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入れ歯をすると出っ歯に見える?出っ歯に見える原因や対処法を解説します!

入れ歯をすると出っ歯に見える?出っ歯に見える原因や対処法を解説します!

入れ歯を入れると出っ歯に見えるのではないか、あるいはそんな気がすると悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では入れ歯は出っ歯に見えるのかについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯をすると出っ歯に見えるのか
  • 入れ歯で出っ歯に見えるときの対処法
  • 選択できる入れ歯の種類

入れ歯は出っ歯に見えるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

入れ歯にすると出っ歯に見える?

入れ歯にすると出っ歯に見える?

入れ歯を装着されている方のなかには、出っ歯に見えると感じる方がいるようです。なかでも、総入れ歯の方に見られる傾向にあり、歯のない状態に慣れている方が入れ歯を装着すると、お口の周りにハリが出て、前歯が大きく強調されて感じられると考えられます。

また、入れ歯はその形や歯の並び、厚みなどが自身に合っていないと、以前とは異なる顔つきになったり、逆に老けて見えてしまったりすることも少なくありません。

ただし、出っ歯に見えるからといって前歯を引っ込ませると、噛み合わせが悪くなり、入れ歯が壊れる原因になることもあります。
したがって、入れ歯や見た目に違和感を感じた場合は、歯科医師に相談し調整してもらいましょう。

入れ歯が出っ歯に見える原因

入れ歯が出っ歯に見える原因

入れ歯が出っ歯に見える原因は、自身の感じ方だけでなく、以下のような問題が起こっている可能性があります。この場合、歯科医院に相談が必要です。

合わない入れ歯を使用している

入れ歯が出っ歯に見える原因の一つに、入れ歯が合っていないことが考えられます。
合わない入れ歯を長期間使用すると、噛む際に痛みや違和感が生じ、片側で噛む癖がつきやすくなります。その結果、口周りの筋肉に偏りが生じ、顔全体のバランスが崩れることがあります。

また、噛み合わせの高さが適切でない場合、顔の下半分が老けた印象を与えることがあります。
合わない入れ歯を使用していると不自然に見えてしまう恐れがあるため、自身にフィットした入れ歯を使用することが重要です。

顔の筋肉の使い方が変わった

入れ歯を装着すると、顔の筋肉の使い方が変わり、出っ歯に見えることがあります。なかでも、総入れ歯の場合、歯のない状態に慣れた筋肉が、入れ歯を装着することで活性化されるため、口元にハリが出て歯が前に押し出されるように見えることがあります。
このような筋肉の変化は自然なものですが、調整が必要な場合もあります。入れ歯装着の際に痛みがあったり、咀嚼する歯が偏っていたりする場合は特に注意が必要です。

自身に合った適切な入れ歯は、筋肉の動きをサポートし、自然な口元の維持につながるため、違和感がある場合は歯科医師に相談することをおすすめします。

入れ歯のサイズや色が合っていない

入れ歯のサイズや色が顔に合っていない場合も、出っ歯に見える原因になります。

歯肉の色合いや顔色に馴染まない入れ歯の色は、笑った時や話した時の印象が以前と違って見え、出っ歯に感じる可能性があります。

また、噛み合わせの高さが合わないと、口元が縦に長く見えたり、前歯が強調されることがあります。
なかでも、保険適用される入れ歯はレジン(プラスチック製樹脂)のため、使用を続けると人口歯がすり減り、噛み合わせが変わる可能性があります。
さらに、片方だけで噛む癖があるなどで噛み合わせが悪くなることもあります。

そのため、入れ歯のすり減りがある場合は、作り替えの検討が必要です。
噛み合わせは日々変わり続けるため、入れ歯を入れた後も定期健診と併せて噛み合わせのチェックを受けましょう。

入れ歯が出っ歯に見えるときの対処法

入れ歯が出っ歯に見えるときの対処法

入れ歯の作りによって出っ歯に見えることがありますが、高齢の方では加齢の要素が加わるため、その原因は入れ歯か加齢にあるのか、判別が難しいことがあります。

しかし、鹿児島大学歯学部の研究によると、使用中の入れ歯の不適切な点ならびに下顎の噛み合わせを改善することにより、見た目の自然感が回復されることが示されました。

入れ歯によって出っ歯になったと感じる場合は、入れ歯の調整や作り替えが必要になる可能性があるため、原因を特定するためにも、一度歯科医院で相談しましょう。

入れ歯の見た目で調整できること

入れ歯の見た目で調整できること

入れ歯は人工歯の色や形、歯茎の形状などを調整することで、自然な印象に変化します。以下では、調整できることについて解説します。

人工歯の色

入れ歯に使われる人工歯にはさまざまな種類のものがありますが、自身の肌や歯茎の色に合わせた色調を選ぶことで、より自然な見た目につながります。

人工歯の色は、入れ歯の見た目を左右する重要な要素です。なかでも、白すぎる歯は不自然に見えやすいため、適切な色の選択が大切です。

しかし、珍しい色の天然の歯を持つ患者さんの場合、製造されている人工歯では馴染みにくい場合があるため、馴染む色を選択する必要があります。

人工歯の歯並び

歯を整然と並べるときれいですが、ときに不自然に見えることもあります。
不自然に見える場合、人工歯を少しランダムに配置することで、立体感が出て自然な仕上がりが期待できます。
また、歯の角度や並び方を微調整し、患者さんの顔の表情や口元の印象に合った歯並びの入れ歯にしていくことが大切です。

このように、歯並びは、入れ歯の安定性や噛み合わせに関係しているため、仮合わせの段階で確認し、自身に合う歯並びかどうか確認が必要です。

人工歯の形やサイズ

人工歯の形やサイズも、顔の印象を左右します。
例えば、角張った歯は力強い印象に、丸みを帯びた歯は優しい印象につながります。また、歯の大きさも表情に影響を与え、大きな歯は元気な印象を、小さな歯は繊細な印象になります。

さらに、前歯に使用する歯が大きすぎる場合、話したり笑ったりする際に歯や歯茎が必要以上に剝き出しになり、それが出っ歯に見えると感じる可能性があります。

人工歯の形やサイズも顔の印象につながるため、自身の顔のバランスや希望に合った歯の形状やサイズを調整して、自然な笑顔にしましょう。

人工歯茎(床)

入れ歯は人工歯茎部分も調整できます。 人工歯茎の色は、周囲の歯茎やだいだい色に合わせて選ぶと、自然に調整できます。
また、素材によっては、歯茎の質感や厚みを変更し、より自然なフィット感と見た目の実現が期待できます。

自費治療ではさらに素材の選択肢が広がり、より精密で違和感の少ない入れ歯が目指せるため、予算や見た目の希望を医師に伝え、納得のいく入れ歯を作りましょう。

入れ歯の種類

入れ歯の種類

入れ歯には、保険適用のものから保険適用外のものまで、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、自身に合った入れ歯を選ぶことが重要です。

保険適用の入れ歯(義歯)・レジン床義歯

保険適用の入れ歯は、短期間で歯の欠損した部分を補って見た目を改善し、食事ができるようになることを目的としています。
保険適用で使用される入れ歯は、レジン床義歯です。レジン床義歯は、歯茎部分がプラスチックで作られているため、費用を抑えられるメリットがあります。費用は、3割負担で1万〜1万5,000円程度です。
修理や調整が容易とされていますが、歯の形や歯並びなどにこだわると伸びる可能性もあり、製作には2ヶ月程度かかる場合があります。

また、レジン床義歯は厚みがあり、装着時に違和感が生じやすい点や、食べ物の温度や味が感じにくいというデメリットもあります。耐久性が低く、定期的な作り直しが必要になる傾向にあるため、使用期間やメンテナンス頻度を考慮する必要があります。

保険適用外の入れ歯(義歯)

保険適用外の入れ歯には、金属床を用いたものや、シリコン製の入れ歯、ノンクラスプデンチャー、マグネットデンチャー、インプラントオーバーデンチャーなどがあります。

自由診療の総入れ歯は、薄さや素材のフィット感の違いから、保険診療の総入れ歯よりも快適な使い心地が期待できます。

金属床義歯

金属床義歯は、床(本体)部分が金属でできており、薄くても高い強度が期待できます。装着時の違和感が少なく、食べ物の温度も感じやすいとされています。
前歯に留め金がかかった場合でも見えにくいため、入れ歯であることがわかりにくく、症状や患者さんの希望に応じた設計ができるというメリットもあります。

金属床義歯は、耐久性としっかりとしたフィット感がありますが、保険適用外で費用が30〜50万円程度と高額になったり、破損した場合は修理に時間がかかったりするというデメリットもあります。
金属床義歯を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスをしっかり行うことが大切です。

