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一般歯科で親知らずの抜歯はできる?一般歯科と口腔外科の違いを解説!

一般歯科で親知らずの抜歯はできる?一般歯科と口腔外科の違いを解説!

親知らずの抜歯は一般歯科でも可能なのでしょうか?それとも口腔外科での治療が必要になるのでしょうか?本記事では一般歯科での親知らずの抜歯について以下の点を中心にご紹介します。

  • 親知らずの抜歯は一般歯科でできるか
  • 一般歯科と口腔外科の違い
  • 口腔外科での親知らずの抜歯

一般歯科での親知らずの抜歯について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

親知らずの抜歯は一般歯科でできるか

親知らずの抜歯は一般歯科でできるか

親知らずの抜歯は、一般歯科で対応可能な場合もありますが、歯の位置や状態によっては口腔外科での治療が必要になることがあります。親知らずは顎の奥にあり、まっすぐ生えていないことが多く、抜歯がほかの歯に比べて難しいケースが多いようです。

一般歯科では、真っ直ぐ生えている親知らずや、歯茎に埋まっていない場合などの簡単なケースの抜歯が行われます。これらの抜歯はほかの歯と同様に短時間で行われ、痛みや腫れも軽い傾向にあります。

一方、親知らずが横向きに生えている場合や、歯が歯茎や骨に埋まっている場合は、口腔外科での抜歯が推奨されます。

口腔外科は、難しい抜歯や顎の手術に特化した診療科であり、親知らずが骨に埋まっている場合には、歯茎の切開や骨を削る処置が必要になることもあります。複雑な手術には専門的なスキルが求められ、術後のリスク管理も徹底されています。

親知らずの抜歯に迷った場合、まずは一般歯科で診察を受け、状態に応じて口腔外科の紹介を受けるとよいでしょう。

一般歯科と口腔外科の違い

一般歯科と口腔外科の違い

一般歯科と口腔外科は、どちらも歯や口腔内の治療を行いますが、対応する治療内容には違いがあります。まず、一般歯科は主にむし歯や歯周病治療、詰め物や被せ物の処置など、日常的な歯科治療を担当します。むし歯の治療やクリーニング、定期検診など、口腔内の健康を維持するための基本的なケアを行うのが一般歯科の役割です。

一方、口腔外科は、歯や口腔に加えて、顎や顔面、首などの外科的な治療も扱います。例えば、親知らずの複雑な抜歯や、顎関節症、外傷による骨折や腫瘍の治療など、より専門的な処置が必要な場合に対応します。親知らずが骨の中に埋まっている場合や、神経に近い場合は、一般歯科では対応が難しく、口腔外科での抜歯が推奨されます。

親知らずの抜歯も、簡単なケースは一般歯科で対応できますが、難しい抜歯が必要な場合や神経に近い場合は、口腔外科での手術が行われます。一般歯科と口腔外科はそれぞれ異なる役割を持ち、患者さんの状態に応じた適切な治療を提供しています。

一般歯科での親知らずの抜歯

一般歯科での親知らずの抜歯

親知らずの抜歯を検討する際、一般歯科での治療がどのように対応できるのか気になる方も多いでしょう。親知らずの抜歯に関する適応、メリットやデメリットを詳しく解説します。

適応

親知らずの抜歯は、一般歯科で対応できるケースもありますが、親知らずの位置や生え方によっては、専門的な処置が必要となる場合があります。

一般歯科で抜歯が可能なケースは、親知らずがまっすぐに生えていたり、抜歯が容易な場合です。複雑な位置にある親知らずや、深く埋まっている親知らずは、専門的な口腔外科での処置が必要になることがあります。

例えば、歯茎の上にしっかり出ている親知らずや、周囲の歯や神経に影響を及ぼさない親知らずは、一般歯科で問題なく抜歯できることが多いようです。横向きに生えていても一部が露出している場合も、一般歯科での抜歯が可能なケースがあります。

ただし、親知らずが深く埋まっている場合や神経やほかの歯に近い場合は、専門的な技術が必要となるため、口腔外科での抜歯が推奨されます。

また、患者さんの全身の健康状態も抜歯の適応に影響します。高血圧や糖尿病などの疾患がある場合、抜歯時のリスクが増えるため、口腔外科での処置が推奨されることもあります。

親知らずの抜歯が一般歯科で可能かどうかは、親知らずの状態や患者さんの健康状態に依存します。治療を受ける前にかかりつけの歯科医に相談し、適切な対応を確認するのが大切です。

メリット

一般歯科での親知らずの抜歯には、いくつかのメリットがあります。まず、身近な歯科医院で抜歯ができる点です。通い慣れた医院で治療を受けることで、心理的な負担が軽減され、通院の手間も少なくなります。抜歯後の経過観察が必要な場合も、すでに通っている医院でフォローが受けられるため、治療がスムーズに進むことが期待できます。

