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歯医者で麻酔が効かない?痛みを感じる場合にどうすればよいのかなどを詳しく解説

歯医者で麻酔が効かない?痛みを感じる場合にどうすればよいのかなどを詳しく解説

歯医者の治療で麻酔が効かないととても耐えられませんよね。
自分は麻酔が効かない体質なのではないか?といった不安や、麻酔が効かないときは我慢しなければならないのか?といった疑問をお持ちの方も多いのではと思います。
そこで今回は麻酔が効かないときの原因や対処法について解説します。

歯医者で麻酔が効かないと感じるケースについて

歯医者で麻酔が効かないと感じるケースについて

歯医者の治療で麻酔が効かないことはありますか?
麻酔が効きにくかったり、全く効かないということは、実際にありえます。
考えられる原因は、大きく分けて5つ程あります。まず考えられるのは、治療部位が強く炎症を起こしているときです。炎症箇所は酸性に傾いていますが、そこにアルカリ性の麻酔液を注入すると中和して麻酔効果が薄れてしまうため、麻酔が効きにくくなります。次に考えられるのが、体調が悪いときです。睡眠不足や、疲れが溜まっているときは、体が正常に機能しないことがあり、麻酔も効きにくくなります。

そして、アルコールや薬を飲んだ後であることも原因として考えられます。お酒を飲んだ後は肝臓での代謝が高まるため、麻酔薬の効果が早く薄れてしまったり、持病で飲み続けている薬が影響することがあります。

さらに、こちらもよくあるケースですが、治療に臨む際の緊張などの精神的なものや、「自分は麻酔が効きにくい」という思い込みから、効きにくいと感じたり、実際に効果が発揮されないことがあります。

その他、そもそも麻酔が効きにくい部位というのがあります。下顎などの治療は骨が近いために麻酔液が浸潤しにくく、また太い神経が近くに通っているため痛みを感じやすい場合があります。

体質的に麻酔が効きにくいケースはありますか?
患者さんの体質によって局所麻酔の効果が変わることは、基本的にありません。
同じように、アルコールをよく摂取する人が麻酔薬が効きにくいのではと誤解されている方は少なからずいますが、アルコールを摂取することで麻酔が効かなくなる、またはアルコールをよく飲む人が麻酔が効きにくい体質になる、といったことは論文的に認識されておりません。
ただし、アルコールを飲んだ後は肝臓がアルコールを分解するための酵素を産生し、代謝が高まっている状態のため、そのときに麻酔薬を投与すると、麻酔が早く退社されてしまい、効果の持続時間が短くなる場合があります。また、麻酔の効果には体質による差はないと考えられていますが、そのときの体調などのあらゆる状況などから効きにくくなることは考えられます。
歯や歯茎の周囲組織が強く炎症を起こしている場合や膿が溜まっている場合、骨が硬くて麻酔の注射が浸潤しにくい部位である場合などは、局所麻酔の効果がしっかりと得られないケースがあります。
また、治療中に痛みを繰り返したり、患者さんが治療に対して精神的な緊張が強い場合などでも痛みに対し過敏となり、局所麻酔効果が得られにくくなることがあります。
麻酔の効き目が同程度であったとしても、痛みに対する恐怖心が強い方は、軽い刺激でも痛いと思い込んでしまう可能性があるため、本人の感覚としては麻酔が効きにくいという可能性も考えられます。
歯科医師の技術力で麻酔の効き方は変わりますか?
麻酔薬の効果は同じだとしても、技術や注入方法の違いによって効き方が変わることはあり得ます。
例えば、同じ麻酔薬を同じ量で、同じ方法で注入した場合に、治療の際に痛みを感じるであろうポイントにしっかりと狙えていれば麻酔の効果を実感しやすいですが、もし狙いが外れてしまうと麻酔の効果を感じにくいだけでなく、注入量や注入箇所を増やす必要があり、注射針の刺入時の痛みを感じやすかったり、身体的な負担が大きくなったりしてしまいます。また、できるだけ痛みを少なくするために、歯科医師の技術のみに頼らなくても、専用の機械を使うことで局所麻酔注入時の痛みを軽減したり、麻酔薬がしっかり狙ったポイントに届きやすくなったりということが可能です。
ただし、こういった機械などを利用するかどうかは歯科医師や歯科医院によって違いがあるため、そういった設備があるかどうかということと技術力という両方が麻酔の効き方に影響するといえるでしょう。
治療部位によって麻酔が効きにくい場合がありますか?
骨に近い部位は麻酔が効きにくいといえます。 骨に近いと、麻酔薬の浸透がしにくくしっかりと効きにくかったり、骨の近くに太い神経があったりすると痛みを感じやすく、骨が近く神経が密集している下の歯の奥歯などは特に効きにくい部位となっています。
また、炎症を起こしている箇所も麻酔が効きにくい場所です。
炎症を起こすとその組織周辺が酸性に傾き、アルカリ性の麻酔薬と混ざると中和されて薬剤の効果が相殺されてしまうため、麻酔が効果を発揮しにくくなります。
これらのように麻酔が効きにくい部位には、体への負担を慎重に見極めながら、麻酔薬を多めに使って治療を行います。

