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総入れ歯にするデメリットは?総入れ歯の種類やデメリットをなくす方法についても解説!

総入れ歯にするデメリットは?総入れ歯の種類やデメリットをなくす方法についても解説!

総入れ歯は失った歯を補うための選択肢ですが、そのデメリットも無視できません。装着感の違和感や発音の問題、食事の際の不便さなど、総入れ歯にはさまざまな課題があります。 本記事では、総入れ歯のデメリットについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 保険適用される総入れ歯のデメリット
  • 保険適用されない総入れ歯のデメリット
  • 総入れ歯のデメリットをなくす方法

総入れ歯のデメリットについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

総入れ歯とは

総入れ歯とは

総入れ歯とは、上下の顎にあるすべての歯を失った場合に装着する人工の歯です。総入れ歯は、歯茎の形に合わせた土台部分(義歯床)と、噛み合わせを支える上部構造で構成されています。義歯床はプラスチック(レジン)で作られており、歯茎に吸着して固定されます。
この吸着力によって、入れ歯が安定して装着され、食事や会話がスムーズに行えるようになります。
総入れ歯の主な特徴は、失った歯の機能を補うことです。食べ物をしっかりと噛めるため、栄養摂取が向上し、全身の健康維持に寄与します。また、発音が改善され、社会生活でのコミュニケーションがスムーズになります。さらに、見た目が自然になるため、心理的な自信を取り戻す助けにもなります。

総入れ歯の種類

総入れ歯の種類

総入れ歯にはいくつか種類があることをご存知でしょうか。

保険適用の総入れ歯

総入れ歯の種類として、保険適用の総入れ歯はレジン床(プラスチック製)で作られています。このタイプの入れ歯は安価で、保険が適用されるため、経済的な負担が軽減されます。

金属床義歯

金属床義歯とは、総入れ歯の床部分に金属を使用した入れ歯のことを指します。このタイプの入れ歯には、コバルトクロム、チタン、ゴールドなどさまざまな金属が使用されます。金属床義歯の特徴は、耐久性が高く、汚れにくい点です。金属は薄く加工できるため、レジン製の入れ歯よりも薄く仕上がり、装着感が良くなります。

シリコン義歯

シリコン義歯は、総入れ歯のなかでも床部分にシリコンを使用した入れ歯です。このタイプの入れ歯は、やわらかくクッション性があるシリコンが歯茎に密着するため、装着時のフィット感が良く、噛んだときの痛みを軽減します。また、シリコンは吸着力が高く、入れ歯が外れにくくなるなどのメリットもあります。

インプラント義歯

インプラント義歯は、人工的な歯根であるインプラントを顎の骨に埋め込み、そのうえに取り外し可能な義歯を固定する総入れ歯の一種です。インプラントのうえに義歯が固定されていて、安定感があるため、食事や会話がより自然に行え、義歯がずれることや外れることの心配がほとんどなくなります。また、顎の骨に直接刺激を与えるため、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果も期待できます。

総入れ歯のデメリット

総入れ歯のデメリット

総入れ歯に共通するデメリットを解説します。

見た目への影響

総入れ歯は、形状やフィット感が不適切だと見た目に不自然さが現れることがあります。例えば、入れ歯が合っていないと前歯が曲がって見えたり、口元にしわができる原因となります。総入れ歯のサイズが小さすぎたり、噛み合わせが合っていないと、不自然な見た目になりやすいです。
入れ歯が分厚いと、口内で違和感を感じやすく、見た目にも表れてしまうことがあります。笑った時や話す時に入れ歯がずれることで、不自然な表情になることがあります。

自身の歯よりも噛む力が弱まる

総入れ歯は天然の歯と比べて、噛む力(咀嚼能力)が約40%に低下するという報告があります。このため、硬い食べ物を噛む際には不便を感じることが多くなります。例えば、肉やナッツ類、硬い野菜などを噛むのが難しくなることがあります。
噛む力が弱まる理由は、総入れ歯は粘膜で支えられているため、しっかりと固定されないことが挙げられます。上下の総入れ歯の間に隙間が生じると、食事中に入れ歯が動きやすくなり、効果的に噛めません。さらに、総入れ歯の素材や形状によっては、入れ歯自体が噛む力に耐えられず、破損するリスクもあります。

