注目のトピック

歯医者

歯科検診は保険適用で受けることができる?保険適用と適用外の違いや受けられる内容について解説

歯科検診は保険適用で受けることができる?保険適用と適用外の違いや受けられる内容について解説

歯の健康を守るために定期的な歯科検診を受けたいと思っても、保険適用で利用可能なのかどうかなど、歯科検診について疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、歯科検診の具体的な内容や、保険適用で受ける場合の費用など、さまざまな疑問にお答えします。

歯科検診について

歯科検診について

歯科検診について教えてください
歯科検診は、歯医者さんで行われる、むし歯や歯周病といった口腔トラブルを早期に見つけるための診療を指す言葉です。
任意のタイミングで歯科医院に通うことで受けられ、歯科検診を適度な頻度で行うと、むし歯や歯周病を初期の段階で見つけることができるため、身体的、経済的な負担が小さい治療で口腔トラブルを改善することが可能となります。

一方で、似ている言葉に歯科健診があります。こちらは歯科健康診査の略称であり、国や行政が実施している歯の健康診断のことです。
歯科健診は企業や学校の健康診断などで行われる定期的な健康診断や、1歳6ヶ月、3歳といった幼児期に行われるもの、自治体で実施される年齢に応じた健康診断が該当します。

歯医者さんで行われる歯科検診では、歯のトラブルがないかを確認すると同時に、なにかトラブルが見つかればその治療を行ったり、歯についた汚れを除去するクリーニングの処置などが同時に行われます。
一方で、国や行政が実施する歯科健診は、あくまでも歯の健康状態を確認するためのものなので、なにか悪いところが見つかっても、治療は別途歯科医院に自分で通う必要があります。
どちらも歯の健康を保つために大切なものですが、行政機関によって実施されている歯科健診だけでは、歯のトラブルを未然に防ぐことは難しいといえます。
しっかりと歯の健康を守り続けるためには、数ヶ月おきなど、定期的に歯科医院での歯科検診を受けることが大切です。

歯科検診はなぜ必要なのですか?
歯医者さんには、むし歯などが進行して、痛みなどの症状があれば通うという方も多いのではないでしょうか。
しかし、むし歯や歯周病といった口腔トラブルは、初期段階では痛みなどの自覚症状もなく、痛いといった症状が出ている場合には、すでにかなり進行してしまっている可能性が高くなります。
そして、歯は皮膚のような再生能力を持っていないため、一度削ったり、抜いたりしてしまうと、自己治癒力でもとに戻すということができません。
むし歯や歯周病が進行してから治療しようとすると、どうしても歯を大きく削ったり、歯の神経を除去したり、場合によっては抜歯をしたりといった対応が必要になります。
一方で、適切な頻度で歯科検診を受けていると、自覚症状が出ていない段階のむし歯や歯周病もしっかりと見つけることができるため、歯をほとんど削らなくても、症状を改善させることができるようになるため、歯の健康を守り続けるためには歯科検診が重要となります。

また、歯磨きなどのセルフケアをしっかり行っているという方でも、どうしても磨き残してしまいやすい部位には歯垢や歯石が蓄積し、むし歯などのリスクが生じてしまいます。
歯科検診では、こうした歯石も専門的なクリーニングでしっかりと除去することができるため、口腔内の健康が保たれやすくなります。

歯科検診はどの程度の頻度で受けるべきですか?
歯科検診は、少なくとも半年に1度、可能であれば2~3ヶ月に1度程度の頻度で受けることが推奨されます。
むし歯は歯を表面側から溶かしていく病気であり、歯の一番外側にあるエナメル層はとても硬い性質を持っているため、半年に1度歯科医院で検査を受けていれば、仮にむし歯ができてしまったとしても、歯を大きく削らず治療することが可能となります。
しかし、普段の歯のケア状況や体質などによってはより早くむし歯が進行してしまう可能性もありますので、歯石などが歯に影響を及ぼしやすくなる2~3ヶ月ほどの期間が空いたら、一度検査を受けるとよいでしょう。
歯科検診を受けるデメリットはありますか?
歯科検診自体にはデメリットはありませんが、定期的な通院を負担に感じる方はいるかもしれません。
無理なく定期検診を受けるためには、家や職場に近い歯科医院や、仕事帰りなどの遅い時間に診療を受けられる歯科医院など、通いやすさを重視してクリニックを選んでみるとよいでしょう。

