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【入れ歯】部分入れ歯とは?装着やメンテナンス方法についても解説!

【入れ歯】部分入れ歯とは?装着やメンテナンス方法についても解説!

自然な笑顔を取り戻すための一助として、部分入れ歯は多くの方に選ばれています。 本記事では部分入れ歯について以下の点を中心にご紹介します。

  • 部分入れ歯とは
  • 部分入れ歯の装着方法
  • 部分入れ歯のケアとメンテナンス

部分入れ歯について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

部分入れ歯とは

部分入れ歯とは

部分入れ歯の特徴や、部分入れ歯が選択される場合について紹介します!

部分入れ歯の定義と構造

部分入れ歯は、一部の歯を失った際に使用される取り外し可能な装置です。
この入れ歯は、残っている歯に金属のクラスプ(バネ)をかけて固定し、歯肉の粘膜上に置かれるピンク色の義歯床でサポートされます。部分入れ歯は、失われた歯の形態と機能を回復し、しっかりと噛む力を確保しながら、話す際や食事中の安定性を提供します。

また、部分入れ歯の設計は、現在ある歯と粘膜に均等に負担が分散されるように配慮されています。これにより、入れ歯がぐらつくことなく、痛みを避けつつ長期間快適に使用することが可能です。入れ歯の適切なメンテナンスにより、耐久性を高め、機能性を保持することができます。

どんな場合に部分入れ歯を選択するのか

部分入れ歯は、すべての歯を失っていない人向けの歯科補綴物です。一本以上の自身の歯が残っている場合、これらの自然な歯を支えとして入れ歯を安定させるために部分入れ歯が選ばれます。
いくつかの歯が失われたが、残りの歯は健康で支持が可能な状態のときに部分入れ歯を選択するとよいでしょう。これにより、噛む機能を改善し、残っている歯への過度な負担を防ぐことができます。

また、部分入れ歯は保険適用の範囲内で作成可能であり、コスト面でもアクセスしやすい選択肢です。自費診療でさらにカスタマイズされたオプションも存在し、機能性だけでなく見た目にも配慮した補綴が可能です。部分的に歯を失った場合、部分入れ歯は日常生活の質を向上させる重要な手段となります。

部分入れ歯の製作プロセス

部分入れ歯の製作プロセス

部分入れ歯はどのようにしてつくられるのかについて紹介します。

型取りと設計

入れ歯の製作において、正確な型取りと慎重な設計は重要です。最初に患者さんの口腔内を詳細に診査し、残存している歯、欠損部分の粘膜や骨の状態を把握します。この情報をもとに、入れ歯のための個人トレーを製作し、精密な印象採得を行います。この印象から作られる模型は、入れ歯の設計の基礎となります。

次に、咬合床と呼ばれる赤いロウとプラスチックで作られた入れ歯の原型を用いて、咬合採得を行います。これは、噛む位置の調整を行い、患者さんの噛み合わせを最適化するためのステップです。
最終的に、これらのデータをもとにして入れ歯が設計され、患者にとって快適で機能的な義歯が製作されます。この過程全体が入れ歯のフィット感や快適さ、機能性に直接影響を与えるため、専門的な技術と細心の注意が求められます。

入れ歯作り開始

入れ歯の製作は、患者さんの口腔の状態を忠実に再現する技術と精密な作業が求められるプロセスです。まず、咬合器という特別な機械を使用して患者さんの噛み合わせを模倣します。これにより、入れ歯の製作が可能になります。部分入れ歯の場合は、金属の維持装置を作製して入れ歯が動かないように固定し、総入れ歯の場合は上部構造を一つひとつ配置していきます。

歯の形状、色合いを細かく調整しながら、自然で機能的な入れ歯を目指します。特に自費診療の場合、調節機能がついた咬合器を使用し、より精密な調整を行いながら、患者さんのジョーや歯並びに完璧にフィットする入れ歯を作製します。この段階での丁寧な作業が、最終的な入れ歯の快適さと機能性を大きく左右します。

試適と調整

入れ歯の製作プロセスの重要なステップは、試適と調整です。試適では、製作中の入れ歯を患者さんの口内に一度装着し、外見やフィット感を確認します。特に、前歯の配置や義歯の見た目が自然であるか、顔貌や口元に違和感がないかを検証します。試適を通じて、必要に応じて細かな調整を加え、患者さんの快適さと機能性を引き出すよう努めます。

完成した入れ歯を装着後、初期には異物感や軽い不快感が生じることがありますが、これは時間とともに減少します。最終調整では、使用中に感じられる痛みや不具合を洗い出し、患者さんが日常生活で入れ歯を快適に使用できるよう微調整を行います。入れ歯の長期的な快適性と機能を保持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

