる場合があります。
  4. 重度歯周炎
    重度歯周炎は、歯槽骨が半分以上破壊され、歯がぐらついている状態です。通院回数は5〜7回となり、歯周外科手術などの高度な治療が必要です。歯石や歯垢を徹底的に除去し、歯肉の回復を図りますが、場合によっては、抜歯が必要になることもあります。

歯の状態によって治療回数が異なるため、適切な治療を受けることが重要です。

歯の裏に歯石を溜めないために

歯の裏に歯石を溜めないために

歯石は自分で除去できますか?
歯石を自分で除去することはおすすめできません。手動のスケーラーは通販やドラッグストアで購入できますが、使いこなすには専門的な技術が必要なため、慣れていない方が使用すると、歯や歯茎を傷つけてしまうリスクが高くなります。
特に、歯の隙間や境目が黒く見える歯肉縁下歯石は、歯周ポケットに深く入り込んでいるため、自力で除去することは不可能です。また、歯石がある場合、既にむし歯や歯周病が進行している可能性もあるため、歯科医院で適切な処置を受けることが重要です。
歯石ができやすい人の特徴を教えてください
歯石ができやすい人の特徴は、以下の通りです。
  1. 磨き残しがある
    毎日歯磨きをしていても、磨きにくい場所や歯並びの悪い部分、詰め物の周りなどは磨き残しやすいため、歯垢がたまりやすく、歯石ができやすくなります。
  2. 専門的なクリーニングを受けていない
    毎日歯磨きをしていても、歯垢を除去することは難しいとされています。歯垢が残っていると、唾液の成分によって石灰化し、歯石になります。
  3. 口が乾きやすい
    口が乾きやすい人は、唾液の分泌量が少ない傾向にあります。唾液の分泌が少ないと、口の中の汚れを洗い流す自浄作用が低下し、歯垢がたまりやすくなります。
  4. たばこを吸っている
    たばこを吸うと、歯にタールが付着します。タールは粘着性があるため歯垢が付きやすくなり、歯石の形成を助長します。普通の歯磨きだけでは、歯に付着したタールを除去しきれないため、歯石ができやすい口内環境となります。
  5. 歯並びが悪い
    歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分ができ、歯垢が残りやすくなります。歯並びの悪さを歯列矯正することで、磨き残しが減り、歯石がつきにくくなります。

これらの特徴に当てはまる人は、定期的に歯科医院でクリーニングを受け、日常のケアを徹底することが大切です。

自宅でできる歯石対策はありますか?
以下の方法を取り入れて、歯石を予防しましょう。
  1. 毎日の歯磨きを徹底する
    食後や寝る前にしっかりと歯を磨き、歯垢を取り除きましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の汚れもしっかりと除去することが重要です。
  2. 口腔洗浄剤を活用する
    口腔洗浄剤は、歯磨き後に使用することで、さらに歯垢や食べかすを取り除けます。ただし、マウスウォッシュだけで済ませるのではなく、必ず歯磨きと併用してください。
  3. 食生活に注意する
    甘い飲み物やスナック菓子など、砂糖が多く含まれている食品は歯垢の原因となるため、控えるようにしましょう。逆に、リンゴやニンジンなど、歯の表面を磨く効果が期待できる食品を積極的に取り入れると良いでしょう。
  4. 定期的な歯科検診を受ける
    自宅でのケアに加え、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けることも大切です。歯科医院では、専用の器具を使って自分では除去できない歯石や歯周ポケットの汚れをしっかりと取り除いてくれます。

歯科医院での歯科検診と合わせて、しっかりとケアを続けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯の裏のザラザラは歯石かも?についてお伝えしてきました。歯石についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯石は、歯垢が石灰化することで生じたもので、唾液腺の開口部である下顎の前歯の裏や上顎の奥歯の表側に付きやすい
  • 歯石取りの治療回数は状態により、歯肉炎は1〜2回、軽度歯周炎は1〜3回、中等度歯周炎は3〜6回、重度歯周炎は5〜7回程度
  • 歯石予防のためには定期的な歯科医院でのクリーニングが大切で、自宅では、丁寧な歯磨き、口腔洗浄剤の使用、食生活の見直しなどを心がけることが重要

この記事を読んで歯石ができる原因や付着しやすい人の特徴などが分かって頂けたかと思います。歯石はさまざまなリスクがあるため、定期的な歯科医院でのクリーニングと毎日のケアに徹することが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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