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一般歯科の治療内容とは?治療方法や費用から賢い選び方まで徹底解説

一般歯科の治療内容とは?治療方法や費用から賢い選び方まで徹底解説

歯の健康は毎日の生活のなかで、重要な役割を果たしています。

歯科医院にいくとき、どのような治療が必要なのか、費用がどれくらいかかるのか、どの治療法が自分に合っているのか迷ってしまうという経験はないでしょうか?

歯の治療やケアに関する情報は拡散されているため、どこから手をつければよいのか、少し不安を覚える方もいるかもしれません。

本記事では、一般歯科の治療方法や費用から賢い選び方まで詳細に解説します。

これから歯科治療を受ける方や、歯の健康を維持したいと考えている方は、自分に合った治療法を見つけ、適切なケアを受けるための参考にしてください。

歯科医院が掲げる診療科目の種類

歯科医院での治療

診療科目名は、クリニックが得意とする診療分野や診療範囲を示すために、ホームページや看板などに掲げられる名称のことです。

患者さんが必要な医療機関を正しく選択するためにも、わかりやすく標榜をする必要があります。医療法のなかで、歯科医業・診療所については許可された範囲の内容でしか標榜ができません。

現在、医療法施行令(政令)において標榜として使用してよい診療科目は37種に限定されています。

その規約を決めたものが厚生労働省の医療広告ガイドラインです。このなかで、政令で定められた診療科目名として歯科医院で標榜できるものは以下の4つと決められています。

  • 一般歯科
  • 矯正歯科
  • 予防治療
  • 口腔外科

診療科目名は診療所では、歯科(98.3%)が多く、次に小児歯科(43.2%)となっています。病院では、歯科口腔外科と歯科(57.6%)が多い結果となりました。

また、大学病院では、歯科と歯科口腔外科(92.0%)が多くなっています。

一般歯科の主な治療内容と治療方法

医師の説明

一般歯科は子どもからご高齢の方まで、お口や歯のあらゆる問題を解決します。

歯を失う主な原因は、むし歯や歯の根の病気、歯周病です。これらの治療方法には以下のようなものがあります。

  • むし歯治療
  • 歯周病治療
  • 根管治療
  • 冠やブリッジ
  • 義歯
  • 抜歯

また、なるべく自分の歯を抜かずに、いつまでもおいしい食事を楽しみたいと思っている方は少なくないでしょう。

それを実現するための治療が歯科保存治療です。この治療は大切な歯を失わないように、歯や歯を支える組織の病気を治療し、健康を保つことが目的です。

歯科保存治療は、保存修復・歯内療法・歯周療法の3つを指しています。それぞれどのような治療を行うのか、概要を説明します。

保存修復

歯は、舌や頬の内側や唾液と連携して食べ物を噛み砕き、飲み込むのを助ける役割を担っています。硬い素材のエナメル質でできている歯でも、毎日の歯磨きを怠るとプラークが溜まり、放置するとむし歯になって歯が欠けてしまいます。

保存修復はむし歯などで歯が欠損した部分を修復する治療法です。むし歯やケガで欠けた歯を金属素材、合成樹脂、セラミックなどで修復し、元の機能を取り戻すことが保存修復治療の役割となっています。

効率的に咀嚼するには、すべての歯がよいコンディションであることが大切です。歯がしっかり噛み合い正しく動くことで、食べ物を噛み砕いたり歯を食いしばったり、上手に喋ったりできます。

噛み合わせの正しさや歯の自然な色を保つことも保存修復治療に含まれます。治療法や材料の進歩により、見た目にも配慮した修復が可能です。

保存修復治療は自然な歯の色で、しっかり噛める、食べられるなどお口の機能を維持するための治療法です。

歯内療法

レントゲン写真

むし歯を放置しておくと、細菌が歯の内部にある神経にまで到達し、歯髄炎という病気を引き起こします。初期段階では、冷たいものが短時間しみるだけの軽い症状のため、治療は簡単なもので済むでしょう。

そのまま放置すると、冷たいものを食べたり飲んだりした際に痛みが誘発されるなど症状は悪化し、なにもしていなくても痛みが出るようになります。次第に痛みは頭や肩にも広がっていくでしょう。

さらに放置すると歯の内部が化膿し、ズキズキする痛みで夜も眠れなくなり、歯の神経を取る必要が出てくるかもしれません。痛みは一時的に治まることがありますが、実態は歯の神経が死んでしまっている状態です。

その後、歯の内部には細菌が残り、歯の根の先端の組織にまで広がり根尖性歯周炎を発症します。激しい痛みを引き起こし、歯茎や顎が腫れ、骨に膿が溜まっている状態へと悪化してしまいます。エックス線撮影を行うと、根の先端に黒い影が見えるのが特徴です。

