「入れ歯の使用を考えているけど、金属のバネが目立つのはイヤだな」と悩んでいませんか。
義歯を装着中の自然な見た目をあきらめる必要はありません。バルプラスト義歯は、金属を使わない新しい義歯です。装着していても周囲に気付かれにくく、快適に使用できます。
この記事では、バルプラスト義歯の特徴やメリット、ほかの義歯との違いについて詳しく解説します。義歯選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
バルプラスト義歯
バルプラスト義歯は、金属のバネを使用しない義歯で、自然な見た目と快適な装着感が特徴です。目立ちにくいデザインで金属アレルギーの心配がないため、あらゆる患者さんに適しています。バルプラストについて次のような項目に分けて解説します。
- バルプラスト義歯の特徴
- バルプラスト義歯の構造
- バルプラスト義歯の素材
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
バルプラスト義歯の特徴
バルプラスト義歯は、金属のバネを使用しないため金属のバネが見えず、入れ歯が目立ちにくいのが特徴です。笑ったり話したりしても、自然な見た目を保てます。
バルプラスト義歯は軽量で柔軟性があります。入れ歯の厚さを薄くでき、装着時のフィット感が高いため、長時間の使用でも快適です。金属アレルギーを持つ方も、安心して使用できる点も評価されています。
バルプラスト義歯は、見た目と快適さを重視する方に選ばれている義歯です。さらに、使用感の軽さや耐久性の高さで、快適に日常生活を過ごせます。審美性だけでなく、使用中のストレスが少ないこともバルプラスト義歯の大きな魅力です。
バルプラスト義歯の構造
バルプラスト義歯は金属バネを使わず、ナイロン12スーパーポリアミドという柔軟で弾力のある素材で作られています。口腔内の形状にしっかりとフィットするため、入れ歯の装着感が安定するのが特徴です。
従来の金属を使用した義歯に比べて、異物感が少なく、日常生活でもストレスなく使用できます。また、入れ歯が目立ちにくいデザインにできるため、笑顔や会話の際に歯が見えても自然な印象を与えます。
バルプラスト義歯は、使用者の快適さと審美性を両立させた画期的な設計です。ナイロン系の素材でしっかり密着するため入れ歯が外れにくく、安心して使用できます。金属を使わないためサビや変色もなく、日々のメンテナンスが簡単で、長く愛用できるでしょう。
バルプラスト義歯の素材
バルプラスト義歯に使われているナイロン12スーパーポリアミドは、とても軽くて柔軟性と耐久性に優れていて、長期間の使用にも耐えられます。金属を使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。
また、吸水性が低く水に強いので、細菌や汚れを吸収しにくいため衛生的です。日常のお手入れが簡単で、義歯が長持ちするため、長期間快適に使用できるのも特徴です。
耐久性もある素材のため、コストパフォーマンスにも優れています。バルプラスト義歯は、快適さ・安全性・経済性を兼ね備えた理想的な義歯です。
バネ式の入れ歯との違い
バネ式の入れ歯とバルプラスト義歯には、材質・見た目・安定性・費用の面で大きな違いがあります。自分に合った入れ歯を選ぶために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。バルプラスト義歯とバネ式義歯の違いを、次のように分けて解説します。
- 材質の違い
- 見た目の違い
- 安定性の違い
- 費用の違い
各項目ごとに詳しく見ていきましょう。
材質の違い
バネ式の入れ歯は、主に金属とプラスチックで作られています。金属のバネは入れ歯を固定させるためですが、金属アレルギーのリスクがあるのもデメリットです。プラスチック部分は硬い素材のため、長時間の使用で歯茎に圧力がかかることがあります。
バルプラスト義歯は、金属ではなくナイロン系の素材で作られているため、金属アレルギーの心配がありません。また、やわらかい素材のため歯茎にフィットしやすく、厚さを薄くできるため装着感が快適です。
金属の腐食や変色を気にする必要がないため、長期的にかつ衛生的に使い続けられるのも大きなメリットです。
見た目の違い
バネ式の入れ歯は、金属バネが露出しているため、装着時にどうしても外から目立ちやすくなります。特に、前歯部分にバネがかかる場合、笑ったり話したりする際に金属部分が見えてしまうのが欠点です。
