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むし歯になりやすい体質とは?むし歯ができやすい人とそうでない人の違いを解説

むし歯になりやすい体質とは?むし歯ができやすい人とそうでない人の違いを解説

むし歯になりやすい体質、むし歯になりにくい体質があることをご存知でしょうか。むし歯は、ミュータンス菌をはじめとするむし歯菌に感染することで起こりやすくなりますが、実は遺伝的な体質も影響することがあります。
体質も含め、むし歯になりやすい状況を正しく理解しておくことで、より効果的なむし歯予防につながるでしょう。
この記事では、どのような体質の方がむし歯になりやすいのかや、むし歯を防ぐためにはどのような対策が必要なのかなどをわかりやすく解説します。

体質によるむし歯への影響

体質によるむし歯への影響

むし歯になりやすい体質はありますか?
むし歯になりやすい体質として、遺伝的に歯質が弱いことが挙げられます。歯質とは、歯を構成する組織全体のことを指しており、主に歯のエナメル質や象牙質、そしてセメント質が対象です。これらの硬さ、強度、さらには抵抗性などは、遺伝によって大きく左右されるといわれています。つまり、歯質は生まれつき持っている体質というわけです。
もし、生まれつき歯質が弱いと、むし歯菌が出す酸によって歯が溶けやすくなり、結果としてむし歯が起こりやすくなるでしょう。
むし歯になりやすい体質かどうかは、生まれつき持った歯のエナメル質や象牙質などの歯質が大きく影響することを知っておいてください。
むし歯菌に感染していなければむし歯になりませんか?
むし歯菌に感染していなければむし歯にはならないと考えてよいでしょう。
そもそも、むし歯の原因であるミュータンス菌やラクトバチラス菌などのむし歯菌は元々体内に存在するわけではなく、赤ちゃんが母親から遺伝として受け継ぐこともありません。
むし歯菌への感染は、養育者から赤ちゃんに対するキスや、食器に付着した唾液などをとおして起こるため、むし歯菌の感染を防ぐことは容易ではないといわれています。さらに、現代の医療では、一度むし歯菌に感染すると、むし歯菌を完全に除去することはできません。したがって、むし歯菌に感染していなければむし歯にならないものの、むし歯菌への感染を防ぐことは現実的には難しいのが実情といえるでしょう。
歯並びはむし歯のなりやすさに関係がありますか?
歯並びはむし歯のなりやすさに関係しています。歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくくなり、汚れが溜まってしまいます。この結果、汚れの糖質とむし歯菌が結びついてプラークが形成されて、むし歯になる仕組みです。
歯並びが悪いと、歯と歯の間に溝ができてしまい、歯磨きしても汚れを取り除きにくくなってしまいます。歯並びが悪い場合、毎日しっかり歯磨きしたとしても、汚れが溜まりやすい部分に歯ブラシが届いていないかもしれません。歯並びが悪いと、お口のなかを清潔に保ちにくくなることから、むし歯になりやすいといわれています。
体質的にむし歯になりにくい人は歯のケアをしなくても大丈夫ですか?
体質的にむし歯になりにくい人であっても、歯のケアは必要です。日常的な歯磨きはもとより、デンタルフロスを使った歯間の清掃、さらには歯科医院でしか受けられないPTMCと呼ばれる歯のクリーニングなどが該当します。
体質的にむし歯になりにくい人であっても、しっかりと口腔ケアをしなければプラークが蓄積してしまいます。プラークが溜まった状態で放置しているとむし歯になるほか、歯周病になる恐れもあります。
むし歯になりにくい体質だからといって、歯のケアを怠ることは控えましょう。

むし歯と生活習慣

むし歯と生活習慣

むし歯になりやすい生活習慣を教えてください
むし歯になりやすい生活習慣には、以下のようなことが挙げられます。
  • 歯磨きの回数が1日1回程度
  • 歯磨きせず就寝することがよくある
  • 甘いものを好んでよく食べる
  • 間食が多い
  • 歯科医院に行っていない

