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一般歯科の往診とは?メリット・デメリットや利用方法などをご紹介

一般歯科の往診とは?メリット・デメリットや利用方法などをご紹介

一般歯科の往診は、高齢者や身体が不自由な方にとって、口腔ケアを継続できるメリットがありますが、設備や治療内容に制限があるため考慮が必要です。

本記事では一般歯科の往診について以下の点を中心にご紹介します。

  • 一般歯科の往診について
  • 往診のメリット
  • 往診のデメリット

一般歯科の往診について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

一般歯科の往診について

一般歯科の往診について

一般歯科の往診は、具体的にどのようなサービスを提供しているのか以下で解説します。

一般歯科の往診とは

一般歯科の往診とは、歯科医院への通院が難しい方を対象に、歯科医師や歯科衛生士が自宅や施設を訪問して診療を行うサービスです。病気や加齢、障がいなどにより歯科医院に通えない場合でも、定期的な診察や口腔ケアを受けられ、歯の健康を維持しやすくなります。

特に高齢者は、歯周病やむし歯のリスクが高く、適切なケアを怠ると咀嚼機能が低下し、食事の楽しみが損なわれることもあります。
そのため、往診では専用の歯科器材を持ち込み、必要な治療や予防処置を行うことで自宅にいながら口腔環境を整えられます。
また、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防にもつながるため、全身の健康維持にも役立ちます。

一般歯科の往診と外来との違い

一般歯科の往診と外来診療との違いは、移動の負担がないことや、待合室での感染リスクを避けられる点にあります。また、患者さんの生活環境を直接確認できるため、より適切なアドバイスを受けられることもメリットです。

一方で、往診では歯科医院と同じ設備をすべて持ち込めないため、治療内容に制限が生じることがあります。また、訪問診療料や居宅療養管理指導料がかかることがあり、費用面でも外来診療とは異なる点があります。

このように、一般歯科の往診と外来診療にはそれぞれ特徴があり、患者さんの状態や環境に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

一般歯科の往診を受けられる条件

一般歯科の往診の具体的な条件は患者さんの状況に応じて歯科医師が判断します。以下のような条件に該当する方が対象となります。

  1. 通院が困難な方
  2. 疾病や傷病により、自力での通院が難しい方が対象です。特に、要介護者や車椅子利用者、知的・精神障害のある方など、通院に負担がかかる場合に往診が行われます。 ただし、要介護認定の有無だけで判断されるわけではなく、個々の状況に応じて適用されます。

    外来診療を受けている方は対象外ですが、以下のようなケースでは往診が認められることがあります。

  3. 2.外来診療を受けている方でも対象となる場合
    1. ・家族の介助や移送サービスを利用して通院できているが、定期的な通院が難しい場合
      ・緊急の治療や検査の必要があり、一時的に外来診療を受けた場合
  4.  
  5.   3.訪問可能なエリアの制限
      一般歯科の往診は歯科医院から半径16km以内の在宅や施設に限定されます。これを超える場合、保険適用外となるため、事前に確認が必要です。
    往診の適用は、形式的な条件だけでなく、患者さんの実際の状況を考慮して決定されるため、希望される方は、歯科医師や医療機関に相談し、適用可能か確認するとよいでしょう。

一般歯科の往診で受けられる診療内容

一般歯科の往診で受けられる診療内容

一般歯科の往診でどのような治療が受けられるのか気になりますよね。以下で詳しく解説します。

むし歯治療

歯科医院と同じくむし歯部分を削り、詰め物や被せ物を装着する治療が一般歯科の往診でも受けられます。むし歯は進行すると歯を失う原因となるため、早期に治療を受けることが重要です。

治療は、むし歯の進行度に応じて適切な処置が行われ、小さなむし歯であれば詰め物(レジンや金属)で修復し、進行した場合は被せ物を用いることもあります。

必要な器具を持ち込んで診療を行うため、往診でも一定の治療水準が確保されていますが、重度の場合は、より精密な設備が必要になることもあるため、早めの相談が大切です。

歯周病治療

一般歯科の往診でも、スケーリング(歯石除去)や歯周ポケットの清掃などの専門的な処置が行われます。歯周病は進行すると歯茎の腫れや出血、さらには歯の喪失につながるため、早期のケアが重要です。

