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歯のクリーニングは痛い?痛みが生じる理由や対処法について解説

歯のクリーニングは痛い?痛みが生じる理由や対処法について解説

歯の黄ばみや黒ずみが気になる。歯の色を美しい状態に保っておきたい。そんな人には歯のクリーニングが推奨されています。ただ、患者さんの歯の状態によっては、クリーニングで痛いと感じることがあるため、受診をためらっている人もいることでしょう。ここではそんな歯のクリーニングで痛みが生じる理由と対処法を詳しく解説します。歯のクリーニングを受けたいけれど、痛みが怖くてためらっている人は参考にしてみてください。

歯のクリーニングが行われる工程

歯のクリーニングが行われる工程

はじめに、歯のクリーニングの工程や方法などの基本事項を確認しておきましょう。

歯のクリーニングはどのように行われるか教えてください
保険診療の歯のクリーニングは、基本的に定期検診という名目で行われます。そんな定期検診には、以下の4つの処置が含まれます。

◎口腔内診査

歯のクリーニングは、まず口腔内診査から始まります。歯科医師が患者さんのお口の中を確認し、むし歯や歯周病、歯石の付着状況などをチェックします。また、歯の着色汚れや噛み合わせの問題もこの診査で確認されます。口腔内の状態を把握することで、適切なクリーニングの方法や治療計画が立てられます。

◎歯磨き指導

診査の後、歯科衛生士が患者さんに対して歯磨き指導を行います。日常の歯磨きの方法や使うべき歯ブラシ、デンタルフロスの使い方など、具体的なアドバイスが提供されます。歯磨き指導は、むし歯や歯周病の予防だけでなく、着色汚れの予防にもつながります。正しい歯磨き技術を身につけることで、健康な歯を保つことができます。

◎歯のクリーニング

次に、歯のクリーニングが行われます。歯科衛生士が専用の器具を使用して、歯の表面についた歯石やプラークを除去します。特に、歯と歯茎の境目に溜まった歯石は、むし歯や歯周病の原因となるため、しっかりと取り除かれます。

◎フッ素塗布

そして、フッ素塗布が行われます。フッ素は歯の表面を強化し、むし歯の予防効果を高めます。クリーニング後の歯は、フッ素を効果的に吸収しやすくなっているため、フッ素塗布は効果的です。特に、お子さんやむし歯になりやすい方には、このフッ素塗布が推奨されます。歯科医院での定期的なフッ素塗布により、歯の健康を長く保つことが可能です。

スケーリングはどのような場面で使われますか?
歯石取りを意味するスケーリングは、歯石がたまっている場合に行われます。歯石は、歯のクリーニングで使うブラシで取り除くことができないため、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使います。スケーラーには手で動かすハンドスケーラーと電動の超音波スケーラーの2種類があり、歯石の状態によってこの2つを使い分けながらスケーリングを進めていきます。
エアフローとはどのような方法で行われるのか教えてください
エアフローは、微細なアミノ酸粒子を高圧で歯面に吹き付ける施術法で、歯の着色が強い場合に行われます。専用の装置が必要となることから、エアフローに保険は適用されません。いわゆるPMTCという自費診療の歯のクリーニングで行われます。

歯のクリーニング中に痛みが生じる理由

歯のクリーニング中に痛みが生じる理由 続いては、歯のクリーニング中の痛みについて解説します。

知覚過敏だとクリーニング中に痛みを感じますか?
クリーニングの途中に歯がキーンとしみる可能性があります。歯のクリーニングでは、冷たい風を当てたり、水をかけたりするだけでなく、研磨剤を活用しながら電動のブラシで歯磨きするため、普段から知覚過敏の症状がある人は要注意です。そのなかでも特に注意が必要なのが歯石取りなので、知覚過敏を抱えている人は歯石がたまらないよう、日々のケアを徹底する必要があります。ただし、不適切な方法で歯磨きをしていると、エナメル質が摩耗して知覚過敏を助長する可能性も否定できないため、必ず定期検診で正しいブラッシング方法を学ぶようにしてください。
歯石がたくさんついていると痛みがでやすい理由を教えてください
歯石取りで使うスケーラーは、先端が鋭利な器具で、歯をガリガリと削り落とすような形で歯石を取り除きます。そのため歯石がたくさんついている人程、歯石取りで痛みが出やすいのです。これはハンドスケーラーでも超音波スケーラーでも大きな違いはありません。歯石がついていない人は、歯のクリーニングでスケーリングという処置が不要となるため、痛みを感じることもほとんどなくなります。
歯茎が下がっていると痛みがでやすいのは本当ですか?
歯周病や加齢などが原因で歯茎が下がっていると、歯根面が一部、露出しています。歯根面にはエナメル質が分布しておらず、象牙質がむき出しとなっていることから、クリーニングやスケーリングで刺激を受けやすくなります。その結果、痛みも出やすくなるのです。

