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舌磨きは必要?その効果やデメリット、舌磨きをする場合の注意点

舌磨きは必要?その効果やデメリット、舌磨きをする場合の注意点

歯磨きではなく、ブラシを使って舌を磨く、舌磨きをご存じでしょうか?
舌磨きは口臭ケアなどに効果的といわれていますが、やり方によっては舌が傷つくなどのデメリットにつながってしまう場合もあり、適切な方法を理解して行うことが大切です。 この記事では、舌磨きの方法や注意点などについて詳しくご紹介します。

舌磨きについて

舌磨きについて

舌磨きとはなんですか?
舌磨きは、その言葉のとおり舌の表面を、ブラシなどを使用してきれいにするというケア方法で、歯磨きの舌版となります。
特に、舌の表面に白いもの(舌苔)が多く付着している場合に取り入れることが推奨されていて、口臭を予防する方法などとして紹介がされています。
舌磨きはどのように行うものですか?
舌磨きの方法は、舌の奥側(喉側)から舌先方向に向かって、歯ブラシで軽く表面を擦るような方法で行われます。
舌磨きには専用のブラシなどもありますが、歯磨きで使用している歯ブラシを使用して行うことも可能です。
なお、歯磨きを行う場合は歯磨き粉を適量つけて行いますが、舌磨きについては特に歯磨き粉などは使用しません。
ブラシを使用して舌の汚れを掻き出していきますが、ブラシに汚れが着いた状態で舌磨きを続けると、再度汚れが舌に付着してしまいますので、都度歯ブラシを水で洗浄しながら行うようにする必要があります。
舌磨きを行った後は、歯磨きと同じようにうがいをして完了となります。
舌磨きはどのタイミングで行いますか?
歯磨きは毎食後の実施が推奨されていますが、舌磨きは頻繁に行いすぎると舌を傷つけてしまう可能性があるため、朝夜2回、または1日1回程度の実施が推奨されています。
舌磨きを行うタイミングとして特に適切とされているのは朝食前で、夜間に口腔内で増殖した細菌を朝一で落とすことで、清潔な口腔環境を保ちやすくなります。
そのため、理想としては朝と夜寝る前の2回ですが、1回だけ行うという場合は朝食の前に取り入れるとよいでしょう。
また、朝起きてからすぐに歯磨きをするという方の場合は、歯磨きの前に舌磨きをすることで、うがいなどによって舌に付着した菌などが口腔内に広がることを防止できます。