歯周基本治療では、歯垢や歯石を取り除き、細菌の繁殖を抑えることで歯周病の進行を防ぎます。また、治療と並行して、患者さんの生活環境に合わせた歯磨き指導やプラークコントロールのアドバイスも行い、再発を防ぐサポートをします。

定期的なケアを受けることで、口腔内の健康を維持し、全身の健康にもよい影響を与えることが期待できます。

入れ歯の製作・調整・修理

往診では、入れ歯の製作・調整・修理も行われています。加齢や病気により歯を失った場合、適切な入れ歯を使用することで食事や会話がしやすくなり、生活の質(QOL)の向上につながります。

主に、入れ歯のフィット感や噛み合わせを確認し、必要に応じて調整を行います。
また、新しい入れ歯の製作もできますが、一部の工程は歯科技工所に依頼するため、複数回の訪問が必要になることもあります。さらに、患者さんの状態に応じた入れ歯の手入れ方法や、介護者向けのケア指導も行います。

特に、合わない入れ歯は噛みにくさや口内炎の原因となるため、定期的なチェックと調整が重要です。

嚥下障害のリハビリ

往診では、食べ物や飲み物を飲み込む機能(嚥下機能)が低下した方を対象に、嚥下障害のリハビリも提供されています。嚥下障害は加齢や病気の影響で発生し、誤嚥による肺炎のリスクを高めるため、適切なトレーニングやケアが必要になります。

リハビリでは、お口周りや舌の筋力を強化する運動や発声練習を行い、嚥下機能の改善を目指します。また、食事の姿勢や飲み込みやすい食品の選び方などについても指導し、食事ができる環境を整えるサポートをします。
さらに、介護者や家族への指導を通じて、日常的なケアの質を高められています。

往診の流れ

往診の流れ

ここまで一般歯科の往診について解説してきました。つづいて、往診の流れについて見ていきましょう。

往診の依頼

一般歯科の往診を希望する場合、まずは歯科医院へ電話やホームページから問い合わせを行います。患者さんの状態や希望する診療内容を伝え、訪問可能エリアや日程の調整を行います。

その後、必要な書類や保険適用の確認を経て、訪問日が決定します。施設や病院に入所している場合は、医療スタッフや介護者と連携し、スムーズに診療が受けられるよう調整することも重要です。

往診判定

往診の依頼後、患者さんの健康状態や通院の困難さを確認し、往診の対象となるか判定が行われます。具体的には、疾病や傷病による通院困難の有無、介護度、生活環境などを歯科医師が総合的に判断します。

また、外来診療を受けている方でも、移動が難しい場合や定期的な通院が困難な場合は往診の対象となることがあります。必要に応じて家族や介護者と連携し、適切な診療が受けられるよう調整を進められます。

歯科医師が自宅へ訪問

往診が決定すると、予約日時に歯科医師や歯科衛生士が患者さんの自宅や施設に訪問します。訪問時には、口腔内の状態を確認し、むし歯や歯周病の治療、入れ歯の調整、嚥下リハビリなどを実施します。
患者さんの姿勢や環境に配慮しながら診療を行うため、負担を抑えられます。
治療後は、今後のケアや必要な再診について説明があり、口腔の健康を継続的にサポートしてくれます。

支払い

往診の診療費は、健康保険や介護保険の適用範囲内で計算され、診療内容によって変動します。基本的な治療費は外来診療と同じですが、訪問診療料や居宅療養管理指導料などが加算される場合があります。

支払い方法は、現金や銀行振込、口座引き落としなど、歯科医院によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。また、施設や在宅介護を受けている場合は、医療費の請求手続きが異なることもあるため、必要な書類や手続きについても確認しておきましょう。

往診のメリット

往診のメリット

そもそも往診には、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

自宅での快適な治療

往診は、住み慣れた環境でリラックスしながら治療を受けられます。高齢者や通院が困難な方も安心して診療を受けられ、病院や施設のようにほかの患者さんと空間を共有する必要がないため、周囲を気にすることなく治療に集中できます。

通院の負担を軽減できる

往診は通院が困難な方や介護する家族の負担も軽減できます。 特に高齢者や身体が不自由な方にとって、通院は大きな負担となるため、移動の必要がない往診は助けになります。