このように、むし歯になりやすい生活習慣にはさまざまなものがあります。特に、歯磨きの回数が少ないことや、就寝前の歯磨きを怠ることは、むし歯になりやすい大きな要因と考えましょう。
また、定期的に歯科医院を訪れていない場合は、プラークが蓄積しているかもしれないため、むし歯になりやすいといえます。
総じて、口腔内環境を整える習慣が少ない方ほど、むし歯になりやすいので、まずはしっかりとお口のなかを清潔に保つケアを行うようにしましょう。

食事の内容や方法によってむし歯のなりやすさは変わりますか?
食事の内容や方法によってむし歯のなりやすさは変わります。具体的には、甘い食べ物や飲み物をよく摂取する場合や、だらだらと時間をかけて食事する行為などは、むし歯になりやすいとされています。甘いものは、むし歯菌が好む糖分が多く含まれているため、過度に摂取しているとむし歯になりやすいでしょう。また、だらだらと時間をかけて食事する行為は、歯の表面を修復し歯を強くする再石灰化の妨げを起こしやすく、むし歯になりやすいといわれています。特に、間食が多い方や、糖分が含まれる飴などを頻繁に食べている方は、むし歯になりやすい条件を満たしていることに注意しましょう。

むし歯の予防方法

むし歯の予防方法

むし歯を予防するためのセルフケアのポイントを教えてください
むし歯を予防するためのセルフケアのポイントは以下を参考にしてください。
  • 歯磨きを徹底する
  • デンタルフロスを使用する
  • お口の中を極力乾燥させない
  • なるべく砂糖の摂取を控える
  • 定期的な歯科検診を計画する

むし歯予防のセルフケアで基本といえるのが歯磨きです。可能であれば、朝昼晩の食後や間食後など、飲食後の歯磨きを徹底しましょう。特に、起床後と就寝前の歯磨きは欠かさないようにしてください。また、就寝前の歯磨きにおいては、なるべくデンタルフロスを利用し、歯ブラシが届きにくい歯間にプラークが溜まらないようにしましょう。食事や間食の際には、できる限り砂糖の摂取量を抑えるように気をつけることも忘れないでください。

歯科検診を受けるとむし歯を予防できますか?
歯科検診を受けることでむし歯予防の効果が期待できます。理由は、歯科検診によって、歯科クリーニングが受けられること、歯科医師によるお口の状態確認、さらには歯磨き指導なども受けられるためです。
ほかにも、患者さんがむし歯になりやすいかどうかを調べる唾液検査や、より専門的なデンタルケアグッズを紹介してもらえます。とりわけ、歯科検診の際に受けるクリーニングは、むし歯予防にとどまらず、歯周病を防ぐためにも有用とされているため、1~3ヶ月に1回の頻度を目安にして歯科検診を受けることをおすすめします。
むし歯を予防するための治療はありますか?
むし歯を予防するための治療には、歯科医院でのみ受けられるPTMCと呼ばれるクリーニングがあります。PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの英語の頭文字をとったもので、歯科医師や歯科衛生士によって提供される専門的な歯のクリーニングです。
具体的には、お口のなかの状態を確認したのち、スケーラーと呼ばれる専用器具で1本1本歯石を取り除きます。さらに、残った歯石やバイオフィルムと呼ばれる細菌の塊でできた膜を、研磨剤やブラシを使って除去します。そして最後にフッ素で歯の表面をコーティングする流れです。

編集部まとめ

編集部まとめ

むし歯になりやすい体質とは、歯のエナメル質や象牙質などの歯質が弱いことです。歯質だけでなく、歯磨きや歯科検診などのお口のケアを怠りがちな方は、むし歯にかかりやすくなると考えてください。
むし歯を予防するには、日常的な歯磨きを徹底することのほか、定期的に歯科検診を受け、歯科医師によるアドバイスを受けるようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

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