注目のトピック

歯医者

銀歯の下もむし歯になる?原因や治療方法、予防法を詳しく解説!

銀歯の下もむし歯になる?原因や治療方法、予防法を詳しく解説!

過去にむし歯の治療をしてつめた銀歯の下にむし歯ができてしまった方は多いのではないでしょうか。実はさまざまな要因によって歯と銀歯の間に隙間ができることで、銀歯の下はむし歯になりやすい状態になっています。今回は、銀歯にむし歯ができた場合の対処法や、今後むし歯にならないための予防法をご紹介します。

銀歯の下がむし歯になる原因と症状

なぜ治療した歯がむし歯になるのですか?
銀歯の下にむし歯ができる要因として、銀歯と歯の間にできた隙間に汚れや細菌がたまってむし歯になりやすい状況になっていることが挙げられます。
銀歯は、削った歯の形に合わせて作成され、強度な接着剤によって接着されているため、治療直後は歯にしっかりと密着しています。しかし、長い年月の経過によって銀歯と歯の間に隙間ができてしまうことがあります。できた隙間には、食べかすがたまり、むし歯になりやすい状態になっています。隙間ができる要因として以下が挙げられます。
  • 歯に加わる圧力
    歯に加わる圧力(噛むことによる圧力、食物による粘着力)によって、銀歯自体が変形したり、すり減ったりして隙間ができます。圧力を受け続けた結果、銀歯と接している部分の歯が削れて隙間ができることもあります。
  • 接着剤の溶出
    接着剤として使用しているセメントが経年劣化により溶けだして、隙間ができます。

また、前回の治療時にむし歯が完全に取り切れておらず、残っていたむし歯が進行する場合もあります。

銀歯の下がむし歯になっているときの症状を教えてください
銀歯の下がむし歯になると、歯との隙間が大きくなり、銀歯自体が取れてしまうことがあります。また、むし歯が進行すると、冷たいものがしみたり、痛みが発生したりする場合もあります。
銀歯の下でむし歯はどのように進みますか?
長年の経過とともに銀歯と歯の間に隙間ができます。その隙間に食べかすや細菌がたまります。細菌は、食べかすを食べて酸を放出します。酸によって歯が溶かされ、むし歯になります。

銀歯の下がむし歯になったときの治療法

銀歯の下のむし歯はどのように治療しますか?
銀歯の下がむし歯になっているか、レントゲンを撮って確認します。むし歯があった場合、大きさや深さも確認します。銀歯をいったん取り外して、汚れを取り除きます。その後、通常のむし歯治療と同様に治療をします。治療後、再度治療部位修復を行います。現代では、銀歯の代わりに、コンポレットレジンを詰めるケースが多くなっています。
銀歯の下のむし歯は治療が難しいですか?
銀歯の下のむし歯は発見が遅れ、気付いたときには進行している場合があります。進行してむし歯が歯の神経まで及んでいた場合は、根管治療(歯の神経の治療)が必要となります。
根管治療では、まず、感染した組織を除去した後、洗浄・消毒します。その後、根管充填剤を使用して根管内を密封し、土台を作り、被せ物を装着して治療を完了します。よって、治療を終えるまでに数回の通院が必要となり、その分費用もかかることになります。
銀歯の下がむし歯になったときに抜歯することはありますか?
むし歯が歯根まで進行していたり、歯根の周りに感染が広がっていたりして、根管治療でも回復できない場合、抜歯することもあります。

銀歯の下をむし歯にしないための予防法

むし歯になりにくい詰め物の素材はありますか?
銀歯のほかには、以下の詰め物があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
  • コンポジットレジン(保険適用)
    コンポジットレジンは、金属不使用のため、金属アレルギーになるリスクがなく、白い素材を詰めるため、審美性からも使用される頻度が高くなっています。削った場所に直接詰めるため、銀歯に比べて密着性が高い利点がありますが、臨床試験で耐久性に差はほとんどないとの結果が出ています。
  • CAD/CAM冠(キャドカム冠)(噛み合わせの条件を満たせば保険適用)
    専用の機械で患者さんの歯型のデータをスキャンし、患者さんの治療後の状態に合わせた修復物を作成する治療方法です。2024年6月より、すべての歯の治療が保険適用となっています。ただし、上下の歯がうまくかみ合うかなど、嚙み合わせに関する条件を満たす必要があります。使用されている材料はプラスチックとセラミックを混ぜた合わせたもので、既存の歯に近い材料が使用されており、銀歯よりも歯との接着性が高くなっています。また、短時間で詰め物を作成できるため、通院期間を短縮できるメリットもあり、今後ますます普及していくことが期待されています。
  • セラミック(保険非適用)
    セラミックは強度が高く、劣化が銀歯よりも遅いため歯との隙間ができづらい傾向があります。また、金属不使用のため、金属アレルギーになるリスクがありません。色も歯に近く、審美性に優れています。ただ、保険非適用のため、使用した場合、銀歯よりも費用が高くなります。
  • 金(保険非適用)
    金は、銀歯に比べて歯への密着性が高く、耐久性も高いという利点があります。ただ、保険非適用かつ金相場に価格が影響することや、審美性に欠けることから、使用される頻度は高くありません。
銀歯の下をむし歯にしないための予防法を教えてください
丁寧な歯磨きを続けることが予防法になります。フッ素配合の歯磨き粉を使うことで、さらにむし歯の進行を抑える力が高まります。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯と歯の間を清潔に保つことも必要です。歯間ブラシやデンタルフロスを銀歯の横の歯間に通したときにひっかかる感触があった場合は、隙間が空いている可能性があるため、注意が必要です。歯ブラシで磨いた際に銀歯の周囲がざらついた場合も要注意です。その場合は、むし歯になっていないか、歯科医院で診てもらうとよいでしょう。
また、セルフケアだけでは完全に汚れを取り除くことはできないため、定期的に(3ヶ月~ 6ヶ月に1回程度)歯科医院でクリーニングをしてもらうとよいでしょう。
銀歯の治療後は定期的に検診を受けるべきですか?
定期的に歯科医院でむし歯がないか検診を受けることが必要です。クリーニングと併せて検診を受けると効果的です。特に銀歯を入れてから長期間経過している場合は、むし歯が発生するリスクが高まるため、歯科医院で診てもらうとよいでしょう。

編集部まとめ

銀歯は長年の経過に伴い、歯との間に隙間ができるため、銀歯の下はむし歯になりやすい傾向があります。そのことを意識し、より基本的なむし歯予防に力を入れることが必要です。
また、もしもむし歯になってしまった場合には、早急に治療しましょう。そのうえで、治療部位を修復する際は、より希望にあった詰め物を検討するとよいでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松浦 京之介歯科医師(歯科医)

松浦 京之介歯科医師(歯科医)

出身大学:福岡歯科大学 / 経歴:2019年 福岡歯科大学卒業、2020年 広島大学病院研修修了、2020年 静岡県、神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務、2023年 医療法人高輪会にて勤務、2024年 合同会社House Call Agencyを起業 / 資格:歯科医師免許 / 所属学会:日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP