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入れ歯のお手入れ方法は?長く使うためのメンテナンス方法を紹介!

入れ歯のお手入れ方法は?長く使うためのメンテナンス方法を紹介!

「入れ歯のお手入れ方法が知りたい」と思っている方もいらっしゃるのではないのでしょうか? 入れ歯を長く快適に使用するためには、適切なお手入れとメンテナンスが欠かせません。そのため、適切なお手入れ方法を知ることが大切です。
本記事では、入れ歯のお手入れ方法について以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯のお手入れを正しく行わないとどうなる?
  • 効果的な入れ歯のお手入れ方法
  • 入れ歯のNGなお手入れ

入れ歯のお手入れ方法について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

入れ歯のお手入れを正しく行わないとどうなる?

入れ歯のお手入れを正しく行わないとどうなる?

入れ歯のお手入れを正しく行わないとさまざまなリスクが伴います。以下でリスクについて詳しく解説します。

口臭が発生しやすくなる

入れ歯のお手入れを正しく行わないと、口臭の原因となる場合があります。入れ歯のくぼみや隙間に溜まった汚れは、時間が経つと細菌がタンパク質を分解・発酵し、悪臭を放つガスを発生させるため、食べ物が腐ったような強い口臭を生じさせます。

また、保険適用の部分入れ歯には金属のバネが使用されますが、清掃が難しいため、さらに口臭が発生しやすくなります。なかでも、レジン製の入れ歯は水を吸収しやすく、細菌が入り込みやすいため、適切にケアしないと口臭が強くなる可能性があります。
したがって、入れ歯の正しいお手入れは、口腔内の清潔を保ち、口臭を防ぐために重要です。

口内炎の原因になる可能性がある

入れ歯のお手入れを正しく行わないと、口内炎の原因にもつながります。お手入れが不十分だとデンチャープラークと呼ばれる歯垢が付着します。
このデンチャープラークには無数の細菌が含まれており、そのなかにはカビの一種であるカンジダ菌が多く潜んでいます。

カンジダ菌は、人間の体液を栄養源とするため、入れ歯と粘膜の間で増殖しやすく、一度付着したカンジダ菌は取り除くことが難しいとされています。また、義歯の裏側に付着したデンチャープラークが歯肉と接すると、カンジダ菌が増殖する場合もあります。

カンジダ菌の増殖は口内炎の原因になる可能性があります。口内炎を防ぐためにも、入れ歯を清潔に保つことが大切です。

着色汚れが付くことがある

入れ歯のお手入れを正しく行わないと、着色汚れが付着する場合があります。主な原因は以下のとおりです。

  1. 食べ物や飲み物による着色
    コーヒー、紅茶、ワイン、カレーなどの色の濃い食べ物や飲み物は、入れ歯の表面に色素を残しやすく、着色汚れを引き起こします。食べ物や飲み物による着色を防ぐためには、食後に入れ歯を丁寧に洗浄を行いましょう。
  2. 喫煙による着色
    タバコのニコチンやタールが入れ歯に付着し、黄ばみや黒ずみを引き起こします。禁煙や、喫煙後に入れ歯をしっかりと清掃を行うと予防につながります。
  3. 口腔内の細菌や歯垢による着色
    口腔内の細菌や歯垢が入れ歯に付着すると、時間とともに着色汚れが発生します。そのため、入れ歯を磨いたり、抗菌性のうがい薬を使用したりして細菌の繁殖を防ぎましょう。
  4. 入れ歯の材質の劣化 入れ歯の材質が劣化すると、表面に小さな傷ができ、そこに汚れが溜まりやすくなります。定期的に歯科医でチェックを受け、必要に応じて入れ歯を調整や交換することが重要です。

正しいお手入れを続けると、入れ歯を清潔に保ち、着色汚れの低減につながります。

むし歯や歯周病の原因になる

入れ歯のお手入れを正しく行わないと、むし歯や歯周病の原因になる場合があります。主な原因は以下のとおりです。

むし歯の原因:
入れ歯自体はむし歯になりませんが、入れ歯に汚れが残っていると、汚れが周囲の健康な歯に移り、むし歯を引き起こす可能性があります。
また、入れ歯を支えている歯は力の負担が大きく、汚れが溜まるとさらにむし歯のリスクが高まります。入れ歯を清潔に保つためには、毎日の丁寧な歯磨きと適切な洗浄が不可欠です。

歯周病の原因:
入れ歯と粘膜の間は細菌が増えやすい場所です。むし歯と同様に入れ歯に汚れが溜まると、歯や歯茎に歯周病菌が増殖し、歯肉やほかの口腔内の粘膜に炎症を引き起こします。また、入れ歯を支えている歯は細菌に加えて力の作用により歯周病が進行しやすくなる恐れがあります。

正しい入れ歯のお手入れを行うと、むし歯や歯周病の予防につながります。定期的な歯科検診と日々のケアを心がけ、健康な口腔環境を維持しましょう。

入れ歯周囲のお手入れも大切

入れ歯周囲のお手入れも大切

入れ歯を使用する際には、入れ歯自体の清掃だけでなく、入れ歯周囲の口腔ケアも重要です。入れ歯周囲のお手入れ方法は、以下のとおりです。

まず、クラスプ(金属の留め具)が接する歯についてですが、入れ歯を外した状態で、歯ブラシを使って横から磨くことが推奨されます。特にクラスプが接する部分は汚れが溜まりやすいため、ブラシを細かく動かして、汚れをしっかりと取り除くことが大切です。

次に、入れ歯が直接触れていた歯の面については、歯間ブラシやフロスを使用して隅々まで清掃します。これらを使うことで、ブラシだけでは届かない細かな隙間の汚れも除去できます。

入れ歯を外した後の口腔内全体のケアをすることも重要です。口内を水でよくすすぎ、その後、柔らかい歯ブラシを使って歯肉、舌、そして上顎を優しく磨きます。これにより、食べ物の残りかすや細菌の蓄積を防ぎ、口臭の予防にもつながります。

部分入れ歯を使用している場合は、残っている自身の歯を丁寧に一本一本磨いてください。なかでも総入れ歯の場合は、上顎や頬の内側を含めた口腔内全体を清潔に保つことが必要があります。

さらに、歯茎のマッサージを行うことで血行を促進し、健康な歯茎を維持します。炎症が見られる場合には、優しくマッサージをすることで、症状の緩和を図ります。

舌の清掃も忘れてはなりません。舌ブラシを使用して舌背を除去することで、口臭の原因を減らし、全体的な口腔衛生を向上させます。

最後に、入れ歯安定剤を使用している方は、入れ歯を外した後に残った安定剤もしっかりと除去することが重要です。

これらの日々のケアと定期的な歯科検診を組み合わせることで、健康な口腔環境を維持し、むし歯や歯周病のリスクを低減させられます。

効果的な入れ歯のお手入れ方法

効果的な入れ歯のお手入れ方法

適切な入れ歯のお手入れは、むし歯や歯周病のリスクを減らすだけでなく、長期的に入れ歯の耐久性を保つ助けとなります。ここでは、正しい入れ歯のお手入れ方法を解説します。

入れ歯を外したら水につける

入れ歯の適切な管理方法として、使用後は水に浸しておくことが重要です。外した入れ歯を水に浸しておくと、入れ歯が乾燥によって変形するリスクを減少させ、素材の劣化を防ぐ助けをします。

入れ歯の質が変わると使用時のフィット感が損なわれる可能性があるため、入れ歯を外した際には、常に清潔な水に浸すことを心がけましょう。また、その水は毎日新しいものに交換することが望ましいとされています。

毎食後に洗浄する

毎食後に入れ歯を適切に洗浄するのは、口内環境を健康に保つために重要です。以下は、入れ歯を洗浄する手順です。

  1. 水の準備:まず、洗面器などに水を張ります。水を張ることで、入れ歯を落として破損するリスクや、誤って排水口に流れ落ちるのを防ぎます。
  2. 入れ歯の取り外しと清掃:食後、入れ歯を優しく取り外し、流水の下で洗います。この際、入れ歯専用ブラシを使用し、手の平に入れ歯を乗せて洗面器のうえで軽く磨きます。力を入れすぎずに汚れを優しく落としましょう。
  3. 汚れが残りやすい部分の丁寧な清掃:歯肉に接触する内面や、クラスプ(金属の留め具)がある部分は、汚れや細菌が残りやすいため、注意深く清掃する必要があります。

食後に入れ歯を洗浄することで、入れ歯を清潔に保ち、口内炎などの口内トラブルを防げます。

就寝前に入れ歯を手入れする

就寝前の入れ歯のお手入れは、一日の汚れを落とし、長持ちさせるために重要です。

まず、洗面器にぬるま湯を用意し、入れ歯を取り外してそのなかに置きます。直接水道水を使うと入れ歯が傷つく可能性があるため、やさしく洗浄することが推奨されます。

次に、入れ歯専用のブラシを使い、入れ歯の表面だけでなく、歯肉に接する内面や部分入れ歯のクラスプ部分など、汚れが溜まりやすい部分を丁寧に磨きます。力を入れすぎずに行い、汚れを優しく取り除きます。

最後に、入れ歯洗浄剤を使うためのぬるま湯は洗面器でなく入れ歯の容器に新しく用意してください。これにより、入れ歯が引き起こす可能性のある口内問題を予防できます。

定期的に入れ歯を調整する

定期的な入れ歯の調整は、口腔健康を保つために不可欠です。入れ歯は時間が経過するにつれて口内の形状変化に対応できなくなるため、適切なフィット感を維持することが重要です。

不適切なフィットの入れ歯は、不快感や口内炎の原因になるだけでなく、摂食障害や発音問題を引き起こすリスクもあります。さまざまな問題を避けるために、入れ歯を定期的に調整し、より快適に使用しましょう。

入れ歯のNGなお手入れ

入れ歯のNGなお手入れ

上記で適切な入れ歯のお手入れ方法について解説しましたが、ここでは入れ歯のNGなお手入れ方法を解説します。

熱湯に入れる

入れ歯を清潔に保つために熱湯を使う方法は避けるべきです。
入れ歯の多くはプラスチック素材で作られており、熱湯にさらすと材質が変形したり、劣化したりする恐れがあります。また、高温にさらされると、入れ歯が収縮し、患者さんのお口に適切にフィットしなくなる可能性があります。

入れ歯の洗浄には、熱湯ではなく常温の水道水を使用して行うことが推奨されます。さらに、ぬるま湯と入れ歯専用の洗浄剤を組み合わせることで、適切に洗浄できます。また、定期的に入れ歯を洗浄すると、口臭の原因となる細菌の繁殖を防ぎ、全体的な口内衛生の向上が期待できます。

硬い素材のもので磨く

入れ歯に頑固な汚れがついた場合には、硬いブラシや研磨性の高いメラミンスポンジなどの硬質素材での清掃は避けることが大切です。これらの清掃用具は入れ歯のデリケートな表面を傷つけることがあり、その結果、破損や劣化が加速され、入れ歯の寿命を短くしてしまいます。

そのため、入れ歯のお手入れには、専用の入れ歯ブラシを使い、柔らかい毛のブラシで丁寧に汚れを除去する方法が推奨されます。さらに、入れ歯専用の洗浄剤を使用することで、汚れや細菌の除去がより効率的に行えます。

入れ歯は特にプラスチック製の部分が傷つきやすく、微細な傷が細菌の増殖場所となるため、常に細心の注意を払いながらケアすることが重要です。このような適切なケアを行うことで、入れ歯を清潔に保ち、口内環境の健康も守れます。

歯磨き粉を使う

入れ歯のお手入れに歯磨き粉を使用するのは避けるべきです。大体の歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、入れ歯の表面に微細な傷がついてしまいます。

研磨剤によって付いた傷は、細菌やカビが繁殖しやすくなる原因となり、結果として入れ歯の衛生状態を悪化させる恐れもあります。

また、これらの微細な傷は、入れ歯の見た目にも影響を及ぼし、光沢を失わせることにもつながります。そのため、入れ歯のお手入れには入れ歯専用の歯ブラシや洗浄剤を使用し、適切に行うことが大切です。

まとめ

まとめ

ここまで入れ歯のお手入れ方法についてお伝えしてきました。入れ歯のお手入れ方法の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 入れ歯のお手入れを怠ると、口臭が発生しやすくなったり、口内炎の原因になったり、食べ物や飲み物、喫煙による着色汚れも発生しやすくなったり、むし歯や歯周病の原因になるため、正しいお手入れを行い、健康な口腔環境を維持することが大切
  • 入れ歯を外したら水につける、就寝前に入れ歯を手入れする、定期的に入れ歯を調整して適切にお手入れするとが大切
  • 入れ歯は、熱湯に入れる、硬い素材のもので磨く、歯磨き粉を使うことは推奨されていないため、入れ歯専用の洗浄剤や歯ブラシを使用することが大切

このように、入れ歯の手入れを怠ると、口臭や口内炎、着色汚れ、むし歯、歯周病などのリスクが増える恐れがあります。そのため、毎日の適切な手入れと定期的な調整を行うことが大切です。

さらに、定期的に歯科医でのチェックも忘れずに行い、入れ歯の状態を適切に保つように心がけましょう。入れ歯のお手入れ方法を理解するきっかけとなりましたら嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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