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気になる口臭の原因とは?口臭を改善させるための治療法などについて解説

気になる口臭の原因とは?口臭を改善させるための治療法などについて解説

口臭を人から指摘されるなどして、気にしているという方は多いのではないでしょうか。 口臭を改善するためには、その原因を知って適切な対応を行う事が大切です。
この記事では、口臭の原因や治療法について詳しく解説いたします。

口臭の原因について

口臭の原因について

口臭の原因はなんですか?
口臭の原因は、さまざまなものが考えられます。
原因の一つ目としては、直前に食べた食べ物の成分がお口の中に残っていたり、胃の中から匂いが出てくることです。このような口臭は一時的なもので、時間が経ったり、歯磨きをすれば消えたりします。
二つ目は、タバコやコーヒー、お酒など、日常的に口にしているものの臭いです。
基本的には食事の臭いと同様に一定時間が経過すれば解消されますが、タバコなどの場合は臭い成分が肺などについてしまう場合もあり、口腔内を清潔にするだけでは改善しない場合もあります。
三つ目は、歯垢です。歯垢とは、食べ物の残りカスを口腔内の細菌が粘着性のある物質に変換したもので、ネバネバしているため歯磨きなどで落としにくい性質となっています。
また、歯垢は時間が経過すると石灰化して歯石となり、歯磨きなどで落とすことがより困難となります。
歯垢や歯石には雑菌が繁殖しやすく、雑菌がさまざまな臭い成分を出すため、強い口臭につながる場合があります。
四つ目は、歯周病です。歯周病は歯に付着した歯垢や歯石内部で増殖した雑菌が作り出す毒素によって歯肉や歯槽骨に炎症を引き起こすもので、炎症によって作られた膿によって強い臭いが発生する場合があります。
五つ目は、むし歯です。むし歯も歯周病と同じく細菌の繁殖によって生じるものであり、歯の内側に増殖した菌によって口臭が作り出されるほか、口腔内の環境が悪化することで細菌が増えやすくなり、口臭が強くなります。
また、むし歯が進行して歯の神経が腐敗したり、歯の根元に膿が溜まるようになるとそれも強い口臭の原因となります。
六つ目は、舌苔です。通常は歯磨きやうがい、舌磨きなどを日々のケアで舌が清潔に保たれていれば赤っぽいピンク色をしているのですが、口内の衛生環境が悪かったり、適切なケアを行なっていなかったり、ストレスや疲労などで口の中の菌の環境などに変化があったり、口呼吸になって口の中が乾燥気味になっていたりすると舌苔と呼ばれる舌表面の白い膜が厚くなります。
舌苔は菌や口腔内の粘膜が剥がれ落ちたものなどによって形成されていて、菌の繁殖により口臭の原因となります。
そして七つ目が、胃の不調によるものです。胃酸が逆流したり、消化不良を起こしたりすると、胃の方から独特な匂いがお口の方に上がってくることがあります。また、空腹時などに胃酸が増えてしまい、同じように口臭となって現れることがあります。
歯を清潔にしていても口臭が出ることはありますか?
上述のとおり、口臭の原因は歯の不衛生さだけが原因ではなく、食事内容などによる胃の中からの臭いや、舌の上にできる舌苔が原因の臭い、タバコなどによる臭いなどさまざまな要因がありますので、歯を清潔に保っていても口臭が出る場合はあります。
場合によっては内臓関連の疾患などが臭いの原因となっている可能性もありますので、しっかり歯を磨いているのに口臭が改善されないという場合は、一度歯科医院などを受診して、口臭の原因についての専門的な診断を受けた方がよいでしょう。
胃が原因で口臭になることはありますか?
食道には弁があり、通常であれば胃の中の匂いが逆流することはありません。しかし、胃の調子が悪いと口臭となって出ることがあります。 体力低下や精神的なストレスなどがある場合や、胃に負担の大きい食事などをした場合は胃腸の調子が悪くなり、消化酵素が減って悪玉菌が増えます。
そのため、胃の中にあるものが吸収される前に胃の中で発酵してガスが溜まり、このガスが胃腸の粘膜から吸収されて血液に混ざって肺へと運ばれることで、臭いの成分が呼吸に混じって吐き出されます。
病気によって口臭が出ることはありますか?
病気によって口臭が発生することはあります。 口腔内の病気、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因となる場合があります。
ただし、口臭の90%以上は、口の中に原因があるといわれていますので、口臭が気になる場合はまず口腔内の改善に努めることが大切です。
心理的口臭症とはなんですか?
自分自身で強い臭いがあると思い込んでしまうことを心理的口臭症といいます。
過去に口が臭いといわれたことがあったり、人との会話で過剰に自分の息の匂いを気にしすぎたりと、原因やきっかけはさまざまですが、本当に臭いかどうかに関わらず、自分は口臭がするのでは?と思い込んでしまうケースがあります。