歯のクリーニング後に痛みが続く理由と対策

歯のクリーニングを行った後もしばらく痛みが続く場合は、歯石などが取れて歯がしみやすくなったか、歯茎の炎症が強くなっているかのどちらかが考えられます。

クリーニング後に歯がしみるときの対策を教えてください。
歯石などの汚れが取れて歯がしみやすくなっている場合は、やわらかい歯ブラシで丁寧に歯磨きするようにしましょう。汚れがなくなったこと自体は歯にとってよいことなので、あとはフッ素で歯質を強化していきましょう。フッ素入り歯磨きを使っていれば、歯の石灰化が進んで、知覚過敏の症状も和らいでいきます。知覚過敏用の歯磨き粉を使用すると、歯がしみる症状もさらに緩和されることでしょう。
クリーニング後に歯茎が痛くて歯磨きが怖いのですが対処方法はありますか?
やわらかい歯ブラシでやさしく丁寧に歯磨きすることが基本的な対処方法となります。クリーニングやスケーリングが適切に行われているのであれば、歯茎の痛みも徐々に和らいでいきます。歯茎が痛いからといって、その部分だけ歯磨きを怠ると、再び歯垢や歯石が堆積して、元の状態へと戻ってしまいますので、セルフケアはしっかり継続しましょう。ただし、歯茎の痛みがなかなか治らない、もしくは日に日に強くなるような場合は何らかの異常が疑われるため、主治医に相談してください。

歯のクリーニングにおける痛みを軽減する方法

ここでは、歯のクリーニングに伴う痛みの軽減方法を解説します。

定期的にクリーニングを受けると痛みは感じにくくなりますか?
歯や歯茎が正常な状態へと戻って行くため、痛みを感じにくくなります。特に歯石の形成を抑えられるようになったら、歯のクリーニングで痛みを感じることはほとんどなくなります。クリーニングでは、歯科衛生士による歯磨き指導も受けられるため、正しいセルフケア方法が身に付くことで、歯垢・歯石の形成は自ずと減少していきます。
歯のクリーニングで麻酔が使えるか教えてください
歯のクリーニングでは、必要に応じて麻酔を使うことが可能です。一般的には、歯周ポケットの深くに形成された歯石を除去する際に、局所麻酔を施します。その他のケースでも患者さんが痛くてクリーニングやスケーリングを受けられない場合は、麻酔を使うことがあります。ですから歯のクリーニングを受けている途中でも、痛みで我慢ができないと感じたら、歯科医師に相談することをおすすめします。
クリーニングで痛みを感じないために、普段の歯磨きで気をつけることはありますか?
研磨剤入りの歯磨きを使ってゴシゴシと歯磨きしていると、歯質が摩耗して知覚過敏を起こしやすくなるため注意が必要です。とりわけ歯根面は削れやすい象牙質が露出していることから、研磨剤が入っていない歯ブラシでやさしく丁寧に歯磨きすることが大切です。フッ素入り歯磨き粉で、知覚過敏を予防あるいは改善する作用が期待できる製品は積極的に使っていくことが推奨されます。なお、知覚過敏の改善には普段の歯磨きの際に、知覚過敏専用の歯磨き粉を取り入れることで、歯の表面を保護し、痛みを和らげることもできます。ほかには、歯科医院にて専用の薬液を塗布したり、知覚過敏が強い部分に詰め物を行う治療などもあるので、知覚過敏にお困りの方は、歯科医院にて適切な処置を受けるのもよいでしょう。

編集部まとめ

今回は、歯のクリーニングで痛みが生じる理由と対処法を解説しました。歯のクリーニングというのは、あくまで歯の表面に付着した汚れを除去する処置なので、強い痛みを感じることは少ないです。けれども、知覚過敏の症状があったり、歯茎が下がって歯根面が露出していたりすると、クリーニングやスケーリングで痛みを感じることがあります。とはいえ歯のクリーニングに伴う痛みは基本的に軽度で、長く続くものでもないので、過剰に心配する必要はないでしょう。正しいセルフケアと3~4ヵ月に1回の定期検診を継続していれば、歯や歯茎の状態を健康に維持しやすくなるため、クリーニングで痛みを感じるリスクを減らすことができます。

参考文献

この記事の監修歯科医師
竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

竹本 竜太朗医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

北海道大学歯学部 卒業 / 現在は北海道大学病院歯科診療センター勤務 / 専門は歯科矯正科

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