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セラミックで前歯を治療する値段は?メリット・デメリットから費用を抑えるための工夫まで詳しく解説

セラミックで前歯を治療する値段は?メリット・デメリットから費用を抑えるための工夫まで詳しく解説

前歯のセラミック治療に興味はあるけれど、費用が気になる方も少なくないのではないでしょうか。この記事ではセラミック治療に関する疑問を解消できるよう、セラミック治療の種類や流れ、実際の費用、メリット・デメリットを詳しく解説します。

セラミック治療について

セラミック治療について セラミック治療では、たくさんの素材の種類や治療の手順があります。ここでは、主な素材の特徴や治療の流れなどについて説明します。

セラミック素材の種類とその特徴

セラミック治療に使用される素材には、ポーセレン、ジルコニア、e.max(イーマックス)、ハイブリッドセラミックなどがあります。ポーセレンは天然歯に近い透明感が魅力で、薄く作れるため歯を削る量を抑えられますが、強度はやや劣ります。ジルコニアは高い強度と耐久性が特徴で、奥歯の治療にも適していますが、透明感はポーセレン程ではありません。e.maxは強度と審美性のバランスが取れており、前歯の治療に適しています。ハイブリッドセラミックは柔軟性があり、噛み合わせの調整がしやすいのが特徴です。

セラミック治療の流れ

セラミック治療は通常、以下のような流れで進みます。まず、歯科医師による診査・診断があり、セラミック治療の適否を判断します。次に治療計画を立案し、使用する素材や方法を決定します。その後は、歯の形成(削る)、型取り、仮歯の装着を行い、技工士がセラミックを作製している間、仮歯を装着して過ごします。セラミックが完成したら、試適・調整を行い、セラミックを装着します。治療後は定期的なメンテナンスが必要となります。この一連の流れは通常1〜3ヵ月程度かかりますが、患者さんの状態や希望によって変わる場合もあります。

前歯のセラミックにかかる値段

前歯のセラミックにかかる値段 セラミック治療は美しい仕上がりが期待できる一方で、費用面での不安を感じる方も少なくないでしょう。ここでは、前歯のセラミック治療にかかる具体的な費用について説明します。素材の種類や治療する歯の本数によって費用が変わってくるため、それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。

セラミック素材別の値段

セラミック治療の費用は使用する素材によって大きく変わります。

  • ポーセレン:1本あたり5万円から15万円程度
  • ジルコニア:1本あたり8万円から20万円程度
  • e.max:1本あたり10万円から20万円程度
  • ハイブリッドセラミック:1本4万円から12万円程度

これらの価格はあくまで目安で、歯科医院や地域、治療の難易度によって異なります。素材選びの際は、価格だけでなく見た目や耐久性も考慮し、歯科医とよく相談するようにしましょう。

治療する歯の本数別の値段

セラミック治療の総費用は治療する歯の本数によっても変わります。1本の場合は5万円から20万円程度、2本の場合は10万円から40万円程度で、4本の場合は20万円から80万円程度、6本の場合は30万円から120万円程度になります。治療本数が増える程、総額は高くなりますが、1本あたりの費用は若干抑えられます。ただし、歯の状態によっては追加の治療が必要になる場合もあり、その際は費用が上乗せされます。治療計画を立てる際は、歯科医師と相談しながら、自分の口腔内の状態と予算のバランスを考慮するようにしましょう。

セラミック治療の費用を抑えるためにできること

セラミック治療の費用を抑えるには、いくつかの方法があります。まず、治療範囲をできる限り抑えることが有効です。また、安価な素材を選ぶことでコストダウンが可能です。歯科医院によっては、分割払いのオプションがあり、一回に支払う金額を抑えることも可能となります。また、治療前の歯のケアや定期的な歯科検診により、追加治療のリスクを減らすこともできます。複数の歯科医院で相談し、価格を比較検討することもよいですが、価格だけでなく医院の信頼性や技術力も考慮に入れるようにしましょう。このような方法を組み合わせることで、質を落とさずに費用をある程度抑えることができるでしょう。