口臭を引き起こしやすい状態について

口臭を引き起こしやすい状態について

ドライマウスとはどのような症状ですか?
ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥する状態のことをいいます。
唾液は、口内を潤すだけでなく、食べ物を消化しやすくする、歯を保護する、細菌の繁殖を抑えるなど、さまざまな重要な役割を担っています。
そのため、唾液が不足すると、口臭や口の渇き、舌のヒリヒリ感、味覚異常、食べ物が飲み込みにくいなどの症状が現れます。また、歯周病やむし歯、口内炎などのリスクも高まります。 ドライマウスの原因は、加齢や脱水症状によるもののほか、薬の副作用、ストレス、病気などさまざまです。
特に高齢者は唾液の分泌量が減少しやすく、ドライマウスになりやすい傾向にあります。 また、糖尿病やシェーグレン症候群などの病気もドライマウスの原因となることがあります。
舌苔とはなんですか?
舌苔とは、舌の表面に付着する白い苔状のもので、皮膚の垢のようなものです。
舌には糸状乳頭と呼ばれる凹凸があり、そこに菌や粘膜の落屑などが付着して、白く見える舌苔が形成されます。薄く舌苔があるのは正常ですが、厚くなると菌の温床となり、口臭の原因となることがあります。
舌苔は、舌の動きが低下したり、唾液の分泌量が減ったり、口腔の清掃不良によっても厚くなりやすいです。
舌苔が厚くなると、口臭の原因となるだけでなく、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。 舌苔を落とすには、舌ブラシやガーゼなどで優しく丁寧に清掃するといった対応が効果的です。ただし、力任せにこすると舌を傷つけてしまうため、注意が必要です。
また、水分を十分に摂取したり、口腔ケアを徹底したりすることで、口腔内における細菌の増殖を抑え、舌苔の発生を防ぐことができます。
歯周病とはどのような症状ですか?
歯周病は、歯の周りの汚れや歯垢(プラーク)に含まれる細菌が作り出す毒素によって歯茎(歯肉)に炎症が起こり、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。
初期段階では自覚症状がでにくいですが、進行すると以下のような症状が現れます。
  • 歯みがきをすると歯茎から血が出る
  • 歯茎が腫れる
  • お口の中がねばつく
  • 硬いものが噛みにくい
  • 口臭が気になる
  • 歯肉が下がり、歯と歯の間に隙間ができる
  • 歯がぐらぐらする

歯周病は自然治癒が難しく、放置しておくとどんどん進行して治すことが難しくなってしまうため、これらの症状に心当たりがある場合は、早めに歯科医院を受診して検査を受けることをおすすめします。

ストレスで口臭が強くなることはありますか?
ストレスは、さまざまな身体機能に影響を与えることが知られていますが、口臭にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、唾液の分泌量が減少することがあります。唾液は、口内を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑える役割を担っているため、唾液の分泌量が減ると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となります。
また、ストレスは、消化機能にも影響を与え、胃酸の分泌量を増加させることがあります。胃酸の増加は、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)の発生を促進する可能性があります。
さらに、ストレスによって、免疫力が低下することもあります。免疫力の低下は、口内細菌のバランスを崩し、口臭の原因となる細菌の増殖を促進する可能性があります。

口臭の治療法について

口臭の治療法について

口臭は歯医者で改善できますか?
歯医者での治療で口臭は改善できる可能性があります。
口臭の原因はさまざまで、歯周病、むし歯、舌苔、口腔乾燥症など、歯科で治療可能なものが多くあります。
例えば、歯周病は口臭の最も一般的な原因の一つですが、歯科医院で適切な治療と口腔ケアを行うことで改善が見込めます。また、むし歯や歯磨き不足による口臭も、歯科医院での治療や歯磨き方法の指導によって改善が可能といえるでしょう。
そのほかにも、舌苔が原因の場合は、歯科衛生士による舌の清掃指導を受けることで、口臭を軽減できます。口腔乾燥症の場合は、唾液分泌を促す薬の処方や、適切な口腔ケアの方法を指導してもらうこともできます。
ただし、口臭の原因が全身的な病気や食生活、精神的なストレスなど、歯科以外の要因である場合もあります。そのような場合は、歯科医院で相談し、必要に応じてほかの医療機関への紹介を受ける必要があるかもしれません。
歯のクリーニングはどの程度の頻度で受けるべきですか?
歯のクリーニングの頻度は口臭対策としても重要です。
一般的には、歯のクリーニングの適切な頻度は3ヵ月から6ヵ月に1回程度が推奨されています。
このくらいの頻度で歯科検診を受けつつ、歯科医院での指導に従った適切なホームケアを行っていれば、歯周病などのトラブルも進行しにくく、歯石などもすぐに除去が行えるため、口臭の悩みも生じにくいといえるでしょう。
ただし、すでに歯周病などの症状が出ている場合は早めにその原因を解消する必要があるため、半月や1ヵ月に1回など頻繁に通院してクリーニングを受ける必要があります。
歯周病の症状がおさまってきたら、2ヵ月に1度や3ヵ月に1度など通院の頻度を落としていっても問題なくなってきますので、歯科医師や歯科衛生士の指示にしたがって通院するようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

口臭の原因はさまざまですが、歯や歯茎などのお口の中のトラブルが原因となっていることも多くあります。
口臭が気になるということは、お口の中のSOSに気付けたと前向きに捉えて、口内環境の改善をしてみてはいかがでしょうか。
歯科医院を受診して口臭の原因を明らかにし、歯科医師と相談しながら、適切な治療と、適切な頻度でのクリーニングを行うことが口臭対策につながるでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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