部分入れ歯の装着と慣れるまでの過程

部分入れ歯の装着と慣れるまでの過程

部分入れ歯を作ったら、装着方法と使用感へ馴れることが大切です。ここでは、部分入れ歯を初めて装着する際の注意点と、使用感、調整方法について紹介します。

初めての装着

初めての入れ歯装着は、慣れるまでに時間がかかる重要なステップです。部分入れ歯の装着の際には、鏡を見ながら慎重に行い、フックの位置を確認しながらゆっくりと調整してください。無理に引っ張ると、入れ歯が壊れたり、残っている自身の歯にダメージを与える原因にもなります。

もし入れ歯がスムーズに外れない場合は、自己判断せずに歯科医院を訪れることが重要です。入れ歯が壊れてしまうと、健康保険の規定で修理や新規作成ができない場合があり、その結果として経済的、精神的な負担が大きくなる可能性があります。また、正しく装着されていない入れ歯は食事の妨げになるだけでなく、顎の関節に負担をかけることもあります。

不快感や問題が続く場合は、歯科医との定期的な相談をおすすめします。これにより、最終的に快適で機能的な入れ歯に調整することが可能になります。

発音と咀嚼

入れ歯を初めて装着する際、発音と咀嚼には少し時間がかかります。最初に練習すべきは、やわらかい食べ物から始め、徐々に硬い食べ物へと移行することです。これにより、新しい入れ歯に適応する咀嚼方法に慣れることができます。発音についても、鏡の前で音読を繰り返すことで、言葉の発し方を調整し、義歯に慣れることが大切です。

入れ歯を装着した初期は、食べ物を細かくして、小臼歯のあたりで噛むように心がけましょう。また、発音に不自由を感じた場合は、声だけでなく表情も大切にして、通常の会話に慣れていくことが重要です。お口の形に合わせた調整が必要な場合もありますので、不快感が続く場合は担当医師への相談が大切です。

定期的な調整

義歯の使用においては、定期的な調整がたいへん重要です。たとえ現時点で問題が感じられなくても、義歯の状態やフィット感は時間とともに変化するため、定期的な歯科医の受診をおすすめします。小さなヒビや人工歯の摩耗は見過ごされがちですが、これらは将来的な大きなトラブルへと発展することもあります。

また、年齢とともに変化する顎の形状や歯の状態に合わせて、義歯を調整または作り直す必要が生じることがあります。微調整は、通常1ミリ以下の削りで行われ、フィット感を向上させるためには細かな調整が必要です。
違和感がある場合は、早めに歯科医に相談し、必要に応じて調整を行うことで、快適な使用感を維持できます。定期的なメンテナンスと調整は、義歯の長持ちと口腔健康の保持に役立ちます。

部分入れ歯のケアとメンテナンス

部分入れ歯のケアとメンテナンス

部分入れ歯を長持ちさせるためには毎日のケアとメンテナンスが大切です。ここでは、メンテナンス方法について紹介します。

日常的なクリーニング方法

入れ歯の日常的なクリーニングは、健康な口内環境を維持するために重要です。まず、毎食後には可能な限り入れ歯を流水で洗い、入れ歯専用のブラシを使用して汚れを落としましょう。

特に歯と歯の間や金具の部分は、汚れがたまりやすいので念入りに清掃する必要があります。歯磨き粉は普段使用しないでくださいが、こびりついた汚れがある場合は、その部分だけに少量を使用し、丁寧に洗い落とします。

さらに、週に一度は入れ歯を約1分間、70度のお湯に浸して除菌しましょう。この際、80度以上のお湯には浸さないよう注意が必要です。また、3日に1回のペースで入れ歯洗浄剤を使用し、入れ歯の臭いやぬめりを取り除くことも可能とされています。

保管時の注意点

入れ歯の保管方法には注意が必要です。使用後は、汚れを丁寧に洗い流し、清潔な水か洗浄剤を溶かした洗浄液に浸して保管することが推奨されます。これにより、材料の劣化を防ぎ、入れ歯を長持ちさせることができます。

一方で、保険外義歯の場合、吸水性が低く壊れにくい材料を使用していることがあります。具体的な材質や保管方法については、かかりつけの歯科医院で確認することが大切です。不明な点がある場合は、水中での保管を続けることをおすすめします。

正しい保管方法により、入れ歯の寿命を延ばし、日々の使用における快適さを保つことが可能とされています。

定期的な歯科検診の重要性

入れ歯を使用している方々にとって、定期的な歯科検診は欠かせないものです。入れ歯の素材は時間とともに劣化し、口腔内の環境も変化するため、噛み合わせのズレや不快感が生じやすくなります。また、歯茎や顎の骨は年齢とともに自然に痩せていき、その結果、入れ歯が合わなくなり、痛みやトラブルを引き起こすことがあります。