また、通院のための介助や交通手段の手配が不要になるため、介護をする家族の負担も軽減されます。

往診のデメリット

往診のデメリット

往診にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。 以下で解説します。

治療内容に制限がある

往診では、持ち運びできる歯科機器を使用して診療を行うため、歯科医院と同じレベルの精密な治療や検査が難しい場合があります。
例えば、外科的処置や根管治療、CT撮影を伴う診断などは対応できないことが多く、必要に応じて外来での治療が求められます。

そのため、往診で受けられる治療と、通院が必要な治療の違いを理解し、適切な診療方法を選択することが大切です。

緊急時の対応が遅れる可能性がある

往診では、歯科医師や医療スタッフが常駐しているわけではないため、急な症状の悪化や緊急時の対応に時間がかかる可能性があります。病院や介護施設であれば、医療スタッフがすぐに対応できますが、訪問診療では医師が自宅に到着するまでの時間を要するため、即座に処置できないケースもあります。

また、往診は事前予約制であり、緊急時の即時対応には限界があるため、万が一に備えて、かかりつけの医療機関や救急対応の手段を事前に確認しておくことが重要です。

家族に負担がかかる可能性がある

往診では、看護師や介護士が常駐しているわけではないため、日常的なサポートは家族の負担となることがあります。特に、患者さんが食事や服薬の管理、口腔ケアなどを必要とする場合、介護する家族の負担が大きくなる可能性があります。

また、病院や施設と異なり、緊急時の対応や治療の準備なども家族が行う場面が増えるため、仕事や日常生活との両立が難しくなることも考えられます。こうした負担を軽減するためには、訪問看護や介護サービスを併用し、かかりつけ医やケアマネジャーと連携しながら無理のないサポート体制を整えることが大切です。

一般歯科の往診にかかる費用

一般歯科の往診にかかる費用

最後に、一般歯科の往診にかかる費用について見ていきましょう。

治療費

往診での治療費は、歯科医院での外来診療と同じく健康保険が適用され、自己負担割合に応じて決まります。

例えば、むし歯治療は600円〜7,500円程度、歯石除去は500円〜1,000円程度が目安となります。また、入れ歯の調整は100円〜360円、入れ歯の修理は500円〜6,000円、総入れ歯の製作では3,100円〜9,300円ほどかかることがあります。

治療内容や使用する材料によって費用は異なるため、詳細は歯科医院に確認することをおすすめします。

歯科訪問診療費・居宅療養管理指導費

訪問歯科診療では、初診料・再診料に加えて訪問診療料などが発生し、健康保険が適用されます。1割負担の場合、初診時は約870円、再診時は約120円です。2割負担では初診時1,730円、再診時240円、3割負担では初診時2,600円、再診時360円程度が目安です。

また、居宅療養管理指導費は、訪問診療を受ける方やその家族・介護者に対して、歯科医師や歯科衛生士が行う療養上の管理や指導にかかる費用で、介護保険が適用されます。
1割負担の場合、歯科医師による個別指導は1回あたり約503円(施設では約452円)、歯科衛生士による個別指導は1回あたり約352円(施設では約302円)です。

歯科医師の個別指導は自宅訪問の場合は月2回まで、歯科衛生士の個別指導は月4回までです。
ただし、高齢者施設などでは指導対象の人数に応じて上限が異なる場合があります。詳しくは歯科医院に確認するとよいでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで一般歯科の往診についてお伝えしてきました。一般歯科の往診の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 一般歯科の往診とは、歯科医院への通院が難しい方を対象に、歯科医師や歯科衛生士が自宅や施設を訪問して診療を行うサービスのことである
  • 往診のメリットとして、自宅でリラックスしながら治療を受けられる、通院の負担を軽減できる、介護者の負担も軽減されることが挙げれれる
  • 往診のデメリットとして、治療内容に制限があること、緊急時の対応が遅れる可能性があること、家族の負担が増えることが挙げられるため、事前に確認し、訪問看護や介護サービスを活用することが重要である

一般歯科の往診の費用は保険適用されるものの、訪問診療料や居宅療養管理指導費が加算される場合があるため、往診を希望される方は、事前に歯科医院へ相談し、利用可能なサービスを確認することが大切です。

これらの情報が少しでも一般歯科の往診について知りたい方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝歯科医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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