そのため、審美性を重視する方にとっては、バネ式の入れ歯の見た目は気になる点が多いでしょう。
バルプラスト義歯は金属バネを使用していないため、バネが見えず自然に見えます。義歯の素材が歯茎に近い色合いで作られるため、お口を開けても入れ歯が目立ちにくく、入れ歯をしていることが気付かれにくいです。
見た目にこだわる方や審美性を重視したい方には、バルプラスト義歯がおすすめです。素材の耐久性が高いため、見た目の美しさも長く保てます。
安定性の違い
バネ式の入れ歯は、金属バネによって歯にしっかりと固定されますが、金属バネが直接当たって残った歯や歯茎を痛めることがあるのが欠点です。長時間にわたって装着すると、圧迫感や痛みを感じる場合もあります。柔軟性がなく、入れ歯の硬い材質が気になる点もデメリットの一つです。
バルプラスト義歯は柔軟性のある素材のため、口腔内の形にしっかりフィットします。歯茎に優しく、長時間の装着でも違和感が少なくて、快適な使用感が続くのもメリットです。
ただし、やわらかいために噛む力が歯茎に伝わりにくく、強く噛む際の安定感ではバネ式に劣る場合があります。それでも、日常生活では十分な安定性があります。
費用の違い
バネ式の入れ歯は、一般的に保険が適用されて費用が抑えられることが多いです。シンプルな設計の入れ歯であれば、保険診療内で受けられるため経済的負担が少なく、手軽に義歯を入手できます。
バルプラスト義歯は、審美性や快適性を重視した高機能義歯であるため、多くの場合は保険が適用されず自費診療です。そのため、費用はバネ式義歯に比べて高額になる傾向があります。
しかし、バルプラスト義歯は耐久性が高く長持ちしやすい素材を使っているため、長期的にはコストパフォーマンスがよくなる場合もあります。審美性と予算のバランスを考慮しながら、保険適用の入れ歯にするかバルプラスト義歯にするか決定しましょう。
バルプラスト義歯のメリット
バルプラスト義歯は、従来のバネ式義歯と比べた場合のメリットがいくつかあります。特に、審美性や快適性に重点を置きたい方には魅力的でしょう。それぞれのメリットは、次のとおりです。
- 目立ちにくい
- 違和感が少ない
- 金属アレルギーの心配がない
バルプラスト義歯によって、日常生活がどのように快適になるか、具体的に解説していきます。
目立ちにくい
バルプラスト義歯の大きなメリットの一つといえるのが、金属を使用していないため装着していることが目立ちにくい点です。従来の義歯では、金属のバネが見えてしまうことが多くありました。そのため、見た目に自信を持てず、歯を見せられない患者さんもいます。
バルプラスト義歯は、義歯の素材自体が歯茎に近い色合いで、装着しても自然な見た目です。笑ったり話したりしても義歯が目立つことがないため、周囲に気付かれる心配が少なくなります。
審美性が高いことは、見た目にこだわる方や人前に出る機会の多い方にとって、大きな魅力となるでしょう。
違和感が少ない
バルプラスト義歯は、やわらかい素材を使用しているため、装着時の違和感が少ないのが特徴です。従来の金属製の義歯は硬く、口腔内に異物感を感じやすいですが、バルプラスト義歯はお口にフィットしやすいため装着感は快適です。
違和感が少ないため、長時間装着しても入れ歯を気にせずに日常生活を送れます。また、フィット感が高いため、食事や会話をしても入れ歯が動くことがありません。バルプラスト義歯なら、毎日をストレスなく使用できます。
金属アレルギーの心配がない
バルプラスト義歯は、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。従来の義歯では、金属バネが原因でアレルギー反応を起こす方もいました。バルプラスト義歯はナイロン系の素材を使用しているため、アレルギー体質の方も安心して使用できます。
バルプラスト義歯は、弾力があり破折せず、口腔内での長期的な使用にも適しています。健康面でも、安心して使い続けられる義歯です。
バルプラスト義歯のデメリット
バルプラスト義歯は、審美性や快適性に優れた義歯として多くのメリットを持っていますが、デメリットも存在します。デメリットを事前に理解して、適切な選択を行えるよう参考にしましょう。
デメリットとしてあげられるのは、次のとおりです。
- 専用の洗浄剤が必要
- 着色汚れが残りやすい
- 保険が適用されない
順番に詳しく見ていきましょう。