むし歯や歯周病のリスクも、入れ歯使用者には高まります。細菌が入れ歯の隙間に溜まりやすく、これが原因でさまざまな口内疾患を引き起こすことがあります。

これらの問題を未然に防ぐためにも、定期的な歯科検診で入れ歯の状態をチェックし、必要に応じて調整やメンテナンスを行うことが重要です。定期検診は単なるチェックアップ以上の価値があり、健康な日常生活を送るための重要なステップとなります。

残っている歯の手入れをしっかり行う

部分入れ歯を使用している方は、残っている歯のケアがとても重要です。部分入れ歯を装着していることで、入れ歯が接触する自然な歯には汚れが溜まりやすくなります。

日々の歯磨きでは、部分入れ歯を外してから、それぞれの歯を丁寧に磨くことが必須です。入れ歯の金具が触れる歯や、入れ歯の前後の歯の内側は、普段は磨きにくい部分なので、これらのエリアは念入りに磨く必要があります。

また、入れ歯を長時間装着したままにしておくと、歯肉への負担が増し、炎症や感染のリスクが高まるため、夜間は歯肉を休息させることが推奨されます。

これらの手入れを怠ると、残っている歯が虫歯になったり、歯周病が進行したりすることがあり、結果的にさらに歯を失うことにつながります。定期的に歯科医院での検診とクリーニングを受け、適切なケアを心がけることで、自身の歯を長く健康に保てます。

部分入れ歯の交換時期

部分入れ歯の適切な交換時期は、3年から4年ごととされています。部分入れ歯に用いられる歯科用プラスチック(樹脂)は、日常の使用により徐々に摩耗し、劣化していきます。この摩耗が進むと、入れ歯が適切に機能しなくなり、咀嚼効率が低下します。また、歯が擦り減ると顎の関節に過剰な負担がかかり、結果的に痛みを引き起こすことがあります。

歯が擦り減った状態で入れ歯を使い続けると、お口を開けるのが困難になる場合もあります。これを防ぐためにも、定期的な歯科検診を受け、入れ歯の状態を専門家にチェックしてもらうことが重要です。入れ歯の適切なメンテナンスと定期的な更新は、口内健康を維持し、生活の質を高めるために不可欠です。

就寝時の脱着について

就寝時の脱着について

就寝時に外すべきかどうかは患者さんによって異なります。ここでは、就寝時の脱着について、場合ごとに紹介します。

外して就寝したほうがいい場合

就寝時に入れ歯を外すことは、多くの理由から推奨されています。まず、入れ歯はプラスチック素材でできており、夜間は唾液の分泌量が減少するため、細菌が繁殖しやすい環境となります。入れ歯を外しておくことで、口内の衛生状態を向上させ、細菌の増殖を抑えることができます。

また、特に高齢者や入れ歯がゆるい方は、睡眠中に入れ歯を誤って飲み込んでしまう危険があります。このような事故を避けるためにも、就寝前には入れ歯を外すことが推奨されます。

さらに、入れ歯を常時装着していると、歯茎や顎に常に圧力がかかり、これが口内炎やそのほかの口内トラブルの原因となることがあります。夜間は入れ歯を外して顎や歯茎を休ませることで、これらの問題の予防にもつながります。

装着したまま就寝したほうがいい場合

部分入れ歯を装着したまま就寝することが推奨されるケースは、主に歯の移動を防ぐ必要がある場合や、非常時に備える必要がある場合です。部分入れ歯は、特に抜歯後に隙間が生じた場合、装着を続けることで残存歯の移動を防ぎ、歯列の安定を保つのに役立ちます。就寝時にも入れ歯をつけておくことで、夜間に起こりうる歯のずれや傾きを防ぐことが可能です。

また、地震や火事などの非常時にすぐに避難する必要がある場合、入れ歯をつけたまま寝ておくことで、避難時の準備が迅速に行えます。これにより、避難先での食事摂取の支障を抑え、必要な栄養を確保することができるため、非常時のリスク管理としても効果が期待できます。

ただし、このようにして就寝する場合は、口内環境を清潔に保つためにも、就寝前には入念な歯磨きと入れ歯の洗浄を行うことが重要です。これにより、細菌の増殖を抑え、口内炎などのトラブルを防ぎます。

まとめ

まとめ

ここまで部分入れ歯についてお伝えしてきました。部分入れ歯の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 部分入れ歯は、一部の歯を失った際に使用される取り外し可能な装置
  • 部分入れ歯の装着の際には、鏡を見ながら慎重に行い、フックの位置を確認しながらゆっくりと調整する
  • 毎食後には可能な限り入れ歯を流水で洗い、入れ歯専用のブラシを使用して汚れを丁寧に洗い流し、清潔な水か洗浄剤を溶かした洗浄液に浸して保管する

長い間部分入れ歯を使うためには、正しいメンテナンス知識の理解が大切です。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次歯科医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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