歯科検診の保険適用について

歯科検診の保険適用について

歯科検診は保険適用で受けることが可能ですか?
以前は、歯科検診が保険適用とならない場合もありましたが、現在は基本的な検査や、歯の健康を維持するために必要なクリーニングについては保険適用で受けることができます。
ただし、通う頻度や目的によっては保険適用とならない場合もあるので、保険適用の範囲内で歯科検診を受けたいという方は、歯科医師にその旨を伝えるようにするとよいでしょう。
歯科検診が保険適用とならない場合はありますか?
歯科検診は、歯の健康を維持する目的の場合には保険適用となりますが、例えば歯を白く美しい見た目にしたいというような観点でのクリーニングなどについては、保険適用となりません。
また、保険適用となる回数は月に1度または3ヶ月に1回という頻度になるため、毎週のように歯科検診を受けたいというような場合も、保険適用外となります。
頻度については歯科医院が国から口腔管理体制強化加算などの認定を受けているかどうかも影響し、口腔管理体制強化加算の認定がある歯科医院であれば、月1回の歯科検診およびメンテナンスが保険適用で受けられます。
また、口腔管理体制強化加算の認定を受けている歯科医院であれば、フッ素塗布などの処置も保険適用で受けることができるため、より歯の健康を維持する予防治療が受けやすくなります。
歯科検診にはどの程度の費用がかかりますか?
保険適用での歯科検診は、3割負担の方で1回あたり2,500~3,000円程度です。
ただし、歯科検診と同時に何かしらの処置を受ける場合などは、これよりも費用がかかることとなります。
保険適用外の場合は歯科医院によって自由に料金が設定できる自費診療となるため、必要な費用にバラつきがありますが、歯科検診だけであれば1万円程度で受けられるところが多いでしょう。
国の制度としての歯科検診とは何ですか?
歯の健康診断については、前述のとおり、国などの行政機関が実施する歯科健康診査(歯科健診)があります。
こちらは定められた年齢や、会社や学校などでの健康診断の際に行われるもので、健康な身体を維持するサポートとして提供されています。
行政機関が行う歯科健診は無料で受けられるものも多いので、自身が受けられる検査があるという方は、利用してみてはいかがでしょうか。

歯科検診で受けられる内容

歯科検診で受けられる内容

歯科検診の内容について教えてください
保険適用で行われる歯科検診は、むし歯や歯周病の検査のほか、歯石除去や歯の表面のクリーニングといった専門的な歯のケアも含まれます。
また、検査の結果として適切な歯磨きが行われていないと判断された場合は、歯磨きやフロスの使い方の指導といった内容も保険適用となります。
定期検診ではどのような検査を行いますか?
定期検診では、上述のような歯科検診の内容を実施します。
検査は目視によるむし歯などのチェックのほか、専用の器具で歯茎の状態などを調べ、歯周病などの状態を確認します。場合によっては、特殊な液体によって歯垢を染め出して歯の磨き残しをチェックしたり、レントゲンなどを用いて歯の状態を詳しく調べ、歯の健康状態を確認します。
定期的な診断を受けると、前回の歯科検診からの変化などから、歯の磨き残しがどこで生じやすいかといった、日常生活で注意するべきことなどもよりわかりやすくなります。
歯周病健診とは何ですか?
歯周病はむし歯と並んで歯を失う大きな要因となっている病気で、痛みなどの自覚症状がないため、気が付いたら歯がグラグラとしてしまったり、抜けたりしてしまう状態となる可能性があるものです。
むし歯と同様に歯周病も早期に症状を見つけて治療、ケアを行うことが大切であり、適切な治療を目的として、歯周病の有無や症状の進行の専門的な検査を実施する歯周病健診(歯周疾患検診)が、国主導のもとで行われています。
歯周病健診は40歳、50歳、60歳、70歳といった年齢で提供されていましたが、2024年以降20歳と30歳の方も対象となる方針が発表され、行政負担での検査が受けやすくなっています。
妊婦検診はなぜ必要なのですか?
妊娠期間中に受ける検査は、妊婦検診と呼ばれます。
妊娠期間中はホルモンバランスの変化によって口腔環境が悪化しやすく、一方で胎児への影響を避けるため、麻酔や内服薬の使用が制限される時期です。
つまり、むし歯や歯周病といったトラブルが進行しやすく、適切な治療は行いにくいため、できる限り早くむし歯などのトラブルを見つけ、身体への負担が少ない形での治療を行う必要があります。
妊婦検診は、トラブルの早期発見と、症状が軽度のうちの治療を行うため、とても重要な検診であるといえます。

編集部まとめ

編集部まとめ

歯科検診は、保険適用であれば3,000円程度で利用することが可能であり、定期的な歯科検診を受けることで歯は健康な状態を生涯にわたって維持し続けやすくなります。
むし歯や歯周病といった口腔トラブルはなかなか自覚症状も出にくく、自覚症状が出てからでは歯をしっかりと残す治療も行いにくくなってしまいますので、しっかりと歯科検診を定期的に受けて、健康な歯を維持し続けましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 / 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)

東京歯科大学歯学部 卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学) 卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340