このような場合、歯の内部の細菌や腐敗物を徹底的に除去し、患部の消毒を行います。歯の根管は、細く複雑に曲がりくねっていることもあるため、スムーズに治療を進めることができないかもしれません。

根管治療を行った歯は、再び細菌が侵入しないようにゴム状の物質で密閉する必要があります。この治療によって多くの歯が回復しますが、治療には時間を要し、患者さんの負担も大きくなってしまいます。

治療後の歯は構造的に弱くなり、歯の根が割れることも少なくありません。そのため早期の治療を行い、歯の神経の健康を維持することがなによりも大切です。

歯周療法

歯ブラシ

日本人が歯を失う原因の約半分は歯周病といわれています。歯周病とは、歯を支える周りの組織が失われていく病気です。

歯にプラークが付着することにより歯肉に炎症が生じ、そのまま放置しておくと、歯肉の下の顎の骨を溶かし始めます。骨が溶けてしまった結果、歯が抜けてしまうことになります。

最近では、歯周病と全身疾患との関連や、歯周病と生活習慣や喫煙などとの関わりも次々と明らかになってきているようです。歯周病の治療は歯科医療において日に日にその重要性が増してきています。

歯周病の治療は、歯肉の状態の診査から始まります。プラークコントロールの徹底や、歯石の除去を行います。歯に違和感や痛みを覚える方は、早急に歯科医師に相談し、早期発見・早期治療を心がけましょう。

一般歯科の特徴

歯科医院

最近はむし歯や歯周病にならないための方法が確立され、以前よりも歯を失う人が減っていますが、まだまだ多くの方が歯を失っているのが現状です。

一般歯科とは、むし歯や歯周病治療、入れ歯(義歯)、詰め物や被せ物をする治療、ブリッジの作製などの治療が含まれています。

これは、歯科がもともとメインとして行っている内容ですが、小児歯科、矯正科、口腔外科など新しく専門標榜科がうまれたため、これらと区別する意味で用いられているそうです。

主に保険診療の治療を行う

日本では国民全員が国民健康保険や社会保険などの、健康保険に加入しなければいけません。一般的な診療や治療で適用されるものが、保険診療になります。保険診療に該当すると、かかった医療費の30%が自己負担分となります。

一般歯科は保険の範囲内で行われる治療が多いことから、保険診療を一般歯科とする見方もあるようです。

しかし、保険制度には制約があり、同じ治療法であっても治療に使用する材料の違いによって保険診療ではなくなるケースが生じます。

お口の病気全般を診断できる

一般歯科では、むし歯が痛い・冷たいものがしみる・歯周病で歯がグラグラする・知覚過敏で歯が痛む・お口のニオイが気になるなど、歯やお口のなかのさまざまなトラブルやお悩み全般を診断できます。

歯科医院での診察は、むし歯や歯周病の治療だけでなく、予防とメンテナンスも重要です。定期的な歯科健診でお口の健康を維持しましょう。

専門的な医院では受け付けていないケースがある

矯正歯科専門医院では、歯列矯正治療のために抜歯が必要な場合、一般歯科のある別の歯科医院を紹介します。

審美治療専門医院も、保険の治療は受け付けていないというケースは珍しくありません。

専門的な医院はその科目に特化した場所であるため、信頼性は高いのですが、治療によっては別の歯科医院と併用して進める場合があります。

一般歯科の治療内容にかかる費用の目安

歯を見せる女性

一般歯科の治療にかかる費用は、治療内容や個々の症状によって異なります。

むし歯の治療や歯のクリーニング、詰め物や被せ物の修復など、一般的な治療については保険が適用されることが多く費用は手頃です。

特定の素材や高度な技術が必要な場合は、保険適用外となり、費用が高くなることもあります。

今回は、一般歯科の主要な治療内容とそれにかかる費用の目安についてご紹介します。

むし歯治療の場合

象牙質の下には神経があり、神経近くまでむし歯が達しているとしみることがあります。

レジンでは治療ができない場合、むし歯を削ってから保険の銀の詰め物または、自費診療の白い詰め物をします。治療費の目安は保険適用(3割負担)で1,500〜3,000円です。

象牙質よりさらに奥の神経に達してしまった場合、激しく歯が痛むようになります。

神経を取り除いて歯の根のなかをきれいに清掃し、土台と被せ物をするために何回か来院する必要があります。治療費の目安は保険適用(3割負担)で2,000〜10,000円です。

歯の上部が完全になくなってしまった状態になると、神経も壊死しており、痛みも感じなくなっています。

痛みがなくても、この歯が感染源となって周囲に悪影響を及ぼすため、歯を抜く処置が必要です。治療費の目安は保険適用(3割負担)で3,000〜7,000円です。

ただし、上記の金額はあくまでも目安です。歯科治療の料金や詳細はクリニックによって異なる場合がありますので、実際に治療を受ける際には直接歯科医院へ確認することをおすすめします。

入れ歯治療の場合

歯の模型

ノンクラスプ・デンチャーは、金属の留め金(クラスプ)がない自費診療の部分入れ歯です。対象の部分入れ歯が3歯以下の場合は、55,000円(税込)からの料金がかかります。

4歯〜8歯の場合は、110,000円(税込)からの料金がかかります。両側(小臼歯・大臼歯)の場合は、165,000円(税込)からの料金となっているためチェックしてみてください。

金属床義歯は、歯茎に触れる部分が金属で作られている入れ歯です。金属床(チタン床)の場合は、330,000円(税込)からの料金になります。

金属床(コバルト床)では、275,000円(税込)からの料金となっているため、チェックしてみてください。ただし実際に治療を受ける際には、直接歯科医院へ料金確認を行ってください。

歯周病治療の場合

軽度な場合、治療費の目安は保険適用(3割負担)で5,000〜10,000円です。自費診療の場合は10,000〜50,000円(税込)かかることが予想されます。

歯周病が中等度になると、治療は保険適用(3割負担)で10,000〜50,000円が目安になります。自費診療の場合は個人差がありますが、50,000〜500,000円(税込)かかるでしょう。

歯周病が進行し重度になると、治療費の目安は保険適用(3割負担)で30,000〜100,000円となります。

自費の場合は200,000円(税込)以上かかる恐れがあり、口腔内の状態によっては治療費がさらに高額になります。実際の料金は直接歯科医院へご確認ください。

一般歯科の賢い選び方

歯磨き指導

ご自身の歯やお口の健康を守るためには、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。実際に歯科医院に訪問し、スタッフの対応や院内の清潔さを確認しましょう。

また、定期検診や予防治療に力を入れているかどうかもポイントとなります。一般歯科の賢い選び方を知ることで、適切な歯科医院を見つけることができます。

治療に関する説明を丁寧にしてくれる

治療内容が不明瞭のまま診断が進められたり抜歯が行われたりする、歯科医院でこのような経験をした方がいるかもしれません。

場合によっては、患者さんと歯科医院間での大きなトラブルにつながるため、治療の前にどのような処置を行うのかを理解しておく必要があります。一般歯科を選ぶ際は、治療に関する丁寧な説明を行っている歯科医院を選びましょう。

滅菌・殺菌の意識が高い

歯科医院内の滅菌・殺菌の意識が高いことも一般歯科を選ぶうえで、賢い選び方の1つになります。滅菌・殺菌対策の例は以下のとおりです。

  • 加湿器・空気清浄機を常時運転して、温度と湿度のコントロール
  • 手袋・ヘッドレストカバー・エプロン・コップなどのディスポーザーは使い捨てを徹底
  • 診療ごとに、診療用チェアや治療器具を高圧蒸気減菌機やガス減滅機を使用

歯科医院ならではの徹底した衛生管理をチェックしておきましょう。

一般歯科での定期メンテナンスの必要性

歯磨き

一般歯科の診療では、歯やお口の予防が推奨されています。むし歯や歯周病にかからないためにも、定期的なメンテナンスを行いましょう。

お口のなかの状況は患者さんによって異なるため、適切な間隔で、適切な内容のメンテナンスを受けてみてください。

早期発見・早期治療が行える

むし歯や歯周病は、早期発見・早期治療が肝心です。むし歯は自然に治ることはありません。痛みがなくても進行しており、痛みが出てからでは削ったり抜いたりといった処置が必要です。

定期的に検診を受けることで、歯やお口の異常の早期発見につながります。自覚症状にとらわれず、むし歯と診断結果が出た場合は早めに治療を受けましょう。

毎日のケアが改善できる

むし歯や歯周病の進行具合は、患者さんの体質やライフスタイルによって異なるケースが多いです。

歯を清潔に保つためには、患者さんご自身で歯磨き方法や口腔ケアに取り組む必要がありますが、限界があります。歯並びや磨きにくい場所に汚れが残り、むし歯や歯周病のリスクが高くなるためです。

一般歯科では患者さんに必要な治療や、毎日のケアのアドバイスやサポートを行います。

まとめ

歯は大事

一般歯科は、特殊ではない一般的な治療を行う診療科です。

保険内でできる治療が多く、むし歯や歯周病、入れ歯治療などを行いますが、状態によっては口腔外科や矯正歯科など、特殊な科目を取り扱っている別の歯科医院を紹介されることも珍しくありません。

一般歯科の場合、かかる費用はそこまで高くはありませんが、保険内の治療にはデメリットもあるため、事前のカウンセリングでその点も教えてくれる歯科医院を選びましょう。

気になる歯科医院があれば、どの診療科目が受けられるかを事前にチェックしておくことをおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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