シリコン義歯

シリコン義歯(コンフォート入れ歯)は、歯茎に接する部分がやわらかいシリコン素材で作られている入れ歯です。装着時の痛みを軽減させ、高いフィット感が期待できます。また、バネを使用しないため、歯への負担を軽減させます。

シリコン義歯は、噛むときの痛みを軽減させる働きがあるため、敏感な歯茎を持つ方におすすめです。また、今使用している入れ歯がズレやすく、歯茎と入れ歯の間に食べ物が挟まることを改善したい方にもおすすめです。

費用は40〜50万円程度と高めですが、金属アレルギーの心配がないのがメリットです。

しかし、シリコン義歯は経年劣化が進むと強度が落ちやすく、調整や修理が難しい場合もあるため、歯科医師の指示にしたがってメンテナンスや調整を受け、長持ちさせましょう。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、金属の留め具(スクラプ)を使わない部分入れ歯で、歯茎に馴染むピンク色の樹脂で作られるため、入れ歯と気付かれにくく、自然な見た目と高い審美性が期待できます。

また、床の部分を薄く製作でき、柔軟性があるため、装着時の違和感も少ないとされています。さらに、金属のバネを使わないため、残っている歯を痛めにくいというメリットもあります。

ただし、ノンクラスプデンチャーは、金属床義歯より噛む力が弱くなることや、再調整に時間がかかることがあります。
そのため、ノンクラスプデンチャーは初めて入れ歯を作られる方や、入れ歯の金属のバネで歯が締め付けられたり、違和感がある方、見た目を重視する方におすすめの選択肢です。

マグネットデンチャー

マグネットデンチャーは、その名のとおり磁力で維持させる入れ歯です。バネがないため、入れ歯であることがわかり難いというメリットがあります。

マグネットデンチャーは、歯根に磁石を埋め込み、入れ歯内部の磁石で固定します。磁石の力でしっかりと固定されるため、ガタつきが少なく、噛む力が安定するとされています。
また、隙間に食べかすが入りこみにくいため、噛むことへの不安や不快感がある方におすすめです。

マグネットデンチャーは部分入れ歯だけではなく、総入れ歯も製作できますが、歯根が残っていない場合は適用できません。
また、磁石を使用しているため、CTやMRI検査を受けたい場合は事前に歯科医院で除去が必要になるケースもあり対処が必要です。

マグネットデンチャーの費用の目安は、入れ歯の種類によって異なりますが、選択する入れ歯の費用に加え、マグネット1個につき3〜5万円程度必要になります。しかし、保険適用になるケースもあるため、検討する方は歯科医院に相談してみましょう。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、まったく歯がない方にマグネットデンチャーを適用する方法です。顎の骨にインプラントを埋め込み、埋め込んだインプラントの上部構造と入れ歯本体に磁石をつけ、入れ歯を安定させます。

長期的な安定感と快適さが期待できる一方、費用が50〜150万円程度と、高額になることがデメリットです。

適切な入れ歯の選び方

適切な入れ歯の選び方

適切な入れ歯を選ぶ際は、費用だけでなく、素材や使い心地のバランスを重視することが大切です。

まず、入れ歯の素材には軟質のものや硬質のものがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。また、入れ歯の種類には、総入れ歯や部分入れ歯、インプラント入れ歯などがあります。

入れ歯は、種類によって向き不向きがあるため、自身に合った入れ歯を選ぶには、まず歯科医師に相談し、残っている歯や顎の状態、予算に応じた選択を行うことが大切です。
そして、定期的にメンテナンスを受け、快適に入れ歯を使用しましょう。

まとめ

まとめ

ここまで入れ歯は出っ歯に見えるのかについてお伝えしてきました。入れ歯は出っ歯に見えるのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 入れ歯の作りによって出っ歯に見える可能性があるが、高齢者は加齢の要素が加わるため、その原因は入れ歯か加齢にあるのかは歯科医院での診察が必要
  • 人工歯の色や形、歯並び、サイズの調整、人工歯茎の色を調整したり、自身に合った入れ歯を装着して下顎の噛み合わせを改善したりすることにより、見た目の自然感を回復できる可能性がある
  • 入れ歯には歯茎部分がプラスチックで作られている保険適用の入れ歯のほか、保険適用外の金属床義歯、シリコン義歯(コンフォート入れ歯)、ノンクラスプデンチャー、マグネットデンチャー、インプラントオーバーデンチャーなどの種類がある

これらの情報が少しでも、入れ歯を入れたことによって出っ歯になったのではないかと悩まれている方や、これから入れ歯を入れる方々のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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