セラミックのメリット

セラミックのメリット セラミック治療にはいくつかのメリットがありますが、ここでは、主な3つのメリットを紹介します。

見た目が美しい

セラミック治療の魅力は、見た目の美しさにあります。天然の歯にとても近い外観を持ち、色や透明感、光沢感を自然に再現できます。特に前歯の治療では、この審美性を気にされる方も少なくないでしょう。セラミックは光の反射や透過の仕方が天然歯に近く、どの角度から見ても違和感があまり感じられません。また、着色に強いため、長期間美しい白さを保つことができます。そのため、患者さんの歯の色や形に合わせてカスタマイズでき、自然で調和のとれた歯並びを実現できます。

耐久性が高い

セラミックのその他の特徴の一つに、高い耐久性が挙げられます。適切なケアを行えば、10年以上使用できることも珍しくありません。金属やレジンと比べて硬度が高く、長期間きれいな状態を保つことができます。また、温度変化にも強いため、冷たい飲み物や熱い食べ物にも影響を受けにくいです。このため、日常生活で気を使う必要が少なく、快適に過ごせるのもメリットでしょう。ただし、極端に硬いものを噛むなど、過度な力をかけることは避ける必要があります。また、高強度のため、向かい合う自分の歯が削れてしまうこともあります。

金属アレルギーの心配がない

セラミックは親和性が高く、金属アレルギーの心配がありません。金属を含まないため、アレルギー反応を引き起こす可能性が極めて低いです。そのため、金属アレルギーの方や、将来的な金属アレルギーの発症を心配される方にとって、セラミックによる治療は向いていると考えられます。

セラミックのデメリット

セラミックのデメリット セラミック治療にはさまざまなメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。ここでは、セラミック治療の主な3つの欠点について説明します。

天然歯と着色のスピードが違う

セラミックは耐久性が高く、着色しにくい素材ですが、これが逆に天然歯との差を生む原因にもなります。天然歯は時間とともに少しずつ着色していきますが、セラミックは緻密な構造を持ち、表面が滑らかであるため、これらの要因により着色の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、長期間使用すると天然歯とセラミックの色に差が出てくる可能性があります。例えば、前歯の一部だけをセラミックで修復した場合などは、この問題がより顕著になり、隣り合う天然歯とセラミックの歯の色の違いが目立ってしまうことがあります。

歯を削る量が多い

セラミック治療では、天然歯を削って、そのうえにセラミックを被せるという方法を取ります。この際、ほかの治療法と比べて多くの歯を削る必要があります。歯を削る量が多いことで、歯の神経に近づくため、治療後の知覚過敏のリスクが高まります。また、歯の強度が低下するため、将来的に歯が折れるなどのトラブルが起こる可能性も増加するというデメリットがあります。

自費治療で費用が高額になる

セラミック治療の一番大きなデメリットとして挙げられるのは、保険適用外の自費治療による高額な費用でしょう。前歯1本のセラミック治療でも数万円から十数万円かかることがあり、複数の歯を治療する場合はさらに高額になります。ただし、長期的な視点で見ると、耐久性の高いセラミックは再治療の必要性が低く、結果的にコスト面でメリットがある場合もあります。費用対効果を考慮しながら、自分に合った治療法を選ぶようにしましょう。

セラミック以外の選択肢とその特徴

セラミック以外の選択肢とその特徴 セラミック治療は優れた選択肢ですが、ほかにもさまざまな治療法があります。患者さんの状況や希望によって適切な治療法は異なるため、ここでは代表的な選択肢である銀歯、レジン、ジルコニアセラミックについて詳しく説明します。

銀歯

銀歯は保険適用可能なため、患者さんに選ばれやすい治療法です。主な特徴は、高い耐久性とほかの治療法と比べて安価な治療費です。金属製のため強度が高く長持ちしますが、金属の色が目立つため見た目は自然ではありません。 銀歯は特に、治療費を抑えたい方や、奥歯など見えにくい部分の治療を希望する方に適しています。また、咬む力が強く耐久性を重視する方や、頻繁な歯科通院が難しい方にとってもよい選択肢となるでしょう。ただし、金属アレルギーの方や審美性を重視する方にはおすすめしません。また、金属の味が気になる方もいるため、そのような場合は事前に歯科医に相談するようにしましょう。