外れやすい

総入れ歯は粘膜への吸着で固定されますが、この吸着力が十分でないと、食事中や会話中に入れ歯が動いたり外れたりする場合があります。入れ歯がお口の形に合っていない場合や、粘膜と入れ歯の間に隙間ができてしまう場合に、この問題が顕著になります。総入れ歯が外れやすい原因には、加齢による歯茎の形状変化もあります。

痛みが出る場合もある

総入れ歯のデメリットの一つとして、痛みが出る可能性があります。総入れ歯は歯茎や口内の粘膜に直接装着されるため、装着時に違和感や痛みを感じることがあります。入れ歯が適切にフィットしていない場合、噛むときに不均一な圧力がかかり、痛みが生じやすくなります。

また、入れ歯の一部が強く当たることで、歯茎に炎症や傷ができることもあります。 痛みの原因として、入れ歯の形状や素材、装着方法などが考えられます。また、入れ歯が動くことによる摩擦も痛みの原因となります。

総入れ歯のメリット

総入れ歯のメリット

総入れ歯に共通するメリットを解説します。

1つの入れ歯で複数本治療できる

総入れ歯の大きなメリットの一つは、一つの入れ歯で複数本の歯を治療できる点です。総入れ歯は、すべての歯が欠損している場合に使用され、お口全体のカバーにより、失った歯の機能を補完します個々の歯を一本ずつ治療する必要がなく、一度に多くの歯の欠損を補えるため、効率的です。総入れ歯は複数本の歯を一度に治療でき、食事や会話の質を向上させるなど、生活全般にわたるメリットを提供します。

自身に合った形状にできる

総入れ歯のメリットの一つに、自身に合った形状や色に仕上げられる点があります。総入れ歯は、個々の患者さんのお口の形状や色に合わせて作成されるため、自然な見た目を実現できます。口腔内の型取りを正確に行い、歯茎の形状や色、さらには患者さんの希望に応じて歯の配置や見た目の調整が可能とされているからです。
総入れ歯の製作には、新しい技術や素材が使用されることが多く、耐久性や装着感も向上します。また、総入れ歯は定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたる使用が可能とされています。

身体への負担が少ない

総入れ歯のメリットの一つは、身体への負担が少ない点です。総入れ歯の治療は外科手術を必要としないため、高齢者や持病を持つ方でも選びやすい選択肢です。インプラント治療のように骨に人工歯根を埋め込む手術がないため、全身への影響やリスクが少なく、手術後の回復期間も必要ありません。
総入れ歯は短期間で装着でき、1~3ヵ月程で治療が完了する場合が多いようです。患者さんは早期に日常生活を取り戻せます。
総入れ歯は、治療過程での身体的なストレスが少ないため、心臓病や糖尿病、高血圧などの持病を持つ方でも治療を受けやすいです。また、総入れ歯は取り外しが可能で、清掃が容易なため、口腔内を清潔に保ちます。

保険適用される総入れ歯のメリット・デメリット

保険適用される総入れ歯のメリット・デメリット

保険適用の総入れ歯にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

まず、費用が安く抑えられる点が挙げられます。保険適用の総入れ歯は、使用される素材がレジンに限定されているため、製作費用が経済的です。3割負担の場合、片顎の総入れ歯で約10,000円〜20,000円で製作が可能とされています。
次に、治療期間が短い点も大きなメリットです。保険適用の総入れ歯は、製作工程が規定されており、少ない通院回数で完成します。治療開始から1ヵ月程度で新しい入れ歯を使用できることもあります。
さらに、保険適用の総入れ歯は身体への負担が少ない点も魅力です。インプラント治療などの外科手術を伴う治療法に比べて、総入れ歯の製作はお口のなかの型取りだけで済むため、糖尿病や高血圧などの持病を持つ方や高齢者にもおすすめです。
また、保険適用の総入れ歯は修理や作り直しが容易であるため、顎の骨や歯茎の変化に対応しやすい点もメリットです。長期間使用していると入れ歯のフィット感が失われることがありますが、保険適用の入れ歯であれば、安価で迅速に新しい入れ歯を作ることが可能とされています。