麻酔の効き方ついて

麻酔の効き方ついて

緊張していると麻酔が効きにくくなりますか?
緊張していると、痛みに対して敏感になりやすいため、少しの刺激でも痛いと感じやすくなり、麻酔が効きにくくなるといえます。
また、緊張により力んでしまうことで体がこわばるため、麻酔注射の注入時の圧力が増してより刺激を感じやすくなる可能性もあります。
体調が悪いと麻酔は効きにくくなりますか?
歯科治療で麻酔を施す際には、患者さんはある程度リラックスしている副交感神経優位の状態で受けることが理想的です。
しかし、睡眠不足や栄養不足などの体調不良時には、交感神経が正常に作用せずに、神経過敏になってしまったりしている可能性があり、そうすると体調が正常なときよりも痛みを敏感に感じやすくなってしまったり、体が精神的なストレスでこわばってしまって注射の刺入時の痛みを強く感じたりと、痛みの感覚が変わっていまい効きにくいと感じることがあります。
また、精神的なストレスがあるとアドレナリンの放出を引き起こし、交感神経が優位になって麻酔薬が効きにくくなります。
治療中に麻酔が切れることはありますか?
治療中に麻酔が切れることはあります。
少し痛みを感じるようになってきたら、麻酔薬を追加して治療を継続します。
麻酔に慣れて効きにくくなることはありますか?
短い期間に麻酔を何度も利用していると、身体が痛みに対する反応を強めてしまい、麻酔が効きにくくなる可能性は考えられます。
ただし、通常の歯科診療を受ける場合はそこまで頻繁に麻酔を利用するわけではありませんので、あまり心配する必要はないでしょう。

麻酔の種類、方法について

麻酔の種類、方法について

表面麻酔とはなんですか?
表面麻酔は歯茎に塗る麻酔によって歯茎表面の感覚を鈍くするものです。歯科医院では歯垢の除去施術をするときや、局所麻酔の注射をする前に施すことが多いです。
局所麻酔の注射の際、針の刺入時に痛みが出やすいため、不快感や治療に対する不安や恐怖感を感じてしまう方は少なくありません。その対策として、刺入時の痛みを軽減するために表面麻酔を先に施した後で、局所麻酔を注射することで、刺入時の痛みを和らげることができます。
浸潤麻酔とはなんですか?
浸潤麻酔は、いわゆる歯科の麻酔注射で、痛みを取りたい箇所の歯肉に注射します。
一昔前はこの注射が痛いとか怖いということから、歯科治療を受けたくないという方が多かったといえます。
近年ではできるだけ不快感や痛みを軽減できるように極細の針を使用した麻酔注射の実施が行われていたり、麻酔薬の温度管理の向上により薬剤を注入する際の刺激なども抑えられていることが多く、前よりも痛みが少ない注射が可能になっています。
さらに、表面麻酔や電動式注射器などの技術を使用することで、痛みを最小限に抑えつつ効果的な麻酔が行われるようになっているため、麻酔で強い痛みを感じるということは少ないといえるでしょう。
伝達麻酔とはなんですか?
伝達麻酔は、末梢神経の本幹や神経叢(多数の神経細胞などが枝分かれして網状になっている部分)に局所麻酔薬を注射して、その神経の支配領域を麻酔する方法です。

編集部まとめ

編集部まとめ

歯科医院での歯科治療で使われる麻酔は主に、表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔の3種類があります。表面麻酔は、浸潤麻酔を行う際の刺入時の痛みの軽減などができ、浸潤麻酔は歯科治療でのいわゆる局所麻酔で行われる麻酔、そして伝達麻酔とは下の奥歯など特に痛みを感じやすい場所の痛みを抑えるのに適した麻酔です。

歯科治療に抵抗感や不安感をお持ちの方や、麻酔を施す時に緊張してしまう方などは、特に治療時の痛みが気になることだろうと思います。もし不安なことがあったり、痛みを感じるようでしたらまずは歯科医師に率直に相談してみるとよいでしょう。
過度な緊張感はかえって麻酔の効き目を鈍らせますので、心を落ち着かせるためにしっかりと休息をとってから歯科医院を受診するなどして対策してみてはいかがでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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