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子どもへの歯磨き指導は受けるべき?正しいケアを身に着ける方法やメリットについて解説

子どもへの歯磨き指導は受けるべき?正しいケアを身に着ける方法やメリットについて解説

小児歯科の診療を行っている歯科医院では、子どもに対する歯磨き指導などが行われています。
歯磨き指導によって正しいケア方法を身に着けることによるメリットや、家庭でのケアで気を付けたいポイントなどをご紹介します。

歯磨き指導について

歯磨き指導について

歯科医院での歯磨き指導とはどのようなものですか?
歯科医院での歯磨き指導では、まずはじめに歯磨きがどの程度しっかり行えているか、磨き残しの確認が行われます。
磨き残しを確認する際は歯垢を着色する染め出し液が使用され、具体的にどの部分の汚れが除去できていないかといった内容を、しっかり確認することができます。
磨き残しの確認をしたら、実際に歯磨きをして、歯磨き方法が適切かどうかのチェックをします。子どもが自分で歯磨きをすることができない年齢の場合は、保護者の方による歯磨き方法をチェックします。
普段の歯磨きについてのチェックが終わったら、歯磨きで適切に磨けていないポイントなどについて歯科衛生士が指導し、適切な歯磨き方法が伝えられます。
保護者の方が歯磨きを行う年齢の場合には、歯科衛生士がお手本として歯磨きの実演を行うため、具体的に歯磨きの方法を見て覚えることができます。
歯磨き指導では、歯ブラシを使ったケアだけではなく、フロスなどの補助器具をどのように使用するかといった内容も教えてもらいます。
歯磨き方法の指導が終わったら、専用の機械で歯石を除去するクリーニングを行い完了となります。なお、歯磨き方法の指導という点では上記のような流れとなりますが、小児歯科での歯磨き指導では、このほかにも子どもが歯磨きの大切さを理解できるよう、むし歯に関する絵本などを使用して、歯磨きに興味を持ってもらうための対応なども行われます。
歯磨き指導は誰でも受けられますか?
歯磨き指導は、歯が生えている状態であれば、子どもから大人まで基本的に誰でも受けることができます。
基本的に歯科衛生士による指導が行われ、保険診療にてその内容や費用(報酬)も定められています。
なお、歯磨き指導は18歳未満の子どもに対するものと、永久歯が生えそろっている大人に対するもので内容などに差があり、診療報酬についても子どもの場合は小児口腔機能管理料として算定されるのに対し、大人の場合は歯科衛生実地指導料として算定されます。
どちらも月に1回の算定が可能で、診療報酬は80点から100点程であるため、3割負担で2,400円から3,000円程度がかかるものとなります。
歯科衛生実地指導料については患者さんに対して直接15分以上の実地指導を行うこととなっているため、歯磨き指導を受ける場合は少なくとも15分は時間がかかると考えた方がよいでしょう。
保育園や学校での歯磨き指導と歯科医院での指導は同じですか?
歯磨き指導は、歯科医院で個別にうけなくても、保育園や学校での教育の一環としても行われています。
両者の違いとしては、まず保育園や学校で行われる指導は子ども一人ひとりが適切に歯磨きを行えるようになることというよりも、歯を大切にするという意識の向上や、歯磨き習慣を身に着けるためのものという側面が強く、一般的な歯磨き方法の指導という形になります。
一方で、歯科医院での歯磨き指導は一人ひとりの歯並びや性格などに合わせた指導が行われるため、より適切な歯磨きの方法を身につけやすいという違いがあるといえるでしょう。
歯磨き指導は一度受ければ十分ですか?
適切な歯磨きの方法は、一度指導を受ければしっかりと身につくというものではありません。
自分ではできていると思っていても、どうしても歯ブラシの動かし方の癖などによって磨き残しが出てしまう可能性がありますし、成長による歯並びの変化によって適切な磨き方が変わる場合もありますので、可能であれば定期的に歯磨き指導をうけて、適切な歯磨き方法を身に着けるようにした方がよいでしょう。