デメリット

保険適用の総入れ歯には、いくつかの制約があります。まず、保険適用の総入れ歯は天然歯に比べて噛む力が弱く、約4割の力しか発揮できないという報告もあります。そのため硬い食べ物を噛むのが難しくなることがあります。また、素材がプラスチックであるため、耐久性に限界があり、長期間の使用で摩耗や破損が生じやすいです。
さらに、保険適用の総入れ歯は熱伝導率が低いため、食べ物や飲み物の温度を感じにくく、食事の楽しみが減少する可能性があります。プラスチック素材は分厚くなる傾向があり、装着時に違和感を覚えることが多いようです。また、フィット感が不十分な場合、入れ歯が動いたり外れたりしやすく、痛みを伴うことがあります。口内に傷ができたり、炎症を引き起こすリスクもあります。
保険適用の総入れ歯は、カスタマイズの自由度が低いため、個々の口腔内の状態や美観に対する要望に十分に応えることが難しい場合があります。

保険適用されない総入れ歯のメリット・デメリット

保険適用されない総入れ歯のメリット・デメリット

保険適用外の総入れ歯にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

まず、自由診療の総入れ歯は、使用する素材や製作方法に制限がないため、患者さんのニーズに合わせたカスタマイズが可能とされています。例えば、金属床の使用により、強度を高めつつ入れ歯の厚さを薄くでき、装着時の違和感を軽減できます。さらに、金属床は熱伝導性が高いため、食事の際に温度を感じやすくなります。
次に、自由診療の総入れ歯は審美性にも長けています。上部構造には見た目が自然で摩耗しにくい素材を使用できるため、周囲から見ても入れ歯と気付かれにくくなります。
さらに、自由診療の総入れ歯は耐久性が高く、長期間使用できる点もメリットです。高品質な素材の使用で、摩耗や破損のリスクが減少し、入れ歯の寿命が延びます。そのため頻繁な修理や交換の手間が省け、長期的なコストパフォーマンスが向上します。
最後に、自由診療の総入れ歯はフィット感が良く、噛み心地が向上するため、食事や会話がより快適になります。個々の口腔内の状態に合わせた精密な型取りと調整を行うことで、入れ歯がしっかりと固定され、動きにくくなります。

デメリット

まず、大きなデメリットは費用が高額になる点です。保険適用外の総入れ歯は、高品質な素材やカスタマイズされたデザインが特徴ですが、その分費用が高くなります。例えば、金属床義歯やシリコン義歯などは数十万円〜場合によっては数百万円かかることもあります。
次に、治療期間が長くなる可能性がある点もデメリットです。保険適用外の総入れ歯は、患者さん一人ひとりの口腔内へのフィット感を追求するため、製作や調整に時間がかかります。また、治療過程で複数回の通院が必要になるため、忙しい生活を送る方にとっては時間的な負担も増します。
さらに、すべての歯科医院が高品質な自由診療の総入れ歯を提供しているわけではないため、適切な歯科医院を見つけるのが困難な場合があります。希望する入れ歯の種類や素材に対応している歯科医院を探すために、事前の調査や問い合わせが必要となり、その手間もデメリットです。
最後に、高額な総入れ歯を作製した後に調整が必要となった場合、その修理や再作成の費用も高額になる可能性があります。フィット感の調整や長期間の使用による摩耗や損傷に対するメンテナンス費用も考慮する必要があります。

総入れ歯のデメリットをなくす方法

総入れ歯のデメリットをなくす方法

総入れ歯のデメリットをなくすためには、個人に合った総入れ歯の精密な作製が重要です。 具体的には、顔や舌の大きさ、顎の骨の状態、唇の形状などを細かく確認し、仮製作の治療用入れ歯を実際に装着してもらい、前歯の見栄えや咀嚼による入れ歯の安定性、唇のしわが出ないかなどを確認します。最終的な総入れ歯作りに反映させ、フィット感を向上させます。
また、インプラントの使用で、入れ歯の安定性をさらに高めることも可能とされています。インプラントを支えにした入れ歯は、粘膜だけで支える入れ歯に比べて噛む力が強くなり、食事がしやすくなります。

まとめ

まとめ

ここまで総入れ歯のデメリットについてお伝えしてきました。 総入れ歯のデメリットの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 保険適用される総入れ歯のデメリットは天然歯に比べて噛む力が弱いこと、熱伝導率が低いこと、カスタマイズの自由度が低いこと
  • 保険適用されない総入れ歯のデメリットは費用が高額であること、治療期間が長いこと、取り扱いが難しいこと、修理や再作成の費用も高額であること
  • 総入れ歯のデメリットをなくすためには個人に合った総入れ歯の精密な作製が重要

総入れ歯のデメリットを理解し、ご自身に合った解決策を見つけることが大切です。歯科医師と相談し、快適な生活を手に入れましょう。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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