レジン

レジンは樹脂製の歯科材料で、歯の色に近い色調で作れるため、自然な見た目になります。費用はセラミックより安価ですが、銀歯よりは高額になります。耐久性はセラミックや銀歯よりやや劣りますが、技術の進歩により以前よりは向上しています。 レジンは特に前歯の小さなむし歯や欠けの修復を希望する方や一時的な処置や小規模な修復を必要とする方に適しているといえます。ただし、着色しやすい点や耐久性の面で、長期的には課題が出る可能性もあります。そのため、コーヒーや紅茶、タバコなどを頻繁に摂取する方は、定期的なメンテナンスが必要になるかもしれません。ほかの素材と比べると安価で審美性も高いため、一時的な処置や小規模な修復に適していますが、大きな修復や長期的な使用には向いていないといえるでしょう。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、従来のセラミックを進化させた素材です。高い強度と割れにくさが特徴で、自然な透明感と美しい見た目を兼ね備えています。金属を含まないため、アレルギーのリスクも低くなっています。 この素材は、高い審美性と耐久性の両方を求める方に特に適しています。また、金属アレルギーがある方や金属アレルギーを心配している方にとってもおすすめの方法です。ただし、ジルコニアセラミックは加工が難しく高度な技術が必要となるため、通常のセラミックより高額になる傾向があります。 セラミックも含めそれぞれの素材にメリット・デメリットがあるため、総合的に判断して医師としっかりと相談し適切な選択をするようにしましょう。

セラミックを長持ちさせる方法

セラミックを長持ちさせる方法 セラミック治療は高額な投資となるため、できるだけ長く美しい状態を保ちたいものです。ここでは、セラミックを長持ちさせるための方法について説明していきます。

日々の口腔ケア

セラミックを長持ちさせるには、適切な口腔ケアが欠かせません。丁寧に歯磨きを行うことが大切で、特にセラミックと天然歯の境目を注意深く磨くようにしましょう。フロスやデンタルフロスの使用も効果的です。また、口腔洗浄器を活用すると、水圧で歯間の汚れを効果的に洗い流せます。歯磨き粉は研磨性の強いものを避け、セラミックに優しいものを選びましょう。これらのケアを毎日続けることで、セラミックの美しさを長く保つことができます。

定期的な検診を受ける

セラミック治療後も、定期的な歯科検診は受けるようにしましょう。そうすることで、問題が小さいうちに発見し、早期に対処することができます。また、歯科医院での専門的なクリーニングを行うことにより、自宅では取りきれない汚れを除去できます。検診ではセラミックの状態確認やゆるみや欠けなどの異常がないかチェックを受けることができ、セラミックだけでなく、周囲の歯や歯茎の健康状態も確認してもらえます。定期検診は、少なくとも半年に1回程度の感覚で受診するのが好ましいです。

歯ぎしりや食いしばりの対策をする

歯ぎしりや食いしばりはセラミックに負担をかけ、寿命を縮める可能性があります。その対策として、就寝時にマウスピースを使用することがおすすめです。もし使用する場合は、歯科医と相談して自分に合ったものを作製しましょう。また、日中の食いしばりを避けたり、ストレス管理を行ったり、硬い食べ物をなるべく避けることも大切です。これらの対策を継続的に行うことで、セラミックを長く美しく保つことができます。

まとめ

まとめ セラミック治療は美しさと機能性を兼ね備えた魅力的な治療方法です。天然歯に近い見た目や高い耐久性が特徴ですが、高額な費用や歯を削る量が少なくないので、不向きな方も存在します。治療を検討する際は、自分の状況をよく考え、歯科医としっかり相談するようにしましょう。また、治療後は適切なケアと定期検診を心がけ、セラミックの美しさと機能を長く保てるようにしましょう。記事を通して疑問が解消され、みなさんが少しでも自分に合った選択を行い、適切な治療を受けられることを願っています。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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