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歯の先端がギザギザになる原因|子どもと大人それぞれの原因や治療法を解説

歯の先端がギザギザになる原因|子どもと大人それぞれの原因や治療法を解説

歯の先端がギザギザして気になることはありませんか?特に子どもの永久歯に見られるマメロンや大人の歯ぎしりや酸蝕症による摩耗など、原因はさまざまです。

見た目だけでなく噛み合わせや歯の健康にも影響を及ぼすことがあるため、正しい理解と適切な対応が重要といえます。

本記事では歯の先端がギザギザになる主な原因やその予防法、歯科での治療法について解説しています。自分自身やお子さんの歯の状態を知り、ケアが行えるよう参考にしてもらえると幸いです。

子どもの歯の先端がギザギザになる原因

歯磨きする親子

生え変わった永久歯の先端がギザギザになる原因を教えてください。
子どもの永久歯の先端がギザギザしている主な原因はマメロンと呼ばれる正常な歯の形状によるものです。
これは歯の発育過程で作られるもので、生えたばかりの永久歯にはよく見られます。通常では日常の咀嚼や歯磨きによって自然に摩耗し、数ヶ月から数年で滑らかになるでしょう。
ただし2年以上経ってもギザギザが残る場合は、噛み合わせの問題や歯並びの異常が原因である可能性があります。そのような場合は、歯科医師に相談し必要に応じて歯列矯正治療を検討することが重要です。
マメロン(切縁結節)について詳しく教えてください。
マメロンは永久歯の切縁にできる小さな丸みを帯びた突起で、歯の形態の一つとして知られています。
これは永久歯の形成過程において、エナメル質が発育葉と融合する際にできる構造です。
マメロンは特に前歯の切縁によく見られ、子どもの永久歯が萌出直後によく目立ちます。これらは成長や咀嚼による自然な摩耗で徐々に平らになり、通常は成人期になるとほとんど見られなくなります。
医学的にはマメロンは正常な歯の発育過程の一部であり、健康上の問題を起こすことは稀です。ただし、マメロンが著しくとがっている、または不快感がある場合は歯科医師に相談することをおすすめします。
マメロンの存在は、歯の萌出初期の状態を示す指標の一つとしても使われています。
マメロンはだんだんと目立たなくなりますか?
マメロンは時間とともに自然に目立たなくなっていくのが一般的です。
マメロンは日常的な咀嚼や発音、歯ぎしりや歯の接触などの刺激で徐々に摩耗していきます。これにより切縁が目立たなくなります。
個人差はありますが、数ヶ月から数年以内にほとんどの子どもで自然に消えていきますが以下のようなケースでは長く残る可能性があるでしょう。
  • 前歯の噛み合わせが弱くあまり接触しない場合
  • 噛み合わせのバランスが悪く奥歯だけで噛んでいる場合
  • 食生活がやわらかい食べ物に偏っていて咀嚼刺激が少ない場合

このような場合は、マメロンが消えにくくなる可能性があります。

マメロンが残ってしまう原因を教えてください。
マメロンが残ってしまう主な原因は、前歯がうまく接触せず摩耗が起きにくいことにあります。
例えば開咬と呼ばれる上下の前歯が噛み合わない噛み合わせや、過蓋咬合といって奥歯が強くあたり前歯がほとんど使われない状態では、マメロンはあまり削れません。
さらに咀嚼回数が少なかったり、口呼吸が習慣化していたりすると顎の発達が不十分で前歯に十分な力がかからないなど、日常的な習慣や身体の成長状態も関係しています。
こうした条件が重なると、成長してもマメロンが明瞭なまま残ることがあります。

大人の歯の先端がギザギザになる原因

デンタルケア 審美歯科

大人になってから歯がギザギザになることはありますか?
大人になってから歯の先端がギザギザに見えるようになるのは、いくつかの要因が関係しています。
まず代表的なのは歯ぎしりや食いしばりです。無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせる癖があると、歯のエナメル質が摩耗し、結果として先端が不均一になります。
これは咬耗と呼ばれる状態で、特に夜間の歯ぎしりは顕著な影響を与えるとされています。
また酸蝕症も要因の一つです。
これは酸性の飲食物、例えば炭酸飲料水や柑橘類の過剰摂取によって歯の表面が化学的に溶けてしまう現象です。エナメル質が弱くなることで歯の縁がもろくなり、ギザギザに見えることがあります。
さらに歯の外傷や事故による欠けも原因です。転倒やスポーツ中の衝突によって歯が部分的に欠け、先端が不規則になることがあります。
このようなケースでは、見た目だけでなく噛み合わせにも影響するため早期の治療が重要です。
一方で、加齢による歯の変化も見逃せません。年齢とともに歯のエナメル質は自然とすり減り、特に上下の前歯は摩耗しやすくギザギザが目立つようになることもあります。
これは必ずしも異常ではありませんが、気になる場合は補綴処置といった選択肢も考えられます。
これらの変化はゆっくりと進行するため、自分では気付きにくいこともあるでしょう。もし以前と異なると感じた場合は、かかりつけの歯科医師での確認をおすすめします。
酸蝕症について詳しく教えてください。
酸蝕症は酸性の物質が歯の表面を化学的に溶かすことで生じる疾患です。むし歯とは異なり、細菌の関与なしに酸そのものが歯を浸食します。
要因は大きく内因性と外因性がわけられます。内因性の要因には、胃食道逆流症や摂食障害による嘔吐など体内からの酸の逆流が原因です。
外因性の要因としては、柑橘類の果物やジュース、黒酢など酸性度の高い飲食物の過剰摂取です。これらの酸性物質が頻繁に歯に触れることで、エナメル質が徐々に溶け歯の先端が薄くなったり欠けたりすることがあります。
酸蝕症の初期段階では自覚症状がないため、進行するまで気付かないことも少なくありません。進行すると冷たいものや甘いものに対する感受性が増し、知覚過敏の症状が現れることもあります。
また歯の表面が滑らかになり、光沢を失うことも特徴です。
年齢を重ねると歯がギザギザになりやすいですか?
年齢を重ねると、歯の先端がギザギザになることがあります。
これは長年の使用による自然な摩耗や、エナメル質の微細なひび割れが原因です。
加齢に伴い、歯の表面が徐々に不規則になり些細な衝撃でも欠けやすくなるため、ギザギザが生じやすくなります。このような変化は歯の健康や美観に影響を与える可能性があります。
日々の適切なケアと定期的な歯科検診が、歯の状態を維持するために重要です。

予防法や治療法

歯ブラシと歯磨き粉

歯の先端のギザギザを予防する方法を教えてください。
歯の先端がギザギザになるのを防ぐためには、酸蝕症や歯ぎしりといった要因への対策が重要です。
まず酸蝕症を防ぐには酸性の飲食物を避け、飲食後は水でお口をゆすぎましょう。すぐに歯を磨くのは避け、フッ素入りの歯磨き剤を使用すると効果的です。
また歯ぎしりによる摩耗を防ぐためには就寝時にマウスピースを装着するのが有効です。
歯ぎしりの背景にストレスがある場合は、日常的にリラックスできる時間を作ることも予防につながります。
歯の先端のギザギザは削っても大丈夫ですか?
歯の先端がギザギザしている場合、削ることが可能ですが慎重な判断が必要です。
特に子どもの永久歯の先端に見られるマメロンは、生えたばかりの自然な形状で通常は咀嚼を通じて自然に整えられていきます。問題がなければ削る必要はありません。
大人の場合は、歯ぎしりや酸蝕症などによって先端が摩耗しギザギザになることがあります。このような場合、見た目や噛み合わせに支障があれば歯科医師に相談し、必要に応じて適切な治療を受けることが大切です。
歯科医院での歯のギザギザの治療法を教えてください。
歯の先端がギザギザしている場合、歯科医師は原因に応じた治療を行います。
まず歯ぎしりや酸蝕症による摩耗が原因なら、マウスピースの装着で歯への負担を減らし、さらなるダメージを防ぎ、また欠けやひび割れがある場合は詰め物や被せ物で補修することもあります。
軽度のギザギザなら、表面を滑らかに整える研磨処置が行われることもあるでしょう。
治療は見た目の改善だけでなく、噛み合わせの調整や歯の健康維持を目的としています。

編集部まとめ

男性医師と看護師

子どもの永久歯に見られるマメロンは成長過程で自然に滑らかになることがあるため、慌てて削る必要はありません。

一方大人の場合は、歯ぎしりや酸による摩耗が主な原因で、見た目や噛み合わせに支障が出ることもあります。

そうした場合は歯科医師による適切な治療が大切です。治療にはマウスピースの使用や欠けた部分の補修、表面の調整などがあり、自分に合った方法を相談できます。

歯のギザギザが気になる方は早めに歯科医師に相談し正しいケアを行うことが、将来の歯の健康を守る第一歩です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

岸 民祐歯科医師(医療法人 Teethプラザ歯科 院長)

1981年日本歯科大学新潟歯学部卒業 / 1981年~1983年横浜 有楽歯科勤務 / 1983年広島市西区にて岸歯科医院開業 / 1998年中区へ移転、(医)ティース プラザ歯科開業,現在に至る / 所属協会・資格: / (公社)日本口腔インプラント学会 理事・指導医・認定医 / (公社)日本歯科先端技術研究所 指導医・認定医 / ピエールフォシャールアカデミー国際歯学会 会員 / 昭和歯科大学歯学部 外部講師 / その他:瀋陽医学院(中国) 客員教授 / ティースアート広島店

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