また、費用面でも一般歯科での抜歯は保険が適用されるため、治療費を抑えられるのが利点です。口腔外科での手術が必要な場合、特殊な設備や専門的な技術が求められるため、費用が高くなるケースもあります。

一般歯科での親知らずの抜歯は、簡単なケースでは通院しやすく費用面でもメリットがありますが、難しいケースでは口腔外科を紹介されることもあるため、まずは歯科医師に相談し、適切な治療を選ぶことが大切です。

デメリット

一般歯科での抜歯のデメリットとして、設備や技術が限られている点が挙げられます。例えば、親知らずが顎骨に深く埋まっていたり、神経に近い位置にある場合、抜歯が困難になることがあります。口腔外科ではこうした複雑なケースに対応するための専門知識や技術、専用設備が整っており、リスクを抑えて手術を進められます。

また、一般歯科での抜歯は、痛みや腫れが強く出る可能性がある点にも注意が必要です。抜歯後のケアが不十分な場合、感染や出血が長引くリスクが高まります。口腔外科では、術後のケアが専門的に行われ、これらのリスクを軽減できます。

さらに、一般歯科での抜歯は、複雑な場合に時間がかかり、患者さんの負担が大きくなることがあります。口腔外科では短時間で効率的な治療が行われることが多く、精神的負担も軽減されます。

口腔外科での親知らずの抜歯

口腔外科での親知らずの抜歯

親知らずの抜歯は、どのような場合に口腔外科で行うべきなのでしょうか?適用の条件や、抜歯のメリット、デメリットを詳しく解説します。

適応

口腔外科での親知らずの抜歯は、一般歯科では対応が難しいケースに適応されます。親知らずの位置や状態によっては、抜歯が難しく、周囲の神経や骨に影響を与える可能性があるため、専門的な技術を持つ口腔外科での処置が推奨されます。

親知らずが骨の中に埋まっている場合や斜めに生えている場合は、口腔外科での抜歯が必要です。このような状況では、抜歯が複雑な手術となり、周囲の神経や隣接する歯に損傷を与えないよう慎重な対応が求められます。下顎の親知らずは下顎神経に近いため、神経を傷つけるリスクがあり、口腔外科での対応が望ましいです。

また、親知らずが歯茎の下に深く埋まっている場合や、嚢胞や感染が見られる場合も、口腔外科での抜歯が勧められます。その結果、周囲の組織への感染や炎症を防ぎ、健康な歯や骨を保護できます。

さらに、親知らずが斜めに生えて隣の歯に圧力をかけている場合、口腔外科での抜歯は歯並びの乱れを防ぐ効果もあるとされています。口腔外科での抜歯は、手術後のケアも徹底しており、腫れや痛みの管理、合併症リスクの軽減に努めているため、効果的な治療が期待できます。

メリット

口腔外科で親知らずを抜歯するには、いくつかの大きなメリットがあります。まず、口腔外科は外科的処置に特化しているため、親知らずが骨に埋まっている場合や、歯茎の奥深くにある難しいケースでも、専門知識と技術を持った医師が対応できます。

さらに、口腔外科での抜歯は、術後の合併症リスクを軽減できる点も重要です。口腔外科では専門的な機器と技術が用いられ、周囲の組織や神経へのダメージをできるだけ抑える治療ができます。抜歯後の腫れや痛みが軽減され、術後のケアも充実しています。

一般歯科では対応が難しいケースでも、口腔外科なら適切なアフターケアを提供できる体制が整っているため、落ち着いて治療を受けられます。

また、口腔外科では全身麻酔や静脈内鎮静法を選択できる点もメリットです。その結果、患者さんはリラックスした状態で手術を受けられ、痛みや不安が軽減されます。不安が強い方や、抜歯に抵抗を感じる方には、麻酔法が有効とされています。

デメリット

口腔外科での親知らずの抜歯にはメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。

まず、全身麻酔や局所麻酔を使用するため、身体に負担がかかることがあります。全身麻酔を使う場合、術後にめまいや吐き気、倦怠感を感じることがあり、体調管理が重要です。麻酔中は痛みを感じませんが、術後に麻酔が切れると強い痛みや腫れが生じることが多いようです。

また、抜歯後の腫れや痛みが数日続く場合があり、その間、食事や会話に支障が出ることがあります。親知らずが埋まっている場合や神経や血管に近い位置にある場合、抜歯が複雑になり、腫れや痛みがより強くなることもあります。さらに、術後に出血が長引く可能性もあり、適切なケアが求められます。

ドライソケットが発生するリスクもあります。ドライソケットは、抜歯後の傷が正常に治癒せず、強い痛みが続く状態です。ドライソケットが起きると治療が長引くため、早期対応が必要です。さらに、親知らずが神経に近い場合、神経が傷つくリスクもあり、顎や唇にしびれを感じることがありますが、まれに長期間続くこともあります。