子どもへの歯磨き指導によるメリット

子どもへの歯磨き指導によるメリット

子どもがプロの歯磨き指導を受けるメリットはなんですか?
歯のトラブルを予防するためには、歯科医院での治療も大切ですが、やはり家庭での適切なケアを行うことが、健康な歯を維持するために重要です。
歯科医院では、子どもへの指導に慣れていて、一人ひとりの歯並びに応じた適切な歯磨き方法を伝えることができるプロが、染め出し液などを使用した視覚的にわかりやすい方法で指導を行うため、子どもの歯磨きへの意識を高めつつ、しっかりとケアを行う方法が身につけやすくなります。
特に子どもの歯(乳歯)はむし歯の進行が早いなどの特徴もあるため、早いうちから歯磨き指導を受けて清潔な口腔環境を保てるようにすることで、健康な歯を手に入れやすくなるといえるでしょう。
歯磨き指導は親子で受けるべきですか?
歯科医院での歯磨き指導は、可能な限り親子で受けた方がよいでしょう。
親と一緒に指導を受けることで子どもが安心しやすく、歯医者に通うことへの苦手意識などが生じにくくなります。
また、子どもにとっての適切な歯磨き方法を親も把握しておくことで、家庭でもしっかりと適切な歯磨き方法を伝えやすくなるので、歯磨き指導の効果が高まります。
歯磨き指導で歯並びなどへの影響はありますか?
歯並びは遺伝によって決まると思いやすいですが、後天的な影響によっても歯並びは大きく変わります。
子どもの頃にむし歯などのトラブルが生じて噛み方に偏りなどが生じると、歯並びが悪くなってしまうといった影響につながる可能性もありますので、歯磨き指導で適切な歯磨きの方法を学び、むし歯などのトラブルが出ないようにケアを行うことは、良好な歯並びを手に入れるという点でも役に立つといえるでしょう。
また、正しい歯磨きで口腔内の筋肉が適切に刺激されることも、歯並びによい影響を与える要素となります。
子どもが歯医者を嫌がる場合は諦めた方がいいですか?
むし歯の治療で痛い思いをしたなどで、歯医者さんが嫌い、怖いという子どもの場合、無理に連れて行かない方がいいと思うかもしれませんが、できればこういった子どもにも歯磨き指導を受けるようにすることをおすすめします。
歯の治療はできるかぎり早期に治療をうけることが、生涯にわたって歯を残すためのポイントとなりますが、歯医者さんが怖いという感情を持ったままだと歯のトラブルが生じた際に治療が遅れる原因となってしまいます。
歯磨き指導は子どもが怖がるような対応が行われることはほとんどなく、歯磨きの大切さなどを理解してもらうと同時に、歯医者さんに対する恐怖心を減らすという効果も期待できる内容となっていますので、積極的に利用するとよいでしょう。

家庭でできる子どもの歯のケア

家庭でできる子どもの歯のケア

子どもが自分で歯磨きをできるようになったら一人立ちさせるべきですか?
子どもが1人で歯磨きをできるようになったら、親が関わらない方がよいと考える方も多いと思いますが、子どもが本当に適切な力加減で歯磨きをできるようになるのは10歳くらいが目安とされていて、それまでは親による仕上げ磨きを行うべきと考えられています。
もちろん、できる限り自分で磨けるようにするということは大切ですが、健康な歯を保つためには、10歳くらいまでは親による仕上げ磨きを続けるようにするとよいでしょう。
子どもの歯ブラシはどの程度の頻度で替えるべきですか?
歯ブラシの交換頻度は、子ども用と大人用のどちらでも1ヵ月に1回程度が目安とされています。
歯ブラシを毎日使っていると毛先が広がってしまい適切に磨きにくくなってしまうので、交換せずに使用し続けていると、正しい磨き方をしていても汚れが残りやすくなってしまいます。
ただし、子どもが歯ブラシの毛先を噛んだり、引っ張ったりして毛先が広がってしまう場合は、1ヵ月経過していなくても歯ブラシを交換するようにしましょう。
子どもの歯磨きグッズの選び方を教えてください
歯ブラシなどの歯磨きに使用するグッズは、年齢に合わせたものを選ぶことが大切です。
子どもの口腔環境や身体能力は日に日に大きく変化していきますので、年齢にあっていないものを使用すると、余計な負担をかけてしまったり、しっかりと歯磨きをすることができなくなってしまいます。
それぞれの歯磨きグッズには対象年齢などが定められていますので、それを参考に適切な商品を選ぶようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

子どもの歯磨き指導は、子ども一人ひとりに合わせた歯磨き方法を身に着けられるだけではなく、歯医者さんへの苦手意識なども少なくすることができるなど、健康な歯を保つためにはぜひ利用しておきたい内容となっています。
歯磨き指導は多くの歯科医院で行われていますので、まずは一度お近くの歯科医院などで相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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