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むし歯はうつる?むし歯にならないための対策方法や治療法を解説

むし歯はうつる?むし歯にならないための対策方法や治療法を解説

みなさんは、むし歯はうつるの?親のむし歯が赤ちゃんにうつるのでは?などと疑問に思ったことはありませんか?ひとたびむし歯ができると、自然に治ることはないため、特に小さなお子さんを持つ親御さんとしては、できるだけむし歯にならないように対策する必要があります。また、むし歯がうつるメカニズムや原因に関して正しい知識を持つことも大切です。この記事では、むし歯がうつるのかや、むし歯にならないための対策に関して解説します。

むし歯はうつる?

むし歯はうつる?

むし歯は人に感染しますか?
むし歯は人から人へうつります。例えば、お母さんから赤ちゃん、さらには大人同士でもうつる可能性があります。ただし、風邪やインフルエンザとは異なり、空気感染することはありません。
むし歯がうつる原因は、唾液に含まれるミュータンスレンサ球菌です。ミュータンスレンサ球菌が含まれている唾液が、口腔内に入ることで感染する仕組みで、具体的には、食事の際の口移し、食器の共有、そしてキスなどのスキンシップを通じてうつる可能性があります。
口腔内にミュータンスレンサ球菌があり、なおかつむし歯を予防する対策を怠るとむし歯になる可能性があります。
また、ご自身にむし歯があると、ご自身の口腔内でミュータンスレンサ球菌が広がって、ほかの歯までもがむし歯になるかもしれません。
哺乳瓶むし歯とはなんですか?
哺乳瓶むし歯とは、糖質が含まれているミルクやジュースを哺乳瓶で飲むことでむし歯を発症することです。専門的には、哺乳瓶う蝕(ほにゅうびんうしょく)と呼びます。哺乳瓶を使うと、糖質を含んだ飲料が口腔内に長く留まりやすく、歯に糖質が触れる時間が長くなってしまい、むし歯を発症しやすくなります。特に、哺乳瓶を使う機会が多い赤ちゃんは、上顎の前歯が広範囲でむし歯になりやすいといわれています。哺乳瓶でミルクなどを飲むと、口腔内がむし歯になりやすい環境になるため、哺乳瓶むし歯と呼ばれるようになりました。
むし歯がほかの歯にうつることはありますか?
むし歯がほかの歯にうつることはありません。理由は、むし歯菌はウイルスではないためです。しかし、むし歯があると、唾液によってミュータンスレンサ球菌が口腔内で広がり、結果としてほかの歯がむし歯になるかもしれません。むし歯がほかの歯にうつる表現は、厳密には適切ではありませんが、1本のむし歯によって、次のむし歯ができやすくなることは事実です。したがって、むし歯を放置していると、隣の歯だけでなく、すべての歯がむし歯になるリスクが高まることを覚えておきましょう。
むし歯の原因菌を教えてください
むし歯の原因菌はミュータンスレンサ球菌です。一般的には、ミュータンス菌と呼ばれることが多いと思います。ミュータンスレンサ球菌の特徴は、耐酸性、水に溶けない不溶性でネバネバしたグルカンを作り出して歯に付着する、そしてスクロースなどの糖質を分解して酸を発生させることです。また、ミュータンスレンサ球菌は、むし歯の原因菌だけでなく、歯肉炎や菌血症、さらには動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病との関連性も指摘されており、悪影響は口腔内に留まらないと考えられています。