親知らずを抜歯する理由

親知らずを抜歯する理由

親知らずは抜歯しなければならないのでしょうか?実は、さまざまなリスクが関係しています。むし歯や歯周病、感染症、智歯周囲炎など、抜歯が推奨される理由を詳しく解説します。

むし歯や歯周病になるリスク

親知らずの抜歯は、むし歯や歯周病のリスクを減らすために行われます。親知らずは、お口の奥に位置し、清掃が難しいため、汚れや食べ物の残りが溜まりやすく、むし歯や歯周病を引き起こすリスクが高くなります。半分だけ生えている親知らずや、埋没している親知らずは、周囲に細菌が繁殖しやすく、感染の原因となることがあります。

むし歯や歯周病が進行すると、痛みや腫れだけでなく、隣接する健康な歯にまで悪影響を及ぼす可能性があります。親知らずが隣の歯に食い込むこともあり、隣接する歯がむし歯になりやすい状況を作り出してしまいます。問題が生じる前に、抜歯を行うことが予防的な措置として推奨されます。

また、親知らずが正しく生えていない場合、噛み合わせや歯列の乱れを引き起こす可能性もあります。歯並びが乱れることで、ほかの歯にも悪影響がおよび、歯全体の機能が低下する場合があります。

親知らずの抜歯は、すべてのケースで必要ではありませんが、むし歯や歯周病のリスクが高い場合や、ほかの歯に悪影響を与える可能性がある場合には、早めの抜歯が推奨されます。

歯性感染症の原因

親知らずの抜歯が必要になる理由の一つに、歯性感染症があります。歯性感染症とは、歯や周辺組織が細菌感染を起こすことによって発生する疾患のことを指し、親知らずがその原因となることが多いようです。親知らずが十分に生えていない場合や、歯茎に埋まっている状態では、周囲に食べ物の残りや歯垢がたまりやすく、細菌の繁殖が進みやすくなります。

親知らずの位置や角度が悪い場合、歯磨きが十分に行き届かないため、周囲の歯や歯茎が感染しやすくなります。これが進行すると、歯周病やむし歯が発生し、炎症が拡大して痛みや腫れを引き起こします。さらに、感染が歯の根や顎の骨にまで広がると、歯性感染症が悪化し、場合によっては全身に影響を及ぼすこともあります。

親知らずを抜歯すれば、感染症のリスクを未然に防げます。抜歯後、感染源が除去されることで、痛みや腫れが軽減され、周囲の歯や歯茎の健康も維持されます。親知らずがほかの歯に悪影響を与えている場合や、将来的に問題が発生するリスクが高い場合、早めの抜歯が推奨されます。

智歯周囲炎の原因

親知らずを抜歯する理由の一つとして、智歯周囲炎があります。智歯周囲炎とは、親知らずの周囲の歯茎や組織が炎症を起こす病気です。親知らずが正常に生えず、歯茎に部分的に埋まっている場合や、斜めに生えている場合に発生しやすくなります。智歯周囲炎は、食べ物や細菌が親知らずの周囲に溜まりやすく、炎症を引き起こしやすいのが原因です。

智歯周囲炎が進行すると、歯茎の腫れや痛み、お口を開けにくくなる症状が現れることがあります。さらに、悪化すると細菌が広がり、顎や顔全体に痛みが波及する場合もあります。免疫力が低下している場合やストレスが溜まっている時に、症状が急激に悪化するケースも見られます。

親知らずの抜歯は、炎症や感染を防ぐために行われます。親知らずがすっかり埋まっている、もしくは部分的に生えている状態では、歯磨きなどの口腔ケアが行き届かず、むし歯や感染リスクが高まります。また、親知らずがほかの歯に圧迫を加えている場合、隣接する歯にも悪影響を及ぼすことがあります。

まとめ

まとめ

ここまで一般歯科での親知らずの抜歯についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • 親知らずの抜歯は、歯の状態や位置によって一般歯科でも対応できる場合がある
  • 一般歯科は基本的な歯の治療を行うのに対し、口腔外科は外科的な処置や複雑な歯の抜歯、顎や口内の手術を専門にする
  • 口腔外科では、埋まっている親知らずや、神経に近い位置にある親知らずの抜歯を適切に行い、処置を進められる

親知らずの抜歯は、一般歯科で対応可能な場合もありますが、歯の位置や状態によっては口腔外科での治療が必要になることがあります。そのため、親知らずの抜歯に迷った場合、まずは一般歯科で診察を受け、状態に応じて口腔外科の紹介を受けるとよいでしょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

山下 正勝医師(医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

国立大学法人 鹿児島大学歯学部卒業 / 神戸大学歯科口腔外科 勤務 / 某一般歯科 7年勤務 / 国立大学法人 山口大学医学部医学科卒業 / 名古屋徳洲会総合病院  呼吸器外科勤務 / 専門は呼吸器外科、栄養サポートチーム担当NST医師

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