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銀歯の周りが臭いのはなぜ?口臭の原因や改善方法について解説

銀歯の周りが臭いのはなぜ?口臭の原因や改善方法について解説

銀歯の治療をした部分の周囲が臭いと感じていませんか?
この記事では、口臭の原因や、銀歯によって臭いが出てしまうケース、そしてその場合の改善方法について解説しておりますので、臭いが気になるという方は参考にしてみてください。

銀歯とはどのような歯?

銀歯とはどのような歯?

銀歯は、文字どおり銀色の素材で作られた人工の歯で、歯を削って作られた土台に被せるクラウン(被せ物)や、歯を少し削って、中に銀歯で作ったパーツを固定させるインレー(詰め物)、そして、歯がなくなってしまった部分の両隣に残っている歯に橋をかけるようなイメージで固定するブリッジなどで利用されます。
銀歯とひとまとめにいっても、実は使用される素材にはさまざまな種類があり、金銀パラジウム合金という銀のほかに金やパラジウム、銅などが組み合わさってできた合金や、銀とスズなどで作られる銀合金、最近ではチタンを使用して作られるケースもあり、チタンの場合は銀自体は使われていませんが、色としては銀色のため銀歯の1つと言われます。
なお、以前は歯の詰め物として治療を行う際にアマルガムという素材が使われていましたが、アマルガムには水銀が多く使用されていることから、水銀による中毒症状の可能性などが問題視され、現在ではほとんど使用されていません。

クラウンやインレー、ブリッジといった治療は銀歯以外にも歯科用のプラスチックやセラミックで作られることがありますが、銀歯は耐久性が高く、保険適用で利用できるため治療費が抑えらえるという点がメリットとして選択されます。
一方で、銀歯は使用している金属のイオンが唾液中に溶けだして体内に取り込まれることで金属アレルギーを発症させる要因となったり、見た目が独特であるため審美性の観点で使いにくいというデメリットもあります。

口臭の原因

口臭の原因

口の中から嫌な臭いがする、口臭が気になるという場合、下記のような原因が考えられます。
口臭の原因は1つだけではなく、複数の要因が組み合わさっている場合もありますので、思い当たるものが複数ある場合はそれぞれに対してケアが必要となります。

口腔内が清潔でない

口臭の原因として想像しやすいものが、口腔内が清潔ではないことによって生じる臭いではないでしょうか。
お口の中にはとても多くの細菌が存在していて、食事から時間が経過したり、歯磨きが不十分で食べ残しが残ったりしていると、そこに含まれる糖などからプラーク(歯垢)が形成されます。
プラークの中には細菌が約600種類、プラーク1㎎あたりに1~2億個存在しているといわれていて、細菌が臭いの原因となるものを作り出すことで口臭を発生させます。
プラークはネバネバとした性質を持つため歯ブラシで除去がしにくく、また時間が経過すると固まって歯石となり除去が困難になるため、歯磨きなどのケアが不十分でいると徐々に口臭が強まっていくこととなります。

また、口臭の原因の1つに舌苔と呼ばれるものがありますが、これはお口の中の菌や粘膜が剥がれたものが舌の上にある凹凸に蓄積され、舌が白く見えるような状態になるというものです。
ある程度舌苔があるのは正常な状態ですが、口腔内の清掃が不十分で舌苔が厚くなると、菌の温床となってしまい口臭などの原因となります。

歯周病やむし歯の進行

歯周病やむし歯は、口腔内にいる菌が原因となって引き起こされる症状です。
歯周病はプラークなどに含まれる細菌が増殖することによって、細菌が作り出す毒素によって歯肉に炎症が引き起こされたり、歯槽骨という歯を支える骨を分解してしまうことで歯茎の退縮を引き起こすものですが、歯周病が進行していくなかで歯茎に膿がたまる(歯槽膿漏になる)と、メチルメルカプタンや硫化水素などの悪臭成分により、生ごみや、タマゴが腐ったような臭いが生じるようになります。
一方のむし歯は、主にむし歯菌が作り出す酸によって歯の表面にあるエナメル質が溶かされ、歯に穴が開いて内部に細菌が進入していってしまうものです。
エナメル質が溶かされるなど初期の段階においてはむし歯が原因となって臭いを発生させるものではありませんが、むし歯が進行して神経に到達するようになると、神経を腐らせて腐敗臭をだす原因となったり、歯の根に膿がたまって膿瘍となり、その膿が歯茎などにできた穴などから排出されるようになると、強い臭いを生じさせます。