舌磨きの効果やメリットについて

舌磨きの効果やメリットについて

舌苔とはなんですか?
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面につく白または黄色い層のことです。
舌はピンク色をしていますが、舌苔があると舌の表面が白や黄色に濁った状態となります。
舌苔は口腔内にいる細菌や、口腔内の粘膜が剥がれ落ちたものなどによって構成されていて、誰でもある程度の量はあるため、舌の表面が少し白くなっている程度では特に問題はありません。
しかし、口腔内が乾燥したり、ストレスや疲れによって免疫力が低下するなどして細菌が繁殖しやすい状態になることや、寝たきりで経口による食事ができなかったり、会話などが少なくなることで舌があまり動かされない状態になること、そして胃腸の調子が悪くなることでの内臓機能の低下による新陳代謝の低下などによって舌苔の厚さが増して舌表面が真っ白や黄色に濁った状態となります。
舌苔は菌の温床であるため、口臭の原因となったり、場合によっては誤嚥性肺炎へとつながるリスクがあります。
舌磨きで口臭は改善できますか?
適度な舌磨きによって舌苔の少ない、健康的な舌の状態を保つようにすることで、口腔内の菌を減らすことができるため口臭を改善する効果が期待できます。
ただし、口臭は舌苔による影響だけではなく、歯の周囲についた歯垢や歯石にいる細菌や、むし歯や歯周病の症状によるもの、そのほかにも鼻や喉、肺などの疾患の影響とさまざまな原因で発生していますので、舌磨きによるケアだけで口臭を完全に改善させることは難しいといえるでしょう。
口臭をケアするためには、舌磨きによる舌苔の改善と合わせて、ほかの口臭対策もしっかりと行うことが大切です。
舌磨きで感染症の予防は可能ですか?
感染症のなかでも、特に経口感染(お口から侵入してきた細菌やウィルスによって引き起こされる感染)が主な原因であるインフルエンザや風邪については、舌苔をケアすることで感染のリスクを低減させることが可能とされています。
逆に、舌苔が放置されていると、口腔内に入ってきた菌やウィルスが増殖してしまいやすくなるため、感染症を予防するという観点からも舌磨きを行って舌苔を減らしておくようにしましょう。
舌磨きは味覚の改善に効果を発揮しますか?
人が食事などによる味を感じる仕組みは、舌の表面にある味蕾という器官が食事に含まれる成分をキャッチし、その刺激によってさまざまな味を感じるという流れになっています。
舌苔が蓄積してしまうと、味蕾が塞がってしまい味覚が鈍くなるため、料理の味をしっかりと感じにくくなって、食事の満足度も低下しやすくなります。
舌磨きで舌苔を取り除くことで、味覚を正常に戻して食事を楽しむことができます。
誤嚥性肺炎とはなんですか?
人は食べ物と空気をどちらもお口から取り入れていますが、食べ物を飲み込む際には気道の入口が塞がり、食事が気道(気管)に入らないような仕組みとなっています。
しかし、加齢などにより飲み込む力が低下すると食事が気管に入る誤嚥(ごえん)が起こりやすくなり、肺に対して食べ物が進入してしまう場合があります。
このとき、食べ物だけではなく細菌も一緒に入ってしまうと、その細菌が増殖することで肺炎となる場合があり、これが誤嚥性肺炎と呼ばれるものです。
舌磨きで口腔内の細菌を減らしておくことで、誤嚥が生じても細菌までは入らない状態を作り、誤嚥性肺炎を予防することができます。
舌磨きで腸内環境は改善できますか?
舌苔に厚みがある方は、食事と一緒に口腔内の細菌も体内に取り込んでしまいやすく、この細菌の影響で胃や腸の環境が悪化してしまうというリスクがあります。
舌磨きで菌の温床である舌苔を減らすということは、体内に取り込む菌やウィルスを減少させることにもつながりますので、腸内環境を良好に保つためのポイントといえるでしょう。
腸内環境を改善すると免疫力の向上や代謝の向上が期待できるため、舌苔がつきにくくなるという好循環をえることも可能です。

舌磨きの注意点について

舌磨きの注意点について

舌磨きは専用のブラシを使用するべきですか?
舌を磨く道具として、ドラッグストアなどでは舌磨きを行うための専用ブラシも販売されています。
舌磨きは専用のブラシを使用しなくても、歯磨きで使用している歯ブラシで行うことは可能ですが、より適切なケアを求めるのであれば、専用のブラシを使用するとよいでしょう。
その理由として、舌ブラシは歯ブラシよりもやわらかい素材が使用されていて、舌を傷つけずにケアがしやすいほか、舌苔を効率良く取り除くことができるような形状となっていて、また舌磨きをしやすいような形になっているため、短時間でしっかりと舌苔を除去しやすいためです。
歯ブラシの形状ではどうしても舌の奥側を掃除しにくいため、舌全体をきれいにしたいのであれば専用のブラシを利用するとよいでしょう。
舌磨きは強くこすった方がいいですか?
舌磨きをするとき、力を入れて強くこすることはNGです。
舌は歯と比べてとてもやわらかく傷つきやすいので、強く磨いてしまうと表面が傷ついて炎症を起こすなどして、状態が悪化してしまう可能性もあります。
舌磨きをする際は優しく表面をなでるような感覚で、力を入れないように注意しましょう。
舌磨きのデメリットはありますか?
舌磨きを正しく行えていれば基本的にデメリットはありませんが、前述のとおり、強く擦りすぎるなど不適切な方法で行うと、舌の表面が傷ついてそこに細菌が入りやすくなって口臭が悪化したり、味覚障害になってしまったりといった可能性が考えられます。
適切な方法で行えばデメリットはありませんので、正しい方法できちんと取り入れるようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

舌磨きは正しく行えば口臭を大幅に軽減できるなどの効果が期待できるだけではなく、感染症の予防などさまざまなメリットが得られるケア方法です。
一方で、強く磨きすぎるなどの場合は味覚への悪影響などが生じる場合もありますので、適切な力加減、方法で取り入れるようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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