むし歯の対策について

むし歯の対策について

歯磨きをしていればむし歯にはならないですか?
歯磨きをしていればむし歯にならないとは言い切れません。しかし、むし歯になるリスクを抑えることは十分に可能です。歯磨きしていてもむし歯になる理由は、食べ物の種類であったり、唾液の分泌量も影響するためです。例えば、むし歯菌の温床となる砂糖が多く含まれているものをよく食べる方や、唾液の分泌量が減りやすくなるアルコールを飲まれる方は、歯磨きをしてもむし歯になるリスクは高いでしょう。また、女性の場合は、男性と比べて歯が薄く、やわらかい傾向があるため、歯磨きしていてもむし歯になりやすいといわれています。
甘いものを食べなければむし歯になりませんか?
甘いものを食べなくてもむし歯になる可能性はあります。なぜなら、ほとんどの食べ物に糖質が含まれているためです。例えば、就寝前に甘いものに限らずなにかを食べると、唾液の分泌量が少ない状態で長時間過ごすことになり、結果的にむし歯のリスクが上がります。つまり、むし歯は甘いものだけによって引き起こされるわけではないといえます。
むし歯菌がほかの人からうつらなければむし歯になりませんか?
むし歯菌がほかの人からうつらなければ、むし歯になることはないでしょう。むし歯は、唾液に含まれるミュータンスレンサ球菌がうつり、なおかつ適切な口腔ケアを行わないことで発症しやすくなります。理論上は、唾液の接触を避ければうつらないと解釈できるものの、特に小さなお子さんのうちは、親との食事やスキンシップ、咳やくしゃみなどを通して唾液の接触が生じやすくなります。つまり、ミュータンスレンサ球菌の感染を防ぐことは実質的には難しいわけです。ミュータンスレンサ球菌に感染しないようにすることよりも、感染してもむし歯を発症させないための予防が重要になります。
むし歯対策のために気を付けることを教えてください
むし歯対策のために気を付けることは、主に以下のようなことです。
  • 食事を改善し、糖分の摂取量を減らす
  • 歯磨きを丁寧に行う
  • デンタルフロスや歯間ブラシを使う
  • フッ素入り歯磨き粉を使う
  • こまめな水分摂取
  • 歯科医院で定期検診とクリーニングを受ける

むし歯対策のポイントは、糖分の摂取量を減らす、唾液の分泌量を増やす、そして丁寧な歯磨きを心がけることです。一方、むし歯対策を心がけていても、完全にむし歯を防ぐことは難しいので、3ヶ月~半年に1回の頻度を目安にして、歯科医院で歯科検診とクリーニング、さらにはフッ素塗布を受けることをおすすめします。

歯科医院のむし歯予防について

歯科医院のむし歯予防について

歯科医院でむし歯予防は可能ですか?
歯科医院でむし歯予防は可能です。具体的には、むし歯のチェック、PMTCと呼ばれる歯科医院でしか受けられない専門的なクリーニング、むし歯予防に効果的なフッ素塗布、さらにはお子さんを対象にした、歯の溝を埋めるシーラントなどがあります。また、ほとんどの歯科医院で歯磨き指導を受けられるため、セルフケアの質を向上させることも可能です。むし歯予防は、セルフケアとプロによるケアを両立させることがポイントになります。なお、歯科医院に行く際は、むし歯の予防治療にも注力している歯科医院を選ぶようにしましょう。
何も問題がなくても歯科医院にいって大丈夫ですか?
歯科医院には何かの問題がなくとも行って大丈夫です。特に、むし歯や歯周病のチェック、クリーニング、さらにはフッ素塗布などの、予防処置を目的にして行くことは何も問題ありません。歯科医院は、むし歯になってから治療のために行くところと考えている方もいますが、むし歯にならないように予防のために行くところでもあります。また、お子さんの場合は小さなうちから定期的に歯科医院に通う習慣を付けることをおすすめします。

編集部まとめ

編集部まとめ

むし歯は、唾液に含まれるミュータンスレンサ球菌にうつることで発症しやすくなります。一方、ミュータンスレンサ球菌にうつらないようにすることよりも、丁寧な歯磨きや糖質の摂取を控えめにするなどの日常的なセルフケアや、歯科医院で定期的な予防処置を受けることが重要です。セルフケアおよびプロによるケアの両面で、むし歯予防を心がけてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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