臭いが強い食べ物や飲み物

ニンニクを食べた後は口臭が気になるとよく言われますが、臭いが強い食べ物や飲み物を摂取した場合、その直後から臭いが生じるようになります。
特に口臭を引き起こしやすいとされるものはニンニクのほか、ネギや玉ねぎ、ニラといった食品で、これらは共通してアリシンという臭いのもとになる成分が多く含まれています。
そのほかにも、硫黄が含まれるタマゴや乳製品、インドールという口内で発酵して野菜が腐ったような臭いを発する原因成分が含まれるキャベツやブロッコリーなどの野菜、アンモニア臭のある納豆、そしてアセトアルデヒドという臭いの強い毒素が作られる原因となるアルコール飲料などは、口臭を強める要因となります。
ただし、食べ物や飲み物による臭いは時間経過とともに解消され、臭いが残り続けるということはありません。

喫煙の習慣

タバコの煙に含まれるタールには油分が多く含まれ、これが口腔内や肺に付着することで、特有の臭いを生じさせます。
タールのほかにもタバコの煙には400種類程の臭い成分が含まれているといわれ、その中には強い刺激臭を発するビニルピリジンや、特有の嫌な臭いの原因となる2-メトキシフェノールなどが含まれているため、口臭の大きな原因となります。
タバコの臭いは吸った直後だけではなく、肺などについた臭いが呼吸とともに出てくるため、時間が経過しても臭いが出てくる場合があります。
また、煙草に含まれるニコチンは口腔内を乾燥させやすくするため、唾液量が減少することで菌が繁殖しやすくなり、口臭を強めるという影響もあります。

ドライマウスなどによるもの

ドライマウスは唾液の分泌量が減少するなどによっておこるもので、口腔乾燥症ともよばれます。
通常、お口の中は唾液がある程度分泌されていることで潤いが保たれ、柔軟に動かすことを可能としたり、細菌の増殖を防いでいるのですが、ドライマウスになることで細菌が増殖しやすい環境になってしまうため、口臭が発生しやすくなります。
ドライマウスの原因は口呼吸が癖になっている場合や、睡眠時無呼吸症候群などの影響、または血圧を下げる薬などの副作用による場合などがあります。

何かしらの病気によるもの

鼻やのど、呼吸器系や消化器系の病気であったり、糖尿病などの症状の1つとして口臭が出る場合もあります。
これは病気によって炎症がおきて溜まった膿が原因となったり、消化機能や代謝能力の変化によって生じるもので、さまざまな臭いがあります。

胃からの臭い

胃の中にある胃酸が、何らかの理由で食道の方に逆流してくるようなことがあると、酸っぱいような刺激臭が口臭として外に出てくることがあります。
胃の内容物が食道に逆流してくるような症状を胃食道逆流症とよび、口臭だけではなく胃酸によって食道にダメージが加わって胸やけを引き起こしたり、場合によっては胃酸が口の中まで入り、歯を溶かしてしまうなどの場合もあります。

銀歯が臭いの原因になるケース

銀歯が臭いの原因になるケース

口臭にはさまざまな原因がありますが、銀歯が臭いの原因になるケースとしては下記のようなものがあります。

銀歯に汚れが付着しやすくなっている

銀歯を作った当初は表面がツルツルとした状態ですが、銀歯は実は傷つきやすい素材であり、長期的に使用していると徐々に表面に傷がついて凸凹ができるようになります。
表面がツルツルの状態であれば歯垢が付着しにくく、歯磨きなどで簡単に汚れを除去することができますが、表面に細かな凸凹ができると歯垢が溜まりやすく、それによって細菌も増殖しやすくなるため、口臭が発生しやすくなります。
こういった原因による口臭を予防するためには、細かな凸凹に蓄積された汚れや歯垢は通常の歯磨きだけではなかなか落としにくいため、歯科医院での専門的なケアなどを定期的に行う必要があるといえるでしょう。 汚れが蓄積されてしまうとむし歯や歯周病といった症状の原因にもなります。
銀歯ではなくセラミック素材で作った歯の場合は汚れが蓄積されにくいため、口臭やむし歯などのトラブルが生じにくくなっています。

銀歯と歯の隙間に汚れがたまっている

銀歯による詰め物の治療では、削った歯の形に合わせて詰め物を作り、専用の接着剤でくっつけています。
しかし、どれ程精密に作られている詰め物ではあっても、どうしても歯との間に小さな隙間ができてしまうことはあり、そういった小さな隙間は歯ブラシでの掃除もしにくいため、そこに蓄積された汚れによって細菌が繁殖して臭いを作り出す原因になってしまう場合があります。
また、こうした小さな隙間で細菌が繁殖した場合、表面からは見えにくい形でむし歯が再発して進行してしまう可能性もあるため、むし歯が原因での臭いにつながるケースもあります。