専用の洗浄剤が必要
バルプラスト義歯の洗浄は、専用の洗浄剤が必要です。バルプラスト義歯はナイロン系の特殊な素材でできているため、強力な洗浄剤や研磨剤を使用すると素材が劣化する可能性があるためです。
一般的な義歯用洗浄剤は金属やプラスチックに適した成分を含んでいるため、バルプラストの素材には洗浄力が不十分なことや、素材にダメージを与える恐れがあります。そのため、バルプラスト義歯を使用する場合は、専用の洗浄剤の使用が推奨されています。
正しいケアで長期間快適に使用できるため、定期的に正しい洗浄を行うようにしましょう。義歯の寿命を延ばし、清潔に保てます。
着色汚れが残りやすい
バルプラスト義歯の素材は、食べ物や飲み物の色素が着色しやすい傾向があります。特にコーヒー・紅茶・赤ワインなど色の濃い飲み物を頻繁に摂取する場合、義歯に着色汚れが残りやすいです。
食べ物の着色汚れは、専用の洗浄剤を使用しても完全に落とすことが難しい場合があるため、毎食後取り外して清潔にするなどの日常的なケアが必要です。義歯の見た目を長く保つため、定期的なメンテナンスと適切なクリーニングをできるだけ欠かさず行いましょう。
保険が適用されない
バルプラスト義歯は審美性や快適性に優れた義歯ですが、保険の適用がないことがほとんどです。そのため、治療費は自費診療となり、費用が高額になる傾向があります。
保険適用される従来の義歯と比較すると初期費用が大きくなるため、事前に予算の確認が必要です。ただし、耐久性に優れ適切なメンテナンスで見た目の良さが持続するため、長期的に使用できるメリットもあります。
バルプラスト義歯は価格面での負担が大きいことはデメリットの一つですが、その分の価値もあります。費用と価値のバランスを考慮して選びましょう。
バルプラスト義歯の治療期間
バルプラスト義歯の治療期間は、患者さんの口腔内の状態や治療計画により異なりますが、一般的には3〜4週間程度です。治療の流れは、まず口腔内の診察と型取りが行われ、その後技工所で義歯が製作されます。製作期間中に患者さんの口腔内に合わせた精密な作業が進められ、完成後に試着と調整が数回行われます。
調整には時間がかかる場合もありますが、義歯がしっかりとフィットし、快適に使用できるようにするために必要なプロセスです。装着までにかかる期間は、個々の状況により前後します。
装着後も、歯科医院にて定期的なチェックや微調整を行います。万が一破損した場合や使用中に不具合が生じた際も、すぐに対応できて快適な装着感を維持できるため、しっかり行いましょう。
バルプラスト義歯を長期間安心して使用するために、丁寧な治療過程と自宅や歯科医院でのメンテナンスをしっかり行いましょう。
バルプラスト義歯の費用相場
バルプラスト義歯の費用は、一般的に保険が適用されないため、ほかの義歯に比べて高額になることが多いです。料金は歯科医院や地域、歯の本数によっても異なります。平均的には数万〜十数万円程度が相場とされています。
保険適用外であることから費用は全額自己負担ですが、バルプラスト義歯は審美性が高く、金属アレルギーの心配がありません。見た目や使い心地を重視する方にとっては、価値に見合うものと感じるでしょう。また、長期間使用できる耐久性や、目立ちにくいデザインも選ばれる理由の一つです。
バルプラスト義歯の費用には、最初の診察料から型取り、調整にかかる費用まで含まれることがあります。バルプラスト義歯を検討する際は、事前に歯科医院で詳細な見積もりを確認し、治療内容と費用を把握しておきましょう。
まとめ
バルプラスト義歯は、金属のバネをを使用しないナイロン系の素材で作られた義歯です。金属部分がなく半透明のため、審美性に優れているだけでなく、目立ちにくく装着感は快適です。
柔軟なナイロン素材が歯茎に優しくフィットし、金属アレルギーの心配もないため、多くの方に適しています。デメリットは専用の洗浄剤が必要なことや着色汚れがつきやすかったり、保険適用外であったりすることですが、快適な使用感を長期的に得られるのは大きなメリットです。
しかし、修理や調節が効きづらいデメリットも有しますので、メリットとデメリットをよく把握したうえで選択しましょう。
義歯の性能を十分に発揮し、快適に使い続けるためには、定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。通院としっかりとしたケアで、バルプラスト義歯を長期間快適に使いましょう。
参考文献