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入れ歯は自費と保険適用で何が違う?入れ歯を選ぶときの注意点を紹介します

入れ歯は自費と保険適用で何が違う?入れ歯を選ぶときの注意点を紹介します

保険適用になる入れ歯と自費診療の入れ歯、両者の違いについて詳しく知りたい人もいるのではないでしょうか。ここでは、それぞれの特徴、費用の目安からメリット、デメリットまでを詳しく解説します。入れ歯を選ぶときの注意点や自費診療の方が適しているケースについても説明しますので、参考にしてください。

自費診療の入れ歯の特徴

自費診療の入れ歯の特徴自費治療の入れ歯について詳しく解説します。その特徴や費用について、自費診療の入れ歯のメリット、デメリットについてわかりやすくまとめています。参考にしてください。

自費診療の入れ歯の特徴を教えてください
自費診療は自由診療ともいわれます。その名のとおり、自由に、患者さん一人ひとりの歯の状態に合わせて、オーダーメイドの入れ歯を作ることができるでしょう。歯科医院によっては歯科技工士立ち会いのもと、細かい要望を伝えることもできるようです。一人ひとりにぴったりと合う入れ歯を作るためには、製作工程も多く、完成までに時間がかかります。また、部分入れ歯の場合には、自費診療では、バネ(クラスプ)の素材を金属ではなく、目立ちにくいノンクラスプデンチャーと呼ばれる樹脂で作ることができ、見た目がよくなります。総入れ歯の場合には、床(しょう)の部分に熱伝導のよい金属が使われたり、マグネットを使用して入れ歯を固定したりすることができます。このように自費診療では選択肢が増え、よりよい入れ歯を作ることができるでしょう。ただし、自費診療で入れ歯を作ったとしても、年齢とともに歯茎が痩せてきたり、入れ歯が劣化してきたりするため、定期的なメンテナンスは必要です。
自費診療の入れ歯にかかる費用を教えてください
自費診療にかかる費用の相場は、使用する素材や治療法によっても大きく幅があるようです。自費診療に限って使用される素材や治療法はさまざまありますが、例をあげると、部分入れ歯のノンクラスプデンチャーの場合、15万~50万円程度、金属床の場合でも同じくらいの治療費がかかるでしょう。
自費診療の入れ歯のメリットは何ですか?
自費診療であれば、保険では使用できない樹脂や金属といった素材を使用することができます。そのため、歯の状態や患者さんの希望に沿った入れ歯を作ることができるでしょう。硬くて強い素材を選ぶことで、耐久性にも優れ、入れ歯が長持ちすることが期待できます。見た目を重視したい場合は、樹脂の素材で色も細かく選ぶことができ、本物の歯や歯茎に近い色味が期待できます。歯茎にぴったりとフィットする入れ歯を作ることで、入れ歯との間に食べかすが入り込む隙間がなく、汚れにくいこともメリットとしてあげられます。
自費診療の入れ歯のデメリットは何ですか?
:デメリットとしては、やはり費用が高いことです。また、完成までに時間がかかることもあげられます。一人ひとりの歯の状態に合わせて作るため、複雑な設計となり、製作工程も多くなってしまうのです。完成までに、2~3ヵ月程度は見込んでおくとよいでしょう。素材が選べることはメリットですが、逆にいくつか注意しなくてはならないことがあります。使用する素材によっては、アレルギー体質の人には向かないことがあります。また、審美性の高い樹脂は耐久性では金属に比べて劣るなど、同じ素材でも機能に得意、不得意があるので、どちらを優先するか考えなくてはなりません。お手入れも素材ごとに方法や使用する洗浄剤が異なることがあるので、あらかじめ確認が必要です。

保険適用になる入れ歯の特徴

続いて、保険適用の入れ歯について解説します。こちらも同様に、特徴や費用、メリット、デメリットについてそれぞれまとめています。参考にしてください。

保険適用の入れ歯について特徴を教えてください
保険適用の入れ歯の特徴は、保険診療のルールに基づき多くの制限があることで、そのことが費用の安さにつながっている点です。保険診療の趣旨から、必要な限りの治療に抑えるため、決まった素材、決まった治療法での入れ歯となっています。型取りも簡易的なものです。例えば、部分入れ歯では、歯に引っかけるバネは金属のみ認められています。総入れ歯の場合は、床の素材はプラスチックのみが認められています。このようにそれぞれに細かく制限があるのです。
保険適用の入れ歯のメリットは何ですか?
保険適用の入れ歯のメリットとしてあげられるのは、特徴のところでも述べたように、費用の安さです。自費診療に比べて費用は安く済みます。もう一つのメリットは、製作期間の短さです。入れ歯の製作工程がパターン化しているため、製作期間も1~2ヵ月程度と短く済みます。なお、もしも入れ歯が使用後に割れたり、欠けたりしてもプラスチックなので修理は可能です。
保険適用の入れ歯のデメリットは何ですか?
まず、歯や歯茎の素材がプラスチックしか使用できないため、本物の歯や歯茎との色の違いが目立ちやすいでしょう。部分入れ歯の場合、お口を開くと金属のバネが見えてしまいます。総入れ歯の場合、プラスチックの床の厚みがあることで、食べ物の温度が伝わりにくく、食事の味もわかりにくくなると言われることもあります。簡易的な型取りのみとなるので、歯茎にぴったりと密着することが難しいことも多いです。保険適用の入れ歯でも作り変えることは可能ですが、半年間の期間を空けなくてはいけないというルールがあります。それまではその都度通って調整してもらうか、自費診療で入れ歯を作り直すしかないでしょう。
保険適用の入れ歯にかかる費用を教えてください
保険適用の入れ歯費用の相場は、総入れ歯で10,000~20,000円程度、部分入れ歯で5,000~20,000円程度となっています。

保険適用と自費診療の入れ歯の違いについて

保険適用と自費診療の入れ歯の違いについてここまでで、自費診療の入れ歯と保険適用の入れ歯について、その特徴やメリット、デメリットがおわかりいただけたと思います。ここでは、保険適用と自費診療で入れ歯を選ぶときの注意点や、自費診療の入れ歯が適している人についても説明します。入れ歯選びの参考にしてください。

保険適用と自費診療で入れ歯を選ぶときの注意点を教えてください
保険適用の入れ歯は、費用は安く済むものの、保険診療の決められたルールに基づき、多くの制限があることで、個人の歯の状態に合わせることには限界があることはおわかりいただけたと思います。費用面だけで考えて、合わない入れ歯を使い続けると、違和感はもちろんですが、口内炎などにかかりやすくなりますので、注意が必要です。一方で、自費診療を選ぶときに注意する点としては、高い材料を使用することがいいことではないということです。重要なことは、入れ歯が自分のお口に合っているかどうかになります。そして、患者さん一人ひとりに合った入れ歯を作るには、高い技術が必要になってきます。入れ歯を作る際には、高い技術を持ち、経験が豊富で、十分なカウンセリングがある歯科医院を選ぶとよいでしょう。しかし、入れ歯を作ったけれども何らかの理由でどうしても合わずに作り直す必要があることもあります。自費診療の入れ歯を作り直すことに制限はなく、いつでも可能ですが、歯科医院によっては保証期間を設けているところもあるようです。作り直しをする場合、修理となった場合にはいくらかかるのかについても、あらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。なお、どうしても入れ歯は合わない、向かないという人もいます。そのような場合には、入れ歯以外の治療として、ブリッジやインプラントという選択肢があります。
自費診療の入れ歯が適しているのはどのような人ですか?
入れ歯は毎日、長期間使用するものです。自費診療の入れ歯は、個人の歯の状態に合わせて精密に型取りして作るため、ぴったりフィットして違和感もなく噛みやすいものです。素材も自由に選べるため、本物の歯や歯茎に近い見た目にすることもできます。このように、日々の快適さや見た目などを重視する人は自費診療の入れ歯の方が適しているといえるでしょう。自費診療の入れ歯には、保険適用の入れ歯のようなルールや制限がありません。そのため、自分の希望に沿った入れ歯を作ることができます。保険適用より高額にはなりますが、満足度は高いものになるでしょう。

編集部まとめ

ここまで入れ歯の保険適用と自費診療の違いと、それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説してきました。保険適用の入れ歯は安く作ることができるものの、制限があり必要な限りのものにとどまります。自費診療は費用がかかりますが、自分の歯の状態に合わせて入れ歯を作ることができるでしょう。生活するうえで歯の状態は生活の質をも左右します。入れ歯を選ぶ際には、歯科医ともよく相談し、十分に検討してから決めることが大切です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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