セレックでラミネートベニアの治療は受けられるのか気になったことがある方はいると思います。特に、前歯の変色や変形などがコンプレックスになっている方にとっては、セレックを使ったラミネートベニアは、費用や治療期間の面で魅力的に思えることでしょう。
そこでこの記事では、セレックでラミネートベニア治療が受けられるのかや、セレックを使わない方法との違いなどに関して、これからセレックでラミネートベニアを受けようと考えている方にわかりやすく解説します。
セレック治療とは
- セレックについて教えてください
- セレック治療とは、ドイツ製のCAD/CAMシステムを用いて、セラミック素材の歯の詰め物や被せ物を設計および作製し、治療することです。いままでのセラミック素材を使った治療は、歯型取りや模型作製、そして歯科技工士による削り出し作業などが必要でしたが、セレックによって作業の効率化が実現し、セラミック素材を使う歯科治療のコストや時間を削減できるようになりました。
セレック治療では、目立ちにくい補綴物を短時間で作製可能であり、歯の機能性を補うだけでなく、審美性の高さも兼ね備えた治療法ということが特徴です。
- セレックによる治療は保険適用ですか?
- セレック治療は条件付きながら保険適用になります。2024年6月の診療報酬改定により、CAD/CAMシステムを使ったハイブリッドセラミック製の補綴物が保険適用になりました。ハイブリッドセラミックとは、セラミックとプラスチックが混ざった素材のことです。原則としてすべての歯が保険適用となるものの、ハイブリッドセラミックは色味が決まっているため、ほかの歯の色と調和するとは限らないことに注意しましょう。色味やほかの歯との調和を追求する場合は、保険適用外のオールセラミックを使ったセレック治療を選択する必要があります。
- セレックのメリットは何ですか?
- セレックのメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 目立ちにくい
- 審美性に優れている
- 金属アレルギーの心配がない
- 治療期間やコストを抑えやすい
- 劣化しにくい
- 二次むし歯になりにくい
- 設計や作製工程がシンプル
セレック治療は、目立ちにくいことや、審美性が高いことがメリットです。また、治療を終えるまでの期間が短く済むことや、治療コストを抑えやすいこと、そして銀歯と比較して治療した歯が二次むし歯になりにくいこともメリットといえます。
- セレックと通常のセラミック治療の違いを教えてください
- セレックとセラミック治療の違いは、補綴物の作製方法が異なる点です。セレックは設計から削り出しまでをコンピューター制御で行うのに対し、セラミック治療は歯型取りから技工物の加工までを歯科医師や歯科技工士が行います。同様のセラミック製補綴物を作る作業でも、作製方法が大きく異なるため、結果として治療にかかる時間やコストに違いが生じます。
また、補綴物の仕上がりにも違いがあるといわれています。セレックは、3D光学カメラで撮影した画像をベースにして補綴物を設計する一方、セラミック治療では歯科医師や歯科技工士が確認しながら設計するため、より自然に近い色調(歯の色)を再現しやすく、審美性に優れた仕上がりになりやすいといえるでしょう。
ラミネートベニアとは
- ラミネートベニアとは何ですか?
- ラミネートベニアとは、歯の表面に貼り付けるセラミック素材の被せ物です。主に、目立ちやすい前歯などに用いることが多く、歯の欠けや隙間、変色などの欠点を補うことを目的に使用されます。治療対象の歯のエナメル質をわずかに削り、歯科用接着剤で固定することで、見た目の印象が改善される特徴があります。例えると、付け爪を想像するとわかりやすいかもしれません。
ラミネートベニアは、天然の歯に近い見た目をしていることや、劣化しにくい、そして短期間で審美性を高められるため、できるだけ短期間のうちに歯の印象を改善したい方に適した治療法といえるでしょう。
- ラミネートベニアのメリットを教えてください
- ラミネートベニアのメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- 短期間で歯の変色、隙間、捻じれ、大きさなどを改善できる
- 劣化しにくい
- 既存の歯に対する負担が少ない
ラミネートベニアは、ごく短期間のうちに、さまざまな歯のコンプレックスを解消できることがメリットです。特に、目立ちやすい上顎の前歯で、変色や変形、さらには不揃いなどの症状でお悩みの方にはぴったりの治療法といえるでしょう。
- ラミネートベニアにデメリットはありますか?
- ラミネートベニアには、以下のようなデメリットがあると考えてください。
- 保険が適用されない
- わずかながら歯を削る
- 破損リスク
- 根本的な改善とはいえない
- 将来に再治療が必要になる可能性がある
- 術者の技術や経験が仕上がりに影響しやすい
ラミネートベニアは、保険適用外の自由診療なので費用が高いことがデメリットになるでしょう。また、わずかながら歯のエナメル層を薄層切削する必要があることや、将来的に歯肉が退縮した場合、再治療を検討しなければならないデメリットもあります。
セレックによるラミネートベニアについて
- セレックでラミネートベニアの治療は可能ですか?
- セレックでラミネートベニアの治療は可能です。
セレックのシステムを導入している歯科医院で、なおかつラミネートベニアに対応していれば治療を受けられるでしょう。セレックを導入している歯科医院は限定されるかもしれませんが、まずはセレック治療に対応している歯科医院を探すことから始めてください。また、検討対象となる歯科医院が、ラミネートベニアに対応しているか否かはもちろん、ラミネートベニア治療の経験が豊富かどうかもしっかり確認するようにしましょう。
- セレックによるラミネートベニアと通常の治療法の違いはありますか?
- セレックによるラミネートベニアと通常のラミネートベニアの違いは作製方法です。セレックは、3D光学カメラで口腔内を撮影し、専用の機械でサイズや色調を調整してから削り出す流れになっています。一方、通常のラミネートベニアは、歯科医師と歯科技工士らが設計と作製に携わります。この違いによって、治療期間、コスト、そして仕上がりに差が生じるわけです。
いずれの方法も治療目的は同じですが、コストや仕上がりなどの条件をよく考慮したうえで選択するようにしましょう。
- セレックでラミネートベニア治療を受けるメリットは何ですか?
- セレックでラミネートベニア治療を受けるメリットは、コストと時間を抑えやすいことです。例えば、セレックによるラミネートベニアのコストは、1本あたり50,000円が目安になる一方、通常のラミネートベニアは70,000円を超えることが一般的で、セレックの方が費用負担は小さいといえます。
また、セレックのラミネートベニアは、早ければ1日で完了するのに対し、通常のラミネートベニアでは2回の通院が必要で、短くても2週間かかることがほとんどです。したがって、セレックのラミネートベニア治療を受けるメリットは、コストと時間を抑えやすいことといえるでしょう。
編集部まとめ
セレックでラミネートベニアの治療を受けることは可能です。昨今、セレックを導入する歯科医院は増えつつあり、セレックを使わない従来の方法と比べて、費用と時間を抑えやすくなっています。ラミネートベニアを検討している方は、セレックと通常の方法それぞれをよく比較し、ご自分に適している方法を選ぶようにしましょう。
参考文献