銀歯が劣化している

銀歯は長期的に使用し続けても割れたりする可能性が低い金属の素材でできていますが、長期使用を続けると劣化して歯との間に隙間ができてしまい、その隙間に汚れが蓄積されて臭いが生じる場合があります。
また、銀歯そのものは劣化していなくても、銀歯を固定するための接着剤(セメント)が経年劣化によって剥がれてしまい、それによってできた隙間に汚れが蓄積されたり、むし歯菌が進入してむし歯の再発や口臭につながるケースがあります。

口臭を改善させる方法

口臭を改善させる方法

口臭を改善するためには、セルフケアによる対策と適切な治療を受けることでの両面からの対策が必要です。
具体的な方法についてご紹介します。

適切な口腔ケアの徹底

鼻やのど、消化器系などの病気によって口臭が発生するケースはあるものの、口臭の90%以上はお口の中の環境に原因があり、歯垢や歯石の蓄積、や舌苔の厚みといったお口のなかが清潔に保たれていないことによる臭いや、歯周病やむし歯といった口腔トラブルを改善させることが、口臭対策の重要なポイントとなります。
適切な口腔ケアが行えていて口腔内が清潔に保たれていれば、細菌の過剰な繁殖が予防され、口臭が出にくい状態を作ることができますので、まずは歯磨きなどによ口腔ケアの徹底を行いましょう。

臭い対策をするためのケアとしては、歯ブラシを行う際には歯の表面だけではなく歯と歯茎の隙間に歯ブラシの先端を入れて汚れを書き出すように歯磨きを行うことや、歯ブラシだけではなく歯間ブラシやフロスを使用して歯と歯の間に蓄積された歯垢もしっかりと除去すること、そしてマウスウォッシュなどを使用して、口腔内の細菌の繁殖を抑えることなどを実施するとよいでしょう。
適切な歯磨きの方法は人それぞれの歯並びによっても異なるため、できれば一度歯科医院で自分にあった歯磨き方法の指導をうけ、適切な方法を身に着けるようにすると効果的です。
また、歯磨きだけではなく、専用の舌ブラシなどを使用して舌苔を落とすことも口臭改善には効果的です。 ただし、舌は強く磨いてしまうとよけいなトラブルにつながる場合もあるので、力をかけすぎず優しく掃除するようにしましょう。

むし歯などの検査と治療

むし歯や歯周病といった症状は、セルフケアだけでは治療することが難しく、歯科医院で適切な治療を受ける必要があります。
治療を受けずに放置しておくと症状は悪化していくばかりで、逆に早期に診断して治療を行えば歯へのダメージも少なく治療を行えますので、可能であれば特に問題を感じていなくても、定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。
歯科医院で歯石除去などのケアを受けると、口臭が大幅に改善される可能性もあります。

銀歯以外の治療に切り替える

銀歯は表面に傷がつきやすく、歯垢などが蓄積されやすいという特徴がありますので、臭いの対策を行うのであればセラミックの歯などに切り替えることも1つの手段です。
また、場合によっては銀歯によって金属アレルギーが引き起こされ、アレルギー反応による炎症などから口臭につながってしまうといったケースもありますので、銀歯周囲の歯茎などがよく炎症を起こしてしまうといったような症状がある場合は早めに相談するようにしましょう。

生活習慣の見直し

生活習慣の乱れや、口呼吸などの癖は、口腔内の乾燥を招き、細菌が増殖しやすい状態を引き起こします。
バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動などの良好な生活習慣を保つと、免疫力が向上して口腔内の環境も良好に保たれやすくなりますので、健康的な生活習慣を目指して改善するようにしましょう。

まとめ

まとめ

口臭にはさまざまな原因がありますが、やはり特に大きな要因は口腔内を清潔に保てていないことです。 銀歯は表面が傷ついて中に汚れなどが蓄積されると除去しにくく、清潔に保たれていないことでの口臭も発生しやすい可能性があるといえるでしょう。
また、銀歯が金属アレルギーの原因となって口臭などのトラブルにつながっていることもありますので、銀歯周辺の臭いが気になるという場合や、銀歯周辺に腫れが目だったりといった状態がある場合は、一度歯科医院で検査を受けて、適切な治療を受けるようにした方がよいでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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